みーはー気分でネタばれかきこ。
だって、誰かに言いたくってしかたないんだもの。。

As Good as it gets (恋愛小説家)、この映画の余韻がなかなか冷めません。

いまだに胸をきゅうっとしめつけられたような、うまく言葉にできない
感動がうずまいています。

少し年を食っている男女、男ははげかかっているし、おなかもでている。
強迫神経症をわずらっていて、カギをしめるのも5回も繰り返さないと
安心できないし、決まった時間に決まったレストランの決まった席に
すわらないと食事もできない。一度使った石鹸は捨てるほどの潔癖症で
手袋なしでは人に触れることもできない。
思っていることを素直に口にだすのは彼にとって難しく、
口からでるのは皮肉やいやみや毒舌ばかり。
薬を飲めば少しは改善されるのに飲もうとしないのは、人に嫌われる自分の言動を
それほど反省もしてないからだ。
一人で生きることにそこそこ満足していて、対人関係を結ぶことを嫌っているからだ。

そんな彼が、たまたま隣人の飼っている犬を預かるはめになる。
自分の部屋には誰もいれたことがないというのに
犬とはいえ、誰かと暮らすことの暖かさに慣れ、しまいに愛しくてたまらなくなる。
隣人が戻ってきて、犬を返さなくてはならないとなったとき、彼は
自分が泣きそうになっていることに気づく。。
自分の心のすきまに気づいてしまった彼。

これは出だし、、でも、もう、このあたりですっかりニコルソンのとりこになっている。

そして、彼を恐がらずにストレートにしゃべりかけるウエートレスのキャロル,
傍若無人なニコルソンも彼女には頭があがらない。
キャロルの息子はアレルギー体質で重い喘息をわずらっていて、
夜間に救急病院にかけこむこともしょっちゅうだ。
彼女は、息子を守ることに自分の人生を捧げていることを
意識的に考えないようにしている。

ある日キャロルは彼女の息子の発作のため店を休んだ。
彼女がいないとレストランで食事をとることもできないニコルソン。
大慌てで彼女の家を探し、彼女の息子の世話をするが、
彼女は彼の好意にあせってしまう。
「一体何がのぞみなの?私はあなたとは絶対に寝るつもりはない」と
結論を先走って言ってしまう彼女。彼女も想像以上に動揺したのだ。
その強い拒絶の言葉に、彼は一日一回キャロルに会うことがどれほど彼にとって
心地よいことだったか、はじめて気づく。
彼女に好かれたいと思う自分にはじめて気づく。

あとは、この二人の心の揺れ動くさまを、まわりの人間像とからめて
舌をまくうまさで追って行く。

途中に挿入される彼のとある告白は、これでぐっとこない女がいたら
お目にかかりたいと思うほどの名セリフだ。

自分の心がこんなに乱されるのは、彼のことを好きだからなんだろうか?
こんなに頭にきたり、むかついたり、他の人には言わないようなひどいことを
言ってしまったりして、そのあと、そんな自分に腹をたてて、
彼の一生懸命のアプローチがうっとうしく感じて、冷たい態度をとってしまい、
また、そのあと、そんな自分に腹をたてて、、

若くはない彼女も自分の心のすきまに気づいている。でも、あと1歩
彼がその相手だとは思えない。

最後、ニコルソンが彼女に思いを告げる声がとても素敵だ。
低い落ち着いた声で、彼は彼女がどんなに自分にとってすばらしい女性かと
淡々と話す。その真摯なこと。
1歩踏み出せないと思っていた彼女の心も、彼への愛を素直に認める。
欠点も不安も多いけれど、でも、こんな目で自分を見つめて、こんな気持ちで
自分を思ってくれる人はほかにはいない。
これで十分なんだ。

ふたりのキスがまたとってもいい。
キスをし終わって、ふうっと満足の息をはいて、好きだという気持ちで
あふれかえりそうになって、言葉もでない。こんなにも好きだったんだ、
これほど幸せな気持ちになるなんてって、そんな顔で見つめ合う。
もっとうまくできるよ、と彼は言って、彼女がまあ、って言い終わらないうちに
もっと強く彼女をだきしめてキスをする。思いを全部こめたような抱擁で
キスをする。強迫神経症の彼は、他人の肩がふれるのでさえいやなのに、
彼女の背中に手をまわし、髪をなで、自分の体に包み込むように強く
抱きしめる。

道路の敷石のつなぎ目が踏めない彼。タイルばりの床だと歩くこともできない彼。
そんな彼はコンクリートの道を歩き、彼女はすぐ横のレンガ道を歩く。
それでも気持ちは寄り添っている。そして、ラスト、早朝のパン屋の店先で
はいろうとした二人をさえぎるように従業員がごみを出す。よけようとした彼は
片足がレンガの道にのる。つなぎ目の上を踏んでいる片足。
彼女はパン屋にはいり、彼も何事もなかったかのように店にはいる。
ふたりで朝食用のパンを選ぶ光景を店の外からカメラをうつして、、

ジ、エンド