１９９９年夏の怪
どうしよう。
なんだか、この頃やけについていて、恐い。
この一ヶ月に、イナの特大ポスターを手に入れ、チーム写真の当たりも出て（苦笑）、
ハーフタイム抽選に当たり、万博に行くたびにイナの笑顔で手をふる時間が長くなり
予期しなかったスペシャルプレゼントで去年とおととしのガンバイヤーブックを貰い、
国立競技場のスクリーンに私の６番Ｔシャツが写り、
日韓戦では９０分フル出場のイナを見ることができて、、、
私は３年ぐらい前から株式や転換社債をやっている。
住専問題や金融不安の頃にみーはー故に気になりだして、
はまると猛進してしまう性質だから、日経新聞をとりだし
日経証券記事の読み方、為替、金融記事の読み方から始まって、
いろいろな本を買い、ネットで株式関係の掲示板を読み、
四季報やチャートブックを買って、貯金の一部を
有価証券資産としてみることにした。
製薬、機械、精密機器、銀行、娯楽、ちまちまと売ったり買ったりの日々。
しばらくして、自分にはこの手の才覚と資質がまったくないと気づいた。
日々の値上がり、値下がりに一喜一憂してしまいどうしようもない。
高くなったときはあわてて売ってしまい、下がった時にはまた戻るのでは
ないかとぐずぐずと売れず、薄利多損になりがちだ。
時期も悪すぎた。日経平均がどん底に落ちた時期だった。
ゼネコンがつぎつぎと倒産するかのような報道と金融不安。
大損しなかったことがラッキーだった。
いかに長期投資が難しいか、身にしみた。
私のような素人は、短期に売買を繰り返しちょこちょこ動かすのは
やめたほうが良い。
将来性があると見込んだものをひとつ、ふたつ持ち、
孫の代まで渡せるようにと大事にするのが一番よいと思った。
それまで持っていたものを適当なところでみな売って
私なりに考えて、３つを所有した。
一つは高校、大学と片思いだった人が就職した会社（大学卒業者名簿で
知ったのだ）の株式で、かなり手堅い会社なので悪くない。
とはいえ、心中するつもりもないのでミニ株にした。これぞみーはーの鑑（笑）。
二つ目は、株主優待で老後まで楽しめるもの。これは大正解で
私の趣味に合った株主優待サービスを今も楽しんでいる。
そして３つ目は将来性があり、それなりの値上がりも期待できるものを
考え、とある店頭株を一株買ったのだ。
長銀や日債銀の騒動が過ぎると、なんとなく世の中は落ち着いてきた。
日経平均もしだいに上向いてきたが、その会社の株価は一向に変化しなかった。
通信関連、インターネット関連、サービスや新しい流通販売形態、
いろいろな店頭公開株が順調にあがっていくなか、てんで定位置に居座り
動かなかった。読みははずれたなぁと苦笑した。
ネットワークと流通機構をうまく組み合わせればもっと大きくなれる
可能性があり、将来性もあるのに、この会社の幹部は一体なにを
やってるんだと文句の一つも言いたくなったが、下がらないだけましと考え、
そのうち、放ったらかしにしていた。
一応、毎朝、朝刊で終値だけは見ていたが、相変わらずという印象だった。
それが先々週から動意づき、先週はストップ高。公開来最高値を更新する
勢いだ。なにか好材料がでたらしいが、予想を越える急ピッチなのである。
こういう時に人の器は計れるのだろう。今売ったほうがいい？いやいや、もう少し
待てばもっと上がる？あさましい欲がでる。
ところが幸運な（？）事に、以前の私だったら悩みに悩んだだろうが、
今の私はそれよりも日韓戦のほうが気がかりで、証券会社に連絡するのを忘れた。
日韓戦がおわり、気持ちが落ち着いて、ようやく、もう下がっちゃったかなと
新聞の株式欄をみると、なんと、先週よりも更に上がっている。
肝玉の小さい私はこれ以上の利益を望むのは恐くなり、売ってしまう事に決めた。
指し値を告げると、しばらくして連絡がはいった。
指し値よりも更に高く売れてしまった。また今日もいっぱつストップ高だったのだ。。。
信じられない。なんと買い値の約３倍なのである。
情けない事に欲しいものがなにもなくて、ただ口座の数字が大きくなったのを
眺めているだけなのだ。これをまた株式に投資するかどうか、これが
今の悩みとなった。
それにしても御払いでもしたほうがいいんじゃないだろうか。