欲望という名の電車

堤真一さんが見たくて、ずいぶん前になんとか先行予約で取れたチケットでした。 WC期間中だとはわかっていましたが、その頃はまだWCの実感がなかったんです。 だから、日本の試合が無い日ならば大丈夫か、と軽く思っていました。 まさか、毎日がこんなにグロッキーで、しかもフランスの試合結果にやきもきしているとは 夢にも思いませんでした。 6日はフランス対ウルグアイの試合日でした。 ガーン。 でも、せっかく取ったこのチケットを無駄にするのは勿体無いし。。 帰宅後に録画を見ることにして、夜の部の公演に行ってきました。 「欲望と言う名の電車」名前だけは有名で知っているものの、原作を読んだ事がないし、 ストーリーも全然知らないんです。 舞台はキッチンとベッドルームの2部屋しかないアパートの一階。 右手の上部でトランペットの生演奏。。 ニューオリンズの香りだ、(って知らないけど ^^;;) すると、左手の通路を堤さんが歩いていく。 うー、私は右端の方の席なので、これが羨ましかったのなんのって。 この左の通路はこのあともアパートに続く道という設定で出演者が行き来するんですよねぇ。 もしまたいつかこの芝居を見るなら絶対左側の席ですね!(笑 大竹しのぶさん演じるブランチ登場。 南部の農園主の娘、楽園からの追放、すべてを失い空想の中でしか生きていけない女、 安住の地を求め、生きることを(生きぬく事を)渇望している。 一種のイブなんですね。 寺島しのぶさん演じるステラ( ブランチの妹 )。 いやぁ、はじめて寺島さんを拝見しましたが、すがすがしい清らかさ。 とても素敵な声の持ち主で姉ブランチと夫スタンリーの間で苦しむのも 嫌味ではない。姿もほっそりしていて動作も美しい。 堤真一さん演じるスタンリー( ステラの夫 )。 粗野で荒々しくてエネルギーにあふれていて、直線的。 この粗暴さがまたはまっていて、実にいい。 彼もまた素敵な声の持ち主で、朗々と響く。 早い言いまわしがなかったので、とても聞き取りやすい。 六平直政さん演じるミッチ( スタンリーの友人 )。 善人の弱さがとてもはまっていて、おどおど感がたまらない。 しかし、舞台は大竹さんの独演さながら。 とにかくすさまじいセリフの量。 これだけのセリフが頭の中にはいるというだけでも信じられないわ。 早口で怒涛のセリフ、でもカツゼツが良く聞き取りは完璧。 微妙に変化する声。 自己中でプライドが高く、傷つきやすくもろく、辛らつで、ユーモアがあり、 いやはや、観ているうちに口をあけてしまうような、圧倒されましたねぇ。 うまく生きることが出来ない人間への鎮魂歌なのかな。 羽をもがれた蝶の痛々しさよ。 舞台はスタンディングオベーションで幕を閉じました。 大竹さんは、はにかむように、何度も何度もお辞儀をして マンガで典型的などじ娘のような、そんなしぐさで舞台から去っていきました。 ふぅ。。 大竹しのぶってやっぱ天才? 帰る途中で家に電話。フランスーウルグアイはどうなった? 0対0、でもアンリがレッドカードだったよ えー!! 帰りの阪急電車の中で、がくっときていたのはいうまでもありません。 私が生中継を見なかったからいけなかったのか。。(んなわけないっ)
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