今もすっかり舞い上がっています。
気をひきしめないと、すぐに口元がゆるみ、にやけてしまいます。
・・・

イナの様子が心配で、元気に練習をやっているかどうかを一目みたいと思った私。
ひっそりと遠くから姿を見る事ができたら、それでいいと思った私。
今のイナに気楽にカメラをむけるなんて絶対にできないと思った私。。

すみません！！そのどれもが、すべて飛んでいってしまいました。
ほんとに、そのどれもが全部口先だけになってしまいました。
一体いくつだ！＞私 と何度も思ったのですが、全然だめでしたー。

せっかくですから初めからちゃんと記録しておきます。
長いです！！

６月３０日の前日は大雨で、私はこのままでは練習は無理だろうと思い、
職場に年休の届けを出しませんでした。
雨は夜もたいそう強く降り続きました。
それでも、心はぐずぐずと揺れていました。

その朝、私は５時に目が覚めてしまいました。（小学校の遠足状態！）
すぐに外をみると、雨が止んでいるのです。悩み悩んでいた最後の糸が
これでぷつんと切れました。
『これは、行け！ということか・・』都合の良い時だけ神様を信じる私。

いつもどおり家族を送り出し、すぐさま私は万博に向かいました。
９時台の阪急は乗客も少ない。茨木市駅から万博へ向かうバスに乗ると、
そこにも全然若い女性が乗っていません。私はてっきりもっと多くの人が
見学にいくもんだと思っていたので、とても心配になってきました。
こんなところに行こうとしている自分はとっても愚か者じゃないかしら。
公園南口でおりた人間はなんと私一人でした｡
ますます心細くなりました。
雨が少しぱらついてきました。行くだけ行って、練習がやってなくても
ガンバハウスでセカンドステージの券を買ってイナの生写真をもらおう！
こう自分をなぐさめてガンバ練習場までの道を歩いていきました。

グランドに人影が見えます。見物人は２人！若い男性が入り口付近に、
若い女性が金網の方に。
ええっ。これしかいないの。。
選手はストレッチをやっていましたが、顔は全然見えません。イナがいるのかどうかも
わかりません。
でも、見物の人数がこれほど少ないと、気持ちも楽になりました。ギャルがいっぱいだったら
とても一人で立ってはいられなかったでしょう。

しばらくするとイナがんばれ先生が来られ、それからネットで知り合った皆さんがいらして、
見物人は６人。雨は練習中はあがって、私たちは歓談しながら練習を見る事が出来ました。

午前中はストレッチとランニングだけでしたが、ランニングはグラウンドをななめにダッシュし
そこからちょうど私たちのいる方に向かって、軽くながす、これの繰り返しでした。
なんと、みんなが私たちのほうに向かってゆっくりと走ってくるんです。(#^o^#)
何度も何度も。。（あたりまえだけど）

イナはグループの最後尾を走っています。
いたって普通の練習風景に溶け込んでいました。
なんだかいろいろなことをいっぱい考えていたけれど、こうしてガンバで練習しているイナを
目の前で見たら、普通のＪのチームのイナがそこにいて、いつもの練習をしてるんだ・・・と
とても気持ちが楽になりました。

イナの顔はとても日焼けしたブラウン、髪はやや伸びてむっちゃ似合ってる。
それにとてもひきしまっていました。やせたといった方が正確ですか。顔のまわりも、上半身も
肉がおちていて、胸板が薄くなったという気までしました。足まで細くなっていた気がします。
髪型と合わせ、とても精悍で男っぽい感じなのですが、もうちょっと分厚くて、堂々としていた方が
よかったかもと思いました。これは、まさか傷心のせいじゃないだろうなあ、と
話しましたが、ここまで細くなるのは意識的に体重を落としたんじゃない？
早野さんに体重を落とすよう言われてるんじゃない？ということに私たちの中では落ち着きました。

私はカメラを持って行かなかったし、サインしてもらうものも勿論持参しませんでした。
『でも、こんなに少ない時ってめったにないんだから、写真をとったりサインしてもらおうよ』
うーん、どうしよう。。。。
イナに遠慮するっていったって、こうして金網ごしにじぃーっと見てるわけだし、
ファンなの見え見えだよなあ。。。
ギャルがいっぱいだったら、絶対恥ずかしくて写真なんてとれないし。。。

ああー、なんてみーはーなんだ！母性愛のかたまりのような気分で出かけてきたのに、
なんて軟弱な、私の決心。。

私はいそいでガンバハウスに行き、８月１４日の対ベルマーレのチケットを買い、
イナの生写真をいただきました。今まではしなかったのですが、今日は私以外誰もいないので
とてもずうずうしくなって、封筒の上から透けてみえる中身を確かめながら、好みの写真をゲット！
そしていそいでグランドに引き返し、、、、

グランドから出てくる選手をやり過ごし、イナを待ちます。もう心臓は爆爆いっています。
最初イナがんばれ先生が話し掛けました。これが良かったようで、イナはそれほど不機嫌でもなく
私たちの相手をしてくれます。
「もう一人暮らしをはじめてるの？」「いいえ、まだです。。」
いい年してもじもじしてる私を振り返り、イナがんばれ先生は、「あっ、サインしてください」と
言ってくださいました。
私は先ほどの生写真を差し出し、てんで舞い上がっちゃって、
緊張したあまりイナのことを見る事ができません。
言いたい事が口からでてきません。
『あ、あ、あ、あの、ベルマーレ戦見に行きます・・』

なんじゃそりゃ？！

ほんと、なんでこんなことしか言えないの・・とほほ・・

そのあと、Mさんがイナと並んで私がシャッターを押しました。
イナの目って独特だと私はいつも思います。じっと人の顔を見るようすが、なんていうか、
中まで見透かすような感じでいて遠くを見るような目なんです。
Mさんの写真をとると、次になんと、私？
うわー！
恥知らずにもイナの横にならんでしまったのです。
きっと、私は間が抜けた顔をしてるに違いありません。
自分の横にイナがいるってことしか考えられませんでした。

結局励ますだの、応援するだの、立派な気持ちは行動と一致せず、
サインをもらったり、写真をとったり、というまるっきりミーハー丸出しの
私でした。。

まだ続きが在ります。

午前の練習が終わり、イナがんばれ先生は帰っていかれました。
私は当初の予定では、これで京都に帰るはずだったのですが、
なんと午後も練習があるというので、迷いはじめました。
そして結局Mさんたちとご一緒させていただき、つね様御用達の
スパゲッティハウスでお昼をとり、差し入れを買ってから
練習場に戻る事にしたのです。
この頃になると空模様が怪しくなり、大粒の雨が降り始めました。

高価なものではない、ちょっとしたもの、ということで、コーラを買ったのですが、
以前ばんちゃん（幡戸選手）にボディシャンプーを渡したというのを
聞いて、そんな家庭用品みたいなものを渡すのぉ？確かに置いておいて
悪くならないし、使い道あるし、なかなかいいなあって感心してしまい、
私もボディシャンプーを買ってしまいました。すごく普通のスーパーにある奴。
これにマジックで『怪我に気をつけてくださいね』と書いておきました。
たぶん、一回使えば、水でマジックは消えてしまうと思いますが、
気持ちだけ。。。

店を出たころは、もう、豪雨となって、これでは練習は無理だろうなあと思いながら
ガンバハウスに戻りました。そこで、ブルスパシオのおじさん（森さん）とお話して
１９９８年、１９９７年のガンバイヤーブックを見せていただきました。
これには、ものすごく若々しい宮本さんやイナが載っていて、
『ほ、ほしいです。。。』『もう、売っていないので』。。しゅん。。
これも、見れただけでもラッキーですね。

七夕の笹に短冊がかかっていました。選手の夢などが書かれています。
イナのは・・・「オリンピック」
いつ書いたのでしょうか。ちょっとせつないです。いいえ、大丈夫、これから！ですよね。

外の雨はひどいの一言。おじさんと話しながら、オリンピック代表Tシャツ６番INAMOTOを指し
『これにサインがあったら、絶対買うんですけどねえ』
『それは、買ってから、今日、してもらったらいいじゃないですか』
『えー！午前もサインを頼んだのに、また頼むなんて恥ずかしくてできませんよ』
『なに、あのあとでこのＴシャツを見て買ったのですが、サインお願いできますかって言えばいいんですよ』

すみません、おじさん。おじさんにセリフまで教えていただいて。。

私は一体今日何のために練習を見に来たのでしょう？！
ますます目的とずれた方向へ行ってます。。

もう練習などできないだろうと思っていたのに、なんと、急に雨は上がり、３時過ぎから再び
練習が始まったのです。そして、シャンプーにコーラにＴシャツを抱えて、再びグラウンドに
行きました。すると、今度は、男性が一人。私たちで４人。後から高校生くらいの女性が５人？
それでもせいぜい１０人ですね。すると、クラブの方がグランド入り口右にある扉をあけてくださって、
網ごしながらもグランド中央のすぐ脇の位置にベンチを用意してくださいました。
ちょうど早野監督が練習の説明のために選手を集めた時でした。私のベンチに向かって、みんなが
やってくるのです。これには、ほんとうに感激を越えて、とっても恥ずかしくなりました。
イナが真正面！
その時の気持ちは『２０歳若かったらなあ・・・』でしたねえ。。

なんと天気は晴れ渡って、途中暑いくらいになりました。
コンビネーションの練習とミニミニゲームで５時半まで、そして、、
帰りはじめる選手達！
私は、イナが帰ってしまっては、元も子も無いとあわてて、グランド入り口に向かいました。
実はあとから来ていた若い女の子たちもイナが目当ての様子だったので、
私が慌てなくても、ちゃんと誰かが声をかけたに決まってるのですが、
恥ずかしい事に、グランドからでてきたイナに一番に声をかけてしまった私です。。。

声をかける前から向こうも分かっていましたね。朝から来ていた面子は３人だけだし、
年かさの女性なんて私以外にいないんですもの。
午前のときもイナにしか声をかけていないのだし、そんなおばさんがまた入り口で立ってたら、
なにかお願いするつもりだと見え見えに分かりますよね。

代表Ｔシャツをだして、今度は自分でサインをお願いしますと言いました。
『あの、これ、今いやかもしれないですけど、、このＴシャツを着て、応援したいので
どうかがんばってください』
『あ？あぁ』
あれっっ？？通じてるのかなあ？？ちょっと疑問です。
『あ、あの、裏もお願いします』
すげー図々しい私！！前側と背中側にサインをかいてもらうなんて。この時はじめて
イナの顔をちゃんと見ました。
汗が滝のように流れて、黒光りしていて、すっごくかっこいい。。むちゃくちゃ男っぽい。。。
やばいぃ。ますますはまりそう。。。

『あっ、あと、これ差し入れです』
『あ？あぁ』

結局私はイナの声は ”あ” しか聞きませんでしたー！

こうして私は何をやってんだか、、というミーハーぶりをイナに見せて
万博練習見学を終えたのでした。

そして、なんと驚く事に、Mさんの車にのせていただき、最寄りの駅まで
送っていただく途中から、ものすごい雨がまたまた降り始めたのです。
たらいから水をこぼしたような雨。もしこの雨がちょっと早くに降り始めてたら
悠長にサインなどもらえなかったでしょう。

今日一日、大事な時は一度も！雨に遭わずに、なんだか、うそのように、幸運です。

何ひとつイナのためになることはできなかった私ですが、もしかして「こんなおばさんに
心配してもらうようじゃいかんなあ」とでも思ってもらえたらいいですよね。

これで平常の生活に戻れるかどうかがとても不安です。

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