トルシエ監督のここが好き!


PKを立候補させるムッシュウトルシエは私のつぼを衝いている。

きっとはずしても文句は言わないのだろう。
あの時お前がはずさなかったら・・・という顔は絶対しないのだろう。
選手の自覚と成長、チームの団結を、辛抱強く待つやり方が
私はとても好きだ。

チームの代表として責任を担う覚悟のある者は誰だ?と問いかけ
これに対して自分がやってやろうじゃないか、と応える者がいる。
こういうプレッシャアに弱いタイプもいるし、こういう場面で「俺が」と
言えないタイプもいるだろう。
だからPKがあるたびに、代表メンバーの性格がわかってくる。

いつも「俺が」と言えるタイプもいる。どう見てもPKが得意そうに
見えないのに、イナは必ず立候補する。このメンタルの強さには
感服する。といってもイナは無謀じゃない。
ナイジェリアのワールドユースで、ポルトガルとPK戦になったとき、
メンバーにイナはいた。故障あがりで本大会の試合にはほとんど出ていなかった
イナだったが、この試合の延長あたり(後半からかも?)から出ていたはずだ。
でも、PKは、小野、本山、中田こ、高原、酒井が蹴った。
もちろん、これも立候補だった。みんなへろへろになった試合だった。
だから途中から入ったイナは疲労という点では他のメンバーより
疲れていなかったかもしれない。でもイナはこの時立候補はしなかった。

これまでのところ、ユースのPKでは核になっていた選手の責任感が分かったし、
彼らのメンタルの強さも感じることができた。
確かトルシエはインタビュウに答えて「初めは誰も手を挙げなかった。それでも
私は選手が自分から挙げるのを待った」と言っていた。
そしてフル代表でも香港選抜との試合でPK戦となり、彼はいつもどおり
挙手を待った。
服部が一番に挙げた。ここで自分が挙げないとやぱいと思ったそうだ。
初キャップの者もいる新生フル代表で自分の果たす責任とは・・、中堅、ベテランの
選手は試されたのだ。そして途中出場の明神もまた、ここでアピールしたいと、
挙手をした。PKが嫌いらしい名波も5番目のキッカーを選んだ。

フランス戦では、中田(英)が一番に手を挙げた。2番目は三浦(淳)だった。

服部や中田のメンタルの強さと、明神や三浦淳のように途中交代した選手の
アピールしたい意欲が伝わってきた。もちろん、イナの強気も(香港選抜では2番、
今回は3番という勝ち気さ!)。
たいていのDFはPKをいやがることが分かるし、
FWも意外とPKを志願しないことがわかった。

松田はPKを大変いやがっていたはずなのに、なぜフランス戦で5人目に
立候補したのか。
これはきっとキャプテンになっていたからだと私は思っている。
そう、キャプテンもトルシエは代表では固定せずに毎回指名している。
松田にキャプテンシーがあるか?というと、
実はキャプテンをやるタイプではないように思えるが、
トルシエはかなりの確信犯だと私は思っている。
楢崎をキャプテンにしたときも、伊東をキャプテンにしたときも、
そう思った。キャプテンというものを自分の中でどう消化すればいいのか
とまどってしまう、そんな選手にキャプテンを任せ、彼らの成長を
見ようとしていた気がする。
そして、松田は前回の香港選抜の際はPKを尻込みしていたのだが、
今回キャプテンマークをつけた彼は5人目に立候補したのだった。
内心とても嫌だっただろう。普段なら絶対にやらないかもしれない。
でも、彼は立候補した。

勝負にチャレンジするメンタルは着実に育ってきている。


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後日の付け加え

ヒデメールを読んで松田選手が5人目だと思いこんでしまったが、
サッカーマガジンの写真をみると、名波の横に伊東、森島、と続き、
その横に松田ではないですか。
ということは7人目だったのかな。
順番どおりに並んでいるとは言えないが、5番と7番ではちょっと位置づけが
違ってしまう。松田くん、えらい!!って思ったのになぁ。
いや、でも7番でもいいか。あと、3人は後ろにいるってことだもの。
ディフェンダーではトップだということで、やはり良しとしよう(^o^


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