「プロデューサーズ」日本公演を見ました〜っ     7月17日
2001年のトニー賞、史上最多12部門を制したミュージカル、ををっぉ、そういうのって
一度見てみたいじゃない?
わたし、ほんま、そういうのに弱いのよ。本でも映画でも、そんなに良いというのなら
一度は見てみたいって思っちゃうのよ。

かなりかなり早い時期に先行予約で席を買い、マジで忘れてしまうところだった、それほど
前からチケットを取ったんです。
このミュージカルを見る前に、メル・ブルックスのオリジナル映画「プロデューサーズ」の
DVDを購入、ミュージカルオリジナルキャストのレコーディング風景のDVDを購入、
準備に抜かりなし。

さて、前日WWRYを見て一泊し、今日の昼のプロデューサーズを見て京都に帰る予定なので、
公演前に伊勢丹に寄って、ざざっと見てこようと思いました。

ザ・ディファレント・カンパニー、友人が教えてくれた香水メイカー、わたしは
全く知らなかったけれど、メイカーのHPを見たらとてもクールで凄く惹かれて、
伊勢丹で嗅いでみるぞぉ〜っと意気込んで行ったのだけれど、扱っておりませんとのこと。
ありゃま。6月には棚に置いてあったと聞いたんですけどねぇ・・・、残念。

結局、うろうろした後、使い切れないのに香りモノを衝動買いして、ハゲ天で昼食をとり、
(ここ、けっこういいですね)、厚生年金会館へ向かいました。


もっと人気が無いのかと思ってましたが、予想に反して満員。驚き。


さて、話は、マックス・ビアリストックの「ファニーボーイ」が初日にコケるところから
始まります。たぶん、これを読みにきてくれた人は、あらすじを知っているとは思いますが、
簡単に紹介しますと、

かつてはキング・オブ・ブロードウェイと呼ばれた、今は落ち目のプロデューサーが、
気弱な会計士のもらした一言「出資金を集めて当たらない作品を作れば、配当金を払わ
なくてすむ。当たらない作品の方がヒット作品よりも儲かる」にピンときて、200万ドルの
出資金を集めて、史上最悪の脚本で史上最悪のミュージカルをプロデュースして、初日に
クローズしてそのままリオデジャネイロにずらかろう、と計画をもちかける。
必要以上の出資金を集めるのは違法なんだけれど、二重帳簿を作ろうと言うわけ。
気弱な会計士はもちろん、最初は断るけれど、一度でいいからプロデューサーになって
みたかった、情けない自分とおさらばしたい、、ふたりは組むことになる。
欲求不満の富豪の未亡人たちから金を集め、元ナチの脚本家、ゲイの演出家、ひどい役者、
と三拍子揃えて、初日を迎えるが・・


すごいっ、面白い〜っ。

マックス役の人は、とても雰囲気が合っていて、声も悪くない。ネイサン・レインに
似てましたよねぇ。レオ・ブルーム役の人がちょっとイメージより太っていて、もう少し
痩せて気弱な雰囲気が欲しかったかなぁ。声はマシュー・ブロデリックに似ていて、
というか、配役のほとんどがオリジナルキャストと雰囲気似てましたねぇ〜。

海外の舞台人は基本的に安心して聴ける歌唱力なんで全然オーケー、そして、
なにがどう凄いって、演出のテンポが良くて、全体を大きくつかった舞台なのに、
場面の転換が実に見事!


いやぁ〜・・わたしはこれまでどちらかと言うと、チープなミュージカルしか
生で見たことがなかったから、ヒュー・ジャックマンのBFOとか主役の人のオーラで
もっていたり、WWRYのように楽曲が良いからもっているミュージカルと、
作品としてよく出来ているミュージカルが、こうも違うものだとは知りませんでした。

場面と場面のつながりにぎこちなさが無く、夢想シーンと現実シーンも、ををっと思わせる上手さ。
ひとり何役もやっているのだけれど、あまりにテンポが良くて、まさかあれほど少ない
人数でやっているとは思いもしないしっかりした重量感。


このミュージカルは、メル・ブルックスを含めて、製作スタッフがミュージカルを
とても愛しているって感じられる楽しさがあるんですよねぇ。

歌はとても古典的。オーソドックスなミュージカルナンバーなんですが、これが
心地よいのよねぇ。どこかで聴いたことがあるような優しくて素直な美しいメロディ。

ギャグは下ネタ満載で、ゲイを揶揄したり、人種差別ありの、はちゃめちゃ系。
ナチスドイツを一方的にネタにしてるわけじゃなくて、ユダヤ人をも笑ってる。
オバカジョークだけど、ちゃんとバランスを保っているトコも上手い。
ただし、
まったく子供向きではありません。家族連れのみなさん、お困りになったでしょう(笑)。

登場人物たちはみんな、『謙遜』という言葉からかけ離れてて、
自分の持っているものを売り込む、自分の好みを押し付ける、自分の欲望のために
生きているんだけれど、最後には友愛がある、ツボをわきまえているんですよねぇ。

お金持ちの80歳以上の未亡人たちは、小切手と引き換えにマックスに
ファンタスティックsexを迫るし、マックスはこれでは身が持たんと
「ユダヤ人のお姫様とその夫」ごっこをやろうと言ったりするし(笑)、
元ナチスの男は鳩に「アドルフ」と名づけているし、アイルランド系警官は
留置場の夕飯とおんなじコンビーフとキャベツのおかずを美味しいというし、
なんでもゲイ色をつけてゲイ術的にする演出家が居るし、
毛布の切れ端を肌身離さず持っているレオの、毛布を使うシーンの上手さ(笑)。
アホなコスチュームと、一発ゲイと、クールなダンス、クールな演出、美しいメロディ、
とにかく楽しい。

ミュージカルは楽しくなくちゃっ! という信念で出来ていましたね。

鉤十字のラインダンスなんて、アホすぎっ。
最後の最後まで、抜け目が無くて、こずるい部分も失っていないのが又良くて、
愛すべき卑小な人間なんですよねぇ

ブロードウェイのショービジネスの力を見せてもらったという舞台でした。

東京近郊に住んでいたら、もう一回見たいと思った舞台なんでした。未見のかた、
これは見て損はない舞台ですよ〜。

帰宅そうそう、また、オリジナルキャストのレコーディングDVDを見て、
場面を想像しながら浸ってしまいました。




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