19年目のめぐりあい

どうして?どうして不思議な巡り合わせって奴が起こるのでしょう?
ずっと心の中に残っていたことだけれど、でも毎日そのことを考えて
いたわけじゃない。ある日、ちょっとしたきっかけでその事を思いだし
口にしてみる。

そう、朝のワイドショーで”最後の青春学園ものドラマ”として
「スクールウォーズ」を取り上げ、このドラマは実際にあったことなんです、
とアナウンサーがしゃべった時から何かが動き出した。

『なーに言ってるんだか!あったりまえじゃん!あの伏見工業高校の
泣き虫山口先生を知らない人なんていたの?あの高校選手権史上
屈指の名勝負、大工大付属との決勝戦を見てからだが震えたよなぁ・・』

そう思ってから考え直してみると、19年前のことだから、その当時小学生だった人は
ラグビーを見ないだろうし、19たす12・・つうことは、、
今31歳以下の人にとっては伏工の平尾なんて、知ってるわけないのね(とほほ)。
リアルタイムで伏見工業高校の快進撃を見たのが、もはや当たり前じゃない年齢に
なってしまったということか。

あの勝負はたしか試合終了まぎわの逆転だったんじゃなかったっけ?
えーと、ナンバーエイトが額をきって包帯巻いてやってたよなぁ、、
あれぇ、大八木はどこにいたんだろう。。
本当は関係ないけれど、イナファンの掲示板でつい、この勝負のことを書いてしまった。

すると、その当時大工大付属で大活躍だった東田が今はワールドでプレーしている事を
教えてもらった。まだ現役だったなんて、、と、
その日がちょうど、社会人ラグビー決勝の日。神戸製鋼対ワールド!
あらまあ、なんという偶然!
そして、その数日後、サッカーの合宿情報を知りたくて、ニッカンを買ったら
東田が引退するという記事があった、、
時の流れを感じるとともに、あの試合をもう一度みれたらどんなに嬉しいか、
なんて考えたりした。

そして、今日。この一連の偶然が決して偶然ではなかったかのような出来事が・・

歯医者の帰り丸善に寄った。今年のカレンダー一律500円を眺めたりして
(Jリーグカレンダーも一部売れ残っていた。イナは2月でタイトルは『華』。
2月は他にヤナギとレッズの福田。イナは丸坊主の写真で、ちょっとイマイチ。
悩んだけれどやめにして、笑)、2階へ上がる。
このミス(このミステリーがすごい)推薦の文庫本などを漁って
ぶらぶらしながら、ふと棚の上を見ると、、、

『日本ラグビー名勝負全国高校大会決勝伏見工業高校v大阪工業大学高校』

うそっ?!こんなビデオがあるの?!

パッケージの裏には、”花園出場2回目、山口良治監督率いる伏見工高が
後の日本代表監督、平尾誠二主将を擁し初優勝を果たした。伝説の試合を
当時の生中継のまま完全収録した永久保存版”とある。

買う!買うに決まってる!いそいで本と一緒にレジに持っていき
丸善から出て、喫茶店へ。注文もそこそこに中の紙を読んで見ると・・・・

1980年度の全国高校ラグビー決勝(81年1月7日)、山口監督就任から6年目。
出場2度目というのはこの前の年に花園初出場を決めたから。前年の中心となった
のが、大八木なんだ。平尾の1才年上だったのね。そうか、大八木のチームの時に
初出場を果たしたんだ。
それが(スクールウォーズの)松村雄基なのね(* 下に訂正あり)。
たぶん初戦か2回戦で負けたんだろうな。そのことについて書かれていない。
そして初出場の翌年、圧倒的な強さで府大会を勝ち抜き、再び花園へ。
伝説となった決勝戦は前半は伏工3−0、後半は大工大が追いついて3−3、
そして終了直前に劇的な決勝トライで7−3。
この試合を戦ったメンバーのうち、平尾と東田は同志社大学にすすみ史上初の
大学選手権3連覇をやってのけた。大工大の主将だった広瀬は明大にすすみ
その後神戸製鋼へ。平尾とともに神鋼V7時代の主軸だ。

ああ、ほんとに不思議。こんなビデオを見つけるなんて。
もしかして、当たり前のようにどこにでも売っていたのかしら。気付かなかっただけ?(笑)

さて、ビデオで試合を見てみると、、「がーーん!!!」
このビデオの最大の欠点があった。
それは、大阪のテレビ局(毎日放送?)で放送したものをビデオ化しているらしいこと。
つまり、大工大サイドなのだ。
しかも、山口先生のあの感動の大泣きが無い!!!

あの年の高校選手権は、みな伏見工業と山口良治に半ば酔っていた。
なぜなら、アナウンサーが繰り返し繰り返し、伏工伝説をしゃべるので、
悪名高い高校が、伝説の100点負けから一年後に、花園高校を破ったことなど
もうすでに脳内ドラマ化してたのだ。
そこにきて初優勝だ。泣き虫先生だ。
感動しないわけがないっ。

顔をくしゃくしゃにして泣きながら、
「生徒達がよくやりました!生徒達のおかげです!
信じ続けることがこんなに苦しい事とは思いませんでした。
今日はおもいっきり泣かせてください。勝ったぞー!!」

これが無いのである。あぁ、ほんま、残念・・

ちなみに発売元は文芸春秋・毎日放送、NumberVIDEOで、この後の同志社V3
達成試合、1985年1月の同志社対慶応っていうのも販売されている。
なつかしすぎ。。

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(*)後日訂正部分
松村雄基が演じた大木大介は、「弥栄のしんご」と当時怖れられていた山本清悟氏が
モデルになったようだ。
それにしても大八木氏の泣かせるエピソードなどを知ると、
真実はドラマ以上にドラマチックなのである。

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