ソウルに行ってしまった! 5月31日その2

そう、誰もが王者フランスが若い挑戦者セネガルに少々手を焼くけれど なんとか勝つと思っていました。 しかし、試合が始まるとすぐに、それはかなり甘い予想だったと感じたのでした。 ジダンがいないとかそういうことじゃなく、なんだか全体に重いフランスチーム。 自分の思っているプレイができずに少しいらついているような、不穏な空気が 見ている観客にも伝わってくる。。。 アンリを見たい、アンリを見たいと思ってここ数週間を過ごしてきたのに、 テレビで見ていたアンリはもっとカモシカのように走っていたはずなのに、 ダンスをするようにボールをうけて、見るものを魅了するドリブルをするはずなのに、 セネガルはワントップのディウフをDFラインぎりぎりに残して、そこめがけて ロングボールを放り込む。 これが嫌になるほど効果的で、フランス守備陣は全くといってよいほど対応できない。 勢いがセネガルにあることは、誰の目にも明らか。 フランスのセットプレイもなかなか決まらないし、つきにも見放された感がある。 わたしはちいさくがたがた震えてきて、心臓の鼓動が聞こえるようでした。 自分が想像以上にフランスに入れ込んでいたことがわかりました。 まるで年老いた王者が傷つきぶざまに負けるのを目の前で見ているような そんな気分になってしまいました。 試合が終わったときは手が冷たくなっていましたが、 うわっ、ユニフォームを交換しているアンリを写さねばっ! 望遠カメラを向けるミーハーなわたしでありました( 爆 )。 さて、ソウルの夜はこれからだよーーっ 試合が終わったのは10時近く。ここから問題のあのホテルにたどり着いたのが12時近く。 けっこう遠い場所でした。 こんなに遅いチェックインになってしまい、心配していたのですが、 フロント(田舎の郵便局の窓口より小さいくらいの)であっさりとルームキーを貰いました。 なんか、安いビジネスホテル(一泊4千円だぁ)で、てきとーな感じなんだなあ(笑)。 I君は昨日からソウルに来ているのですが 「ほんま、ほんまですよぉ。ソウルでは1時でもみんな昼間とおんなじですよぉ」 「ほんとぉ??」 「絶対(むらさき)さん、驚きますって。ほんま、驚かはりますよ」 というわけで、荷物を部屋に置いてまたすぐに、トンデモン(東大門)へ繰り出すわれら2人組。 市内の地下鉄はWC期間中は1時半くらいまで運行しているのですが、 乗客はというと、驚きっ。なんていうか、普通なんです。いたって普通。 まるでこんな時間とは思えない、普通の学生やおばさんや子供!!! 一体全体どうなっているの?! そして、トンデモンはとんでもないところだった・・という寒いしゃれを言いたくなるほど とんでもなかった・・・・・・ いやはや、なんでこんなに普通なんだぁぁぁぁぁ〜! おかしいっ。おかしいっ。おかしいっ。 深夜2時近いというのに、昼間の京都の四条河原町みたいに、みんなが普通に 買い物をしている。しかも、洋服やら靴やら、を、こんな深夜に普通に買っている。。 っていうかサ、服屋をこんな時間にやってる方が変じゃない? それも観光客じゃなくて、韓国の人だよ、お客は。 デパートも開いている。。。 さらに絶句するのは、買い方が半端じゃない。 東京都のゴミ袋のような半透明の大きいビニール袋が洋服屋の前に山積みされていて 問屋からの荷物のようなのですが、 その大袋に購入したものをいっぱいに入れた人たちが、中には片手に2袋ずつ持って 通りを闊歩しています。 サンタクロースもびっくりの大袋をもって、ずいずいと歩いている若い女性たち。 いったい何着買えばあれくらいの量になるのだろう・・・ I君が言っていた時、まさかと思っていたけれど、自分の目で見るまで信じられない光景でした。 バッタ屋がずらりと並んだ通りも、首都ソウルの中心地なのにこれでいいのかっ?!という アジアの猥雑さそのもの。 シャネルやグッチやフェンディや、それこそなんでもあり。 堂々とTシャツや時計やバッグが売られていて、あっけらかんとしています。 いかにもにせものというチープ感がそこここにある、そんな商品を「ヴィトンもあるよっ」と 呼びかける朗らかさ。 にせアディダスのTシャツと、にせグッチの小物入れを500円で買ってしまったぜ(笑)。 トンデモンを楽しんだあと、南大門のソルロンタン(牛骨のスープ)がおいしいという店へ行きました。 時刻はもう3時すぎ。 ああ、それなのに、それなのに、 店には普通に韓国の若者がいっぱいいる!!! みな、アルコールを飲んでいるわけじゃなくて、普通にわいわいと食事しています。 わいわい食べる時間じゃないだろぉっ。。。。 テーブルの片側は窪んでいて壷になっており、そこには自家製キムチ(大根と白菜の2種)が入っていました。 客は自由に取って食べるようで、店の人が適当に補充してまわっています。 わたしは辛いものに弱いので、白菜よりは大根のほうが漬かり方がましだろうと 大根キムチを少量とりました。 くっ、からっ。。。これでもかなり辛いぞ・・・ しかし、周囲のテーブルをみまわすと、皿にエベレスト山盛りキムチを取っている人たちばかり。 量たるや半端じゃない。 こんな辛い物をこんな時間にもぐもぐ食べるなんてどうかしてるよぉ。。。 韓国の人をあらわすキーワードは、「半端じゃない!」 これしかない。 ぬかみその日本人には到底太刀打ちできないよ、、、と思ったわたしでした。 ソルロンタンスープはとてもおいしくて、そこにご飯をいれて雑炊のようにして食べると 一気でした。 食事後は南大門の商店街へ歩いて行きました。もう時間の感覚ゼロです(笑)。 I君はカバン屋でバッグを買い、わたしは雑貨屋で写真立てを買い、そのあとぶらぶらして ひまわりの種チョコ(麦チョコみたいなもん)を買ったお店でしばらくお店の人と話をして、 4時にI君と別れてしらふでホテルへ戻ったのでした。ふへーー。 翌日は、じゃなくて、同日は(笑)9時に起きて、シャワー後、 最後のソウル探訪です。一泊二日ハードですね!(爆) チェックアウトはかぎを返すだけ。 コンビニでアンパンみたいパンとミネラルウォーターを買い、朝食。 夕方のフライトまで、今日はおしゃれな街アックジョンを見て回る予定。 まずは日本人パティシエのケーキ店「江口」を目指します。 I君は昼のフライトなので残念ながら同行者無し。 ソウルでケーキってあまり聞かないけど、ほんとにおいしいのかなぁ。 地下鉄、アックジョンで降りてからが長い。だらだらと歩きつづけ、リュックも重く、 とてもよい天気で汗ばんできます。 カルチャーショックは駐車の仕方。 歩道が広いのは結構なんですが、その歩道に堂々と駐車しているんですよね。 店の前の歩道が駐車場になっちゃってるんだわ。 そんなことを思いながら地図を見ながら延々歩く。。。遠い・・・・ ん?あれが「江口」かな? メインストリートを離れた道沿いにこぎれいな店がありました。 どきっ。お客さんはいない。 店内でも食べられるようだけれど、テーブルは2つほどしかない。 しかも肝心のテーブルには出来たばかりのケーキが載っている。 勇気ダッ!と扉を押し、日本語わかりますか?と訊いてから 「ここでケーキを食べられますか?」 OKとのことで、窓の近くのテーブルで、ひとり、チョコレートケーキとチーズケーキを食べる。 ほんとは一個でよかったんですが、せっかくここまで来たからには。 しかし、うぐぐっっ。甘いっ。甘すぎるぅ〜。 絶品だと本には書いてあったのですが、ちょっと・・・・ なんだかクリームの味がバター分が多い感じで重い。 でも残しては失礼な気がして、ひとり黙々と食べるわたし。。。 いいや、いいや、ソウルでケーキを食べた女と呼んでください(爆)。 江口を笑顔で出たあとは、ギャラリア百貨店を目指すつもりで地図を見ますが 自分の場所がよくわからなくなってきました。 ( 方向音痴の上に、実際思ったよりも遠かった ) 途方に暮れて信号待ちをしていると、 「あなたは日本人ですか?」と同年齢くらいの品の良い女性が声をかけてくれました。 「はい、ギャラリア百貨店に行きたいのですが」 「それなら私が一緒に行ってあげましょう」 ということで、その女性とご一緒することに。 彼女は日本語はほんの少し、ということで、英語で会話をすることになりました。 といっても、わたしの英語はたどたどしい、ど下手ですが、彼女は流暢に話します。 父親が軍関係の仕事で子供のころ海外で暮らしたとのこと。日本にも少しだけ居たことがあると おっしゃっていました。今日は息子さんのところに行く途中だそうです。 行きのおばあさんと同様、彼女も肌が綺麗だわ。 「韓国の女性の肌って綺麗ですね、高麗にんじんがいいのかしら」 「そう?あなたはいくつなの?」 なんてお話をしながらテクテク歩きます。 わたしがおみやげを買うつもりだと話すと、彼女はギャラリア百貨店の地下(デパ地下)まで 一緒に行ってくれて、 「ごめんなさい、わたしは時間がないから買い物につきあってあげられないの。 ちょっと待っていてね、日本語が出来る店員さんを連れてくるから」 と、店員さんを探しに行ってしまいました。 うわっ、キムチを買うだけなのに、そんな。。。。(汗) 韓国の人の親切には、本当に驚くばかりです。 そして彼女にお礼を行ってお別れしたあとは、その店員さん付きのお買い物。 これがまた恥ずかしいのなんのって。商品説明付きでデパ地下を歩く私は、まるで大物(爆)。 キムチだけではとても申し訳なくて、結局お茶やらなにやら買ってしまいました(思うつぼ?笑)。 正直な所、日本って敵視されているのかも、と、少々びくついていたので これほど親切にされるとは思ってもいなかったのでした。 ここからあとは、地下鉄の駅まで歩いて戻り、大韓航空ビル前でリムジンバスを待ち、 インチョン空港で最後の最後にブランド物をちょいと買ってしまい、 『いかんなぁ、わたしも日本人やったわ。。。』 WCが無かったら、きっと韓国へ行く事はなかったけれど、思い切って行ってよかった! 疑惑の審判騒動の余波で、感想を書く気がしばしうせたのも正直なところですが、 時間がたち、振りかえってみると、忘れがたい思い出が残った、ほんとうに濃い二日間でした。 今度は、いつ、どこへ行きたくなるんだろう? 衝動的な自分が恐いわ(笑) そのころもまだこのHPを書いているのかな? サッカー絡みだと、けっこうすぐかも、ん?!
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