あさりの缶詰

10年以上前に読んだ「推理する医学」(これはとっても面白い)という本に 味覚障害に陥ったシェフの話が載っていました。これを読んで「亜鉛」化学記号で Zn(zinc)が欠乏すると味が分からなくなるという事を初めて知りましたが、 だからといって亜鉛をちゃんと摂らなきゃっなんて気にした事はありませんでした。 しかし・・・ 先日テレビ番組で「しみ」対策や若々しい肌って奴に亜鉛がとっても効くというのを見て、 驚いてしまいました。 うっひゃぁー、亜鉛を食べなくっちゃーー!こりゃ意外だわ! なんで意外かというと、亜鉛は知識としては実に身近だったからなんです。 遺伝子の転写因子(えーと、書きっぱなしの部屋に書いた遺伝子についてを読んで くださったと前提にして)にはその特徴で分類したいくつかのファミリーがあり、 そのうちの一つにZincFingerと呼ばれるものがあります。 試しに検索サイトで「zincfinger」と調べればわんさか転写因子が出てきますヨ。 Uの字の中に亜鉛イオンがあるってイメージ、Uの字はペプチド(アミノ酸がつながった ものね)だとみなして、いくつかのアミノ酸が中の亜鉛イオンと結合してこういう形にカーブ する。この形が指に似ているから、ジンクフィンガーと名づけられました。 転写因子のDNAと結合する領域にこのジンクフィンガーがあるわけです。 ってわけで、、つまり、亜鉛は生命活動に欠かせない、でも、なんちゅうか、特別というより 在って当たり前の部品だと思っていたわけなんです。 体の細胞すべてにあるわけだしね。 しかし、よく考えると分裂を盛んにする細胞や多くの遺伝子を発現している細胞では 転写因子は大忙しなんだから、亜鉛がたくさん在った方がよいのかもしれない・・ 皮膚の新陳代謝が活発になるとか、男性が元気になるとか(#^_^#、 おやおや、理屈にあってるようで、あながち馬鹿にはできないわ(笑)。 一日に必要な量が15mgっていうんだけど、唯一、牡蠣を除いてはこの量を 毎日摂るのは大変なの。 緑茶100g中に、、って、お茶を100gも食べる奴なんていねぇーよ! ですよね。 牡蠣は100gで70mgも含まれているそうで、他の食品の50−100倍って感じ。 あとレバーや納豆、牛肉、卵、海藻など紹介してたけど、毎日まいにちこんなものを 山盛り3食たべるのって無理だよねぇ。 でもいくら一個で十分だからといって、毎日牡蠣を食べるのも・・・ 実は私はあまり牡蠣が好きではないんです。嫌いじゃないんですが牡蠣フライか シチューぐらいしか料理法が考えられないし、ひとり分だけ作ろうとすると難しいでしょ。 (家族のお肌の事なんて考えていない私、^o^;;) 牡蠣に多いってことは、もしかして貝類に多いのかな? そういえば、ホヤはバナジウムを濃縮するというし、海の生物を使って海水に含まれる 微量の金属を濃縮するって研究もあるようだし、同じ貝なら亜鉛を濃縮するんとちゃうかな。 いつもは自転車で通勤してるのですが、番組を見た翌日は雨でバスに乗りました。 自宅に近い停留所から近くのコンビニに入って目指すは缶詰売り場(笑)。 こんな小さなコンビニでは牡蠣の缶詰なんて無いわ・・ でも、あさりの缶詰があった! えーと、生姜醤油味?ま、いいか。うひひ、棚に残ってる3個全部買っちゃおっと。 レジであさりの缶詰を3個買う私をなんだか不思議そうにみるバイトの娘さん。 缶詰のままだと味が濃いので水でさっと洗って、ニンジンのきんぴらにあさりを加える。 おおっ、ベータカロチンと亜鉛だー!うひひ。 せっかく翌朝までうきうきした気分だったのに、その後食品栄養成分表を見ると、 あさりもはまぐりも100g中に亜鉛は1mgしか含まれていませんでした。 しかも、水煮ならまだしも味付け缶詰の欄には(ー)のマーク(とほほ)。 えー!もしかして長く煮たらだめってこと?亜鉛なんて金属だから煮ようが焼こうが 壊れるわけないじゃん。。って溶け出て失われるのかも・・はぁぁ、がっかり。 これなら楽ちん、毎日一缶くらいご飯と一緒に食べれるわ、、と思っていたのになぁ(爆)。 どうも亜鉛が濃縮されるのは牡蠣だけのようでした。 缶詰にこだわって(笑)調べてみると、いわしの水煮、さばの水煮の缶詰には 100gあたり2.5mgほどの亜鉛が含まれていました。 他の食品と比べるとこれでもかなり多い方。 よし、次はこの缶詰ね(^o^)/
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