ぼっけえ、きょうてえ
語り口の醸し出す恐ろしさ、語る内容の恐ろしさ、なかなかのものだ。
方言の怖さは坂東作品でも強く感じた。坂東よりも岩井のほうがより
底意地悪い(ごめん)。女はつくづく恐いと思う。
最後の数行というか数段落はとってつけたようで、無い方がもっと
おそろしい後味を残すと思った。

作者自身もやや危ない(笑)。この作品がホラー大賞を受賞したので
ふんぎりがついて子供を夫に残して別居、東京に出てきたんだ。



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女たちのジハード

どういう生き方をしようかと考える時、たぶん男性ならその問いが
イコールどういう女性と結婚しようか、にはならないだろう。
しかし、女は、結婚のことを考える事抜きに生き方を考える事が
できないって思う時がある。
結婚するにせよ、しないにせよ、なにか自分の中で決心しなくちゃいけないみたいで
30に近くなるとき、30を越えるとき、なんだかとても
気持ちが不安定になる。

女性は自分が結婚したいのは、「結婚という逃げ道」に逃げたいからなのか?
なんてややこしいことを考えたりする。

寂しさ、みじめさに泣いたり無力さにくやしがったり、男社会の中でもがきながらも、
逞しく闘う女たち。同性として互いに辛らつな目を向けながらも、同性ゆえの
励まし、優しさがある。

私のお気に入りは康子さんだ。彼女の話ではじまり彼女の話で終わる、これが
とても嬉しい。

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