「カエルの王子さま」ヒーロー考察  2005年1月
「カエルの王子さま」って知ってる?
グリム童話のおはなし。
金の鞠を泉か井戸に落として泣いている王女さまに
「私と一緒に食事をして、私と一緒に寝てくれると約束してくれたら
鞠を取ってきてさしあげます」というカエルの話。

このお話にはいくつか変形があって、わたしの知ってる童話では、
約束を盾に横柄な態度をとるカエルを、王女さまが壁に叩きつける。
子供心に、「壁に叩きつけるとは・・・びっくりだ・・」と不思議でならず、
はてさてどういういきさつで王子の姿に戻ったか、正確には忘れてしまったにも関わらず、
お話の不可思議さがいつまでも心に残っている。

さて、HQ版「カエルの王子さま」ヒーローは、もちろん壁に叩きつけられるわけじゃない。
が、なぜか「カエルの王子さま」を連想させる、感情を持っていないように思われている
冷やっこい男。

ひやっこいには理由(わけ)がある。たいていのカエル君は
小さい時からかなり辛い目に会ってるから、
恐がっていたり、痛がっている感情を他人にみせちゃいけないってこと、
骨身にしみてる。
微妙な言葉の綾なんて要らない。知ろうとしないほうが利口だ。
形あるもの、言葉どおりのものだけわかればいい。
相手の反応をじつはとても恐れているけれど、そんなもん無くても生きていけるんだ、
拒絶されるなら仕方が無いと、期待しないようにしてる。

こういう「カエルの王子さま」ヒーローはね、
自分と違い、弟だけは守ってやりたいと願っている。
自分のような目に合わせないように、自分が味わったような悲しみを
弟が知ることが無いように心を砕いている。
そう、HQ版カエルの王子さまヒーローはね、がポイントなんだ。
弟のいないカエル君なんて、カエル君じゃない、って言えるほど。

さて、カエル君は、たいていオタク気味で、セキュリティ関係職につくんだよね。
だって、他人を信用せず壁をつくって自分を守ることにかけちゃ、
ピカイチの腕前、得意技だからね。
調査、監視、盗聴も得意だよ(爆)。自分が傷つかないように相手の反応を
伺うのも、得意技だからね。
ディフェンシブ細心保守的調査お得意カエル君なんだな。


カエル君はね、女性から無償の好意をしめされることに慣れていない。
人から好かれる人間だと思っていないから、交換条件を出してしまう。
「これをしてあげるから、あれをしてくれ」
「こうしてくれるなら、ああしてやろう」
相手の好意に、自分の行動に、理由をつけてしまう。
「こんなことをしてくれるのは、自分があんなことをやってあげたからだろう」
「ああ言ったのは、このせいだろう」

ところが、カエル君を好きになるヒロインはね、
ひやっこいカエル君のなかに優しいヒューマニティがあることを
誰よりも先に見抜く。
カエルの王子さまを壁にたたきつけるお姫さまじゃなくて、
カエル君の代わりに戦ってくれる、パイレーツクイーンなんだ。

カエルの王子さまが、お姫さまと一緒のお皿で食事をとって
お姫さまの枕に横たわり、ぴょんぴょん嬉しがったように、
ひやっこくてもニヒルでクールってわけじゃないとこが
カエル君のカエルたるゆえん。。
カエル君は、自分の微妙な気持ちが自分でよくわからないから
ヒロイン欲しい、ヒロイン欲しい、ヒロイン欲しい・・・
やたら下半身反応ばかりしてしまう。
呆れるほど下半身カエル君になってしまうんだ。

ヒロインが「愛してる」って言ってくれると、魔法の言葉みたいに
カエル君は、うきうきしてしまう。
どうしようもないほど嬉しくなってくる。
そうなのか?おれたち恋人なのか?
そうなのか?きみはぼくを愛しているのか?
何度も何度も念を押したくなってしまうんだ。

パイレーツクイーンの愛があれば、
カエル君が人間になる日も近い・・(^o^)


さて、弟がポイントって、、
一人っ子のカエル君はどうしたらいい?

いや、大丈夫。
ぜったい、ぜぇったい、物語のなかに
弟のような、自分より年の若い男や少年がでてきて、カエル君を悩まして、
カエル君はそいつのために一肌脱ぐから、ま、見てて。


【好みのカエルくん】
シャノン・マッケナ「そのドアの向こうで」
シャノン・アンダーソン「3時15分、いつものカフェで」
キャロル・バック「恋する白雪姫」
ジェイン・A・クレンツ「愛の遺産」
ジェイン・A・クレンツ「曇り時々ラテ」
グレンダ・サンダーズ「ドクター・ロンリー」