秘められた感情


ダンジール警視はお気に入りのキャラクターだ。
いつもかみつくように皮肉をいい、確信犯で無礼をし、
下品なキャラに自分で満足する。

もちろん鋭い知性とあまり表わさないがナイーブな感情が
あるからこそ、お気に入りなのだが。
昔よりすこし柔らかくなってしまった。

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最低の犯罪

これは英米短編ミステリー名人選集という文庫本。
アイロニーに満ちたものもあれば、くすっとするものもあるが、
自分の好みとしてはユーモア系だな。
だから本作の中ではシックススミスものが一番好きだ。
人生の辛い皮肉は、本を読まなくてもいやっちゅうほど味わえるから
せめて本の中ではユーモアをください。
翻訳物とくくってはいけないのだけど、日本のものと比べて
数段面白いと思う理由に、個性豊かな人物像があげられる。
特に伯母さんって生き物が秀逸。
自立していて有無を言わせぬ所があって世間を知らない様で知っていて
「おやまぁ、あんたはとっくに気づいていたと思ったよ」
なんて言ったりする感じ。
みなが自己主張が強いのがまた面白い。人が何人か集まればそれだけで
物語になる場面が生まれる。

しかし全体に、女は恐ろしくて男はあわれ、、っていうものが底に流れてるねえ。

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