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・黒い家 むちゃくちゃ怖かった。読み出したらやめられない面白さだが、 この手の楽しみは早く読みたいくせに終わってしまうのも惜しくて、辛い。 これが和歌山の事件の一年前に出版されたことが、いかに生命保険業界の 暗部が沸点にたっしていたかを物語っているのかもしれない。 超常現象もないし、バイオテクノロジーもない。 あるのはただいつもの日常だけのはず。。 それなのに、このひたひたと迫る恐ろしさ。。 それにしても、ホラー大賞の冠がついたことはこの作者にとって 損したことになるのでは、と心配したが、 どうやらかなり売れたようで良かった。 ちょっと甘っちょろいと感じるヒロイン像は、男性の妄想?(笑)。 女性作家だったら絶対に書けない清純ぶり。 ・13番目の人格 固さはあるものの、もう、夢にみるほどじとーっと恐くなりました。 貴志さんのは、たった2冊で言うのもおこがましいですが、 主人公に誠実さとやさしさが感じられ、現実社会の醜さのなかでも 凛としたものがあるのが気持ち良い点なんですが、 それがかえって恐さを生んでいる気がします。 清らかさとそれを侵食しようとするおぞましさがすさまじい。 ・クリムゾンの迷宮 そこそこだ。 ちょっと軽いが、つまらないわけではない。 ゲームの恐さと、人格変容の不気味さ。 追うものと追われるものの息詰まる闘い。 ただし、私が貴志さんに期待するのは、もう少し地に足がついたものだ。 次回作を待つ。