ラス・スモールのLambert姉妹シリーズ。
Blindman's Bluff
Goldilocks and the Behr
Hide and Seek
Red Rover
あらすじ
最初の4冊は、互いにとても深く関係があるんだけれど、
中心にあるのは、テイト(長女)のエピソードだ。
テイトは、シカゴの新聞社に勤める35歳の女性、離婚暦あり、なんだけれど、
実はとっても辛い問題を抱えている。
親権をとった息子(当時2歳)を元夫に連れ去られてしまい、
探偵を雇ったり必死に探しているけれど、2年たった今も
全く手がかりが無い状況なのだ。(元夫はイタリア系大富豪)。
1巻では脇役として登場したテイトだけれど、実は、そのときカナダの
リゾートにテイトが出かけた理由ってのが、息子の誕生日が辛くて辛くて、
ふっと旅行してしまった、というわけなんだ。
同じく脇役として登場したビル・ソウヤーと1巻で出会っているが、
この時、ビルはミドルエイジ・クライシスで、若いヒロインに
しつこく付きまとう困ったオジサンだった。
2巻は、末っ子ヒラリーとアンガスの物語だが、ヒラリーはそもそも、
誘拐された子供を探す仕事をしてるんだよねぇ。
この巻で、後ろ暗い事をやってそうな、胡散臭くて謎めいたフィニグと
いう男が登場する。
(こいつ、物が言えるのか、というくらい無口なフィニグ 笑)
3巻で、テイトとビルの物語となるが、これが、なんちゅうか、良く出来ていてねぇ。
ビルは豪腕な実業家で、離婚歴がある男で、テイトは最初、ビルと関わるのを
躊躇するんだよね。
前夫と似てるところがあるんじゃないか、と。
ビルには親権を得た一人娘がいるんだけれど、仕事が忙しくて面倒を
みれないから、自分の妹の一家に預けている。
で、ビルと娘ジェニーは、会ってもぎこちない会話しかできなくて、
うまい親子関係を作れないでいる。
ビルの強引な策略で、「輝いているワーキングウーマン」の特集を組む事になり、
テイトはビルと一緒に様々な女性たちのインタビューをとることになる。
そうなの、なんていうか、まともでしょう? ラス・スモールにしては。
とぼけた会話や摩訶不思議な脇役たち、ラス独特のユーモアは健在で、
しっかり笑わせてもらいながら、とってもしんみりとテイトとビルが
新しい家族を作ってゆく様子を描くのよね。
ビルの熱愛にじーん。。
2歳でさらわれたから、あの子はきっと私の事を覚えていないわ。。うる。。
ビルはなんとかしてテイトの息子ベンジャミンを探し出そうと、ものすごく頑張るんだよねぇ。
そして、出ました、謎が服着て歩いているようなフィニグがっ。
アンガス繋がりでフィニグにも息子探しの件を頼んでみると、、
シカゴの事なら何でも知っている、超謎のフィニグが、テイトの息子を
見つけだし、テイトとビルの結婚式の日に、4才の男の子が写っている
写真を持ってくるんだよねぇ。。
そうすぐに息子を取り戻せないのが、とっても辛いんだけれど、
そのあともフィニグがあれこれ手を回してくれて、、
テイトは図書館のボランティアで、子供向けの本の朗読サービスをしている。
息子に読んであげている気持ちで、ずっと続けていたのだけれど、この録音した
テープをベンジャミンが聞いて・・・うるっ
4巻は、テイトとビルの結婚式の時にさかのぼり、ベンジャミンの写真を
持ってきたフィニグが、ランバート姉妹の3女ジョージナに一目ぼれを
したところから始まるんだけれど、
これが、、切ない話なの!
ふたりの間に紙を置いたら燃え出すんじゃないかってほど、熱い視線で
ジョージナを見つめるフィニグだけれど、何も言わずに去ってしまう。
ジョージナはフィニグが気になって気になって、、でも、何の音沙汰も
なくて、、
数ヵ月後、仕事からワシントンのアパートに戻ったジョージナは、
ドアの前にフィニグが立っているのを見て驚く。
鍵を開けようとバッグをごそごそやっていると
「他人に後ろを向けるのは危ない。鍵はアパートに入る前に
ちゃんと手の中に用意しておくんだ」
部屋に入ると、ちらっと窓をみて、
「あの枝は切るべきだ」
なにしにやってきたの? 仕事がこっちであったから。
それ以上何も言わず、また去っていって、何の音沙汰もなし(わはは)。
ジョージナはフィニグが忘れられず、誰かに相談しようと義兄ビルに電話をする。
ビルはやんわりと、フィニグには近づかないほうがいい。君に相応しくない、という。
義兄アンガスに電話をすると、フィニグに近づかないほうがいいという。
父親に電話をするも、やはりあまりかんばしくない。
もっと距離のある人なら客観的に判断できるわ、と考えて
スリングに電話をかけると開口一番
「やっと、かけてきたか」
「えっ?」
「ビル、アンガス、パパに電話をしたら、あとは僕にかけてくると思っていたよ」
恐るべし、男性陣ネットワーク(笑)
全員が、口を揃えて「フィニグには近づくな。彼はやめておけ」
当のフィニグからは何の連絡も無いんだから、もうこの恋は諦めなくては、、
友人から誘われてスキーに出かけるジョージナ。
雪深い山あいのロッジに、爆音をたてて一台の大型バイクがやってくる!
はぁ〜?!
ジョージナをさらうように連れ去るバイク男はもちろんフィニグ。
君は狙われてる、俺のせいで。 ぼそっ。
ひっひ、アイルランド系ストリート・ガイ(38)は、10才の時から
ひとりで生きてきたが、もーもーどーしよーもないほどジョージナに
惹かれ、でも諦めようと歯を食いしばってきた(笑)ってわけで、
それから二人の逃避行、、豪雪・停電というお約束!
キャビンに二人きりでは、ランバート姉妹に抵抗できる男なんていないっすよ!
ライフル担いで、フィニグを守ろうとするジョージナ、
美しくて柔らかくてほんわかしていて、しかも剛毅な女神さま。
シカゴに戻ってから、おれは君にふさわしくない、、と
何度も去ろうとするフィニグだけれど、そりゃ無理ですって。
ジョージナと出会ったあと、何の連絡もしなかったフィニグだけれど、
「あなたは私の事なんて気にしていないんだと思ったわ」
「・・・君は俺に生まれて初めて詩集なんつうもんを買わせた・・・」ぼそっ
むちゃくちゃ切ないめろめろロマンチックでした。
日本版フィニグ、西島秀俊さん希望!(爆)。