MARRYING MIKE...AGAIN
あらすじ
舞台はマサチューセッツ州の地方都市アレキサンドリア、
静かだった地方都市も、近年、経済格差や人種差別などの問題が表面化し、
治安の悪化をたどっていた。白人の多く住むウェストエンドと黒人の多く住むイーストエンドは
住民感情も激しく対立している。

警察は贈収賄、縁故コネ人事、不正行為などが明るみにでて、署長が免職された。
市民の信頼を取り戻すため、市長は半年後に迎える選挙をにらんで、
思い切った人事をする。それは、

外部からの文民署長の招聘。

生え抜きの警部が3名もいるにも関わらず、市政とも関わりの深い名家の娘、
同族会社である警備会社の副社長の、サンドラ・エイキンを新署長に任命したのだった。
サンドラは、もちろん、警官たちの冷ややかな目に迎えられる、ひとりを除いて。。

ビッグ・マイクと呼ばれる、マイク・ローリンズは元フットボーラー、
膝を痛めてプロを断念した男、ゆったりとしたニューオリンズ出身のケイジャン。

ひったくりを自分で追いかけ、警察に突き出したサンドラと出会ったその日に、
事情聴取のあとにデイトを申し込んでいた。
何を食べたのかも思い出せないくらい、熱にうかされたように見つめあう二人。

サンドラとマイクは、6年前に出会ったやいなや恋におち、半年後結婚、
そして14ヵ月後離婚した間柄だった。
離婚の後の4年、、一度も姿を見なかった、一度も声を聞かなかった。。
それがこうして再び、互いの人生に足を踏み入れるやいなや、
4年は忘れたいことを忘れるのに、まるで十分ではなかったことを知る。

そんなふたりのとまどいをよそに、警察は大きな問題に直面していた。。

13才の黒人少年が自暴自棄の一歩手前にいる。
地方新聞ポストに投函された一枚の手紙・・
オレにはむかしは父ちゃんも兄ちゃんもいた、
父ちゃんは警官に背中から撃たれ殺されちまった、、
兄ちゃんは仲間たちの集まりに出かけて、死んじまった、
姉ちゃんは拳銃の弾に当たって頬っぺたに大きな穴があいちまい、
母ちゃんの心は死んじまった・・
写真を見ちゃ、泣くばかりだ。
オレは決めたんだ、、もううんざりなんだ、、
オレはオレの戦争を始めてやる、、
おまわりがもし、オレらのところに一歩でも入ってきたら、
オレは撃ち殺してやる、、頭を吹っ飛ばしてやる、、
オレはもう13才で、これ以上年をとる必要はないんだ、
Vee


13才の少年を撃たずに、話し合いたい。。。
殺人課きっての辣腕コンビ、マイクとラスティを呼び、Veeを探すことを
命じるサンドラ。

刑事につきもののパートナー、マイクが相棒ラスティとコンビを組んで8年。
ヒロインよりも付き合いが長い・・
へっ、白人と黒人はうまくいきっこしねぇ、住んでる世界が違うんだ。
お前とあの女だって、うまくいかなかったじゃないかよ。
そんな金持ちのお嬢さんのヤワなやり方で、犯罪が減るってんだったら
こっちは苦労しねぇよ。
ラスティはサンドラが嫌いで、サンドラもラスティが嫌いだ。

イーストエンドをパトロール中の警官に向かって銃が火を吹く。
騒然とする署内、現場に向かう刑事たち・・

「あそこから撃ったのに、一発も当たっていないのはどうしてだと思うの?
Veeは本気で警官を撃とうとしたわけじゃないわ。これは威嚇射撃よ。」

「お次も本気じゃないと、どうして言えるんだっ。その次は?その次は?
署長、黄色いテープの後ろを見てみろよ! え、どこに同情がある?
どこに気遣いがある? 奴らはあの子供が俺らをしとめなったことを
残念がってるんだよ! 
もし、俺たちが総力かたむけてあの子供を捕まえ、おれたちをコケに
する奴はどういう目に合うかをみせなけりゃな、俺たちの命なんざ、
このバッジのブリキほどの価値もねえんだ!まだわかんないのかっ」
去ってゆくラスティのあとに警官たちも続き、あとには
サンドラとマイクしか残らなかった。

中立を保ち、サンドラを認めるマイクに警官たちがみせるぎこちなさ、
かすかな怒り・・
「ごめんなさい・・」
「君の気にすることじゃない」
マイクはサンドラを家まで送り、警察内部を刷新しようとして、
アウトサイダーのような顔で上から押し付けるだけでは上手く
いかないことを教える。

翌朝、3人の警部と打ち合わせをした際、マイクの助言をいれて
彼女はわずかだが信頼を得始めている手ごたえを感じる。
そして、ボストン大学の社会学者で暴力団の心理に詳しい教授を招き、
手紙を見せてアドバイスを貰う席にマイクとラスティを呼ぶ。

「・・・ イーストエンドの子供たちが最初に直面すること、それは
自分たちは望まれていない、ということですよ。
一歩社会にでてみると、黒人を嫌い、恐れるまなざしに合う、
なにもしていないのに犯罪者扱いされる、
自分が犯したわけじゃない罪を、最初から責められるんです・・
彼らは自分の肌の色を憎んでいるんです。
アフリカンーアメリカンの子供たちは、彼ら自身を憎み、
そして自分たちを見下す白人社会をも憎むんです。
Veeはいま、交差路にいます。混乱して、途方にくれ、白、黒、どちらの
社会にも属せずにいます。
仲間どおしで殺しあう暴力は嫌いだけれど、白人社会の権力に従うのも嫌なんです。

彼はいま、どちらに向かったらいいのか、何を信じたらいいのか、わからずに
いますが、危険な方向に向かっていることは確かです。
混乱と自己嫌悪が緩和されない限り、彼の行き着く先は暴力でしょう。
怒りと救いのなさが彼を追い込んでいます・・・」

「何ができるでしょう?」
「Veeの手紙に返事を書いたらいかがでしょう。そして、できるだけ
早く彼を見つけることです。見つけて一対一で話し続けるのです」
「何を話すってんだ、警官に殺されたがっているガキと。
もし、そいつが嘘だったら?もし、そいつが過剰に反応したら?
それに、13才の不良と人生について話すなんて、考えてみたこともねえ。
そういうために刑務所があるんだ」
「彼に近づくのに、警官ほど適してる人はいませんよ」
「をいをい、冗談いうな」
「刑事さん、ギャングと警察は、似たようなものですよ。
新米を痛めつける、仲間を組む、どうです?
仲間をやられたら、復讐に燃える、、警官だって同じでしょう?
妻や家庭をもっていても、彼らは仲間たちと一番長く過ごすんですよ。」

サンドラの心に苦いものが走る・・
 そう、帰宅したマイクに今日はどうだった、と聞くと、かえってくる答えは
 Fine、の一言、、私たちはベッドの中でしかうまくいかなかった。。。
 
サンドラはVeeに向けて手紙を書き、それは翌朝の新聞に載る。
「ディア Vee:
わたしの名前はサンドラ・エイキンです。わたしは新署長で、
わたしは市民のためにあなたに手紙を書いています。
わたしはあなたに、あなたはひとりぼっちじゃない、と言いたくて
手紙を書いています。
・・・
わたしはあなたを助けることができるならなんでもしたい。
暴力で終わらせたくないのよ」

 こんなチョッキを着るには、俺たちの給料安すぎやしねえか。
 あぁ、だが、市が払ってくれる葬式代を考えりゃ、こんなもんだろう。

警官たちも、何をやってもお前らが悪いといわんばかりの社会に
いらだちを隠せない。

マイクとラスティは中学校や病院をまわる。。
しかし、そこで目にし、耳にすることは、胸を押しつぶすような現実だ。。
(まじで泣けてしまった・・)
なかなか見えてこない少年の姿に、サンドラが直接ストリートで子供に
話を訊いてみる事を提案するが、ラスティがなぜか無口になる。

ラスティは実は育ての親というべき伯父を、黒人少年の無差別暴力で
亡くしていた。

ラスティ、お前は13才の子供を撃ってこの事件を終わり、としたいのか?
俺は暴力で終わらせたくないんだ。
へっ、おまえはあの女に毒されたな。あいつらはかわいそうな子供なんかじゃねえ、
銃を持ってるんだ、警官を脅しているんだぞ。

自分の目でイーストエンドを見たい、自分は人から言われるとおり、
ウェストエンド育ちのお金持ちのお嬢さんで何も知らない、
ラスティがマイクと同行しないと知ったサンドラは、マイクに付き添いを頼む。
そしてストリートで黒人の少年、少女、赤ん坊と知り合い、赤ん坊をいとおしげに抱く。
その様子を遠くから見たVeeは、サンドラが手紙の主、新署長だとわかるが
逃げてしまう。

待って!待ちなさい!
ばかっ、停まるんだ、サンドラ!

さえぎる物が何もない路上で、格好の標的となったサンドラに銃に向けるVee。
だが、凍りつくような瞬間のあと、彼は銃を捨てて、走って去ってしまう。

サンドラがVeeを見たニュースはマスコミに流れ、人相似顔絵がつくられるが、
マイクが相棒とではなく、サンドラとイーストエンドに出向いた事実は
警官たちの反感を買う。

「お前はエイキンと行ったんだな」
「そうだ。彼女はイーストエンドを知りたかったし、俺は決まりどおり、
二人で行動する必要があったが、お前が来なかったからだ。」
「それでVeeを取り逃がしたってか」
「いいや、Veeをつかまえるのは、サンドラの仕事じゃない。
それは、ラスティ、お前の仕事なんだ。お前が聞きまわり、お前が探すはずなんだ。
おれはずっと考えていた。。イーストエンドから黒人をしょっぴいて
取調べ室に連れていくお前は知っている、でも、イーストエンドで
聞き取りをしたりするお前を思い浮かべることができない。
これまで気づかなかった。ラスティ、お前はレイシストだ、人種差別主義者だ。」
「違う!おれはレイシストなんかじゃねぇ!
あの女だな。あの女に言ったんだな。」
「いいや、何も言ってない。俺が感じたことだ。」
「嘘だ!」
「嘘じゃない」
・・・
「マイク、コンビを組むのもこの仕事が最後だ」
・・・


「ラスティは問題だわ、なにか知っているんでしょう?」
「いいや、これは君には関係ない。」
「あなたはいつだってそうだった。ラスティとは長時間話してもわたしには
Fineだけだった。」
「この仕事を知ればすぐに分かる事だよ、汚れた一日のあかを
聖域であるホームに持ち込みたくなかったんだ」
「でもラスティとは長いことしゃべるじゃない」
「彼はホームじゃない、仕事なんだ。きみはいつもそうだった。
軍隊の諮問かなにかのように、今日は何があった?何をした?どこに行った?
君は俺を信頼していないんだ、だからこうして、今度は仕事のやり方まで
口出しする立場にきたんだ」

「違うわ、わたしは刑事であるあなたを誇りに思っているわ、
100%信頼してる。 わたしはただ、、あなたの話相手になりたかったの。
ベッドの相手というだけじゃなくて。シェアしてもらいたかったのよ」
「シェアだなんて、君が言うのはお笑い草だね」
「どういうこと?」
「君はローリンズの名前も拒否して別姓を続けたし、住んだのも
豪華な住宅街の君の家だった。疲れてよれよれで帰るとき、俺は美しいタイルの道を
汚さないかと気をもんだものだ。家のなかも君の家具ばかりだった。
それにきみは俺の家族や友人たちと親しくなろうとしなかったじゃないか」
「・・・ わたしは全然考えなしだったわ。本当よ。
エイキンはわたしが最後の一人だったから、この苗字を失くしたくなかったの。
それにわたしの家のほうが広かったから、都合がいいと思っただけなの。
家具は、、だって、あなたのあのクッションは、部屋にはまるで
合わなかったし・・・」
「だが、あれは俺のものだ、俺のものだったんだ」

いつも自分のほうから見てばかりで、マイクの視点で結婚を考えたことがなかった。。
彼がどれほど彼自身の世界をわたしに合わせてくれたか、考えたことがなかった・・

「わたしは、結婚するやいなや、夫に頼りきってしまう、そんな妻というだけの女に
なりたくなかったのよ」

ほんの1時間前は甘い囁きに満ちていた彼女の部屋だったのに・・
「どこに行くの?」
「うち(ホーム)に帰る」
いや!こんな風に去っていかないで・・・
「マイク! ごめんなさい」
その声は去っていく車の音に消されてしまう。

翌朝、彼女はぐずぐずと朝の支度をするが、朝刊に似顔絵が載るや否や
警察署の電話回線がパンク状態になったことを知り、気まずい思いを振り払い
急いで署にむかう。
事態は動き出し、ようやく次が見えてきたが、一方で、Veeを英雄扱いにして
不満の捌け口として担ぎ上げようと、不穏な空気も漂ってきた。

「これから市長と会って、相談してこなければ。ラスティ、マイクは
もう一度学校をまわってちょうだい。似顔絵と手紙のコピーをもって」
「俺ひとりで十分だ」
「いいえ、ラスティ、ひとり行動なんて危険だわ。
あなたとマイクはコンビよ。これは命令よ。ふたりでまわってちょうだい。
あ、ローリンズ刑事はちょっと残って」

「昨日はごめんなさい。あんなふうに終わりたくなかったの」
「俺もあんなことを言うべきじゃなかった」
「いいえ、あなたの言ったことは正しいわ。
「わたしは、ただ、」はっと思った。また自分のしたかったことを
言いそうになった。これじゃだめなんだわ。
「えーとね、もしあなたが何か悩んでいて、もし何か言いたい気分に
なったときは、わたしは喜んで聞く、それだけ覚えていてくれたらいいの」


似顔絵が発端になり、ようやくVeeの身元をラスティとマイクは掴む。
だが、勿論、自宅に彼は戻ってこない。
Veeは、ますます追い詰められた気分になっているに違いない。
なんとかひどい事が起きる前は彼を見つけたい・・

何が出来るか。。これからの捜査方針は?
サンドラはマイクの助言を忘れていなかった。
上から物を言うのではなく、警官たちの経験を信頼する。
ドラッグの囮捜査官は、ストリートの情報を集めると言ってくれた。
物を食わなきゃ生きていけないはずだから、商店主たちをまわってみよう。
身元がわかったんだから、母親や姉や友人に彼の行きそうな場所を聞いてみて、、
OK!わたしたち警察がこれだけできるってとこを見せてやりましょう。

「待てよ」
「うせろ」
「やめろよ」
「何をだ?」
「俺たちの8年間をぶっ壊すことをだ。俺たちはいいチームだった。」
・・・
「おれはサンディが嫌いだ」
「知らなかったよ、ラスティ。付け加えておくと彼女もお前が嫌いだ」にやっ。
互いに嫌っているという事実が、妙にラスティには嬉しかった。
あのサンディが誰かを嫌う、という事がクーンツにとってサンディを
初めて理解できたことだった。
「いつだって主導権をにぎりたがるじゃないか。どうやってうまくやってくんだ?」
「お前とやっていくのと全く同じだよ」
「サンディと俺は、本当にそんなふうだな。角を突き合わせて面白がって
いるのかもしれん。だが、お前は最悪なんだろうな」
「ああ」
「俺はいつも、彼女が影で俺の悪口ばかり言ってるんだと思ってた」
「ラスティ、俺は自分の頭で考えるのに、お前の意見と彼女の意見の
どちらかがより必要だってことはないぞ」
・・・
「ビールを二つ」
「このあとお前は彼女のところに行くんだろ?」
「あぁ、運が良ければな」
「正直に言えよ、彼女を愛してるのか?」
「ああ、ラスティ、そうだ」


イーストエンドで小さな小競り合いが起き、パトロール警官が囲まれ、
おびえた警官は丸腰の相手に発砲してしまう!
廃ビルからそれを見ていたVeeは、思わず発砲した警官を撃ってしまう!

憎しみがうずまき、緊張が限度いっぱいまで広がる。
現場には住民が溢れ、警官を、市を、弾劾し、救急車が近づけない。
「おまわりが、武器をもっていない黒人の子供を撃った!」
「ブタ野郎!」

サンドラは現場に向かい、肩を撃たれた16歳の黒人少年とその母親を
救急車に乗せ、人々の注意が少年に向いている隙に、重傷の警官をビルの上に運び、
ヘリコプターで病院に運ぶ。。素早い処置に、最悪の状況は回避された。

だが、丸腰の相手を撃ったというのは実にまずい状況だ。
ますますVeeは英雄になってしまう。
銃を落としておけよ。
ラスティがぼそっと言う。
偽りの証拠をでっちあげる? そんなことは出来ない。でも、
撃った警官はわたしが絶対に守るわ。彼の直面した状況はよくわかってるわ。
ふん。。
人々の興奮は収まらず、路上の車に火を放つ者、暴動を起こす者がでて、朝まで混乱する。。

翌日、事件の現場で市長は会見を行うことにし、サンドラにも出席を要請する。

危険すぎる。どこから撃ってくるかもわからないんだぞっ
心配するマイク。
かれはサンドラを心から愛している。
決意をこめ、ぐいっと挑戦的にあごをあげるサンドラを愛している。
同時に、黒人の赤ん坊のよだれが肩にたれるのも気にせず愛しく抱きしめるサンドラを
洞窟に住んでマンモスを狩っていた頃と同じように守ってやりたいとも思う。
そんなマイクの気持ちを素直に嬉しく思うサンドラ。


「我々警察はみなさんの期待を裏切りました」
市長は彼女の気が狂ったのでは、と驚く。。ざわざわとする記者たち。。
「ですが、市民のみなさん、みなさんも我々の期待を裏切ったのです。
市長の言ったとおり、今この市は危機に直面しています。
わたしたちは互いに疑心暗鬼で、時に憎しみあい、
まわりを見回して、ただ、その違いばかりを見ています。
白人か黒人か、金持ちか貧乏か、警官か市民か、誰もそれ以上を
見ようともしない。
何が起こっているのか、わたしは理解しているつもりです。」
・・・
わたしたちは違いにばかり目を向けていた。。
前の晩にマイクが言ってくれた言葉を思い出す。
「俺たちはいつも、問題をふたりの違いのせいにしてきた。
バックグラウンド、家族、性格の違い、、だが、最近思うんだが、
俺たちのけんかの原因は、ふたりの違いのせいじゃなくて、
ふたりが似てるせいじゃないかな。
君も俺も似ていると思わないか。ふたりとも自分の時間、自分のスペース、
自分の関係を持っていたいんだ」

仕事でもプライベートでも、わたしたちそれぞれ壁を持っているのね。
そして、互いの壁を尊重することを学ばなければならないのね。
・・・
いつのまにか警察は市民を単なる犯罪予備軍のような目で
見てしまい、市民は警察を敵対組織のようにみてしまったと、
警察機構と市民との乖離を指摘し、今一度、同じ隣人として
市の問題に、街の荒廃に向かっていきたいと話し、
Veeの家族の話をするサンドラ。
彼の心の痛みを自分の痛みとして話し、二度と子供たちをVeeのような目に
合わせないために、できることから始めようと話すサンドラ。


会見が終わり、マイクの元に行ったサンドラはラスティがいないことに気づく。

「ラスティは?」
「今朝からいないんだ。家に行ったが車は無かった」

ラスティはほんとうに嫌な男だと内心思ってしまうサンドラだったが、
事実はそうではなかった。
「大変だ!ラスティの車がどこどこで発見されたぞ!」
「車は破壊され、あたりは血だらけだが、ラスティは見つかっていない!」

暴動のあった晩、ラスティはギャングたちに襲われていたのだった。
行方不明のラスティを必死で探すマイク、刑事たち。

マイク、あなたはもう36時間も眠っていない。ここにいても邪魔なだけよ
いったん帰りなさい!
いやだ!
これは命令よ。

わずかに眠ったあと、傍で寝ていたサンドラを置いて出て行こうとするマイク。

パートナーをなおざりにしてしまった罪悪感、
やはり上手くいくわけがないっ!
ひとりにしてくれっ!
「いいえ!一緒に探すのよ!」
ホントの事を言ってくれよ、ラスティなんていなくなった方がいいんだろ?
そのほうがうまくいくんだ。
仕事、仕事でパートナーとばかり一緒で。。
「違うわ」
そうだ!
「ばか!違うわよ!
4年前ならね、4年前なら、そうだ、って言ったかもしれないわ。
ラスティ・クーンツなんか地獄に落ちろ、だったわよ。
でもね、わたしは間違っていたのよ。
聞こえる? わたしは間違っていたの!
・・・
誰かを愛するってことがどういうことなのか、本当にはわかってなかったのよ。
そんな傲慢な愛のせいで、4年も、あなたなしで生きてこなければ
ならなかったのよ。
そんなことは二度としないわ。
わたしたちは愛し合ってるの、一緒になるために生まれてきたのよ。
一緒になることは犠牲も要るかもしれないけれど、離れて生きたら
もっとずっと孤独なの。
わたしたちは一緒に年をとるのよ。
・・・
絶対にあなたと別れないわ、もし、それが残りの一生をラスティと共に
過ごすことになるんだとしたら、しかたないわ!ラスティに
自分用のロッキングチェアを用意しときなさいって言うだけよ」

良い警官でいて、良い夫でいるのは無理なんだ!

「無理じゃない!! わたしたちがあなたを引っ張り合ってしまったのは
わたしたちの過ちで、あなたの過ちではないわ」

俺は親友を失望させてしまったんだ。そんな男が一体どんな男に
なれるっていうんだ

「何かを学ぶ男よ」

・・・

「出かけてくる」
「待って、わたしも行く」
「いいや、君は署長だ。きみには君のやることがある」
「・・・わかったわ・・あなたを信じてる、マイク、あなたのしたいようにやって」

と、警部のひとりから電話がかかる。「ニュースを見てくださいっ」

え?テレビをつけると、なんと会見したあの場所にイーストエンドの住民が
大勢集まり、行方不明の刑事を探す手伝いを始めている。。。
警官と一緒に回る者、コーヒーを用意するもの、電話番をするもの、、

あ・・・(T-T)


ラスティは黒人の不良グループに痛めつけられ、空き倉庫で虫の息だった。
酒とドラッグに酔った彼らは凄惨なリンチを加え、猫がねずみをもて遊ぶように
倉庫にひきずってきた。
隠れていたVeeはそれを見た。
このままではあのおまわりは死んでしまう。
仕方ないんだ、世の中はこういうもんなんだ、オレができることなんて何もない。
Lady 彼はサンドラのことを心の中でそう呼んでいた。
Ladyはきっとがっかりすんだろな・・・
そのときラスティは目をあけ、Veeと目が合う。
こんなにボロボロになっていても、負けない、負けやしないという闘う目だった。。
Veeは不良たちに気づかれないように、電話をかけようとするが・・

ということで、、最後の感動は。。(^m^)



追補   HQ用としか思えないエピローグ付き。   帳尻あわせ的でやたらハッピィエンドであるが、そこは我慢だっ