覚醒するアダム

始まりと終りで閉じた環になった。迷路に置き去りにされたような
途方に暮れた気分とぞわっとする怖さにしばし息を止めていたことにも
気づかなかった。
何が真実で何が現実なのか、その境界がだんだんぼやけてくる。
それにしても怖い。
ホラー映画は好きになれない。なぜなら出てくるぞ、出てくるぞって
分かっているのにやっぱり、わっ!の瞬間心臓が飛び跳ねてしまうから。
( 気がちいさい )
本ならば少しはましかと思うのだけれど、でも、扉を開けた瞬間
そいつがいた!とか後ろからぽんと肩に手を置いた!とかそういう感覚に
似たものがあって、とても怖かった。

原題は『迷信』なのだが、邦題はちょっと格好よすぎかもしれない。


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