女彫刻家

んん、、予想していたものと全然違った。。 もちろん、この本は95年だか、96年だかの「このミス」でも 高評価だったからいつか読もうと思っていたが、それらの書評を読む限りでは もっとクールな作りだと思っていたのだ。 しかし、わたしはこの本を読んで正直「ハーレクインのミステリ版」だなぁと感じた。 女の情念を描くにしても、桐野夏生のほうがずっと上手いしクールだ、 家族の軋みを書くにしても、宮部みゆきのほうがずっと上手いし、胸にしみると思う。 レベルは高いんだけれど、、、なんていうか、期待しすぎてしまったのかもしれない。 母親と妹を殺して死体をばらばらにし自ら警察を呼んだというオリーブ。 6年前の彼女の事件を取り上げてみろと出版エージェントから言われたロザリンド。 で、まぁ、刑務所で面会をするうちに、いろいろ、状況が変化したり 真相というか?今まで調べられていなかった事実などが出てくるわけだが、 どうしてものめりこめない中途半端さを感じてしまった。 オリーブは最後までよくわからない人間だった。これは良い意味ではない。 作者の腕が冴えて「人の心は分からないものだなぁ・・」となるのではなく、 「ん?ん?真相は闇のなか?ってわけ?安っぽい終り方だなぁ・・」と 少々がっかりしてしまったのだ。 そのほかにも気がつくのは、うーん、なんていうか、上手く言えないが、 荒っぽい書き方なんだな、全体的に。あれもこれも、って感じで、煽るように 無駄なディテールをいれてる感じで、周囲の人にも共感を感じにくい。 ま、ハーレクイン的な部分は良かったにゃ〜。 ハルはけっこう好みだにゃ〜(爆)。 -------------------------
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