マドレイン・カー  2006年5月初出
この作家さんを読んだきっかけは、「恋は気球に乗って」を中井京子さんが翻訳していたから。
これが意外な掘り出しもの、人を見下したような失礼なヒーローが
「君がいないと生きていけない!」と全面降伏しちゃうほどの、ヒロインの成長がナイスなの。

熱気球アルプス越えやダイビングやレーシングカーレースや、ヨット製造や火山噴火やさんご礁や、
なんていうか、この方、ちょっと凝り性で理系ルポタージュ、ノンフィクション調。
ひと昔前の「兼高かおる世界の旅」といった優等生ナショナルジオグラフィックロマンス(笑)。

呆れるくらい悪人が少ない。
意地悪女(だと思った)キャラがわざわざヒロインを助けにやってくる(笑)。
呆れるくらい最初からヒーロー、ヒロインは素直だったりする。
「あなたといると心みだれるの」「ぼくもそう思う」 をを。。。

ケンカや誤解があっても、清純でガッツがあって知性的なヴァージンヒロインは
素直に反省して成長するという、あまりにも清々しいロマンスは、物足りないという読者も
あろうかと思うが、疲れたおばさんにはむしょうに心地よいんである。
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
I-202 恋は気球に乗って ヒロイン16才で両親が事故で死亡。 Mar-85 ヒロインの成長 ストーム・カルダウッド(22)、 弁護士ジェイスン・ベントリー(32) 意外にもおもろい! 銀行強盗事件の弁護がもとで苦しむヒーローが縦軸になっていて、そこにからむ、おこさまヒロインが、少しずつ成長していくのがいい感じ。気球競技がダイナミックなんだよねぇ。 うひっ
I-209 遠い海のみち ヒーロー8才の時両親死亡。 ヒロインは7才のとき両親死亡。 記憶喪失 サースデイ・ハンター(22)、 ヨット製造業ブレンダン・カバナー(30代後半) 記憶を失って初めて自己発見するという定番だけれど、素直なヒロインの恋心が可愛らしいわ。 ヒーローさま、やられちゃいましたか(笑)。みんないい人なんだよねぇ〜。 うふ
I-243 闇の黒ひょう ヒロインの母は5年前に男と出奔、 ヒーロー5才のとき母死亡。   失明ヒーロー カーペット販売会社秘書、障害児のボランティア、キャシィ・ミルナー(21)、 弁護士ファビアン・ブラックソーン(31) 意外な展開か?とおもいきや、いつも通り真面目ないい娘だった。みんなが頼りにする出来過ぎお嬢さんで、ちょっとインパクトが弱いかな〜  
I-267 熱い溶岩のように ヒーローは男爵の私生児、母が5才のとき死亡。 熱愛 正体を偽るヒロイン 雑誌カメラマンルイーズ・ジョーダン(22)、 大実業家ブルーノ・ザビア(36) なんでそんなにメロメロになっちゃうんだ〜っ!ヒーロー、君は脇が甘すぎる!(笑) あんな事して許してもらえるなんて、あぁん、ヒロイン、あなたはラッキーすぎよ。エトナ火山の爆発というドラマティックぶり。
I-394 インパクト ヒロイン2才のとき両親飛行機事故で死亡。叔母が17のとき死亡。 ヒーローはルーマニア貴族の母の私生児、11の時母死亡。国連難民救済機関の里親育ち   熱愛 フィアンセがいるヒロイン ファッションモデル、リリ・バーグマン(23)、 男性向けファッションメイカー社長ダニエル・ヴァレー(34) うははは、フィアンセとヒーローの間で板ばさみ、、とはいえ、ヒロインは恋心を隠さないから可愛いわ。押せ押せヒーローさま、奥の手を隠して墓穴を掘る(爆)。 それにしてもル・マンのレースが迫力。 うふ
I-505 あなたにバトンタッチ ヒロイン16のとき両親離婚。 ヒーローはストリート育ち。 ヒロインの成長 新聞記者クリスティーン・ヤードリー(26)、 新聞社社主兼編集長ナッシュ・キャンフィールド(35?) お嬢様ヒロインは愛を怖れて相手を不当に傷つけては心から後悔し、でもまた謝れずに。。ヒーロー、あんたよく許すよなぁ〜・・まぁ、謝り方が素直だからいいかなぁ〜。これも悪役がいないんだよねぇ。
I-515 さんご礁に憧れて     わけありヒーロー 海洋生物学者リオ(22)、 バイオテクノロジー大企業社長(34) 過去から逃避しているヒーローがちょっと勝手な奴なんだけど、、ヒロインがほんま素直なんだよねぇ〜。こんなひどい仕打ちされても、あんたホントにいい娘だねぇ〜。  
I-551 ワインレッドに乾杯 ヒロイン赤ん坊のとき父死亡。 熱愛 フィアンセがいるヒロイン イタリアワイン輸入販売クローディア・ブレナン(25)、 貴族・大地主・工業デザイナー、チェーザレ・ディ・ステーファノ  あらま、洞察を含んだセリフといい、裸体を見た途端、素直で熱いアプローチといい、ストレートで気持ちよいヒーローなのだ(笑)。ヒロインも大事な所で勇気を出す潔さ。べただけど許すわ。 ミス・ディオールをつけてるヒロイン。 うふ
I-562 マジョルカの鷹 ヒーローの両親は10年前に交通事故で死亡   熱愛 対立する立場 法律事務所勤務・自然保護運動、ポーラ・キャッスル(23)、 ビルヘン島所有者、農園主ファン・トレス(36) いやぁ〜、定番だって分かってるんだけど、この熱愛がねぇ、ぼくは君の奴隷だ、あなたは私の命よ、ほんま清らかで切なくて、気持ちいいんですよねぇ〜。ヒロインの勇気がすがすがしくて好きだわ。 領地の貯水池で泳ぐヒーローが、まるでMrダーシーなのだ! はは
I-574 トラブルメーカー May-90 幼なじみ(ヒーローはヒロインが14の時から好きだった)  bad boy returns 再会(5年) 銀行員ジーナ・ノースクリフ(ジニー 22)、 ライアン・サビッジ(26) てっきり僕を信じて待っていてくれてると思ったのに、、という定番だが、ステレオタイプな悪役と憎めないヒーローで安心して読める。ヒロインの敵役の女性がヒロインを助けてくれるし、いつもながらこの作家さんは(笑)。 うふ
I-624 マダム・バタフライの夜 ヒロインの両親は12才の時交通事故で死亡。 ヒーローは3年前に離婚。   Plain Janeもの 日本 家庭教師ドロシー(ドット)、 LSI設計カルーム・へスコット(32)、 娘パール(4) 横暴な雄虎の棲み家に足を踏み入れてしまった雌鹿ヴァージンヒロイン。。悶々とするヒーローさまがほんま、ひでぇ奴なんだ。 日本観察が的を射ていて面白いよねぇ。  
I-676 バルセロナの空は青く ヒロインもヒーローも捨て子である。 女性を信じられないヒーロー 派遣秘書レイラ・トーマス(24)、 多国籍企業のオーナー、ブレイズ・オリバー(38) ふたりとも母親探しの過去を語る部分が切ないわ。。しっかりしてるけど素直なヒロインにヒーローさまもヤラれてしまうんですよねぇ。プアゾンをつけてるヒロイン。 うひ
I-695 さらばジャマイカ     復讐ヒロイン 仕返しヒーロー 女優ソフィー・アスペン(23)、 銀行家カイル・ハート(38) とほほ、勘弁してくれぇ〜・・。わたしの気持ちを傷つけたわね!ぼくの気持ちを踏みにじったな! とバトルするお話。この作家さんのヒロインはすぐに反省するからこういう話は向かないなぁ。 >_<
I-806 渦にのまれて ヒロインの夫は10ヶ月前に交通事故で死亡。 再会(6年) 幼なじみ 夫の残した会社経営カービー・ウォーターフォード(25)、 事業家デーミアン・ホルト(35) 子供の頃からずっと好きだったヒーローにむごく拒絶されて、、という定番の過去をもつヒロインとヒーローだが、自らの大失敗を後悔していたメロメロヒーロー、セカンドチャンスをがんばります! なんか悪者がいないんだよねぇ。


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