狗神

途中から結末が読めてしまう種あかしの浅さがあるが、
古来の言い伝えとからめた皮膚をはう恐怖感がこの作者ならではである。

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蟲

これは、なんていうか 「ローズマリーの赤ちゃん」と
同類の怖さがあります。「ローズマリー」の方はご存知かと
思いますが、結婚、妊娠を題材に、
夫という今まで知らなかった人間と生活し始めて感じる
奇妙なずれ、違和感、孤独感、
体内で自分とは別の生命が育つ不安、これらを
ホラーの味付けにしてじわりじわりと追い詰める
恐さです。

蟲も女性ならではの視点があって恐いです。
ちょっと完成度が低いと思うつめの甘さが ありますが、
楽しめます。
蟲の字を見るだけで、気持ち悪くなるのは
どうしてでしょうね。

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屍の聲

短編集。上の2冊の長編よりも出来が良い気がする。
いずれも家族でしかわからない濃い人間関係のなかの軋みが
皮膚感覚で描かれている。おそらく作者は田舎のふるさとをもって
いるのだろう。鄙びた農村社会の生活がとても自然で、窒息しそうな
空気や方言のちりばめられたセリフが一段と怖さをもたらす。

女性が主人公の話の方が格段に恐いと思う。いや、恐いというより
哀しくて執念深くて残酷で、、女そのものってことか(苦笑)。


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