麦酒の家の冒険

はじめての西澤作品。今回ちょっとネットで推理小説を検索していて
いろんな人のHPを覗いてみた。そういえばサッカー以外ではあまり
HPの探索をした事がなかった(笑)。
そこで目についたのは西澤氏。よぉし、今度読んでみようと思っていて
近くの本屋で見つけたんでさっそく買ってみた。

うーん、今まであまり読まなかったタイプだ。
中学生くらいからミステリーを読み始めたけれど、最初からエラリークイーンより
ブラウン神父やミスマープルに惹かれてしまう傾向だった私は、
事件の謎よりとりまく群像や人間模様が好きだった。
しかし、ケメルマンの「9マイル・・」を長編でやってしまうのは凄い。
途中でああめんどくさい!とならずに最後まで興味深々で読んでしまった。
試しに自分でこのシチュエーションでどう推理するか、やってみたけれど
ボアン先輩にも勝てそうにない。
実はめったに家でビールを飲まない私なのだが、つられてつい飲んでしまった、、。

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夢幻巡礼

これは失敗。
読む順序が悪かったか。
でもどうしようもない。近所の本屋で西澤さんの本はこれと上のしか
なかったんだもの。で、とりあえず買ってきたんだもの。

正直いって面白くなかった。うまい、とも思わなかった。
推理を楽しむものでないのだとしたら、もっと小説的な楽しみが欲しかったが、
饒舌な自己分析をだらだら聞かされた感じで、しかもぞくっともこなかった。
一見おどろおどろしい設定なのだが、口上が多すぎで肝腎の血の匂いを
消してしまっている。
人気のシリーズの外伝のようなものらしいので、人気シリーズを先に
読むべきだったのだろう。

ハサミ男といい、これといい、殺人者の一人称小説はみんなこんな感じに
なっちゃうのかな。


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彼女が死んだ夜

これはやられた。
軽めのタッチで始まったのでそのつもりで読んでいくと、
事件は思いもかけないほど暗い顛末を迎えた。
身近な人の暗い一面を見てしまったような、苦さ、哀しさが残る。

平気で死体を運んだり、替え玉死体を置いたりと、けっこう安易な部分が
目につくのだけれど、推理を楽しむのが持ち味なのでうるさいことは
言わないほうがよいのだろう。



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