ブリジットオベール!! ちょっと「このミス」誉めすぎですよ!! どれほど面白いかと思ったら、いやはや全部竜頭蛇尾。 これほどまでに極端な尻つぼみってある?! 導入はすごいよ、確かにものすごくどきどきする。 尋常ならざる状況に置かれ不安の対象が見えない。 この時点での期待はすごいものがあった。ところが、 さあ、どうなるか、どうなるかと思って読み進むうちに、 「ええーっ!そうなの?!そんなことあったの?!」って 反則技を出す。 つまり読者は知らないが過去にこんなことがあっただの、 こういう人がいただの 隠し部屋があっただの、ってパターンね、 または、人物像が微妙に変化して雰囲気がだいぶ違ってしまう。 話の前半はこんな人じゃなかったよぉ。 またはいくらなんでも周囲の人が気がつかないなんておかしいよって つっこみたくなる不自然さ。。 ふんがー!くやしい。3冊も買ったのにさ。。 「鉄の薔薇」は、この間のTVドラマでぱくられていたような。 自分がそうだと思い込んでいる記憶は、すべて他人に 植え付けられた記憶だったって奴ね。 ただ、彼女のすばらしいところは、 この最初の設定、語り初めの状況が とんでもなくおもしろいってことだ。 これは本当にすごい。 -------------- ジャクソンヴィルの闇 性懲りもなく、また買ってしまったオベール。 だって、そこそこおもしろく時間をつぶせるからねえ。 って、思っていたのに、またまた、 え、えーっ!こういう話なの?? 不気味なムードを楽しむってより、なにやらはちゃめちゃな感じ。 心底恐い思いをさせられるってわけでもなく、ちょっぴりしみじみさせるって わけでもなく、「どう?おもしろいでしょ」と作者が言っているのを 聞かされる感じ。 ホラーってこういうばかげたのを書ききっちゃうパワーも 必要なのかもしれないけど、キングだったら、もっとそこに 普遍的な悲しみ(孤独感や劣等感、愛や友情)が流れている。 一方たとえばラブクラフトだったら、これはもう心底恐いとしか いいようのない名状しがたいものの恐さだ。 ラブクラフトは恐すぎて、夜一人で読むのができないくらいだ。 オベールが、どこでつまらなくなってしまうのか、それは 主人公以外の重要な脇役の性格がいまひとつわからず、信頼できる気が しないままずるずると話が続くところだ。だから、脱出するときの カタルシスがいまいち盛り上がらない。力をあわせて危機をのり越えるときに やったね!という気分にならない。また大事な人が傷つけられたという 気持ちにもならない。ひとえに人間の描き方が足りない点が おもしろさを削いでいると思う。
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