都立水商!

工業高校や農業高校があって、どうして水商売を教える高校がないんだ?
なんて発想からうまれた「都立水商業高等学校」。
新宿歌舞伎町に出来たおミズの高校である。
「ホステス科」「ホスト科」「マネージャー科」ぐらいならまだしも(え?まだしもじゃない?笑)
「ソープ科」「ヘルス科」「ゲイバー科」、実技実習に校外学習、講師陣も民間から起用したプロなど
奇想天外な設定。
いろものになる寸前の物語が、とんでもなく素晴らしいヒューマンコメディに仕上がっている。

他に行き場のないオチコボレたち、援交やかつあげで補導されたり親に捨てられた環境の
子供たちが、「場」を与えられたことによって変って行く。

文章はなんちゅうか単純な書き方で、荒っぽい。
フェラチオ実習やサオ師まで登場するノリノリいけいけである。
でも溢れるような気持が伝わって来て読んでいるうちにぐいぐいと引き込まれて、
個性豊かな教師陣と生徒たちの初々しいばかりの情熱にほろりとして、
さらに私もそう思っていたんだよぉっと、言いたいこと爆発で爽快で痛快。

そのくせ、冷静な目があって賢い。抑えが効いている。
真面目に教育論として読んでも十分な内容である。

盛り上げに一役買った部活部分も楽しい。高校野球に一言いいたい人はぜひ読んで。
それにしてもセカンドの名倉くん、君のダイビングキャッチには泣けたよぉ。
やっぱ、愛だね。


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