レーニンをミイラにした男 スターリンによってレーニンの遺体保存は決定された。 レーニン崇拝を体制の安定化に利用しようとしたわけだ。 その永久保存に直接関わったのは作者の父である。そして、彼もまた この遺体処理と、その後のレーニン廟の維持に深く関わらざる得なくなった。 恐怖が支配したスターリン独裁のソ連下での大学事情や科学者の状況。 メンデルの遺伝の法則を信じる者は職を追われる時代。 ”主義”が社会を支配して、みなが息をひそめてくらす様子。 著者の生活とともにソ連の歴史が語られる。 さらに戦後の、ソ連友好国の元首の遺体保存。 知らなかった!ブルガリア首相やらモンゴルの独裁者、はたまたホーチミンまでは 遺体の防腐処理を受けていたなんて。。 またまたさらに、自由化の波を受けて、ベルリンの壁は崩壊するが、 マネーの壁がたちはだかると、、、 レーニン廟付属研究所が「葬送サービス」に衣がえをする! 遺体保存の顧客はなんとロシア・マフィア・・・ 一般人の給料が130ドルくらいの時に、保存処理に1万ドル、墓石に1万ドル以上 かけて盛大に葬式が行われている。 現在もまだレーニンの遺体の埋葬問題は決着していない。ロシアの政治の対立を もろに受けている問題なのだ。
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