シンプル・プラン

これはミステリーだから、ネタばれになることは書けない、、となると
書けることなんてないかもしれない。
とにかく、ずっとずっと緊張の糸が切れることなく、苦しいほどに
物語は続く。
誰でも人の心の中などわからないし、信用していいのか?とか、疑い出したら
きりがない。。この恐怖感が実にうまく描かれている。

そして物事がなぜか悪い方へ悪い方へところがっていって、あのとき、
ああすればよかったのにと思う時にはもう遅い。。という、よくある小説のパターンなのに
この苦々しさは一級だ。人の心の揺らぎや微妙な変化がとてもうまく
書かれているから。

とっても単純な出来事にめぐりあった時、主人公が取ってしまった行動によって
悪夢のような、どうしようもない状況へはまっていく。
読み出したらやめられない面白さだけれど、読み終わっても寒々とすることを
覚悟しないと読めないねえ。

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