ローマ人への20の質問

彼女の著作が評判高くしかも売れていることはもちろん知っていたが、
なんとなく手を伸ばさなかった。
私はあまり史書に興味がわかないのだ。
だからこの本を買ったのも、サッカーが縁である。
NumberPlusという雑誌に彼女がサッカーについての文を寄せていて
それが大変面白かったのである。
知識をひけらかすでもなく、無知を恥じるでもなく、
小気味良く彼女のサッカー観が語られる。
一刀両断にする手際には恐れ入る。彼女に評価される選手は
まるで爵位を貰ったくらいの栄誉に感じるんじゃないか。
そう思わせるほど言葉に重みがあった。
それは彼女自身の考えに迷いがなく、自分の意見というものが
明確だからだ。
それはこの新書でも際立っている。
新書ゆえに短くまとまっていて、ローマ(共和制と帝政)の
ローマたる所以をローマ人の目の高さで語っている。

もちろんこの新書を読んだだけではローマとは一体なんだったのか、
わかったようで分からない。だが、目を向けるポイントを教えてもらった気がする。
そして、これを機に「ローマ人の物語」を読んでみようかと思ったのだった。


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