10代女性の妊娠と中絶
映画のなかで、ヤミ中絶で命を落とす16歳の少女の話があって、
ちょっと考えてしまった。

決して昔の話じゃなくて、2002年のメキシコなんだ。

闇の堕胎に連れていく場面に、え?これって今のメキシコ?って思う自分がいるのだが、
そうなんだ、メキシコは国民の90%がカソリックの国で、当然、中絶禁止なんだ。
女性の経口避妊薬も服用が禁止されているから、男性側がちゃんとしない限り、
女性のおなかが大きくなるんだ。

最近みたスペイン映画やメキシコ映画で、高校生ぐらいの女性が
赤ん坊を抱いているのがやたら目について、なんとなく気になっていたんだけど、
そうなんだなぁ。
現在も、メキシコではヤミ中絶は若い女性の死因のトップクラスなんだと。


で、日本はもうちょっと女性の意識がしっかりしてる、と思いたいけれど、実は、
日本で報告された中絶手術は2000年で約34万件、うち10代の女の子が
約5万件だそうだ。

中絶は非報告を入れると100万件ぐらいだと言われていて、
非報告に10代女性がもっと多く含まれているだろうから、
中絶手術を受けている少女がどれほど多いか考えると、びっくりするほど。
単純計算で365日で割ると、公式に報告されているだけでも、
毎日130人もの10代の女の子が中絶手術をしてることになる。
確か、厚生労働省の調査で、19歳の女性の50人にひとりが中絶経験ありだと
分かったんだよね。

よその国の映画をみて、おやおや、なんて言ってる場合じゃないわけだ。

毎日10代の少女130人の中絶も、全員がレイプの結果って事じゃないだろうから、
森鴎外先生の「舞姫」の頃から、男性はそれほど変わっちゃいないし、女性の意識も
それほど変わっちゃいないってことなんだろうな。
無知だけじゃなくて、自分から「つけて」と言いにくい精神構造が女性側に
あるんだよね。

斉藤美奈子さんの「妊娠小説」を昔読んだとき、ほんま、ワタシもこう思ってたんだ、
よくぞ書いてくれた、って気になったんだけど、いまも相変わらずなんだよねぇ。
日経の朝刊に渡辺淳一が連載してる小説、子供が3人いる人妻と寝た主人公が
中出しできて感動してるんだよね、おんなが「ください」と言ったことが嬉しくて。
すごくうんざり。

ロンドンのバーガーキングでは女性トイレの中に避妊具の自販機が置いてあって、
「これ、いいな」と思ったんだけど、どう?
小心者のわたしは、薬局やコンビニで堂々と買える女性を尊敬しちゃうんだが、
既婚者は通販で買えるからまだいいけど、10代の女の子って、なかなか
避妊具を自分で買えないんじゃないかな。
自分で買えないくらいならやるなっ! そう思うのがまっとうなんだけどサ。


最低1個は財布の中にいれておく、ってのを、親は娘、息子に言っておくべきだね。
でもって、ファーストフードの女性トイレに自販機を置いてほしいな。
はは、映画の本筋とはかけ離れたことを考え込んでしまったわ。