大学入学式雑感


京大の入学式は大学の体育館であります。百万遍の角にある体育館の周囲は
自転車で溢れていて、道路は工事まっさかりで、ごちゃごちゃ極まりないです。
てきとうに周囲にロープをはって”入学式のため自転車などの進入禁止”として、
入り口だけは確保するって感じです。中は中で、フロアに入学式の壇をつくって
長椅子ならべて、、はっきり言ってぼろっちい。体育館の観客席が一応ちょっとあるから
見学者はそこに行くのだけれど席数はどれだけあるかどうか。

形とか名前とかにやや偏屈に(笑)反抗する京大らしさが分かります。
そんな京大の入学式とまるで正反対なのが東大の入学式です。合格者ひとりに
同伴保護者は2名までとなっていて、入場券が合格通知と一緒に送られてきます。
そして武道館を借りて大々的にやります。

大学生の入学式に親なんて絶対はずかしい。
でも息子は進学校でもないので、他に受けてる人すらなく知り合いがいません。
入学式後、ひとりで下宿に帰る姿を想像すると、なんだかわびしい。。。
拙弟は職場が丸の内だから近いけれど仕事で無理だと言う、義妹は下の子の幼稚園が
半日なのでやっぱり無理。夫も行きたくないという。
自分は絶対行かないつもりだったのに、結局写真を撮って帰りに
下宿を見てくるということで日帰りで行くことにしました。

すごく恥ずかしいと思っていたのに、なんと九段下はラッシュアワーのような混雑!
武道館はこちらでーす!という駅員のマイクによるお知らせまであります。
満開の桜、晴天、武道館までの道ではスーツ姿の新入生と親たちがそこここで
写真をとりあっています。TVや新聞の取材も多く来ているようです。

『こんなことはたいしたことではない。大事なのはこれからなんだ』と口にだしたら
『なに、偏屈なこと、言ってんだか。やだねぇ、京大は。いいじゃん、喜べば。』
って東大に言われているような気分です(笑)。

そういえば6年前のD中学校の入学式でも同じような感じでした。
なぜかお母さんたちは知り合いどおしが多くて、
「よかったわねー」
「うちなんてもう遊びまくっているわよ」と喜びあっていました。
どうやらほとんどの人が塾を介して知り合いのようで、
後で学校で聞いたら塾に通ったことがない子は息子を入れて学年で2人だけ、
ほとんどが3年生か4年生からずっと塾に通っていたといってました。
まだ中学生だというのに、「もう絶対勉強しないぞー」と嬉しそうに言っている
子が多いのが・・。これからが本当の勉強だろうに。。。
(エスカレーターで大学まで行けるので本当に勉強放棄した子がいっぱいいました・・)

中学の時の光景がまた大学入学でも繰り広げられていました。
俗にいう進学校出身者が多いので(たぶんそれ以前の塾からかも)
親も知り合いどおしが多いのです。
「あら、なにちゃん、おめでとう」「うちなんか、昨日も飲み会とかいって遊びまくっているのよぉ」
三々五々連れ立って目指すは武道館。
信じられないのはビデオカメラをもってるお父さん。げげげ、小学校の運動会じゃないのに。。。

新入生はフロアと2階。3階は保護者席、壇の後ろを除いてあれよあれよと満員になりました。
武道館の通路では「みやげもの」屋まで出ていて、『合格の記念にテレホンカードは
いかがですかぁー』と50度数を2000円で売りつけるあこぎなやり口。

総長が式辞を述べる段になり挨拶をすると、おおお、、、コーナーキックの中田(英)も
びっくり!のフラッシュの嵐、嵐。
蓮実総長の話はまあ、ましだったけれど、教養学部長の話は、悲しいくらいレベルが低く、
せっかく高まった格調がダウンしました。。
これが大学生にする話?中学か高校レベルの話じゃないかなあ。

私は今でも息子の中学の当時の校長の式辞を聞いた時の感動が忘れられません。
山本覚馬のエピソードと『見えないものを見よ!』という言葉、知性を希求する魂であれ!と
淡々と話される校長の姿が目に浮かびます。
そんな話を期待したのに、「今までの苦労がむくわれた。おめでとう。」的な話ではがっくりです。

さてこのお二方の祝辞で式は終りです。なんだかわざわざ武道館でやるほどのこと、ないね。
桜はきれいだし、建物も広いけどねえ。。

渋谷で昼食をとろうと新しく出来たマークシティビルに行くと、どこも満員。ほんとに都会って
平日の昼になんでこんなに人が多いの?うろうろしたけれど悲しいかな、お上りさんの私達。
結局下宿の駅まで行って、カツ丼とざるそばを食べたのでした(笑)。
母親が来ても結局わびしかったねー(笑)。


この日の更新の記録を見てみる

ホームへ戻る