「夜明けのフーガ」

原書ラスト4ページの省略は、そりゃないぜっ!!
んでもって、どこからそうなったか、超訳はあまりにうざったいぜっ!!

というわけで、ここに原書ラスト4ページの直訳を載せちゃうよぉ〜。

まずは、邦訳のラストは、こうです。

「愛してるわ」 ディオンヌはしあわせに身をふるわせながらささやいた。
「愛してるよ」 涙をいっぱいにためたブラウンの瞳をのぞきこむようにして
ブレイクが答える。
 ブレイクはその胸にしっかりとディオンヌを抱き寄せると、柔らかく熱い唇に
そっと口づけした。何ヶ月ぶりで嗅ぐ、ブレイクの臭い・・・ディオンヌはその臭いを
思いきり吸い込もうとして顔を摺り寄せていった。フェニックスのあのまぶしい太陽、
青く澄み渡った空。懐かしい思い出があざやかによみがえってくる。
早くフェニックスに戻って、ブレイクと思い切り愛し合いたい。ディオンヌは
胸の中の熱い思いを伝えようとするかのように、彼を強く抱きしめた。
「ああ、ディオンヌ・・・ぼくの妻、ぼくのすべて。いつまでも
ぼくのものでいてほしい」
「あなたがわたしを求めるかぎり、わたしはいつもあなたのものよ」
 ディオンヌの胸で揺れるルビーのハートが、ふたりの未来を
祝福するように永遠の輝きを放っていた。


なんつうか、メロドラマだわん、これじゃ。。
原書のニュアンスはもっとぞくっとセクシーだにゃ〜(ぶつぶつ)

「愛してるわ」 ディオンヌは震えながらいった。
 「知ってるさ ( I know )。 君が最初ルビーのハートを僕に返したときは
本当にがっくりきたけれど、あとからそのことを考えてね、君がどんなに
こわがっていたか僕はわかったんだよ。僕が君を愛している事を君に
確信させるために、君を行かさなければならなかったんだ。
君ひとりを飛行機に乗せたことは、ああ、僕の人生の中でも一番つらいことだったよ。
それに比べれば歩き方の練習など子供の戯言さ。」

 「埋め合わせはするわ」 彼の腕の中で、彼女はささやいた。
彼のなつかしい匂い(scent)にじらされ、彼女はそれを大喜びで吸い込んだ。
彼の臭い(smell)は、暑くまぶしい太陽の日々と笑い声をよみがえらせた。
 「さっそく今夜」彼は脅すように言った。
 「いや、もっといいことがあるぞ、予約したホテルの部屋に着いたらすぐに」
 「わたしたち、今日フェニックスに戻るんじゃないの?」 彼女は驚いて頭をあげた。
 「気づいていないかもしれないが、今、大雪なんだよ」 彼はにやりとした。
「すべてのフライトが天候が回復するまで止まってるんだ、もしかすると何日も
何日もそうかもしれないよ。 僕と何日もベッドで過ごすっていうのはどうだい?」
 「なんとか我慢できるよう努力するわ」 彼女はため息をついた。
 「我慢するってどう書くんだい?」 (Do you spell that b-a-r-e?) 彼女の首筋に
顔をすり寄せながらそうたずね、 ゆっくりと、まるでこれまでずっと待っていたかのように、
彼女の唇に近づいた。彼女の味わい、触感を楽しみながら長い間キスをして、
なんとか努力して体を離した。
 「今や運転ができるんだ」 ギアをいれながら、そんな言葉が意味も無く口にでた。
 「そうね」
 「 それに飛行機をまた操縦している。 先週は新しいエンジンをテストし・・・」
 「危険なことをずっとするつもりなの?」 彼女が口をはさむと彼は彼女をじっと見て、
「それについてはずっと考えていたよ。前と同じようにやるつもりはない。
家の中に失うリスクを冒すにはもったいないほど興奮するものがあるからね」



 彼女は何往復も泳いでいた。暑い5月の砂漠の太陽が照りつけていた。
エクササイズは体に心地よく、しめつけられた感じだった筋肉をぐっと伸ばした。
かつてブレイクと何度も危機をのりこえたプールと小さなジムがなつかしかった。
その朝彼女はフェニックスの病院に行き、時間雇用の契約をしてきた。
一対一のセラピーの強い関係ができなくてすこし寂しいが、決まった時間で働くから
夜ブレイクと過ごしながら好きな仕事も両立できるだろう。
 「ヘイ!」深い響きの声がした。 「オリンピックにでも出る気かい?」
 彼女は水の中を歩き、目にかかる髪をあげながら 「こんなに早くにどうしたの?」
 「そりゃずいぶんなお出迎えだね」 夫になって2週間の彼はぶつぶつ言った。
彼はコートを脱ぎ椅子の背にかけ、ネクタイをゆるめた。
ディオンヌが見ていると、彼はつぎつぎに服を脱いでは椅子の上におき、とうとう生まれたままの
姿になった。巧みに浅めの飛び込みをして力強いストロークで彼女のところまでやってきた。

 「そんな姿でつかまっても私のせいじゃないわよ」
 「服を着てるには暑すぎるよ。 仕事はもらえた?」
 「もちろん」 鼻であしらうと
 「うぬぼれや」 彼は手のひらを彼女の頭にのせて沈めようとしたが、彼女は
そんなことは平気だった。水の下でも上手く泳げるので優雅にキックして
彼から離れた。プールの端まで行ったとき彼も追いついた。
 「なぜこんなに早くに帰ってきたかまだ答えていないわ」
 「妻と愛し合おうと思って帰ってきたんだよ。仕事に全然集中できなくてね、
昨晩のことばかり考えてたんだ。」 そう言うと、昨晩を思い出し彼女の瞳にまつげが
重くかかるさまを魅せられたように見つめた。
 彼女にもっと近づいて、唇を重ね、手で彼女の頭の後ろを支え、彼女の口を斜めに傾けた。
舌が互いの情熱に絡みあい、ディオンヌは震えて体を彼に寄せた。彼女の足は彼の足に
しっかりとまきついた。
 「あなたは立っているのよ」 口を離してそう言った。
 「わかってる」 彼の手が彼女の背中で動き、ビキニのトップをはずし、それをプールの外へ
放り上げると、濡れてぴちゃっと音をたててタイルに落ちた。
彼の指が彼女の胸に触れた、つつみこみ、前かがみになってまたキスをした。

 ひそやかなうめき声をあげ、彼女は彼の首に腕をまきつけ、まるでつたのように彼を覆った。
どれほど愛をかわしても、彼に応える新しい方法を学ぶたびにますます良くなっていた。
冷たい水が彼らのまわりで揺れるが彼らの熱い肌はすこしも冷めない。
内で燃える火は明るく輝き、少しの水ではまったく消えない。
 彼は、ちょうど彼女の胸が彼の口の高さに来るまで彼女を持ち上げ、それから
彼を楽しませるように突き出ている熟れたふくらみをむさぼった。
「愛してるよ」 彼はうめいて、彼女のビキニのボトムのひもをひっぱった。
 「ブレイク!ここではだめよ」 そういいながらも、甘く身をまかせた。
「誰かに見られるわ、、ミギュエルか、アルバータか・・・」
 「ミギュエルはいないよ」 彼は彼女の体を自分の体に沿ってずらしながらささやいた、
「誰も僕たちが何をしてるかわからないよ。水面に太陽の照り返しがあるしね。
足を僕の腰にまわすんだ」
 突然彼女は笑い出し、頭をうしろにそらして暑いフェニックスの日差しを顔に受けた。
「あなたはやっぱり危険な人だわ」 口ずさむように言うと、長く甘美な肌と肌のふれあいに
はっとして、「あなたは冒険が好きなのね」
 彼女は彼の肩にしっかりつかまり、まばゆい意識で、その日の美しさに浸った。
彼は彼女の顔を見つめ、彼女のエキゾチックな瞳の中におどる素晴らしい感情の数々が
眠気を誘うようになるのを見つめ、彼女の歯がふっくらとして情熱的な下唇をかみしめ
彼が注意深くもたらす喜びにふるえるのを見つめた。
 「Lady」 歌うように呼んだ。「Woman、 君は僕のものだ。そうだね?」
 彼女は喜びに酔ったようにふたたび笑った、太陽に腕をさしだし
「あなたが私を求めてくれるかぎり」 と約束した。
 「それなら、死ぬまで僕のレディだ。いや、それでも終わりじゃないよ」

Fin


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(注)ブレイクが迎えに来たのが4月12日、ふたりの結婚式は5月1日