真夜中の相棒 (文春文庫) テリー・ホワイト
初めに読んだ時にももちろん心に響いたが、時間がたつにつれ、 この味がますます恋しくなった。 やるせなさ、もどかしさ、いらだたしさ、預かり知らぬところで絡み合い、 現実じゃない気がするのに、事態は悪い方へころがっていくばかりだ。 どうしたらいいのだ・・何がしたいんだ?おれは・・・ 間違った方向へ、どつぼへ、向かっていると自分でわかっているくせに 進むことをやめられない、痛みの快感。 恐ろしいほどの孤独と、息が詰まるほどの愛情 背負っているものは何だ?くっついて離れないのは相手なのか、それとも 自分なのか? どうしようもないお荷物、ジョニー(27)を放っておけなかったマック(35)は ジョニーも連れてベトナム最前線から除隊しアメリカに戻ってくる。 マック以外とはしゃべろうとしないジョニー。 マックがそばにいる時だけ安心できるジョニー。 アイスクリームとテレビを見る事と映画が好きなジョニー。 拳銃の狙いが恐ろしく正確なジョニー。 孤児院で育ち、里親から望まれず、誰からも愛情をかけてもらったことが ないマック。 厳格なファンダメンタリストの牧師を父親にもつジョニー。 彼らが傷ついているのはベトナム戦争のせいというだけじゃない。 カードギャンブルをやめられないマック。借金がこげつき、のっぴきならぬ状況へ陥る。 マックが望む事ならなんでもやるジョニー。 いつしか腕のたつ殺し屋2人組となってしまうふたり。。 帰国後6年の月日が流れ、パートナーを殺された刑事サイモンが 彼らを追う。 サイモンも、ジョニーと同じように、父親がユダヤ教のラビなのだ。 彼らは期待されたものになれなかった、属する社会になじめなかった、 自分は異物だという感覚を消せないのだ。 3人の孤独についての物語である。 3人の愛についての物語でもある。 ジョニーとマックのあまりにも切ない愛の言葉に、泣けてしまう。 そしてサイモンの痛ましさには、、もう胸が痛むとしかいえない。 最初と最後に流れるのは、ナット・キング・コールの「モナリザ」である。 ---------------------------- みーはー的には、なんと、マックは背が高くて茶色い髪でハンサムなんだ。 もっと無骨い男だと想像してたのに。 ジョニーはほっそりとした金髪、碧眼で天使のような笑みをもっている。 サイモンもなんと、ハンサムなんだ、年はマックと同じくらいかやや下か? 「トーマの心臓」変形バージョン?(笑)