2000年その2


キャラクター Karakter (ベルギー・オランダ、97年)

この年のアカデミー外国映画賞をとった作品だそうだ。
見終わった今は、「そりゃ当然だ!」と断言できます。
ある事件が起こる。主人公はつかまり尋問される。
物語はその主人公の生い立ちから現在までを尋問のやりとりの中で
描ききる。そう、描き切っているのだ、見事なまでに。
父親と母親、友人、初恋、重苦しい情念が暗いタッチの画面から
確かな息遣いで伝わってくる。
親子の愛情の姿をここまで寡黙に描いている作品はそうはない。
しかし人というのは本来この手の感情をぺらぺらとしゃべることはない。
胸の底の淀みを辛抱強くすくいとってみせた監督の手腕に脱帽。
私のone of ベストシネマとなりました。
 
 
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ジェニファーエイト Jennifer Eight (92年アメリカ)

変な題名だからなんのこっちゃっと思っていたが、
これもすごく良かった。うまい導入、盛り上がるサスペンス、謎。
アンディ・ガルシアとユマ・サーマンもロマンチック。
推理小説好きな人間も合格点をあげられる作品だ。
しかしそれはないぜ!と思う点もちょっとあるんだよねえ。
ここでその不満をもらすとネタばらしになっちゃう?ま、いいか。
犯人も主人公もジョンって名前なんだけど、普段犯人はジョンって
呼ばれてない。それなのに、肝腎な時に被害者がジョンと呼ぶから
主人公が疑われてしまう。これってずるいよね。
いつも呼ぶ名で叫べば皆犯人が誰だかすぐに分かったのに。。
でも、これ以外は上手く出来ていてお勧め。犯人がジョンだと
言うのは冒頭から出てくるから別にこれを読んでから見ても
大丈夫。はらはらできます。
 
 
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プラクティカル・マジック Practical Magic (98年アメリカ)

サンドラ・ブロックとニコール・キッドマンが意外に合ってました。
楽しくて暖かくて、名作ではないけれど悪くない。
ニコール・キッドマンの2の腕の細さにほれぼれします。
ニコール・キッドマンを見るたびに思う事。
もし何か願い事が叶うなら何を願う?私は、ぜぇったい、ぜぇったい、
ナイスバディになりたい!!!です(笑)。
 
 
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ヴァンパイアー最後の聖戦 John Carpenter's Vampires (98年アメリカ)

まあ、わざわざ見るほどのこともない?
 
 
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エピデミック Epidemic(88年デンマーク)

最後の終わり方がイマイチで不完全、やや趣味が悪いと思ったが、
会話する映像がはっとする面白さだったり、創造したい世界が
感じられたり、と、この監督の才能をうかがえる作品だった。
 
 
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あなたに言えなかったこと Cosas que nunca te dije

Things I Never Told You(95年アメリカ&スペイン)

寂しくて、ちょっと不幸で、不安で、、そんな普通の人たちの心を
すこしだけ暖かくする。見つけたと思った愛が失われ、また見つけて、、
最後が甘いかもしれないけど、とても好き。
人を好きになるってこういうことなんだろうなあ。おすすめ!
 
 
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Different for girls(1996年英)

ずっと本当の自分は女の子なんだと思っていた少年が成人して
性転換手術をして女性として生活する。ある日、高校時代自分をかばってくれた
同級生に会う。をいをい、あんなマッチョ系のどこがいいのさ、と思うけれど
彼女(?)はずっと彼が好きだったからなあ。
好きって気持ちを素直に出すと、「俺はストレートだぜ」と彼は言う。
「私もよ」と彼女は答える。。彼は同級生の元少年に女を意識してしまいそうに
なる自分を初めは否定するけれど、、、。
社会的弱者の殻にこもっていた彼女も愛のためにちょっと勇気を奮う。
この映画のいいところは堂々としているってところかな。
 
 
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スリーピーホロー Sleepy Hollow (1999年米)

好きー!!美しいデップ様の瞳、まなざし、額にかかる髪(きゃあ)
映像もセットも、かなり好きな世界だ。
おとぎ話のエッセンスがぎっしりとはいった一品。ちょっと可笑しくて
ちょっとぞっとして、甘くて残酷で、こういう世界にジョニー・デップの
雰囲気がすごく合うから不思議。クリスティナ・リッチも意外なほど可憐で
染めた金髪がよく似合っていた。それにしてもティム・バートン監督はふわふわした
金髪が好きなんですねえ。シザーハンズの時もわざわざウィノダ・ライダーの
髪を金色に染めさせていたよね。
この監督の美意識が細部にまで渡っていて別世界をほぼ完璧に作り上げている。
 
 
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ビッグリボウスキー The Big Lebowski(1998年米)

コーエン兄弟作品。
「っくしょう。違うだろうが!俺が言いたいのはだな・・」
「じゃなくて、だからちょっと俺の言うことを聞けって言ってん、、」
「おいおい、なんてことしやがるんだ」
「ああ、こんなことになっちまって」
「だからー、俺が言いたかったのはだな、、おい!ちょっと、、あ」
 
揉め事はレーンを転がるボーリングの球がピンをガシャーンと
なぎ倒すように小さな爆発をおこし、そして球が戻ってくるように、
何がなにやらどうしてこうまでこんがらがるの?って風に繰り返され
どたばた劇になるのかと思うと、大立ち回りで収束して、
またボーリング場へと戻る。人生は泣き笑いのコメディだ。
ジェフ・ブリッグスがひゃー!と思うほど腹の出ただらけた体型になって、
役にはぴったりだけど、いややわー。
 

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