2000年その4


悪魔の種子 Mr. Stitch(95年アメリカ)

ルトガー・ハウアが出ているので借りてしまった。TV用映画だからか、ちゃちだった、、。
はじめの部分は面白い。映像もそうだし、ストーリーもどうなるのか、と
わくわくした。しかし、その後が・・・。
日本語題が『悪魔の種子』というのも、はて?
 
人造人間3号の人は、ちょっと好みの雰囲気で、シザーハンズで初めてジョニー・デップを
見た時を思い出した。
 
 
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和平飯店 Chow Yunfat in Peace Hotel(95年香港)

ユンファ+ジョン・ウーを見たくて借りたけれど、これもまた、、。
やっぱ、ユンファは年取ったなぁ。ばったばったとなぎ倒すのに、切れが
感じられない。
しかしいつも思うのだが、中国人ってほんとドライだなあ。
後日調べたら邦題が「大陸英雄伝」になった。

 
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リトル・ヴォイス Little Voice(98年イギリス)

母親役の怪演に飲まれてしまった。すごすぎる。
 
苦い味とすがすがしい味がけっこううまくバランスをとっていて、
ラストに向かってゆく流れは泣けるものがある。
主役の少女が最後はとても可愛らしく見えて嬉しかった。
しかし、、ユアン・マクレガーは、なんともいえず素敵だわ。。
 
 
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隣人は静かに笑う Arlington Road(98年アメリカ)

ひどい!ひどい!ひどい!
とってもとっても嫌な気持ちになった。
良く出来ているよ、これは認めます。でも・・・後味わるすぎ!!
「してやったり」は主人公側がやるなら快感だし、映画の王道かもしれないけれど、
敵対側がやると、、あまりにも残酷で悪意に満ちていて救いがない。
主人公側は救いようも無いあほ!敵対側は組織も意味もわけがわからないくせに
やたら優秀。そんなのってひどいよ!
 
「優秀な宇宙人に侵略されてあっけなく破壊される地球」
という映画だと思うことにします。
 
この邦題。テーマずばりだもんな。原題「Arlington Road 」
 
ジェフ・ブリッジズは上手いけど、太りすぎよ。
 
 
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秘密と嘘 SECRETS & LIES(96年イギリス・フランス)

アカデミー賞主演女優賞ノミネート。ゴールデングロープ賞受賞。
「リトルヴォイス」のお母さん、ブレンダ・ブレッセン。彼女の演技力には
降参です。すごい!!うっとうしい母親、愚かな母親、いやになってしまう母親、
見たくない母親そのものを演じきる。そのくせ、ああお母さんなんだ、、と泣けてしまう。
彼女のあのハイテンション、あの体型、あの歩き方、あの声、あの服装。
市原悦子を100倍(!)強力にしたって感じだね。
 
先に「リトルヴォイス」を見てしまったから順序が逆だけれど、
リトル・・とは全く違うのも驚きの一つ。
 
ハイテンションな部分と、クールで冷静な部分が非常にバランスよく、
家族って何、親子って何、夫婦って何、という本質的なテーマを映画の中で
描き切っている。
お勧め。
 
 
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孤独の絆 no way home(96年アメリカ)

主演のティム・ロスが見たくて借りた映画。
「ライアー」の時に、あれ?っと思ったんだけど、そうなんだ。
彼は「レザボア・ドッグズ」のオレンジなんです。オレンジの時は
もっとかっこよかったと思うけど・・(笑)
演じる役柄が似ていて、それがちょっと不満。
寡黙で何を考えているのか分かりにくい。精神的に遅れているようにも
見えるが実際はとても頭が良い。彼の周りの空気は静かによどむ。
 
ドラマは一体どうなるか、、と期待を寄せるが、結末に向かって安易な方向を
とってしまう。兄弟の愛がとても微妙な感じで描かれていて面白かったのだが
一気にラストを迎えてしまった。
 
 
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阿羅漢 南北少林 MARTIAL ARTS OF SHAOLIN(86年香港)

こういうのは理屈抜き!
めったやたらに強くて、ばったばったと敵を倒す。
ジェット・リーの武術をみるだけで楽しいからね。
 
 
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ミッション:インポッシブル Mission:Impossible(96年アメリカ)

もうそろそろMI2が始まってしまうのであわてて借りました(笑)。
実は公開されていた時は絶対みるもんか!って思っていました。
なぜかというと、「スパイ大作戦」としてTV放映になじんでいた私にとって
おはようフェルプス君があんなことをするなんて、絶対絶対受け入れがたいからです(笑)。
確か当時のfj.rec.moviesでもこのような意見が高年齢層(^^;;)から頻出しました。
若い人にはわからないかもしれませんが、これは例えば
「必殺仕事人」がリメイクされて、若いスター俳優が主役で、脇役に老人になった
中村主水が居て、彼が陰謀の首謀者で裏切り者のいやな奴という話になるとか、
「太陽にほえろ」の裕次郎さんが裏切り者になるとか(ごめん、見たことないので役名知らない)
と・とにかく、なんだか思い出を汚されたような気分になりそうで
いやだったんです。
 
でも、なかなか面白く見れましたね。そこで気付いたんです。
きっと当時はフェルプス君をやっつけるのがトム・クルーズだっていうことが
嫌だったんだと。前はなんだかトム・クルーズってクサイというイメージで
気に入らなかったんです。ごめんよぉ。食わず嫌いで。
 
 
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グラディエーター Gladiator(2000年アメリカ)

映像の迫力に感嘆した。戦いのシーンの生々しさ、肉を断ち切るような
剣の重量感、ふきだす血、カメラの動きと人の荒い息づかい。
そして輝くローマ。コロセウムの威容。
生と死が常に背中合わせにいる危うい現実の中でいっときの熱狂に身を委ねる人々。
 
現代版ベンハーなのだが、チャールトン・ヘストンほどの存在感のある役者なんて
いるかしら、という心配を払拭するラッセル・クロウだった。
これぞ男があこがれる男、部下達が将軍のためなら死ねるという男だった。
愛、信義、信念、ローマのために命をかける、、まさに北斗の拳のケンシロウのような人だった。
強い男が純愛を貫くっていうところも同じ。
そういえば敵対する皇帝もまた苦悩を抱えあわれで、このあたりが現代的な描き方でもある。
 
この映画はひたすら戦う!容赦なく戦う!
でも、エイリアンやブレードランナーの時もそうなんだけど、ひたすら戦う中で、
リドリー・スコット監督が見つめているのは「人間ってなんだろう」というものだと思う。
どれもこれも、人類の欲望にふりまわされる個人という気がする。
未知の生物の捕獲や永遠の生命をもとめて突き進んできた社会の中で、
仕事上とてつもない戦いに遭遇してしまう。
一体自分はなんのために戦っているんだ・・・という思い。
グラディエーターだってそうだ。
民衆はローマの勝利を喜ぶけれど一体全体ゲルマニアを征服してどうなるというのか。
ゲルマニアがどこにあるかも知らない、そんなところに住むわけでもないのに
領土を拡大することが民の不満の解消になっているというだけで
戦士はたたかう。
戦場がコロセウムに移っただけで、中身は同じなのである。
何のために戦うのか、、このすっきりしない思いがこの映画の良さだと思う。
 
そうそう、音楽に一言。
これ、ホルストの惑星のぱくりじゃないの??
 
 
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6デイズ/7ナイツ Six Days Seven Nights(98年アメリカ)

このビデオを見る前に「LAコンフィデンシャル」を見直してしまい、
軽いタッチのものが見たくなって借りた。
希望どおりのラブコメディ。
可も不可もなし。ハリソン・フォード、ふけたなぁぁ。。。
 
 
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カラー・オブ・ハート Pleasantville(98年アメリカ)

原題は「Pleasantville」楽しい街ってとこだろうか。
このビデオをなぜ借りたかというと、脚本が「デーヴ」の人だったからだ。
あまり魅力的な俳優がでていないなぁと思いながらも借りてみた。
すると・・
ああ、借りて良かったー。
とても上手くできていて、出てくる人それぞれが生きている。
この監督さん(脚本と同じ人だった)は人間を見つめる目が優しくて暖かい。
映画を見る人の心を明るく励ましてくれるような作品を作ってくれる。
甘い!って言われるかもしれないけれど、肯定的な気持がとても好き。
人の変わる力を信じている姿勢がとても好き。
 
変わり方も人それぞれ。もちろん、おかしな具合に変わってしまう人も
いるし、何もかもうまくいくものでもない。無軌道に自由さえあれば
よいというのではない。
主要なふたり(双子の兄と妹)やその両親が変わっていく様子を見れば分かるように
自分自身を真剣に見つめて変わったとき、それはその人を強くするし、
周りを変える力も持つのだろう。
兄を演じたトビー・マグワイアがうまい!初めと終わりではすっかり違う顔になっている。
 
ついでに「デーヴ」。随分昔に見て気に入ってビデオを買った。
レンタルではなく買ったビデオは今までに2本だけだが、そのうちの一本。
これはとてもとても好きな映画。
アメリカ大統領にそっくりな男が大統領の代役をやるという話なのだが
実にうまくできていて、最初から最後まで無駄がなくて上手い!
人を信じる気持ち、まじめな気持、前向きな気持ちがこの映画の魅力。
レンタルで借りて絶対損の無い作品ですよー。
 
 
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ウェディングシンガー THE WEDDING SINGER(98年アメリカ)

結婚式で歌を歌って式を盛り上げる仕事。シンガーソングライターを
目指しながらウェディングシンガーをやっているロビーは、とってもいい人なんだけど
打算的な女からみると結婚対象としてはいささか安定感、裕福感に欠けるわけ。
一方、式をひかえたジュリアは式の準備をロビーに手伝ってもらっている間に
彼の人柄にどんどん惹かれていく。
 
とってもよくあるお話で、結婚相手のシティで働く証券マンは思いやりがなく
人を見下した嫌な奴というように安心するほどステレオタイプの脇役と筋の見えた
話なのにとっても良い感じになった。
 
それはジュリアを演じるドリュー・バルモアの瞳がまっすぐで、びっくりするほど
大口をあけて笑ったり驚いたりする様子が楽しくて素直でみずみずしかったからだと
思う。彼女の良さがスクリーンからあふれ出るような映画だった。
 
 

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