2001年その5


リプレイスメント The Replacements(2000年米)

すごーーいイマイチ!
ああ、借りて損をしたかも。。。
基本的には「メジャーリーグ」のアメフト版。2流と思われた選手たちが大活躍する話。
でも「メジャーリーグ」と違うのは、見せるプレイも試合もなんだかもったりとしていて
アメフトの面白さが伝わらず選手の凄みも伝わらないこと。
特にキアヌ・リーブスにはがっかり。
 
マトリックスの感想でも書いたが、キアヌ・リーブスはどことなくもっさりしていて
きびきびし雰囲気に乏しい。その悪い面がこの映画にはもろ出ていて、
どこがナンバーワンQBなんだよっ!って言いたくなった。
 
恋におちる女性がとっても可愛い。

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ダンサー The Dancer(2000年仏)

ああ、これもまた、なんだ?なんだ?の映画だった。
リュック・ベンソン脚本っていうから、期待しちゃったんだ。
 
ダンサーを演じたMia Fryeという人は素晴らしかったけれど、物語としては
なんだか全然・・・・
言葉が話せない彼女がダンスに自分のすべてをこめて踊るという物語なんだが、
最後が変に調子良くて、「奇跡のダンスだ!」というセリフが聞いていて恥ずかしかった。
彼女の兄貴のキャラがそれなりに考えさせられるキャラだったのに、
苦悩の流れは断ち切られ急にハッピイエンドのような中途半端な話になった。
 
兄貴自身は何をやってもうまく行かない、世の中不公平だと不満が溜まっている。
いつか妹でひともうけして自分もビッグになってやる、地道な事なんて
やってられるかよ、と、いらいらしている。
障害のためブロードウェイへの道を閉ざされた妹がひょんなことから
マッドサイエンティスト君と出会い、新たな道を歩き出す。
金もうけの事ばかり言っているが本当は妹をとても愛している兄貴は
妹が自分から離れてゆくのが悲しい。
でも、妹の進む道を認め応援する気持になる。
 
この、マッドサイエンティスト君が出て来てから、話がとても都合よくなって
なんだかなぁぁってなってしまったんだ。
 

筋とは全く関係ないが(笑)、このへんてこ装置をつくった科学者くんが
とても好みのお顔で、一瞬イーサン・ホークが出てるのかと思ってしまった。
この手の顔に弱い私としては、Rodney Eastman君が見れただけでもマルかな(爆)。
 

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JSA Gongdong gyeongbi guyeok JSA(2000年韓国)

とても重いテーマを扱っているが、それと離れてサスペンスとして見ても
良く出来ている。そしてもちろん映像も内容も文句ない。
見終わったあと、ふぅぅぅぅっと細い口笛をため息と一緒に吹いて
(これは登場人物の真似である)、悲しいやら苦しいやらせつないやら、
映画館を出て一人とぼとぼと歩いた。
 
韓国と北朝鮮の問題を真正面から取り扱った恋愛抜きの男のドラマだった。
しかも2国間の問題に留まらず、中立とは何か?平和とか何か?真実とは何か?
国家における個人とは何か?  つぎつぎと映画は問い掛けてくる。
 
きっと誰だって答が簡単にでないけれど、それでも私なんかは
そんな事意識しなくたって毎日生活できる。
でも彼らは違う。
38度線に向かい合って立っている彼らにとってはこの問いは即ち日常なのだ。
日常の中に悲劇が常にひそんでいる。
 
「一体ほんとうは何が起こったのか?」というなぞ解きのサスペンス仕立てなので
あまり内容は書けないが、映画の構成も上手く出来ていて、中だるみが無い。
重い内容とはいえ描き方は人間味あふれていて、笑いもとる。
荒涼とした自然を映すカメラワークがとても美しく、そしてラストの映像は
印象深い。。。
 

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ランダム・ハーツ Random Hearts (1999年アメリカ)

ハリソン・フォードとクリスティン・スコット・トーマスのラブストーリ。
飛行機事故があり死者のなかにそれぞれの配偶者がいた。仕事で出かけていると
思っていたら不倫旅行だった・・残された夫、妻は、、、という話だけど、
心の傷が癒されていく様子、新しい愛が芽生える様子、悪くないんだけれど
かといって、じーんとくるほどでもない。
 
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白い烏 the White Raven (1998年アメリカ)

冒頭は「おお?なんだろう?」と面白い映画を見せてもらえそうな予感が
あった。
が。が。が。。。。。
なんだかもっさりとしていて(話の流れも主人公のキャラも動きも)もっと面白く
なれるはずの映画じゃないのかなぁといった所。
 
ロスチャイルド家の家宝、2百4十だか5十だかカラットのダイヤモンド(サイズMの卵くらい!)。
ナチの収容所でこのダイヤを手にしたナチ高官。しかし、ある時からダイヤの行方はぷつりと・・
ポーランド軍事警察、ロスチャイルド家およびユダヤ結社、ナチの残党、その他
よくわからないがとにかくダイヤを追っている人々。
 
終り方が特に変!(笑)
 
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ハムナプトラ The Mummy returns (2001年アメリカ)

開き直ったB級路線と言う感じで、楽しめました。
前半の方が面白くて、山場のほうがちゃっちい感じ(笑)。
サソリ人間を見て昔テレビの洋画劇場で見た「シンドバッドの大冒険」を思い出した。
つまり動きがコマ撮りのようにぎこちなく、やたら作り物めいていて、
CG全盛のこの時代に『ほへ?』と思うような生き物だったから(笑)。
 
主人公のブレンダン・フレイザーって普通に見ると太目でぎょろ目で
それほど格好良くないのに、なぜかレトロ冒険世界では、とてもカッコイイ。
おつむはそれほど良くないけど、根性だけは誰にも負けないって感じで
優等生の奥さんといいコンビなんだよね。
「ハリスの旋風」コンビといっても、きっと誰にもわからない?
 

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ドラキュラ Dracula(1992年アメリカ)

うーーん。ストーカーの原作にかなり忠実に作られているがコッポラの趣味か
耽美主義に染められて原作に在った恐ろしさが無くなってしまった。
哀れなのはキアヌリーブス。
もっさい雰囲気どおりドラキュラに奥さんを取られてしまい(というか、奥さんが
ドラキュラの方を愛してしまい)ドラキュラを守ろうとする奥さんに「あなたは私の
心臓に杭を打つ事ができるの?」なんて言われてしまった・・(涙)。
 
愛が呪いをとく、というお話。
 
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ジェーン・エア Jane Eyre(1996年フランス)

フランコ・ゼッフィレリ監督、ウイリアム・ハート、シャーロット・ゲインズブール
 
うーーん、どう考えてもオーソン・ウェルズ・ジョーン・フォンティーヌの方が良い!
 
し、しかし、こちらの方がとても原作のイメージに近い・・
特にジェーンがそうだ。
原作のジェーンは美人ではないがなぜかえらくエドワード様が気に入っていらっしゃると
召し使いが思うような女性である。そしてたしかまだ18歳くらいだ。
禁欲的な生活を強いられたローウッド校の影響で尼僧のような面と、一方、生来の
自我の強い気質が混ざった風変わりな魅力を持っている女性である。
そして、そういうイメージは今回のシャーロット・ゲインズブールの方が合っている。
44年のジョーン・フォンティーヌは美しすぎた。可憐すぎた。
 
でも、映画って原作の単なる模写じゃないし・・。
 
気になってしかたなかったのは、ゲインズブールの姿勢。
彼女、姿勢が悪すぎ!口を半開きにしすぎ!とっても下品に感じられる時が多すぎ!
 
ロチェスターに関しては、ウイリアム・ハートはインパクト無さすぎ!
オーソン・ウェルズの敵じゃない。
元々弱々しい優しい雰囲気を持っているから、キャスティングに問題があると思う。
全体にトーンダウンして、ときめかないラブストーリーになってしまった。
 
ジェーンの子供時代を演じたアンナ・パキンは良かったと思う。
関係ないけど、映画データベースを調べて今回知った事だが、
彼女は「天空の城ラピュタ」のシータを英語版で吹き替えしてるんだね。
 
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千と千尋の神隠し (2001年日本)

朝一番の上映にかなりの列が出来ていました。
今回の宮崎映画はやや地味だからとみくびってのんびり出かけた私と息子は
大ホールの方を諦め小ホールで見ることにしました。
 
冒頭の道路シーンからしてなんというか凄い。
不思議の街にはいる駅の待合室のような建物内部がこれまた凄い。
このあたりのぜいたくな色使いはさすがですね。
 
話はよくある話と言ってもいいのですが、終り方が切なかった。
これまでで一番切なかったかも。
夢の世界がぷつんと断ち切られたような感覚のなかでわずかな救いが
髪にきらきら光るゴム。あの体験は夢だったの?ううん、違うよ。
ちゃんと僕らは君とともにがんばったよ。。ちいさなちいさなぬくもり。
 
夏木マリさんが素晴らしく上手くて驚きました。そして、あの、あの、我修院達也(若人あきら)!!
出ました山田くん!(鮫肌参照のこと)この人の声はインパクトありますねー!
宮崎監督も鮫肌が気に入ったんでしょうね(笑)。
 

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グリーン・デスティニー Wo hu cang long Crouching Tiger, Hidden Dragon (2000年中国)

アカデミー賞では何部門も賞をとったから、すごく期待していましたが、
ん????といった感想です。
悪くはないが、いつもの中国拳法映画じゃないの??
いや、正統派カンフーでもない。だってチョウユンファは武術が上手くないもの。
中途半端なカンフーファンタジーといったところでしょうか。
 
話もイマイチ。高名な剣(グリーン・デスティニー)をめぐって繰り広げられる
愛と哀しみの物語なんですけど、偉大な素質をもったJen Yuがあまりに身勝手で、、
いい加減にしろ、、と思ってしまいましたヨ。 
 
西域の描写が素晴らしく赤肌をさらす岩と渇いた大地が美しかった。
 
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猿の惑星 Planet of the Apes (2001年アメリカ)

おかしなところは山ほどある。一体なぜ馬がいる?一体どこで鉄の精錬をやってるんだ?
都市というには小さすぎる街、なぜ人間たちもこんなにいっぱいいる?
でも、でも、欠点を補ってあまりあるのは監督の情熱といったところでしょう。
 
あえて過去の名作を自分のイメージで作りなおした。
ショッキングな結末が有名なあのオリジナルを普通誰も作り直したいなんて思わないんじゃ?
ティム・バートン監督は「猿たち」の惑星をストーリーとは関係なく
自分でもう一回創造したかったんだと思う。ファンタジーの世界を作るように。
 
それにしても見事な猿顔、、特殊メイクの素晴らしさに感心しました。
知能が進化したとはいえ、なんとも類人猿らしさを残した感情表現。
チンパンジーの興奮しやすさが、とっても強烈でした。
ああ、それにしても、、セード将軍!(泣)
いつも屈折した、斜に構えた、弱々しげなティム・ロス様が、飛ぶわ跳ねるわ
吠えるわ噛み付くわ。
確かに目に狂気がやどるタイプだからはまっているとも言えなくもない。。
はまりすぎてて恐いわ・・(爆)。
 
ヘレナ・ボナム・カーターも、た、た、たしかに猿顔で手足がひょろっとしてるから
ぴったり(笑)。奇麗すぎる猿というのもこれまた不思議で。
しかし人間とは愚かなもので、これほど知的で素晴らしいヘレナがいるというのに
ナイスバディで美しい人間の女にも心引かれるんだからなぁ・・人間やっぱ顔か(爆)。
 
猿俳優たちはもとの顔をなんとなく残していて、十分に表情で演技をして
かえって本性が出たような迫力がありました。
それでもどうやって口もとを動かしていたのか、激しい肉体労働だったのでは、と思います。
 
猿と人間の関係はちょうどアメリカ南北戦争の頃の白人と黒人の関係。
っつうことで、ラストはそこに引っかけてあるのだけれど、
これはもうパラレルワールドの話になってしまう。理屈にあわない、変!なんだけど
でも、どう考えてもぴったりの結末で、、、こじつけ、つじつま合わせ、、何とでも言えってか?(笑)
 
ティム・バートン監督らしいセットの凝り方で衣装や文様など独特の世界観・美意識がありました。
 
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ボーン・コレクター The Bone Collector(1999年アメリカ)

サイコキラーもの。
デンゼル・ワシントンが知的でしぶとい主人公を好演。
 
しかしわざと証拠を残して自らの偉大な能力を誇示したいサイコキラーの最大の敵は
無能な警察官だということが証明された映画だった(笑)。
せっかく肉を削り骨をむき出しにして「俺がやったんだよ」とサインを残していっても
未解決の殺人事件フォルダーにいっしょくたに入れられたんじゃしょうがない。
 



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