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1998年その1
フェノミナン Phenomenon (96年米)
なんでビデオを借りたかと言うと、単純!拓哉くんがとても感動したというから。 そうかー、こういうのに感動するのか。結構素直で好いやつなんだ。 トラボルタのちょっとまぬけた顔がこの話をほのぼのとさせているんだろう。 悪くないが、泣いてしまうというほどでもない。っつうことは、 私は結構ひねてて人の悪い奴なのか。 ----------------------------------------
パウダー Powder(95年米)
やれやれ。。作り手が何を訴えたいのかがぼけているから、辛い。 理解を超える存在に対して凡人の恐れ、憎しみ、妬みを描く一方で、 手を差し伸べるものたちもいるということを描く。これはよくある作り方だが、 この作品は、憎むほうの描き方も一面的だし、救う方も一人若い彼女を除いて、 カタルシスがない。極めつけは最後、雷とともにお空にいってしまうところ。。 いやはや、こんな終わり方するんか。。 これはフェノミナンと同じ制作陣で、描く題材も一緒。どっちが先なんだろう。 出来はフェノミナンの方が断然良い。 ----------------------------------------
Home for the Holidays(95年米)
良かった。ホリーハンター主演。彼女はすごく小さい人だった。 ピアノレッスンの時はそれほど思わなかったが、ほんとに小柄で細い。 久々にロバートダウニーJrを見た。彼はいいねえ。 常軌を逸した言動をわざと自覚しながらやっている、陽気な自分と シニカルなもう一人の自分。傷つきやすい心を必死で隠してばかを振る舞う様子。 こういう役をやったら、もう、ほんとにうまい。 そして、夫婦の二人と映像のマジック。 30年以上前の家族の8ミリ写真が違和感なく見れた。 だって、役者自身の若い頃の姿になっている!どうやって作ったんだろう。 幸せってなんだろう。自分の人生はそれほど幸せではなかったのかもしれない。 でも、30年前のあの時のほんの10秒ほどの間は本当に幸せを感じた 時間だった。その幸せの時間があるから生きてゆける。 そして家族はその幸せの記憶のなかでの大事なピースだ。 長い年月の果てに会うとそこに見知らぬ他人を見出す家族。 彼らは一体誰?そんな思いを感じる一方で、他の場所では見出せないものを 互いに見る事が出来るつながり。 盆や正月に田舎に帰る日本人にも通じる幸福や家族についての作品。 ----------------------------------------
ピアノレッスン the Piano(93年米)
ついでだから、この作品についてもコメント。 私はこういう映画が見たかった!と見終わったあと、心から思った。 主人公が口をきかないことに決めたという思いも 何も違和感なく受け入れられた。 ハーベイカイテルに惹かれてゆく様も、女ならこのように 愛されたいと願うそのものだった。そして、胸に強く響いたのは、 切られた指を醜い義指にして普通の女のように生活する最後の彼女だ。 彼女の心の一部は海の底に沈んだピアノとともに死んだ。 それはあの指とともに死んだのだ。ピアノにからんだロープがたゆたう 深い海のイメージは彼女の失った純粋だった何かである。 純粋な美ではあったが、それはなにか囚われていて孤独である。 その美を失った彼女は死をいったんは選んだものの 生の本能が彼女を生きさせる。醜くても生き続ける、 この醜い世の中で。 輝いてみえた愛もその輝きを失っているのかもしれない。 でも人はみな内なる声であったピアノを海に沈めて生きるしかない。 私にとってこの映画はそんなメッセージの映画だ。 ----------------------------------------
マイケル Michael(96年米)
なかなかしゃれている。でもトラボルタの手を上にあげて踊る アメリカ版阿波踊りはなんかいただけない(笑)。 ウイリアムハートの役所っていつもこんな風ね。 フィッシャーキングもこんな感じだ。人に対してシニカルに接し、 愛を信じる事に抵抗を感じるクールな男が真実の愛に気づき、 自分の殻を打ち壊すって役で、しかも、そうなるのに手助けするというか、 触媒となる男が要るってところも同じ。 ----------------------------------------
ウェールズの山 the Englishman who Went Up a Hill, but Came Down a Mountain(95年英)
ウェールズの山のパブの主人。好色のジョンだったか、 なんだったか、彼はいかにものアイルランド人だなあ。 くしゃくしゃの巻き毛と赤ら顔、低くて先だけ上を向いている鼻。 コンエアの警官では強わ面で出てきて、なんだか再会を喜んだ。 ほのぼのとした味で悪くはないが、ヒューグラントは「モーリス」を見たときが 一番格好良かったなあ。。 ----------------------------------------
この森で天使はバスを降りた Spitzfire's Grill(96年米)
原題Spitzfire's Grillの方がしゃれているが、まあ、しかたないか。 この感じ前にも感じた。 フェイクも、原題は主人公の名前だ、エージェントも主人公の名前だ。 向こうの人はけっこうあっさりした題が好きだな。映画の話にもどると、 これは涙がでた。主人公の女の子がいい。ぶっきらぼうすぎず、 かわいこちゃんすぎず、とてもはまっていた。 老婦人も甥の妻もみなよかった。 結末の悲劇が見えてしまうところが少しつらかったが、 それでも最後に赤ん坊をしょった女性が町にやってくるという締めが 気持ちよかった。 ----------------------------------------
フェイク Donnie Brasco(97年米)
期待しすぎたか、それほど面白くなかった。 ジョニーデップの苦悩があまり伝わらなかった。 でもアルパチーノの思いはとてもよく伝わった。 とにかくアルパチーノはうますぎ。 セイントオブウーマンの時も、あまりにうまくて、うまくて、 参ったなあと思った。 ----------------------------------------
スクリーム Scream(96年米)
やはり私はホラーが苦手だ。作り物だとわかっていても 怖くて気味悪くてたまらない。まじ、苦手なものを無理してみたというのが 感想。。。 あのお面は強烈。 ----------------------------------------
遊星からの物体X The Thing (82年米)
げろげろ、、、これはゼイリブ(They live)の 監督、 ジョーカーペンターのほうの作品。なんていうか怖いんだけど、 げろげろ趣味が逆効果な気がする。げろげろ効果を一生懸命やりすぎて、 じわじわくる怖さが 少し減ってしまった。最初のゆれる画面、 これは犬の目を通した画面だったのだが、こういう感じと、 犬が爆発する、最初のげろげろとがすごかったけど 解剖シーンなんていらないんじゃないかなあ。 しかし、結末が悲惨。。 ゼイリブも最後が変。。 ゼイリブは途中まではかなり好き立ったのだが、最後の結末が 突然ハッピイエンドじゃない? ----------------------------------------
不思議惑星キンザザ Kin-Dza-Dza (1986年ソ連)
見ました!ついに見ました!多くの人のおすすめどおり、 なんていうか圧倒されましたよ。 こんな風に荒唐無稽でいながら、現実の裏絵をみているような 驚くほどの想像力の世界。 Cooというセリフも変すぎ!! 共産主義であれ資本主義であれ、自分の頭で考えているのかどうか わからないような社会に、豊富な語彙は必要無い。 なんでもCooで十分なのだ。 痛烈すぎる風刺。 あのポーズも、檻に入る人間も、鼻の鈴も、変なのにとても調和して、 権力や、価値や、民族や、それらすべてを揶揄し、 乾いた笑いでひとまとめに描いている。 マッチというのは灰になる紙幣の皮肉?アンチユートピア物の傑作(怪作?)。 見るべし見るべし。 ----------------------------------------
ミラーズクロッシング Miller's Crossing (90年米)
よかったです。この映画とても好きです。 画面、主人公、みんな好きです。ほれぼれしました。 「最低の人間なのにプライドだけは高いのね、でもそこが好きなの。」 私も!です。 どいつもこいつも人間くさい奴ばかり。最低なのに魅力がある。 敵のイタリア人も抜群にいい。ぶたのようなつばをとばしながら しゃべるあの口元がいい。 うそつきでずるい卑怯な小心者の弟もとてもよい。 主人公の彼は帽子を追いかけなかった。 とても大事な自分の一部のような帽子なのに、追いかけなかった。 「自分に戻ってこいというようなボスなら、幻滅する」というのに、 ボスのために命をかける。 つまらないことにひっかかってしまった人間の、弱さ・もろさを出したボスの プライドを代わりに自分でしょって、自分の心を殺して、愛を殺して、 彼はどこへ行くんだろう。 寂しい森の中の小道がクロスする場所、人生の分岐点、交差点、、 男を描いた秀逸な映画。
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