1999年その1


ラヂオの時間(98年日本)

映像的なセンスはないのだが、話はおもしろい。やりすぎだなあと思うどたばたも
三谷の持ち味か。山ほどのしがらみに原形もとどめぬほど改変されて自分の名前を
クレジットされたくないと思うことも あるけれど、それでも、いつか人を感動させる
作品を作る事ができるんじゃないかと思い続けている、この気持ちは花火のクライマックスに
とてもはまっていた。
近藤芳正さんはいいなあ。すごく好き。

ただ、私はもうすこしまぬけな人がいたらよかったと思った。
みな変にスマートだ。なんていうか、息苦しい空気があってそれがどたばたな
感じに通じる。三谷さんは都会育ちのおぼっちゃんだと感じるものがここにある。
 
比べられるものではないが、北野たけしだとこの人間像がすごく自然で
息苦しくない。 なんといっていいか、同じ目線で、いや、神の目線で、
人を見てると感じるときがある。優劣のない冷たくもあり暖かくもある目線。
 
 
-------------------

ジョーブラックによろしく Meet Joe Black(98年米)

泣いた。ほんと泣いちゃった。ええ話や。。。 ブラッド・ピットはださそうで
猿顔でかっこよくないと思う時もあるのに、やっぱ、カッコイイ。
ここって時が決まってる。横顔はいまいちなんだけど正面顔はぴかいちだ。
しかも直接行動は自分からとらず見つめるだけのあの濃密な視線がたまらない。
アンソニー・ホプキンスがまたまたかっこいいのだ。
死を受け入れる最後のシーン 「去りがたい」「ああ、去りがたい」
「それが生ってものだ」・・ 。その他ヒロインもすがすがしくて好感度大。
姉のほうも難しい役だと思う長女の役をうまく演じていたなあ。
のがれられないもの、それは死と税のようだと いうのが笑えた。
ただし、コーヒーショップの青年に戻ってしまったブラピを彼女は再び愛する事が
できるのだろうか、 愛した彼とは別人だと分かっているのに、、
この終わり方はいまいちなのだが、しかし、ブラピが 戻ってこないと
観客が承知しないし。まあ、しょうがないか。。
 
 
-------------------

冬の嵐 Dead of Winter (87年米)

前に一度見たのにまた借りてしまった。ああ、何度見ても怖い。
前もあの場面で驚いたのに、また同じ場面で驚いてしまった。 
また忘れた頃に見よう・・・
ぞっとした気分になりたい人にお勧め!
 
 
-------------------

カーテンコール Indian Summer(96年英)

エイズ感染者のバレーダンサーとセラピストの愛を描いたもの。
今や純愛はホモでないと 描けないのかもしれない。
俺の方が本気で愛してると両者が言い合うところが好きだ。よくわかる。
自分は太っていてはげていてちっとも格好良くない。もし君がエイズで
なかったら俺なんか相手にしてくれないだろう。。そんなことを言っていたのに
離れていこうとしたのはセラピストだった。それをダンサーが会いに
行ったところもよかった。
つくづく美しい男は男から愛されるほうが正しいと思えてくる。。
 
 
-------------------

グッドウィルハンティング Good Will Hunting (97年米)

えー!全然予想していたのと違ってた。こういう話だったのか。
もっと無垢の天才の話かと 思ったら、ひねていた天才の話だったのかあ。
しかしジェフ・ブリッグスとロビン・ウイリアムスは なんていうかぴたりと
合う組み合わせだ。てんで違うキャラなのに。 
あの彼女の体当たりの愛情はとても好感を持った。 主人公のあ、、名前が
でてこない、えぇと、マット・デイモン、彼はそんなにいいかなあ?
親友の言ったセリフは泣けた。
 
 
-------------------

アルマゲドン Armageddon(98年米)

まあウルトラマンを立派にしたような奴だと割り切れば結構おもしろい。
ブルース・ウィリスは相変わらずくさい役が合う。スティーブ・ブシェミは
むちゃくちゃや。。。 息子によれば、インディペンデンスデイよりずっと
おもしろかったと。
 
 
-------------------

レミゼラブル Les Miserables(98年ドイツ、イギリス、アメリカ)

こんなくさい企画とばかにして行ったのに、不覚、、泣いてしまった。
リーアム・ニーソンは全く誠実な大男がうまいったらありゃしない。
ユマ・サーマン演じるコゼットの母親との情愛のこもったほんのわずかな
ふれあいが泣かせる。彼がそっと肩を支えたその広く大きな手のひらに
自分の肩を抱かれたかのような温かさがあった。
この食事のシーンは 涙が勝手にでてきてしまった。
こういう優しいしぐさに泣くようになるとは。。
クレア・ディーンズははつらつとしていてちょっとばかりコゼットの雰囲気では
なかったが、彼女の爽やかさがなかったら見れたものではなかったかもしれない。
リーアム・ニーソンとシャインの主役の人(すごい迫力で憎々しかったー)の
ジルベール警部はともにヘビィだった。
子供の頃に読んだ時も、この警官は執念深すぎると怖かったが、
まさにその迫力だった。
コゼットと学生革命家のやりとりはところどころロミオとジュリエットだった(笑)。
 
 
-------------------

ガメラ3(99年日本)

いやーちょっとエヴァのようなイリスが気にくわなかったが、
ガメラは迫力満点だった。 渋谷の街を破壊する様は作り物めいてなく感心した。
ここはつっこんではいけないという怪獣映画のタブーをすべて描いた。
怪獣どうしが戦えば街はめちゃくちゃだというのを真面目にとりあげ、
しかも正義の味方の活躍がひきおこす惨事で市井の人が死ぬという事も。
 
超然とした存在であろうとするガメラなのだが、人の感情に惹かれる優しさをもつ。
よくあることだが、ほろり。
今後こんな真正直な怪獣映画はそうは見られないだろう。
3を見てからまた1のビデオを借りてきてみちゃった。3の顔のほうが怖いね。
 
 
-------------------

F(98年日本)

熊谷哲也と羽田美智子のしゃれた純愛もの。熊谷哲也が堂々と演技して
いるのが感心した。やはりバレエで鍛えられた表現力と自信なんだろう。
かっこいいのだけれど、踊っているときほど格好よくはない。踊っている時が
格段に素敵だった。すばらしい跳躍力ときれのよさ、なにより踊る事が好きと
いうのが伝わってきた。
映画はなんちゅうか、まあ、普通。役者が集まったらそのまんま映画というほど
わかりやすい配役で、面白味に欠ける。
いかにもっていう役者がいかにもって役をやる時、それが面白くてたまらない時と
平凡になってしまう時があるのはどうしてだろう。
 
 
-------------------

アイスストーム The Ice Storm(97年米)

うーんん、何となく後味が悪い。なぜあの少年を事故で死ぬことにしたんだろう。
誰かが死ななければ家族の意味を真剣に考える事はできないという常套手段で
締めてもらいたくなかった。
よくあるじゃない、子供の死をきっかけに家族がばらばらになってゆくとか、
平凡で普通の家族が実はとてももろいものだったとか。 
 
自分が家族をやってると、そんなこと、人に言われなくても
分かってるよって思う。だからこそ映画ならではの描き方で語って欲しいんだ。
 
性にめざめる年頃の子供たちと、心の離れた夫婦と、噛み合わない親子と、、
描きたい事は分かるのだけれど なんかぼけてしまった気もする。
 
ケビン・クラインは楽観主義で都合の好い男を嫌みなほどうまく演じる。
あの 薄い唇がその浅薄な性格を代弁する。しかしいったん悲しい顔をすると、
これがまた胸にしみるくらい真面目な気持ちになる。
シガニー・ウィーバーは一体なんちゅう女だ。なんかひどい役だとおもうんだけど。
アダムスファミリーの女の子、すごく太ってしまって、大丈夫なんだろうか。
 
 
-------------------

もののけ姫はこうして作られた

感動するってもんじゃないが、やはり人間の信念と情熱はすごいものだと思った。
協力の総和だといってもそこには宮崎駿という傑出した才能と気概をもった
人間がいるからこそだ。
 
 
-------------------

ブラス! Brassed Off (96年英)

ユアン・マクレガーが格好いいのがよく分かった。ハンサムだ。
むっちゃ好きなタイプ。でも、 映画はどうにも重い。
優勝した後の啖呵も、無力感漂う。現実はこれら強硬なレイオフによって
イギリス経済は復興したのだ。といってもウインブルドンと呼ばれているが。。
炭坑に限らず失業者が最大になって初めて不況は好転するのだろう。
みんなどうなるんだろう。
 
 
-------------------

しゃぶ極道(96年日本)ビデオでは大阪極道戦争という題に変更

やっと見れた。前評判どおりの怪作だ。役所広司のなにわ男ぶりが
決まっている。 薬(ヤク)以外体が受け付けないなんてむちゃくちゃな奴だー。
極道以外になるものがないという人間の生きざまが痛快に描かれている。
しかも子供を流産したと聞いた時の怒りようは、すごかった。
役所さんは極道シリーズをやっていたんだなあ。
しかも近い時期に失楽園とかやれちゃうんだから、すごい。
ハンサムなのに役柄が広い、稀有な人だ。
 
 
-------------------
 

シネマへもどる

 

ホームへもどる