1999年その2


恋におぼれて Addicted to Love(97年米)

メグ・ライアンとマシュー・ブロデリック。へんなストーリィだし、これを
センスのよいコメディと 思って作っているとしたら、もう、まるでセンスなし。。
つまらないドタバタをどうしてメグライアンは 好きなんだろう。。
センス悪いなあ。
 
 
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髪結いの亭主 Le Mari de la Coiffeuse(90年仏)

性のめざめ。毛糸のパンツと床屋。よくわかる。
性器に対する関心はちょっとしたことから始まる。
 あのボンボンのついたパンツは実にうまい小道具だ。
そして床屋。髪を洗ってもらうシーンは 震えるほどエロチックだ。
「アウト・オブ・アフリカ」でレッドフォードがメリル・ストリープの髪を洗い、
しゃぶ極道では父親ほど年の離れた若頭が鈴子の髪を墓参りのひしゃくで洗った。
時間が少しずつ流れて行く。あのいつも来る二人組が時間の象徴だ。
あまりに純粋に愛されると、喜びであると同時に自分が老いていくのが恐ろしい。
愛されているままで死にたい。
愛する事はエゴイスティックだ。愛されるほうの不安を知らない。
 
しっかーし!あの踊りは、、ついて行けない。変すぎ!
なんでなんであの音楽?
 
 
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モンタナの風にふかれて The Horse Whisperer(98年米)

わかりきった話なのだが「イングリッシュ・ペーシェント」の時と同様に
胸が苦しかった。 夫には愛情を強く感じないが、子供はとても愛している。
そして心を強く惹かれる男性に出会う。 そんな時どうしたらいいのか、、
「あなたはとても単純に言う。夫と子供を捨てるか、戻るかだと。」
「 そうだよ、とても単純なんだ。どちらかなんだよ。。」
一つになりたいと願ってもその一線を越えずにニューヨークに戻っていったが、
一体あれで 結婚生活を続ける事はできるのだろうか。
 
恋する女性をクリスチン・スコット・トーマスはとても正直に演じる。
そしてレッドフォードは まあ、しわしわなのに格好いいこと。
レッドフォードに汚れ役は似合わないってこと。
 
 
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幽霊列車(49年日本)

柳家金五郎、えんたつ、あちゃこの3人の刑事が幽霊列車の謎に挑むといった
ものだが、 けっこうしっかり作ってある。昔の映画をみると必ず思う事だが、
なぜ彼らは一応に大人びて いるのだろうか。それとも現代人が幼稚すぎるのか。
こてこてのギャグかと思い込んでいたが 金五郎さんの百面相を最後の方で
みせるのとエンタツアチャコのちょっとしたやりとり以外ギャグっぽい
ところはなく、恋愛模様も詐欺師も宗教家も傷痍軍人もみな戦後の
日本なんだなあと感じた。
 
そういえば傷痍軍人というのにあまり皆気遣うことなく、何人か人間が
集まりゃ一人ぐらい 目のみえない奴もいるさっと言う感じだった。
 
映画とは関係ないが、私の子供時代にはまだ傷痍軍人が街角にいた。
で一様に物乞いをしていた。白い日よけが両脇におりた帽子をかぶり、
両足、片足のない傷痍軍人が何人もいたっけ。まだまだ貧しかったんだなあ。
 
 
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ティコムーン Tykho Moon (97年米)

題材はおもしろいし、所々はっとする所があったのだが、いまいち締まりが悪かった。
しかし権力者の家系に重篤な遺伝病があり、首の青いあざがひろがるのが症状の
進行にともなうこと、神経系を侵し、血液が青くなってゆくのがなかなかに
おそろしく、耳から血液をとって移植ドナー適応者をさがす作業が秘密警察組織と
ともに行われる所がぞくっとする。
アメリカ人が正義のために独裁者一家を暗殺しにくるというのも皮肉だ。
エアフォースワンでもそんなんだった。
 
生命維持装置を妻の分も、と頼むと、いいですが期間が半分になりますと
科学者が答え、それならやめだ、愛のために永遠が半分になるのは
ばかばかしいというところも辛らつ。、 
 
ジュリー・デルビーってなぜかこういう乾燥したのに合うなあ。
「キリング・ゾーイ」のときもそんな感じだった。
 
 
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コナン君(ほんとうの題覚えていない。)

やれやれ、混んでいた。Bzの音楽うるさすぎ。
稲葉さんの声が聞こえないほどギターの音が大きい。
 
 
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リプレイスメント・キラー The replacement killers(98年米)

ユンファもだいぶふけてしまった。猫背がますますひどくなったみたいで悲しい。
でも脚本はわりとよいと思う。ハリウッドで中国人が主役のものをどう作るかと
いう問題を無難にこなしたと思う。ややエキゾチックな儒教背景と寡黙な暗殺者、
いけいけねえちゃんのミラソルビーノにはまいった。
一切キスシーン無しかあ。ちょっとだけ劣等感を感じてしまったのは穿ちすぎ?
 
ユンファの英語は下手だったから、多分吹き替えなしで自分でしゃべったんじゃ
ないかな。私はユンファに一時期はまりにはまって、ビデオを借りまくった。
男たちの挽歌、風の輝く朝に、誰かがあなたを愛してる、、
85年ごろの作品だからもう、10年以上も前になってしまうのか。
ふけて当たり前だね。
ユンファの魅力はヘタウマってところじゃないだろうか。
ダサいようで格好良い。
大根のようでいてはっとする好い表情をする。
 
 
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愛と追憶の日々 Terms of Endearment(83年米)

ジャック・ニコルソンがいい!腹が出てすけべおやじ丸出しで、
プライドが高く、欠点のめだつ男なのに 彼なしでは生きていけないと
泣いてしまうほどいとしいのだ。
シャーリー・マクレーンも素敵だ。 毅然としておしゃれでプライドが高く
生きてきたが、でも年をとってゆくことを少しずつ少しずつ 認めざる得なくて、
怖くて悲しい。
ニコルソンもそうだ。人を愛してしまいそうな自分が恐い。
相手の家族に責任を感じ出し、そんな自分にうろたえる。
 
それでも人のぬくもり、ひとつの抱擁が答えを出す。
自分の場所を見つける。あの空港での抱擁、
あれでもうニコルソンがどんなに いやな奴でも許せるね。
 
 
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ザ・ロック The Rock(96年米)

老いてなお、ショーン・コネリィは格好良い役が張れるねえ。
ニコラス・ケイジがめずらしく非戦闘員の役だったが、
結局はむっちゃ頑強じゃないか?! そういや、ケイジは若いのか
年取っているのかちっともわかんないな。
いつも独身役を やっているが、さまになっている。
 
 
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シティ・オブ・エンジェル City of Angels(98年米)

ベルリン天使の詩のリメイクだそうだ。本家のほうをみたことがないので
どう違うかがわからない。黒マントの天使はなぜ死神じゃないんだろう。
メグ・ライアンの映画ではひさびさにまともなものを見た。
彼女のよいところは胸が小さい所だな。
彼女の唇はイナと同じくベビィ型。上くちびるのふちがはっきりしていて、
茶目っ気たっぷりに反っている。 セクシィとあどけなさが同居する。
 
 
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恋におちたシェイクスピア Shakespeare in Love(98年米)

ファインズ兄弟おそるべし。なんで皆あんなに瞳がねめっとからみつくんだ。
欲望がくすぶっているような瞳にはもうお手上げだ。
したまつげの長さが関係あると思うけど(って真面目に考える私もばか)。
グイネス・パルトローのすれていない感じが好ましかったが、
ラストがけっこう あっさりなんだな。エリザベス女王といい、彼女といい
強い女性が主題なのか。
パルトローはクリスチン・スコット・トーマスと似ているって思う。
この頃のはやり顔?しっかりして固そうなのに恋に一途で正直。
 
 
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ガタカ Gattaca(97年米)

オープニングのシーンと出演者の名前のスクロールが良い。
ATGCの文字だけがまず ハイライトされてからスペル全部がでてくる。
そこであれっと思うべきなんだろう。 GATTACAという題名の意味に。
(蛇足だと思うけど、一応、、、ATGCとはDNAの塩基アデニン、チミン、グアニン
シトシンのこと)
 
言いたい事がそのまま映画だというメッセージ性の強い作品であるが、
そのあたりの硬直性を主演のイーサン・ホークのナイーブな感じが和らげて
いたように思う。 
こんな事起こるはずないじゃんと笑って見ている自分たちも
実はブランドや履歴書に とらわれその人自身を見ないことはよくあるのだし、
既に遺伝子診断の時代に入っているのだから、笑い事ではない。 
この先この作品が杞憂にすぎないといえるのかどうか自信が無い。
 
僕が生まれたのは車の中だったというのが、はじめピンとこなかった。
それが自然のsexで受精した子供ということを指すのだと弟のエピソード
(人工授精で男女まで決める)でようやくわかった時は
「あーしてやられた!」と思ったね。
徹底的に管理した人工授精により、遺伝子レベルでその後のすべてが予想される。
罹患する病気の可能性、成人病の要素、予想知能、予想寿命、どれもが
すべて笑えない。
髪の毛を一本ぬいて僕は病弱なんだ、これでわかるだろう、と差し出すのも
ストレートパンチだ。
男女の衝動で生まれた子供なんてとんでもないと言う世界なのだ。
 
検査機械やおかしな軌道計算装置、科学が発達しているくせにモップで床を
掃除する不思議さ。奇妙なレトロ未来。美術セットもおもしろい。
 
ジェロームの血液、小水、体毛、つめを借り、自分の遺伝型を偽るため
軽石で体をくまなくこすり体毛を取るビンセント、このシーンがとっても
恐ろしく思えた。
最後に本物のジェロームが自分自身を燃やすのがどう考えて良いか悩んだ。
なぜ彼は死を選んだのか、それはビンセントを通じて夢を見る事ができたのに、
この先できなくなってしまうから?
自分が生きている事でビンセントに迷惑をかけるから? 
ビンセントが地球を捨てたように生を捨てたかったから? 
確かに宇宙船のビンセントと焼却炉のジェロームは同じなのかもしれない。
 
 
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もう一度逢いたくて 星月童話 Moonlight Express(99年香港)

レスリー様、もう、本当に完璧です。あなたは孤独でストイックで、
ぶっきらぼうで、 でも優しくて、暖かくて、
くーー!常盤ちゃんがうらやましー!
 
筋のほうは、まあ、よしておきましょう。いいんです。これはレスリー様が
困難に出会って苦しんで、最後はハッピーというためにだけある筋なんです。
訳分からんと思っても気楽に忘れましょう。
大事なのはあの物悲しい瞳や横顔なんです。
 
レスリー様までこの頃はイナに似てる気がしてきた私はちょっと重症か。。 
メグライアンのくちびるをみてはイナに似てると思い、
レスリー様のまなざしを見てはイナに似てると思う、この頃。
 
 

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