1999年その5


SFサムライ・フィクション エピソードワン(98年日本)

いいよ!すごくいい!
音楽と映像の快感。編集が独特のリズムと間合いをもっているの。
コンマ一秒こちらの気持ちよりも早くに絵が切り替わる不思議空間。
思わぬ視点に切り替わる面白さ。このテンポがすごくいい。
真面目なのかふざけているのか微妙な遊び心があふれていて
映画がとても楽しい。
 
白黒の美しさがまたすばらしい。カラーではないからなのか、
役者の顔が違和感なく江戸の人間になった。若者も年寄りも侍もやくざものも
誰もが江戸で生きている生身の人間になった。
走って走って走りまくるところも好きだし、
マンガ『土佐の一本釣り』を思い出すような叙情的な恋の風景もすがすがしい。
 
誠実に生き抜くことを訴えるテーマは生真面目で、説教臭くなりそうなのに、
いやみじゃない。
布袋さんの存在感けっこう良かったし、音楽もよかった。
おすすめ。
 
 
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赤ちゃん泥棒 Raising Arizona(87年米)

ニコラス・ケージとホリー・ハンターの出会いから、上手い!
そして映画的な快感を知っているというか、なんていうんだろう、
コーエン兄弟の作品すべてに感じるおかしみ、くすぐられているの
わかってるんだけど、いやじゃない感じ。絶叫マシンのような笑いも
品が悪くない。でも、訴えていることはとても真面目で胸にじんとくる。
親になること、大人になること、責任をもつこと。
原題のraising arizonaってどう訳すの?raiseって昔から嫌いな単語だー。
こういう他動詞って日本人に向かないよね。rise-raise,lie-lay、こういう奴。
 
 
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のど自慢(98年日本)

それぞれの人生がある。桐生市にやってきた「のど自慢」に出場する人達の
それぞれの日常。誰もがこう作るだろうと思う構成のしかたなんだけど
悪くない。北村和夫さんの歌に最後泣きそうになった。
 
 
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Men in Black(97年米)

こんな映画もたまには悪くないなあと思った。楽しんで時のたつのを
忘れる。ただただ楽しい映画を見たいと思うのに、探すとけっこう見つからない。
人を裏切る奴や小狡い奴やはなしの通じない奴、、たまにはそういう人が
一人もいない、そんな映画が見たくなるのだ。
話はばかばかしいけれどでも丁寧につくってあって、小道具も効いていて
なかなかいい。
 

 
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