小笠原に行ってしまった・・その1

これも絶対みーはー気分だと思います。
なんとなく小笠原!だったんです。
東洋のガラパゴス。満天の星。クジラの泳ぐ海。。。

思い切り衝動的に小笠原海運に予約を入れて、小笠原関係のHPを
読みまわって、宿の予約をいれました。
ぎりぎりまで何も準備をしなかったので、実は行ってからいろいろ
不都合がありましたけど、でも、はじめての旅行は、
うーん!やっぱ、小笠原!!でした。

遠いですよ。船で25時間って、かなりきついです。
おりしも台風の影響で西日本では大荒れの天気だったようですが
東京から1000Kmの海上は、雨こそないけれど風が強く
波も高く、上下、左右、常にゆれていました。本当に常に
エレベーターのあの、ふわっと下がる感じと、ぐうっと上がる感じ、
おっとっとっと、左に傾き左のてすりにつかまると、おっとっとっと、右に傾き
左のてすりを力を入れてぐうっとつかみ、まあ、こんな感じなんです。

砕け散る波、うねる渦、群れをなして飛ぶとびうお、低い雲、360度の海を
デッキで楽しむのですが、あまりに風が強くて、5分もすると、髪からTシャツ
腕、もうすべてが塩分を含んでべたべたです。
結局部屋に入って、ひたすら寝てビデオを見て、過ごしました(笑)。
見たビデオは、行きだけでアラジン、ポカホンタス、エアフォースワン、危ない刑事

8月1日、朝一番ののぞみ号に乗り、京都から東京へ。そのまま山手線で浜松町へ。
徒歩で竹芝桟橋。小笠原丸は朝の10時に出港し、翌日の11時半に小笠原父島に到着。
宿は港からすぐですが、迎えの車で。
実はお宿はちょっと失敗でした。別に悪い宿というのではなくて、
むちゃくちゃ低料金の若者向けの宿で、三畳くらいに二段ベットのみという
部屋で、それでもましな部屋でして、あとは8人の相部屋だとかで、
もう少しペンション風でもよかったなあって思いました。
親子連れの客なんてうちだけでした(笑)。

着いた日は、近くの浜辺で海水浴。あまり感動がない。
うーん、小笠原の海といっても、港の近くだし、、
夜のご飯も、ころもの厚いとんかつとまぐろのさしみ。。
やばいなあって思いかける。。ところが、夜のツアーで気持ちは救われました。

光るきのこや小笠原おおこうもりをみるツアーなんですが、
バンに8人ほどのって、出発。はじめに夜光虫のいる浜辺にいくのですが、
車から降りて、息をのみました。。
それは、星、星、星、あー!、これが星屑だ!こういうのを見たら
星屑って言えるんだ!懐中電灯を消すと、完全にまっくらになるんです。
町のあかりもなにもありません。そこは波の音が聞こえるだけ。
そして、頭上は、信じられないくらいの数の星。見慣れた星が逆に
見つからないほどです。白鳥座、わし座、琴座、北斗七星、北極星、カシオペア
いつもの星がたくさんの星の中にまぎれてしまいます。

月齢など気にも留めずに出かけたのですが、幸運なことに、下弦の月だったのです。
下弦の月は夜の12時に東の空からのぼり、朝の6時が南中です。つまり、夜9時ごろは
月がでていないわけ。だから絶好の星日和。いくつもの流れ星もみました。
さそり座の立派な姿。赤いアンタレス。横には、いるか座やかんむり座なんていう京都では
みたこともなかった星座がはっきりわかります。ミルキィウェイって言葉が
やっと実感できる天の川のしろい流れ。。
いつまでも見ていたい気分でした。
そして、砂浜はおもいっきり蹴っ飛ばすと、きらきらと夜光虫が光るんです。
波の縁もきらきらと光ります。
ようやく、小笠原なんだあって気持ちになりました。

光るきのこは雨がもう少し多いほうがよいのだそうですが、全然雨が降らないため
ほとんど見つからないって言っていましたが、ひとつだけ見つかりました。
蛍光色に光る小さなきのこ。。たくさん見れたらすごいんだろうなあ。。
おおこうもりはばっちり。。でも、感動するような生き物かと聞かれると、、(笑)。
空を羽をひろげてとぶ姿は、ああ、ドラキュラのマントとおんなじだあ。。

そして翌日は父島周辺航海ツアーです。
この日も波が高く、残念ながらキャプテンから島の東側はうねりが強すぎて
行けない旨が伝えられました。いるかもちょっと期待できないようです。
ほんとうに周りの海の表情はいろいろです。
小笠原諸島は火山島でけわしい岩だらけの島ばかりです。島をめぐって
船はすすみますが、ところによってはものすごいうねりと波の激しさです。
途中、アオウミガメと、マンタが泳いでいるのに遭遇しました。
泳ぎに自信のある人だけ、シュノーケルで海に降りましたが、私はちょっと
恐くて降りることはできませんでした。
マンタは横3メートルくらいの黒いビニール袋って感じですねえ。。
私はもし、海が穏やかだったとしても、降りる勇気がでたかどうか。
船の横に広がる黒い影は、やはりでかい。。
いるかは背中だけみせてくれましたが、一度海面に出ると4分は出てこないんです。
息が長い。4分待って背中をみて、また4分待って、、というような感じで
あまりいるかは我々と遊んでくれませんでした。

途中、穏やかな海域でシュノーケルをつけて遊びました。
魚たちが人間をぜんぜんこわがらずに泳ぎ回っています。
でも、大海原に浮かんでいるんだっていう実感は、なんとなく恐いような
不思議な気持ちです。

あるところでは波が高く潮の流れもあり、先着8名以外は大型ボートではなく、
小型の漁船のほうに乗ってと言われ、どんくさい私はもちろん漁船組。ところが、
漁船のへりまでは行けますが、そこから漁船にはどうしても跳び乗れません。
腕の力も弱く、へりをつかんでぐいっと自分の体をあげるなんてこと、
どうしてもできません。ガイドの人が私の片手と水中メガネのゴムを両手でもち、
そのまま「土佐のかつおの一本釣り!!」ごろりん!と船に落ちました。
痛かった。。荒れた海で遭難なんてしたら、絶対私は板切れにも乗れないなあって
思いました。

最後に南島に上陸し、浜辺で遊びました。この浜は扇のかたちの入り江でとても
美しいのですが、行きはよいよい、帰りは、、、。だって、入り江の入り口は両方に
岩が突き出していて、その間を泳いで上陸したわけですが、浜から見ると、
ざばーん!どばーん!!っっ、その狭い間から波が吹き上げて砕けるんです。
とてもあそこを突破して船まで帰る自信がない。。これはまじで恐かった。
我が身のことしか考えられず、船に上がってから、ようやく、息子は?っと
見回しました(笑)。

帰りの船からとても美しい虹を見ました。
虹は弧を描き、空から山を降りそのまま山のふもとの家々まで届いています。
地面まで届く虹。7色がそのまま山肌に映っている。虹の色に染まる山。
こうしてこの日のツアーは終了しました。
この日もとても楽しかったのですが、私が一番楽しかったのは翌日の
シーカヤックでした。

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