AMP版白鳥の湖
ご多分にもれず「リトル・ダンサー」を見た故に、この白鳥の湖をみたいと 思った口です(笑)。 高校以来の友人R嬢は、映画に詳しく、一日に何本もはしごをして見るほどなんですが 子供の手が離れてからクラシックバレエを始めました。 彼女は京都に住んでいるわけではないので、年に数回しゃべるかしゃべらないかなのですが あるとき「最近なにを観た?」という話から「リトル・ダンサー」の話になりました。 すると彼女は俄然熱をおびた口調で「アダム・クーパー」について語りだし、 『ほんとに素敵なんだから』 「白鳥の湖」のビデオをもっていて、何度みてもため息をつくというのです。 彼女の好みは折り紙つきで ( なんといっても名古屋で行われた「ジェラール・フィリップ」映画祭を 全部観たというくらいなのだ (^-^ ) 彼女の推薦する映画はいつも心に留めておくわたしは、 アダム・クーパーという名前をずっと気にしていました。 昨年の秋、シアタードラマシティで「マクベス」を観劇した際にもらったチラシが、 「AMP版白鳥の湖」の宣伝ビラで、表の写真はアダム・クーパーの白鳥でした。 「うわっ!まじ?!」とすぐに先行予約でチケットを買い、 白鳥はトリプルキャストで誰が踊るかわからないというので、 くだんのビデオを買おうと思いました。 これは結局アメリカアマゾンから初めてDVDを購入することになり それがマルチリージョンDVDプレイヤー購入へと続く出来事になるわけですが、 ようやく「アダム・クーパー」の踊りを見れる、、ここまで来るのにかかった手間を考えて 余計に感動したものです(笑)。 DVDで観た白鳥の湖はわたしの想像を越えていました。 こういう話になっているとは思いもしなかったのです。 オイデップスコンプレックス、母親への思慕、同性を愛してしまうこと、苦悩のすえの死。 ミュージカルとも思えるようなバレエで、表情も豊か。 そしてアダム・クーパーの黒鳥。 そう、白鳥の時はそれほど、どきんとはしなかったのですが 黒鳥の彼は、もう罪作りとしか言いようが無かった・・・なんという目で王子を見るんだろう。 なんという視線を投げるんだろう。。ぞくぞくするほどの官能性をたたえた口元。 いやぁーん、素敵すぎ。 バレエのDVDっていいですね。英語だろうがフランス語だろうが、全然困らないし。 探すといろいろあるので、このあと実はジョルジュ・ドンのDVDも買いました(笑)。 さて、「AMP版白鳥の湖」、わたしが行った21日昼の部は、白鳥/黒鳥はジーザス・バスター でした。正直いって単なるミーハーの私は「がくっ、アダム・クーパーじゃないんだぁ・・」と 思いましたが、これが意外や意外といっては大変失礼になりますが、 とても感じのよい白鳥だったのでした。 そう、白鳥はDVDで観たアダム・クーパーよりも良いかも、 清らかで神聖な、心惹かれる白鳥でした。 ただ、わたしは初バレエ生鑑賞で、しかも前から4列目という感動きわまる席だったので ジーザス・バスターの胸の汗まで見えて、その感激で評価がぐぐぅーんとアップして いるのかもしれません(笑)。 清らかな誠実な雰囲気のジーザスは黒鳥にはちょっとスパイス不足でした。 妖しくてエロティックで押しが強く、舞踏会に来ていたすべての女性を ものにしてしまい、王妃さえも誘惑してしまう、そんな黒鳥をやるにはジーザスは 少し優しすぎる感じがしました。 それにしても4列目でみたバレエは、本当に驚きでした。 激しい踊りで汗ぐっしょりなのがわかるのに、高く跳んで着地するとき、足音が しないんです。まるで「アラベスク」だわ! ノンナが注意されたシーンを 思い出したわたしは一気に30年ほどワープしてうるうる(爆)。 拍手を受けているとき、肩ははげしく上下して、運動量の多さをものがたっていますが 顔はあくまで笑顔。 鍛錬ってすごいものですねー。 王子さま(トム・ワード)の熱演も感動ものでした。素晴らしい演技力です。 唯一不満だったのは、大臣? DVDではスキンヘッドの迫力ある人が大臣役で、その腹のなかをみせない 背後ですべてを操っているかのような雰囲気が印象的だったのですが 当公演の大臣は迫力不足の印象で少し残念でした。 スキンヘッドの印象が強すぎました(笑)。 幕がとじると惜しみない拍手、拍手、拍手。 プロのバレエダンサーの素晴らしさを堪能しましたね。 後日R嬢から電話があり、彼女は東京公演でアダム・クーパーの白鳥の湖を みることができたとのこと。 バレエの練習にますます力がはいることでしょう。
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