わたし、読む順番を間違えたのかも。 「ボストン・タイプ」を最初に読んで、のけぞっちゃったんだわ。 シーデルの追求するテーマをちゃんと最初から追って読むべきだったかな。 シーデルは、とっつきにくいのかもしれないな。 すっかり最初の1冊で敬遠しちゃって、あとの3冊を読むのが遅くなった。 でも、そう、読み始めてみると、、自分でも意外なほど引き込まれて。。 品のよいユーモア、知的な文章。抑えた感情をゆっくりとほぐして、 人間としての成長、人を愛することを真に学ぶ事が繰り返し語られる。 生まれた土地、「ふるさと」というのも彼女の作品によく出てくるキーワードで、 土着的な心理を描くことがとても上手い。 主人公たちは、土着社会にあって、とても孤独でもあり、 生まれた土地から受けるもの、しがらみ、絆、思考方式、切り離せないもの、 そういうものを受け入れたり、拒絶したりしながら 自分とは何か、をみつけてゆく。 彼女の作品は、とても知性的な、思索的なロマンスなんだよね。 っつうことで、下の感想が「ボストン・タイプ」だけ浮いているんだけど、 最初の感想のままなの。もう一回読むと、感じ方が変わるかもしれないけどね。 「ほほ笑みを忘れずに」は、ロマンス本と呼んでいいのか、 ラブシーンはほとんど無いし、普通の小説とどこで区分けするのか、分からなくなるわ。 とても完成度の高い話で、ヒーロー、ヒロインだけじゃなく ヒロインの母親や周囲の人、ヒーローの家族、などなど、たくさんの人たちに それぞれドラマがあり、それぞれの変化があるの。 もうね、最後の言うに言われぬ優しい幸福感が絶妙なのヨ。 下に出版リストと感想を。
title | 日本語タイトル | 受賞など | ||
HAR-2 | The Same Last Name | Apr-83 | A-4 森と湖の祝祭 | |
HAR-17 | A Risk Worth Taking | Aug-83 | A-30 スターライト | |
HAR-57 | Mirrors and Mistakes | Jun-84 | A-49 ボストン・タイプ | |
HARP-2 | After All These Years | Jul-84 | 1984 Golden Medallion | |
HAR-80 | When Love Isn't Enough | Nov-84 | ||
Harlequin | Don't Forget to Smile | Sep-86 | P-17 ほほ笑みを忘れずに | 1986-87 RT Reviewers' Choice |
Pocket Books | Maybe This Time | Jun-90 | ||
Pocket Books | More Than You Dreamed | Dec-91 | ||
Onyx Books | Til the Stars Fall | Mar-94 | ||
Onyx Books | Again | Sep-94 | 1994 RITA | |
Harper | Summer's End | Jun-99 | ||
Avon | Please Remember This | Feb-02 |
カテゴリー | 題名 | 過去 | 出版 | ジャンル | ヒロイン、ヒーローの名前 | 感想 | 一言 |
A-4 | 湖と森の祝祭 | Jan-84 | 再会(6年) 人間的成長 | 森林警備員エイプリル・ラムゼイ、 弁護士クリストファー・D・ラムゼイ・3世 | うまいなぁ。南部の躾が身に付いたヒーローの、切ない情感がたっぷり。周囲の友人像もとてもよし。セリフにセンスがある。 | うふ | |
A-30 | スターライト | ヒロインの父は赤ん坊の時死亡、母は7才で死亡、14才でヒーローと結婚。 | Feb-85 | 再会(3年実質8年)、人間的成長と愛の受容 | カントリーウェスタン歌手ジェス・バトラー(ジェシカ 26)、電気機器製造ブレット・キャバーノ(30) | ふぅ・・なんと切なくて誠実な物語なんだ。。苦悩するほどヒロインを愛し、勝負から降りようとする南部男ヒーローを、成長したヒロインが愛を賭けて掴まえる。セリフのセンスが良くてね、、「トマス・グレイ」には泣けたよ | うるる |
A-49 | ボストン・タイプ | ヒロイン大学中、両親が難病に。 | Dec-89 | 不完全レプリカントヒーローの成長 | 主席副社長秘書スザンヌ、 次期副社長圏内パトリック・ブリテン | うぎゃ〜〜っ!!この話は強烈よ!(笑)。 愛することを学ぶのに、これほど手間のかかるヒーロー、いるんでしょうか?!(爆)。だが、物凄くよく分かる、おとろちいくらい、ありがちで、、イタタタタ。。。ヒロインの女としての成長が心地よい。 | うっぷし! |
P-17 | ほほ笑みを忘れずに | ヒロインは私生児 | Jul-89 | RT 人間的成長と受容 | バー経営、ヴィクトリア・ダンカン(トリー 30)、労働組合事務局ジョゼフ・ブリガム(ジョー 30) | 品のよいユーモアと人を見る目の確かさ。地方のちいさな町、ブルーカラーが住む町を舞台に、自分自身を愛する事をやさしく語ってくれる。。犬が飼いたくなるのよね(笑) | うきき! |