キャスリン・G・シーデル  2004年5月初まとめ
わたし、読む順番を間違えたのかも。

「ボストン・タイプ」を最初に読んで、のけぞっちゃったんだわ。
シーデルの追求するテーマをちゃんと最初から追って読むべきだったかな。
シーデルは、とっつきにくいのかもしれないな。

すっかり最初の1冊で敬遠しちゃって、あとの3冊を読むのが遅くなった。
でも、そう、読み始めてみると、、自分でも意外なほど引き込まれて。。

品のよいユーモア、知的な文章。抑えた感情をゆっくりとほぐして、
人間としての成長、人を愛することを真に学ぶ事が繰り返し語られる。

生まれた土地、「ふるさと」というのも彼女の作品によく出てくるキーワードで、
土着的な心理を描くことがとても上手い。
主人公たちは、土着社会にあって、とても孤独でもあり、
生まれた土地から受けるもの、しがらみ、絆、思考方式、切り離せないもの、
そういうものを受け入れたり、拒絶したりしながら
自分とは何か、をみつけてゆく。

彼女の作品は、とても知性的な、思索的なロマンスなんだよね。

っつうことで、下の感想が「ボストン・タイプ」だけ浮いているんだけど、
最初の感想のままなの。もう一回読むと、感じ方が変わるかもしれないけどね。

「ほほ笑みを忘れずに」は、ロマンス本と呼んでいいのか、
ラブシーンはほとんど無いし、普通の小説とどこで区分けするのか、分からなくなるわ。
とても完成度の高い話で、ヒーロー、ヒロインだけじゃなく
ヒロインの母親や周囲の人、ヒーローの家族、などなど、たくさんの人たちに
それぞれドラマがあり、それぞれの変化があるの。
もうね、最後の言うに言われぬ優しい幸福感が絶妙なのヨ。


下に出版リストと感想を。
  title   日本語タイトル 受賞など
HAR-2 The Same Last Name Apr-83 A-4 森と湖の祝祭  
HAR-17 A Risk Worth Taking Aug-83 A-30 スターライト  
HAR-57 Mirrors and Mistakes Jun-84 A-49 ボストン・タイプ  
HARP-2 After All These Years Jul-84   1984 Golden Medallion
HAR-80 When Love Isn't Enough Nov-84    
Harlequin Don't Forget to Smile Sep-86 P-17 ほほ笑みを忘れずに 1986-87 RT Reviewers' Choice
Pocket Books Maybe This Time Jun-90    
Pocket Books More Than You Dreamed Dec-91    
Onyx Books Til the Stars Fall Mar-94    
Onyx Books Again Sep-94   1994 RITA
Harper Summer's End Jun-99    
Avon Please Remember This Feb-02    
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
A-4 湖と森の祝祭 Jan-84 再会(6年) 人間的成長 森林警備員エイプリル・ラムゼイ、 弁護士クリストファー・D・ラムゼイ・3世 うまいなぁ。南部の躾が身に付いたヒーローの、切ない情感がたっぷり。周囲の友人像もとてもよし。セリフにセンスがある。 うふ
A-30 スターライト ヒロインの父は赤ん坊の時死亡、母は7才で死亡、14才でヒーローと結婚。 Feb-85 再会(3年実質8年)、人間的成長と愛の受容 カントリーウェスタン歌手ジェス・バトラー(ジェシカ 26)、電気機器製造ブレット・キャバーノ(30) ふぅ・・なんと切なくて誠実な物語なんだ。。苦悩するほどヒロインを愛し、勝負から降りようとする南部男ヒーローを、成長したヒロインが愛を賭けて掴まえる。セリフのセンスが良くてね、、「トマス・グレイ」には泣けたよ うるる
A-49 ボストン・タイプ ヒロイン大学中、両親が難病に。 Dec-89 不完全レプリカントヒーローの成長 主席副社長秘書スザンヌ、 次期副社長圏内パトリック・ブリテン うぎゃ〜〜っ!!この話は強烈よ!(笑)。 愛することを学ぶのに、これほど手間のかかるヒーロー、いるんでしょうか?!(爆)。だが、物凄くよく分かる、おとろちいくらい、ありがちで、、イタタタタ。。。ヒロインの女としての成長が心地よい。 うっぷし!
P-17 ほほ笑みを忘れずに ヒロインは私生児 Jul-89 RT 人間的成長と受容 バー経営、ヴィクトリア・ダンカン(トリー 30)、労働組合事務局ジョゼフ・ブリガム(ジョー 30) 品のよいユーモアと人を見る目の確かさ。地方のちいさな町、ブルーカラーが住む町を舞台に、自分自身を愛する事をやさしく語ってくれる。。犬が飼いたくなるのよね(笑) うきき!

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