パメラ・モルシ    2007年10月初出
リスト好きなわたしは、「less than perfectリスト」を最初に目にした時からずっと
「Simple Jess」が気になっていたんだけれど、
知的障害者ヒーローなんてなぁ、、イメージもわかないわ、、と敬遠していた。

本を読む人なら分かると思うけれど、なぜか「よし、買おう」と思うタイミングがあり、
これまでずっとポチしなかったのに取り寄せてみると、

う、上手いっっ。

彼女の描くアメリカンヒストリカルを2冊しか読んでいないのに偉そうだが、
物語の人物たちが生きている世界の「空気」が伝わってくる。
風や土の匂いがする。共同体の本物の生活がある。

ヒーローとヒロインが二人の間で育む愛は、笑いや労わりに満ちていて、とても優しい。
脇のストーリーに陰の部分を持たせるが、作者は誰ひとり愚かな人間にはしないので、
最後まで信じて読める。

とにかく、泣いて笑って幸せになれる物語なんである。
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
BANTAM Courting Miss Hutch ヒロイン21のとき、父死亡。 1991 1910年前後 米づくり 身近な親友のつもりが、、 ワタ農場主Hattie Colfax(29)、 農夫Reed Tyler(24) 8才の時から一緒に働いているヒーローだから、鼻をかんでもらったこともあるし、つい姉みたいに思っていたけれど、他の男が彼女に触ると考えると・・・、当時の生活が丁寧に描かれていて脇役たちの人間的成長もあり、優しい。 うふ
Jove Simple Jess ヒーローは出産時にへその緒がまきついて生まれたため、障害が残った 1996 1906年 知的障害ヒーロー Althea Winsloe(3才の息子がいる)、 Jesse Best( simple Jess) 立派で美しくて温かくて、めったにない物語。 自給自足の生活の描写が眼前に繰り広げられ、開拓人の汗と誇りが伝わる。大人の男とは何か、人間の価値とは何か、ジェスの目をとおして静かに語られる。再婚を強いられるヒロインが素晴らしい愛を見つけるまで。 見事!


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