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更新記録 2007年 8月1日から2007年9月30日まで


8月 2日

昨晩はお知り合いの方がチケが余ったというので、桜塚やっくんのライブに出かけた。

朝のニュースの時間帯以外は基本的にテレビを見ないので、「やっくんの顔と声を知っている」程度の関心だったから、アメリカ村のBIG CATに着いて、意外と広いファン層なのに驚いた。
きらきらのついたうちわを持っている若い娘にまじり、3〜5才ぐらいの幼児を抱っこしている夫婦もいるし、わたしと年齢が近いかなぁ〜というお父さんお母さんもいる。

ツアーグッズのTシャツは、ロゴだけのものと、セーラー服デザインのものの2種類。
このライブに誘ってくださった方は、セーラー服Tシャツをお買い上げ〜(^o^)
わたし? ちょっと悩んだけれど、やめました(笑)。

さて、バンプのライブの時のような、嬌声凄まじくこぶし突き上げ縦のりっ! って雰囲気はなく、柵に突進する者もいない穏やかな会場だ。

ライブは意外にも、と言っては、やっくんファンに失礼か? まじな歌と踊りのライブで、お笑いネタはほとんど無く、MCもあまり用意してない。
とてもいい声で歌はうまいし、ダンスも悪くない。熱唱を楽しみながらも、心はプロデューサーモードになり、
「ひとは彼のこういう活動を期待してるのかなぁ。 余芸、異端系というにはあまりにまっとうなヴォーカルだが、正統アイドル系に乗り込むには足りない気が するし。 かれは何を売りにすべきなんだろうなぁ。。」

少なくともおばさんの母性本能をくすぐったのだけは確かだ(笑)。

帰りは阪急電車の快速急行、座れて良かった、とホッとしていると、両隣の人が爆睡モードに! 左のサラリーマンと右のおねえちゃんが どちらもいびきをかかんばかりにのしかかってきて、お、重いぃ、、西院まで身動きとれず状態。
あぁ、平日の夜11時台の電車は、みんな疲れきってるねぇ。

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8月 3日

ここ何ヶ月もちょっとダウナーで、なかなか抜け出せなかったんだけれど、 ようやく自分でも上向きになったと思えてきた。

小さくてもいいから、一歩踏み出す。こう思える心持ちになるまでが、 口で言うのは簡単だけれど、なかなかねぇ。

ロマンス以外の本を読み出しても、上向く薬にならず鬱々としていたところ、思わぬ本が 重たい心を紛らす助けとなった。
こう書くと、いったいどんなエッセイ、エンターテイメント、学術書、人生訓?って感じだけれど、 実は、本とは正確には言えない「演習問題」である。

かなり前に買ったが、早々と放棄した「演習 確率統計」を1ページ目から やり始めたら、さびついた脳みそ故にかなり精神集中ができたのか、結果、 心が安定してきた(笑)。

手を動かすから、100マス計算や写経と似た効果があるのかも。

r<365のとき、r人の誕生日がすべて異なる確率 Pr を求め、P22、P23を求めよ。
(解くときは、log(1-x) ≒ -x を利用する)
とか、しこしこ例題を振り返りながら解いてみると、22人のときは約0.53 だけど、23人だと約0.5 となる。

つまり、23人以上いる場で賭けをするなら、「少なくとも誕生日の一致する人がいる」方に賭けた方が得なのね。 わたしなんて、直感だけで考えると、24人でも12ヶ月のたった2倍だし、同じ月に生まれた人が平均2人しかいないのに同じ誕生日の人がいるなんてありえへん、、とか思っちゃうわけだけど。

一日に1ページくらいしか進まないし、高校の数学すら忘れてしまった自分に 気づいて愕然とするし、ぜんぜん出来なくて後ろの解答を見ちゃったり、だけれど、 確率や統計って問題が具体的だから、難しくても結構楽しいんだよね。

数式に飽きてちょっと嫌になると、古い白R(最近ごそっと買い込んだ)を読んで「むひぃぃ〜っ」と身悶えて、妙なバランスを図る今日この頃なんである(爆)。

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8月 5日

朝早くから掃除に精を出す。昼前にはぐったりして、またしても梅干を干し忘れたことに気づく。やばい、、

先月26日に、ごそっと買い込んだ白Rだが、ま、35冊買っちゃったんだよね。
表紙絵が見たくてしかたなくセット買いをしたのやらなにやらで、それほど作品自体に興味は無かったのだけれど、買ったからには勿体無い、、と毎晩オニのように読んでるうちに、 わはは、もう残りわずかだ(読みすぎっ)。

それにしても、、
ひぃぃ。。
どいつもこいつも(と、下品な言葉が出てしまう) 何を考えてんだか、自作自演の 七転八倒で、う〜ん。。

17〜22の娘と30代半ばの男があれこれを繰り広げるんだが、常に「性」がついてまわる。
もうすこし成熟した男女のロマンスには存在するはずの、静かな助走や理解の積み重ねって 奴が無くて、しょっぱなから「体」が「心」を裏切る、荒れ狂うホルモンに翻弄されるヒロインばかりで・・・
ヴァージンだから清らかな話か、というと、これが逆なんだね。他に考えることが無いのか?と小一時間問い詰めたいような(無いんだろうなぁ 笑)。

たまに、素直に惹かれあってゆく話に当たり、を、これは期待できそうだ、と思って読み進んでいくと、途中から風向きが変わり、ヒーローの家に電話したら女性が出た、その後ヒーローが女性と二人連れだった、、これだけで、ヒーローは既婚だ、わたしは弄ばれたんだ、「あなたにはもうお会いしたくないんです」って、をいをい、そんな乱暴な。。
何度も連絡してくるヒーローを無下にはねつけ、「なんて汚い男」と心の中でののしる わけだが、ヒーローはどうやっても自力では誤解を解けない(かわいそ・・笑)。

今日読んだのは、ケイ・ソープ「漂流」(1977) ヒロイン22
 前半は大変盛り上がり、どきどきしたが、後半はいまいちヒーローの心情が掴みきれず。
サラ・クレイヴン「イースターマンデー」(1977) ヒロイン17
 ギリシア人ヒーローは大人だったが、ノるには無理があった。
メアリー・ウィバリー「指輪の記憶」(1980) ヒロインは24(2年前から記憶喪失)
 痛い展開ではなくて面白かったんだが、やや尻すぼみ。
パトリシア・レイク「金色のドレス」(1981) ヒロイン18&3年後再会
 たいへん苦手っす。アニマルすぎて・・
リンゼイ・スティーヴンス「新しい朝」(1983) ヒロイン20
 たいへん苦手っす。ヒーローが素敵だったんだけどなぁ。
 
どれもこれも素敵な表紙絵なんだが、話のほうが置いておきたいと思うほどではなく。

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8月 6日

息子がめずらしく一日家に居るというので、かなり遅くなってしまったが、梅干を干し始めた。 カンカン照りのなか、できるだけこまめに裏返したり、動かしたりしてくれ、と頼んで出勤。 帰宅すると、よほど梅干作業が暑かったらしく、息子は恩着せがましい。

リンダ・バーンズ Linda Barnes の赤毛のカーロッタシリーズの11作目。 「Heart of the World」のラストだけをどうしても我慢できずに覗いてしまった。

カーロッタシリーズは3作目まで読んだが、正直、あんまり幸せな気分にならないんだよねぇ〜、読み終わったあと。
カーロッタが、自分の納得のいく人生を歩んでいることは確かだけれど、甘えない生き方、妥協しない生き方がかなりタフなんだもの。

なんていうのかな、普段朝に新聞を広げて、あぁ、今日も嫌な事件ばかりだ、、と思う気分と似ていて、妙に疲れた日常感がつきまとう。
それは彼女がブルーカラーなタクシー運転手兼業の私立探偵で、腕はたつが、がっぽり儲かるような大きな山が持ち込まれることはありそうもなく、 空いてる時間にやる事と言えばギターの練習とYMCAのバレーボールチームでハードトレーニング、というストイックさ、パオリータの成長以外に楽しみにしている事があると感じられないからなんだ。

限りなく親友に近いムーニー警部もあんまり幸せじゃないし疲れている、彼はカーロッタさえ許せば関係をもっと深めたいと願っているが、これ以上は立ち入り禁止の線が 消えるような気がしない。 マフィアの身内のサムとカーロッタは危うい lover の関係で、サムには見ないフリをしなければならない部分が大きすぎて、時には利用したり利用されたりと、苦くて暗いものがある。

カーロッタが里親ならぬ里姉となっているコロンビア人少女パオリーナは、ヒスパニック移民で 希望を無くしたような母親と暮らしているが、どうも父親がコロンビアのドラッグ キングみたいなんだよねぇ。

とにかく、なんで11のラストを覗いちゃったか、というと、サムがこの巻で カーロッタにとうとうプロポーズをするというから、どうなったか知りたかったんだ。

で、、ショック・・胸が痛すぎる。。。見なけりゃ良かった(あとの祭り)。
まさか、サムが、こーなるとは。そんなぁ・・・

これではカーロッタシリーズの12番はもう出ないんだろうか。作者は一体どういう つもりで、こんな厳しいラストにしたんだろう。

  リンダ・バーンズのインタビュー記事には、「11番でまだ書き残したことがある。次作でカーロッタは、 サムかムーニーかどちらかを選ぶ葛藤に直面するだろう」と書いてあったが、 えー?!サムをどうやって次作に登場させるんだろう。。

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8月 8日

更新の記録を書いていたのにアップするのを忘れて、6日のを先ほどアップしたばかり。

月曜の夜、徹夜をして本を読んでしまい、火曜は夕飯後にばたんきゅー。水曜は飛ばし読みした部分をまた読み返して、、こんな事をやっているから、アップデイトも忘れてしまった。

そうそう、ロマンスミニレビューも細々ながら更新していて、(って、更新日は3日だけど)ヴァイオレット・ウィンズピアエミリー・リチャーズジェニファー・クルージービバリー・ソマーズサラ・クレイブンジェシカ・スティールシャーロット・ラムを更新。

最近のものをほとんど読まないから、全部いまさらな本ばかりだけれどね。

徹夜をしてしまった本は、またかと言われそうだが、Carla Kelly「With This Ring」(1997)

彼女の本は、なんて言ったらいいか、水戸黄門のようにある意味では見え見えの展開がありながらも、ここまで一流なら見え見えも許せる、話なんである。
彼女の本を読んでいるあいだは、明日が信じられる、人間が信じられる、あまつさえ自分が浄化されてましな人間になった気分になる。

で、物語のあらすじはちょっと置いておいて、気になった言葉がある。

I have made my bed.

ヒロインがこう独白する箇所が、何回かあって、分かるような分からないような、 すっきりしなかった。

make my bed だと、「寝床をつくる」とか「ベッドを整える」って意味しか辞書や日本語検索ではひっかからないし、現在完了形は日本語サイトでは見つけられなかったけれど、この完了形の文は、英語で検索すると、沢山ヒットする。

もちろん一番有名なのは、ヨブ記。
筆舌に尽くしがたい業苦と絶望にあるヨブの悲痛な叫び
-- わたしは陰府に自分のための家を求め、その暗黒に寝床を整えた、墓穴に向かって「あなたはわたしの父」と言い、蛆虫に向かって「わたしの母、姉妹」と言う --

他に検索している時に当たった小説に、金に汚い女がいて、その女を信頼している少女が、自分の作った帽子を彼女に頼んで売ってもらっていたところ、ある時、街の 洋装品店で、自分の作った帽子がとても高い値段で飾られているのを発見し、あの女が、売れた代金をごまかして、少女の稼ぎの半分近くをくすねていたことを知る。

って話で、女が、「あたしはくたばりそうな男の目からだって、病気の子供からだって、金をとりあげるのさ、So I have made my bed. So I shall lie in it

そう、あたしはそうやって生きてきたんだ、これからもそうさ。

また他に、版権について書いている人のページで、自分の著作物の版権を限定数しか売らなかったので(これにはちゃんとした理由があるようだが)、「どうやらわたしが損な立場のようだ。度重なる再版で儲かる事がない、といって、希少で値が上がるというほど少ないわけでもない。まぁ、いい。I have made my bed, and I will lie in it!

これは自分で選んだ道だ とか、 これがわたしの生き方だ というよくある言い回しなんだね。

そうか、カーラ・ケリーのこの本は、一種の便宜結婚ものなんだけれど、セリフの意味が 分かってみると、確かにヒロインがこのセリフを言うべき箇所で言っていた。
(さらに下に続く)

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8月 9日

をっとっと、昨日書いた make my bed ちゃんとした慣用句だったのね。

One must lie in the bed one has made.
自業自得。身から出たさび

恥ずかしいから昨日書いたのを全部消そうかと思ったけれど、まぁ、いいや、
それこそ I have made my bed ^^;;

自分のしたことの報いを受ける、って辞書に書いてあるけど、 ネットで読んだ色々な文章から受けた印象では、なんていうか、もうちょっと 淡々としてるというか、 自分が撒いた種だから、まぁ、しかたない・・程度な感じだ。
mustのところがwillやshallになってるから、かな?

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8月11日

「ガンバーアルビレックス新潟」3−1

朝から空はカンカン照り。夜7時開始の試合とはいえ、開門前に着くために 家を3時に出る。ひぃぃ〜、暑い・・・

この頃の万博は、入場者数が伸びたというだけじゃなく、開門前に並ぶ人が 増えた気がする。

選手がアップを始めた頃には日も翳り、風もあるせいか意外とすごし易くなったが、 ピッチはすり鉢の底だからか、とても暑そうで、見る見るうちに選手が汗だくになる。
フタはややバテ気味? 何度もピッチの外で、ペットボトルの水を頭や首すじに どぼどぼとかけていた。

アルビ、完全にひいた守備で、がたいはでかいし、ガンバはなかなかそれを こじ開けられないが、しだいに相手のファールが多くなっていった。

ヤット君とフタが、相変わらずのテクニシャンぶりを見せつけ、うわっ!そんな所に パスを通すかぁ〜?! どっひゃ〜っ、そのトラップは神業っしょ。ふたりのパス交換はほんと、見ていて楽しい。

極め付けはフタのヘディング。
前だったら考えられないヨ!「ゴール前に飛び込んでヘディング」を2回も披露したんだからねぇ。
はは、試合よりもフタを目で追っているほうが多かったわたし(爆)。

優勢に進めて、点をもぎとったような試合だったが、
3点目の加地さんのシュートはビューテホーー!!
右サイド、やや遠めから、グインと伸びて、鋭くネットに突き刺さる。
会場全体が興奮して総立ち!ってな感じのものすごいインパクトだった。

選手たちがバックスタンド側にやってきて、手を振りながらスタジアムを まわっている間、 加地さんはお立ち台でヒーローインタビューを受けていたが、そのあと、 ちゃんとバックスタンドまでやってきてくれた。をを、好感度アップ!

最後の締めは、「授かっちゃいました〜」  ミチは、しっかり会場を笑かした

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8月12日

昨日の万博の往復に読み始めたのは、
Laura Kinsale「FLOWERS FROM THE STORM」(1992)

うわ、、やばい、、電車内で夢中になって読みふけって、危うく乗り過ごす ところだった。。

恥ずかしながら、この本は3年?4年?前に古本を買ったのだが、当時はまだ原書を 読み慣れておらず、本の分厚さと読みにくさのためにあっさりと今日まで 放置していた。

カーラ・ケリーの本を読んで以来、もしかして今なら読めるんじゃないか、と 手にとってみると、あれ? 何で昔はこれがしんどいと思ったのかな?  全然難しくないじゃん。。

慣れというものは凄いね。

あらすじはless than perfectに書いてあるので、、

のっけから、をを、どきどきする、、現代的な医学知識に照らせば、 Jervaulx公爵クリスチャンに脳卒中の予兆があるのは明らかだ。
突然の右手のしびれ、めまい、重い頭痛に襲われる公爵、、あぁ、あなたの脳の血管には異変が 起きているのです、あぁ、ご用心召されませー! 嫌がおうにも緊張感が高まり、先に 読み進めるのが怖くなる。
そして盲目の数学者を父親にもつヒロイン、マディ。父と娘が、公爵とともにする夕食の シーンの美しいこと。。わずか2章の間で3人の行く末が気になってたまらなくなる。

そして、、Blythedale Hall 精神病院での衝撃的な邂逅。

身体の麻痺と失語、、自分の思考を言葉にすることも、相手の言葉を理解することも 出来ず、凶暴な狂人のレッテルを貼られ、煉獄の苦しみに文字通り鎖でつながれているクリスチャン。。

今やっと90ページ(全部で470ページ)だから、先がまだ見えないが、もう既に泣いてしまってる私。。苦しみが これからまだまだ続くんだろうなぁ。。

言語って不思議だ。
今こうしてモノを書いている時でも、自分の考えは頭のなかで言葉として形をとる。
言葉が出てこなかったら、思考することさえ不可能なのか。
掴めそうで掴めずに指の間からするりと落ちていく言葉を絶望的に追うクリスチャン・・

恐怖、怒り、苛立ち、恥辱、混乱のどん底に叩き落とされ、人間としての尊厳を 奪われたクリスチャンに救いの手を差し伸べるマディには、今はまだ、それほどの掘り下げは感じられない。
信仰者として「正しいことをしよう」と立ち上がったところだ。
何かがある、と、何かがふたりの間にはあると、一瞬感じるが、それを自分に 認めることを許さない。

うんうん、立ち上がってくれただけでも十分よ。立ち上がる勇気すら普通はなかなか 起きないわ。。

さぁて、、ってことで、続きを読みます。(to be continued..)

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8月13日

昨日はなんやかんやと用事があり、「FLOWERS FROM THE STORM」は250ページまで。
約半分ってとこか、、、もうちょっと読んじゃおうか、いや、一週間の始まりを徹夜から始めることはできないよ、と自分に言い聞かせて就寝。

それにしても・・・・しかと心臓掴まれた。

なんで、こんなに面白い本を昔のわたしは理解できなかったんだろう。
(ま、成長したってことにしとこう 笑)

Carla Kelly の手持ちの未読本もあと1冊になってしまい、これを 読んでしまったら、わたしはどうしたらいいの、もう、並みの 本では満足できないかもよ、、と心配していた所だったので、さっそく、 Laula Kinsale の本をいくつかポチポチ。
これで安心してCarla Kellyの本も読めるというものだわ(笑)。

さて、本に話を戻すと、
19世紀当時の、精神病施設とクェーカーのつながりや、無限をめぐる数学と宗教の相克など、 背景設定も知的スリルがあるし、ドラマのダイナミックな展開も読者をひきつけるが、なかでも 私が感心したのは、セリフの見事さ。とりわけクリスチャンの言葉が、これしかない、という 言葉遣いで、言葉の持つ力をまざまざと感じさせる。
彼が話す言葉だけでなく、失語に陥ったクリスチャンの耳にはこう聞こえる、とデフォルメされたセリフも頻出するのだが、 それが実に巧みで、読んでいると意味の通じない言葉にまるでクリスチャンになったかのような苛立ち、焦りを覚え、見えない壁の向こうに世界があって、届かなくて、情けなくて、、
また、暴力的な監禁以上に、中途半端な希望をもたせたマディの慈悲を偽善と憎み、 彼女の信仰を揺さぶってやろうと誓うが、 タフで冷笑家の内側に、怯える魂が潜んでいて、それがマディを希求してやまず、、

マディガール! と叫び、呼ぶ、あの声が・・・
ヒーロー像がむちゃくちゃ素敵! どきどきもの。

クリスチャンに何かを呼び起こされるマディは、快楽や欲望は神の道ではない、フレンド(クェーカー教徒)として避けねばならないとクリスチャンを恐れる一方で、自分が 見捨てたら、クリスチャンは再び狂人の檻に入れられてしまうジレンマに 苦しむ。
「正しいことを」したいと祈るが、何が正しいのか確信できない。

嵐のあとの丘で、クリスチャンの差し出す野花の束を、払いのけるマディ。。

でも、、250ページになってしまいました。
一気に怒涛の展開で結婚か、死か、、、あぁ、ふたりは結婚してしまいました。

これから一体どうなるんでしょう。。(to be continued..)

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8月15日

きょう、明日と私用で、本は新幹線のなかでちょっと読めたのみ。
「FLOWERS FROM THE STORM」は377ページまで、、まだカタストロフィーの前だわ、、
夜にネットに接続できたので、メモしときます

マディと結婚すれば、なんとかなるように思っていたクリスチャンに、 それがなんと甘かったか、思い知らせるような出来事が次々と襲い掛かる。

クリスチャンは身体、言語機能が徐々に回復してきているが、決して元に戻るという わけではない。
明らかに右半分が認知できない、左脳の損傷があり、失語は想像以上に重い。
自分の書いた手紙を、書き終わってから逆さにして見てみると、書いているときは 全く気付かなかったのに、文字がすべて片側に寄っている。 しかも、間違った文字、単語だらけだったりする。

マディと二人だけのときはかなり楽にしゃべれるのに、弁護士、銀行家、母親、義理の兄など、ここは大事だという場では、言葉が遠い霧のなかに消えてしまう。

義兄らは、資産管理は彼には無理だ、信託機構にすべてを委ねて隠居しろという圧力をかけ、資産の引き落としを押さえてしまう。 信用が揺らいだ途端に、金融業者は手のひらを返したように、貸した金の返済を迫る。

数ヶ月後の爵位資格の諮問に恐怖していたが、それを待たずして、破産でこの身は破滅 させられるのか、、

華美を嫌い浪費を憎むクェーカーのマディにとって、請求書の金額は想像を超える冒涜だった。
こんな大金を使っていること自体間違っている。公爵という権力に固執すること自体 間違っている。 義兄らの提供するつつましい年金をもらって生きればいいじゃないか、と、パワーとパワーの戦いに挑むクリスチャンを嫌う。

だが、クリスチャンにとって、失格者として扱われ、担ってきた家名&プライド&権力を、飢えた狼たちにおめおめと奪われるなんて、およそ我慢できることじゃない。

肉体的に結ばれ至上の喜びを味わった二人だが、マディにとってそれは自分の弱さであり、間違っていることであり、内なる光を見出せなくなっていく。

クリスチャンは、もちろん過去の自分を、無鉄砲で怖いもの知らずで無節操だった自分を悔いている。 苦しみながらも自分を助けてくれるマディを大事に大事に思っているが・・・( to be continued )

それにしてもガンバ、負けちゃったのね・・・

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8月18日

数日前からエアコンが故障という大変困った事態に。

カーテンをひいておき、熱が入らないようにして、なるべく家のなかで熱を発生させずにちんまりと生活するが、、室内は連日30度。
修理の人が来てくれるまで我慢するしかない。

というわけで、動くと暑いのでひたすらごろごろと本を読む。

時々わざと37度のベランダに出て、耐えきれないトコまで我慢して本を読んでから部屋に戻ると、あらま、家の中って涼しい、、と、悲しい錯覚でやりすごす(笑)。

「FLOWERS FROM THE STORM」は、期待を裏切らない良さ!
話の終わり方も良し、エピローグも良し。
Laura Kinsale は、ストーリーの構築が骨太で、とてもドラマチックだ。
熱いシーンは数としては少ないけれど、ものすごくドキドキもの。

500人もの人を招待して舞踏会を開くという最大の賭けにでるクリスチャン。
この舞踏会の日までに起こる出来事の息詰まることと言ったらない、と言いたいところだが、舞踏会がはじまってから、お開きになるまでの息詰まることと言ったら、それ以上だ。
ほんま、この舞踏会は後半最大の見せ場で、クリスチャンの大勝負にふさわしい。

一方、パワー争いに巻き込まれたマディは、度外れた浪費で借金が膨らんでいくのを 見るに耐えかねるし、クリスチャンのかつての愛人が彼の子供を出産したことを知らされるし、、

そう、マディにとってクリスチャンは最初、保護の対象であったわけで、それほど自分の世界を根こそぎひっくり返すような存在ではなかった。
だが、彼が回復してゆけばゆくほど、対等になってゆけばゆくほど、いかに自分が彼の世界を知らないか、彼が一体どういう人間なのか、自分は彼と共に生きることに覚悟ができているのか、分からなくなってゆく。。

追い討ちをかけるように、フレンド協会員や長老がたずねてきて、あなたには失望した、目を覚ましなさい、お前はもはやフレンドではない、、などなど。。

フレンドの定例会で Lust に溺れた自分が間違っていたと自己総括するマディ、、何が真実だっ!それが真実だと言うのかーっ!と叫ぶクリスチャン、 、ほんまラストが良いんだわ〜。
「愛するに値しない」と判断したおのれは何者なのだ? イデオロギー、教義によって人は人を愛するのか?
真のキリスト者としての愛を問うんだよねぇ。

ヒロインのかたくなさに最初ハラがたったわたしだけれど、読み終わってみると、 もしヒロインが簡単に28年間のクェーカーとしての信仰を無視したとしたら 納得できなかっただろう。
身をよじるような苦しみが最後に報われる、これが正真正銘、嵐のあとの花だった。

ハーレクインLUNA Laura Resnick 「DISAPPEARING NIGHTLY」(2005)

この本は表紙絵に釣られて買ってはみたものの、1章を読んだあと放置していた。
LUNA を読んだのはこれが初めてなので、LUNAが全部こうなのか知らないが、 この本に関していうと、ちょっとロマンス風味が薄い。

ヒロインはNYで一流を目指す舞台女優。ただいまバックダンサーといったところだ。
奇術とミックスした舞台に出演中だが、
箱のなかに入った人が姿を消す、といった奇術で、本当に人が消えてしまった。
他人事なら、なにか悪い冗談か姿を消した訳でもあるのか、だけれど、
自分が代役で箱の中にはいるとなると、話は違う。

箱に入るな、と、妙な脅迫状が届く。警察は相手にしてくれない。
そのうち、奇術で姿を消した人が、1人だけではなく、何人も行方知れずに なっていることを知る。。

面白くないわけじゃないが、面白いか、というと、微妙〜。
悪魔へのいけにえとして処女の女性を集めている犯人が、女性をさらっても さらっても処女に巡り合えずにイライラしてて、捕えたヒロインから、だってここは マンハッタンよ、と言われる始末、、みたいな、ベタな笑いがある。

彼女は SF 作家マイク・レズニックの娘で、自分のHPで、 ロマンス本の表紙絵について面白いことを書いている。
わたしはクリンチ、嫌いじゃないんだけどなぁ〜

実は他にもう一冊読んだが、これは明日にでも。

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8月19日

ガンバ、、何をやってんだぁ・・・・orz

Susan Kay Law「The Last Man In Town」(1999)

表表紙は、アメリカン・ヒストリカルによくあるパターンの絵だが、裏表紙に イラストがある。よしよし。

タイトルどおりの物語で、舞台は1860年。ゴールドラッシュに我もわれもと、 男たちが出て行き、町に残った妙齢の男は、ヒーローひとりになってしまった、、 というわけで、未婚、既婚の女性が彼の元にせきも切らずにやってくる。

最初のうちは、はは、これぞ男の夢見る天国と思っていた彼だったが、 とうとう音を上げて幼馴染の親友(ヒロイン)に助けを求める。

よくある、親友/おさななじみに偽装恋人を頼む王道パターンだが、舞台をこの時代に 設定したので、ふたりのロマンス進行に加えて、町の女性全体が、夫を待っているだけの 存在から、主体的に動く女性へと変わってゆく様子を描いている。

ぶあついレンズのメガネをかけたしっかり者ヒロインは、結婚したい、自分の家庭がほしい、信頼できる夫が欲しい、絶対の保証が欲しいと願っているが、何のために自分は 結婚したいのか、ヒーローと 話しているうちに、自分の力で出来ることもあるんじゃないか、と、ミネラルウォーターの販売を始めることを思いつく。
ふたりは事業を軌道に乗せるため、町の女性たちに協力を訴える。

ヒーローの父親というのが悪名高い放蕩もので、母親を大変傷つけたため、ヒーローは 結婚というものを信じていないし、自分自身がひとりの女性に貞節を誓えるのかどうか、あの父親の血をひいているのだから、と自信がない。

女性に事業は無理と考えているヒロインの母親、金鉱堀りに出かけたっきり戻って
こない夫を待つヒロインの美人の妹、彼らのドラマも色々重なるが・・

安定した出来といったところ。ラストも予想通りだけど保証された幸せ気分に。

Laura Kinsale 「FOR MY Lady's Heart」(1993)

表紙の題字がエメラルド色なのには理由がある。
中表紙にイラストがあり、ヒーローがいい男なので、ちょっと嬉しい(笑)

舞台は1350年ごろの話なんだけれど、、入り組んでいて読むのに時間がかかる。

ついつい飛ばし読みをして最後まで。 ふぅ〜、話の大筋はわかったが、 再度まじめに読み直すかどうか。。(たぶん読み返さないだろう)

メディチ家のようなものを想像するとちょうど良いようだが、Navona 家とRiata 家、モンテヴェルデ家がイタリアの覇権を争っていて、その中心にいるのがヒロインである。
モンテ・ヴェルデのプリンス(30才年上)と12歳のときに結婚して、いまは28才?  3ヶ月前に夫が死亡し、骨を争う2家の間に残されたというわけだ。

彼女は生まれ故郷イングランドの Bowland に帰りたいと願い、Navona の当主、すべての 人から怖れられている男 Gian と結婚の約束をかわし、彼の庇護の元でイングランドに 向かっている最中である。
富と権力を手にしているヒロインは、Riata に対しては今後誰とも結婚しないという 約束をしていて、2家の間で危うい綱渡りをしている。

ランカスター公が治めるボルドーにさしかかったところから物語は始まる。
ランカスター公もヒロインのもつ領地と富を前にして、簡単に引きさがろうとはしな い。そこに絡むのがヒーロー、あほみたいに高潔な騎士である。

Gian の庶子である Allegreto がヒロインの護衛役なのだが、彼が手を回して、 ヒーローに、ヒロインのために戦うことを約束させる。 結果、ヒーローは主君とも 競技をしなくてはならなくなり、主君に恥をかかせてしまう。

ヒーローは家を再興しようという望みを抱いて、今日まで武勇を重ねてきたが、 ヒロインのためにそれを無にしてしまい、ヒロインの一行とともにボルドーの地を 去ることを余儀なくされる。

ペストによって大半が死んでしまったあとの混乱した国土を旅するヒロイン、ヒーロー、、権謀術策のなかで生きてきたヒロインは裏切りと嘘に長け、クールに人を操ろうとする、疫病の恐怖、アウトローたちの恐怖、一行はちりぢりになり、やむなくヒーローは再興を願う辺境の領地にヒロインを連れていくことにするが・・・

会話文が当時の話し方に近くて、不都合のない程度に中世英語を入れていて、慣れるまでがねぇ。

Haply I haf thee already. とか
ne do nought accuse me of it, e'en in jape. とか

おぬし、そなた、おまえさま、なんて言っているんだろうねぇ。

後半、ヒーローの命を狙い、刀に細工し、冑に細工し、ワインに毒をいれ、、 Navona の脅威が本格的となる。
ヒロインは、ヒーローの命を救いたいがために、Gian の元に戻り、追ってきたヒーローを面とむかって罵倒し、嘲笑う。(ま、お約束だが、高潔で一途なヒーローがあまりに 可哀想なんである)

愛や信頼を知らないヒロインが、ヒーローによってまことの愛を知る、という物語なのだが、ヒロインに魅力が薄いよ〜〜!
ヒーローは最初っから「お姫さまのために愛と忠誠をささげた」騎士で、それ以上に納得いくものが最後まで伝わってこなくて、、「なんでこんな女がいいのかなぁ〜。 やっぱ、女は美しい顔とナイスバディなんだよなぁ、ぶつぶつ、、」 なのであった(爆)。

ただし、Kinsale は、物語つくりが上手くて、ほんまドラマチックなんだわ。

また、この物語には、大事な脇役がいて、その脇役たちの物語が物悲しい。
Riata に妹を人質に取られている召使カーラと、非嫡子として軽んじられ、父の愛を得るためなら平気で人を殺す、だが、父親ほどには黒い心に なっていないアレグレート、彼らが味があるんだよねぇ。
とくにアレグレートは、このあと、7年後だったっけ、違うわ、7年の歳月をかけて、Kinsaleは彼の物語を書いたらしい。
ものすごく血なまぐさく暴力的なシーンも多い物語だそうだが、買ってみようかなぁ。

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8月21日

電車やバスで延々と化粧をする女も、近頃では珍しくないが、さすがにこれは初めてだった。
これというのは、つけまつげ

隣の席に座ったおねえちゃんは、ふくらんだトートバックから化粧ポーチと鏡を取り出し、 メイクを始めた。真横なので、視線を向けないようにしながらも、ついつい手元の 化粧ポーチを見ていると、ばさばさしたものを取り出し、なにやら、ゴミをつまんでは 足元に捨て、つまんでは足元に捨て、、
むっ、なにやってんだ?人の足元に。。

思い切って見てみると、前回の残っている接着剤を「つけまつげ」からつまんで 掃除してるのだった。

ビューラーを使うまでが、これまでの私の呆れる上限だったが、もう「つけまつげ」 なんだね・・・

北大路から京都駅、時間にして15分くらいか、、見事な時間配分でつけまつげに 新たに接着剤をつけて両目とも装着完了。シャドーやラインや、あれこれ、

京都駅到着直前には、携帯が鳴り、「あー、もうちょっとで着くしぃ」

う〜むむ、、柳原可奈子さんに次のネタは「つけまつげ」をお願いしたいわ。

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8月23日

Laura Kinsale「Seize the Fire」(1989)を読み始めて、、いかん、これ、あまり好きに なれそうにないわ。。

怒涛の飛ばし読みをして、、あいたたた、なんでこんなに長いのよ。
もっと短い話にしてもいいんじゃないのかなぁ。
こんなにトラブルが続くのって、やりすぎじゃないのかなぁ。
一難去ってまた一難、災難、障害、予期せぬ出来事が引きもきらない。
どこまでやれば気が済むんだろう。

舞台は1828年、英国海軍少佐ヒーローは、サーの称号まで戴く武勇伝の数々なんだけれど、とても重いPTSDなんだ。
悪夢、幻覚、自暴自棄、酒びたり、暴力衝動、自殺願望、、
ベトナム帰還兵のPTSDを念頭に置いて書いたらしく、その苦悩と戦争というものの 正体を伝えたい気持ちは十分に伝わる。(だが、やはりくどすぎてねぇ・・)

ヨーロッパの小国のプリンセスであるヒロインは、戦争の英雄という目で最初はヒーローを 崇めて、ある頼みごとをするんだが、ヒーローはヒロインの願いを「なんて甘っちょろい夢を抱いているんだ」と思いながらも、「おれの愚かで美しいプリンセス」と 世間知らずの彼女を守ることに使命を感じちゃうんだね。

と、こう書けば、なにか、もうちょっと楽しい話なんじゃないか、と思うでしょう。

ところがどっこい。

フォークランドまで行ったかと思えば、無人島に置き去りにされて飢え死にしそうになったり、やっと英国海軍に救われたかと思ったら、アラブの海賊に襲われて、今度はトルコのスルタンに売られそうになったり、、剣とピストルで血みどろになったり、ロビンソンクルーソーみたいだったり、月の砂漠だったり、
泣いてわめいたり、抱き合ってもだえたり、ヒーローの命がやばかったり、もう大変。

わたしをだましたのね! おれは最低の男なんだよ! 愛してるの!  きみは俺のことを何もわかってないんだ! 近寄らないで!一人にして! きみを愛してるんだ!

このやろぉ、いい加減に決着つけてくれぃ と叫びたくなるような引っ張り方。
インディージョンズもびっくりの波乱万丈ドラマなんである。

結論は、こういう長い話は飛ばし読みすると、わけのわからない話になる、でした。
(をいをい)

もうちょっと真面目に書くと、この作家の描くヒロインは、どうも好きになれないんだよねぇ。
教条主義というか、きっちりしすぎていて、あいまいな許容をせず、グレーの部分を許さない。  生真面目すぎて、余裕や軽やかさや心の深みがあまり感じられないんだ。

Kinsale はヒーローの迫力で、ヒロインの薄さを補う、って感じがこれまでのところの正直な感想。

今回のヒーローは、並外れて苦しんでいる男で、精神のたがも少し緩んできていて、 ヒロインが登場しなければ、自らの命を絶っていたような男だが、持って生まれたエネルギーも並外れていて、ど迫力だ。
そんな男の生存理由になったヒロインだが、、う〜んん、、

あんまり変化はないが、ロマンスミニレビュー、久々に更新。
他に、アン・メイザーヴァイオレット・ウィンズピアサラ・クレイヴンシャーロット・ラムヘレン・ビアンチン のデータをちょっと更新しました。

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8月24日

関ジャニ∞とジュビロのゴンさんのトーク&サッカーにハラを抱えて笑ってしまった。

ゴンさんの話芸は、超一流の域にたっしているね。
ご飯をのどに詰まらせ、むせって咳をする人間の誰が、親指立てて「米が生きてる」(にやり)なんて出来るだろう。

最近、またポチポチと、やたら買いたくなる病がぶり返して、いかんなぁ。
せっかく最近翻訳ブームなのに、世間の需要と自分の好みがあっていないようで、 よみたい作品は全然翻訳されないというフラストレーション。

がんばって書いている作家さんに申し訳ないが、今のよりも昔の作品の方が 読みたかったりする。

大塚愛や浜崎あゆみ、他、名前も覚えられないラップ系のグループの歌が 全然記憶に残らないで、いつまでたっても80年代、90年代の歌が体から 抜けないように、
今のユーミンよりも昔のユーミン、今のマッキーよりも昔のマッキー、
わたしの時計は、「いまどき」って奴に合わなくなっているんかなぁ。。。

読んでしまったのは、Pamela Morsi「Simple Jess」(1996)
大ヒット。

優しく胸を奥底からゆすぶるアメリカンヒストリカル
人間の価値や愛の意味を、素朴でかつ知的に、健全なユーモアで語ってくれる。
なんていったらいいか、こういう作品には、「品格」があるんだ。

今はコンテンポラリに転向してしまったようだが、「Simple Jess」を読んで深い感銘を受けたわたしは、またいつものように、彼女の昔の作品をポチポチするのだ。。

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8月26日

あひぃ〜ん、ガンバ・・・かばかば、、フロンタ君に虐殺されたぁ(>_<)

買いたくなる病で、ぽちぽちと、 Pamela Morsi のアメリカンヒストリカルや、Lorraine HeathCarla Kelly、メアリ・バログの昔のリージェンシーなどを買い込んでしまった。

今回はポチしなかったけれど、アメリカン・ヒストリカルの名作や評判作などを 調べているうちに気になったのが、Bonnie Dee の「Bone Deep」(2006 Apr)

これ、新しい本なのに日本アマゾンに無いんだよねぇ。どうしてだろね。
米アマゾンを見ながら、、やばい、表紙絵もちょっと気になるんだわん。。

さて、Pamela Morsi「Simple Jess」(1996)

アメリカンヒストリカル
1906年、山間の開拓地が舞台。
パメラ・モルシの描く世界は、地味な普通の毎日だけれど、その空気を ひと息吸い込むだけで体中の血液が掃除されてクリーンな酸素が送られるよう。
厳しい自然のなかで、狩をし、畑をたがやし、薪を集める人々。
生きるために獣を狩るが、そこには生命に対する尊重がある。
ぶたを屠殺してソーセージを作る場面を、こんなに敬虔な気持ちで読んだことは無い といえるわ。

あらすじは、less than perfect にも 以前書いたが、ヒロインAntheaは3才の息子を抱える寡婦。共同体からクリスマスまでに再婚しろと圧力がかかり、、、というお話。

いや、実際、男手がなければ正直やっていけんのよ、この時代。
冬の準備のためには薪をたっぷりストックしておかなければならないし、 畑仕事も猟もある。
もちろん、共同体が手を貸すけれど、ぐうたら亭主だろうが何だろうが、共同体から 受け容れられずに自分だけで生きていくことはできない。

半年前に夫が死んだヒロインは、猟犬を世話することもできないので、 犬を売った代金で冬の準備をしようと考えて、村のなんでも屋でその話をすると、
店主はヒロインを相手にしない。
「あんたの次の亭主が承知しないよ、そんなことは」
「次の亭主ってなんですか? 犬はわたしのもので、誰の許可も 要らないはずです」
「女が勝手に猟犬を売るなんて、話にならんね」

この共同体には、みんなから「シンプル・ジェス」と呼ばれる男がいる。
彼は、出産時にへその緒が首に絡まって生まれたために、障害が残り、ちょっと普通じゃない。
頭の回転は遅いし、当意即妙ではないけれど、気が優しくて力持ち。
動物の世話は抜群だし、狩猟の腕も優れている。学ぶまでは時間がかかるけれど 一度覚えたら、丁寧に上手にやれる。
それでも、家族以外のみんなから、一段も二段も低い存在として扱われていた。

ジェスはたまたま買い物の用で店にいて、前から犬が欲しいと願っていたので 怒ったヒロインが店をでていくと、あわてて追いかけていこうとするが、
店主に
「おいおいっ、ジェス、何してるんだ。家の人から買い物を頼まれてきたんだろが。 ほら、何を買うんだ?」
「・・・・」

あんなに道中、「コーヒーとパンとカートリッジ、コーヒーとパンとカートリッジ、、」と 唱えてきたのに、彼は思い出せない。
思い出せない自分が嫌でたまらないけれど思い出せない。
店主は心得たもので、
「ちゃんとマギーがお前にメモを渡してるだろう。ポケットに入ってるのか?」
ジェスはポケットのメモをとり出しのが、とても嫌で恥かしかったが 店主はさっさとポケットのメモを取り出して、
「なになに、、コーヒーとパンとカートリッジか」

ジェスはヒロインのところに行って、犬を買いたい、でもたぶん 一匹しか買えないと伝えると、ヒロインは考える。
冬を越すための薪の準備とブタの屠殺を手伝ってくれたら、4匹ともあなたのものだ、お金は要らない。

ジェスは、色々な村の仕事を手伝ったりしていたが、みんな適当に彼を利用して、お駄賃にアメ玉をあげる程度の扱いだったんだよね。
でも、ヒロインが自分をちゃんと男として雇ってくれたと感じたジェスは とても喜ぶ。
一方ヒロインも、あれをしろ、これはするな、と言われるばかりの 社会のなかで、自分の意見を尊重するジェスと接し、心が落ち着く。

翌朝、まだ夜が明けないうちから、ジェスはヒロインの家の手伝いを始める。

ヒロインは、最初のうち、ジェスにこんな難しいことを頼んだのは間違いだったか、 なんでさっさと薪を集めにいかないんだ、なんでトウモロコシの枯れ茎をずっと刈り取っているんだ、やれやれ、彼の頭は子供並みなんだから、やらなければならない事を 全部いわなきゃだめか、、、
「犬をあげる約束はしたけれど、それにはちゃんと働いてもらわないと困るわ」

「この付近の細い木を切るくらいでは冬の薪には足りないです。。
ここに来る途中で大きな榎の木を見つけました。 でも、切り倒すのは来週のほうがいいです。 今はまだ葉が全部落ちてないから。」
「あ、、そ、そうね、それは素晴らしい考えだわ。 でも、トウモロコシの枯れた茎なんて ほっておいて、さっさとぶたの方を・・」
「ミス・アルセア、、あの、牛は、ベッシーはどうするんですか?」
「牛?」
「ベッシーに冬のあいだ、なにをあげるんですか? 納屋には干草も トウモロコシもありませんでした。 とうもろこしの茎はクローバーじゃないです、でも 何もないよりはましで、、」
「あ、わたしったら、牛の事をすっかり忘れてたわ・・・」
ジェスはとても真面目な顔でうなづき、
「ぼくは、時々、覚えていなくちゃいけない事を忘れるんです。だから 忘れないように、何回も口にだして繰り返し自分に言うんです」
ヒロインの顔を見て、にっこりと笑うジェス。

さて、この開拓地に最初から入植している2家があって、それぞれ反目 しあっている一族なんだけれど、ヒロインはその一方の家の息子と結婚 したので、義理の母親(死んだ夫の母)からしてみると、嫁が変な奴と 再婚して、この辺りで一番のとうもろこし畑の所有権がそっちに移るなんて 許せない!
そういうわけで、自分の一族のなかの独身男と再婚するように圧力をかける。
そうすると、反対側のほうからも独身者が名乗りあげて、、、

ジェスを中心とした日常を描くことで、人間の価値や愛を問うってわけだが、 当初ジェスを嫌っていた3才の息子とジェスのドラマが、胸にしみる。
ジェスの家族の思いやりも良くてねぇ、特にお父さんが素晴らしいわ。

求婚者となる2人の男、それぞれにドラマがあり、この点がヒロインと ジェスのロマンスを薄味にしていると感じる人もいるかもしれないが、 わたしは、2人の男のドラマもけっこう好きだわ。

Jessのような人間をヒーローにするのは難しいよね。 ふたりはほんとに 幸せなんだ、と確信させるパメラ・モルシの腕前にほんま感心してしまった。

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8月29日

このところ海外郵便事情がすこぶる良い?
22日に注文したものが、28日には我が家に届いてるという早さ。

数えてみたら、わたしが抱えている未読の洋書は46冊だった。予想外に多い。。
今年に入って約40冊洋書を読んでいるので、年の暮れまでの4ヶ月であと20冊? つまり未読本の半分以上は、来年に持ち越しなんだ。 そう分かっていて新たに 注文しちゃうのがいかんねぇ。。

読みかけの本があったが、届いたばかりの Mary Balogh をつい手にとった。
読み出すと、うひゃぁ〜、やばい、やめられない・・
強烈なストーリーに、うるうるきて、胸が痛くなっちゃって、なんて私って分かりやすい奴なんだっっ!!

「A Precious Jewel」(1993)
FictionDBで5つ星で、米アマゾンも5つ星
身をよじるような苦しみに負けないけなげな娘のがんばりにうるる、
世間の冷たい荒波にうるる、自信の無い心が生むすれ違いにうるる、、、

どうしよーもないほど、よじれて辛いんだけど、高めては落とし、落としては高める、 作者の手綱さばきが見事で、AARの評者もAをつけているが、とにかく上手いったらない。
ヒロインの気持ちも、ヒーローの気持ちも痛いほどよくわかる。
ヒーローの心の傷が思った以上に深くて、人を愛する事ができないという不幸に 同情してしまう。 そのせいでヒロインがこれほどまでに傷つくのに、それでも ヒーローを嫌いになりきれない気持ちを読者に抱かせる。

いやはや、最後の幸せを確認するまで本を置く事が出来なかったわ。

まず、この話でつかう「ヒーロー」という言葉は純粋に男性主人公を指す、と断っておきたい。 このヒーローは、ロマンスにおけるヒーローの基準からはかなり外れている。

頭の回転もそれほど速くない。というか鈍いし、知的とも言えない。ウィットに富むわけでもなく、口下手で、さほどハンサムでもない。
過去の色々な出来事から、人を信頼することができず、とりわけ、女性を信頼することが できない。

ヒロインのことを大切に思う自分に気づくたびに、ヒロインに残酷に接する。
ヒロインから離れられないと感じるたびに、ヒロインを冷たく拒絶する。

このやろーーーっっ! ヒーローの首を思わず締めあげたくなる。

ベッドの行為も物語の大半が、ほんとうにただ、出し入れするだけ。

ヒロインのことなんて大事じゃない。ただ、体の関係だけなんだ、彼女は 体を売っていて、自分はそれを買っているだけなんだ、、何回も何回も そう自分に言い聞かせる。かばかばっ!

そのくせ、とても、とても孤独で痛々しくて、とてもとても優しくて、、

高級娼館に通うヒーローは、ある晩、予約した娘が風邪をひいたということで、 マダムからヒロインを紹介される。
その晩から2ヶ月、ヒーローはこれまで週に1回だったのが、2回、、そして3回と、 独身仲間からからかわれながらも、娼館に頻繁に行くようになる。

「人に執着しなければ、裏切られることもない。女の口から出る愛なんてものは 真実であったためしがない」、確かな人間関係を結ぶことを 避けているヒーローは、結婚どころか、愛人でさえもうっとうしい、娼婦のように その場限りの売り買いが一番あとくされなくていい、と、常に思っていた。

ヒロインにこだわるなんておかしい、ぼくをみて嬉しい顔をするのはそれが 仕事だからだ、、そうだ、彼女を指名するのはもうこれっきりにしよう、と 決心して会いにいくが、そこで目にしたのは、殴られて顔を腫らしたヒロインだった。

この高級娼館では、このような狼藉は許されない。ヒロインに乱暴した客は 出入り禁止になるから、心配しなくても大丈夫だ、というヒロインだったが、 彼は、ヒロインを自分だけの娼婦、愛人にすると申し出る。

心地よい家を一年契約で借り受け、ヒロインをそこに住まわせるヒーローだったが、、、

って、これが5月で、これから翌年の8月までの物語。。。思う存分、切ない 思いにひたれます。(T−T)後日、再度読み返して付け足し

他に平行して、Patricia Coughlin 「Borrowed Bride」(あと残り3分の1)、 Cynthia Sinclair「Winter Blossom」(まだ最初のほう)、Laura Kinsale「My Sweet Folly」(飛ばし読みは終了)を読んでるが、バログに浸ってしまったので、また続けてバログを読んでしまうかも。。

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8月30日

ぐっと涼しくなり、朧月夜の下で虫の音の大合唱。

昨晩の金沢での「ガンバーアントラーズ」5−1
バレーがノリノリでしたね〜。
テレビを見ると負けちゃうようで、でも気になるし、、前半で3点とってくれたおかげで、 後半はやっと落ち着いて見ることができたわ(爆)。

本はさすがに読み疲れ?
Patricia Coughlin SIM「Borrowed Bride」(1996)

よくまとまっていて、名作というほどのものではないが楽しめた。
表紙絵はちょー格好いいが、物語中にヒーローがファーファである記載がない。
な〜んだ、絵だけだったのか・・・
死んだ夫の親友がヒーローで、反発しあっていたふたりだったが、 ヒロインが再婚をするという日に、教会から彼女をかっさらい、バイクで逃走する ヒーローなんだ。
(もちろん、ワケはあるんだが・・)
炎のように燃え上がる、うっひっひ、という素直なノリ。

バログの2冊目は途中から飛ばし読み。
わたしがイライラするシチュエーションってのは決まっていて、ヒロイン& ヒーロー以外の人間ー主に友人や親族ーがあれこれ口出しして、ふたりの間を混乱 させるシチュエーションってのがとても苦手だ。

考えてみると、自分がそういうタイプじゃないからかもしれない。
そういうタイプというのは、友人や親戚がたくさん集まるとか、雑誌やテレビなどに 登場する「ホームパーティ」をやるとか、家のなかにたくさん人間が入ってくるのを 快く受け容れられるタイプを指すんだが、わたしはそういう「オープン」がとても苦手で、 子供の頃から親戚との縁も薄かったし、悪い意味で核家族に育った。

転勤が多かったから、故郷と特定できる土地も無いし、幼なじみもないし、 いまだに近所付き合いって奴も気楽に出来ないし。。

たかがロマンスではあるけれど、自分の苦手な話ってのは、なぜ自分はこれが 苦手なんだろう、と考え出すと、けっこう自分自身を映している部分が 大きいと気づくんだよねぇ。

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9月 2日

「ガンバ大阪ー名古屋グランパス」 4−1

どうしちゃったのか、バレー大暴れ(^m^
スーパーサッカーの加藤さんじゃないけれど、「バレーってこんなに上手かったっけ?」

9月に入って、スカパーのJスポーツを契約。よかったぁ、プレミア見たかったんだ。
なんつうか、疲れたときの最大の清涼剤って感じなんだもん(笑)

さて、話変わって、鳩山法相発言、なんなんですかねぇ・・・

「企業が直面する国際的法律問題を扱える多くの弁護士の養成が急務である。法曹実務の高度化、国際化に直面している現在、法曹人口の飛躍的拡大と法曹の法廷外でのより積極的な活動を求めている」とかなんちゃら、司法制度改革の目玉のように法科大学院を設置したのは ついこの間。

多様なバックグラウンドを持つ法曹人の育成と言った舌の根も乾かぬうちに、旧司の方々による「ロー生はレベルが低い、新司合格者のニーズはあまりない」等、すでに人余りのごとき発言が散見され、そのうえ法相までもがそんな私見を述べるとは。

理学部系のポスドク問題と似た、箱モノ行政だよね。
科学技術立国、大学院重点化、などと定員だけ増やして、結果、ポスドク就職難で、 やれキャリアパスだの、入った自分が悪い、自己責任だの。

高度知識社会を支える人材の充実をうたった政策は、人材を活用するあても受け皿も ない。 理科好きな子供を育てようとか、スーパーサイエンススクールとか、 大学に留まらず、初等教育にも働きかけるポーズを見せているくせして、実際は自然科学系の高等教育を社会が必要としていない。。んだよなぁ。。

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9月 3日

うひゃぁ〜、チェルシーがやられちゃったわ、、(T_T) ヴィラ、凄いわね。

読んだのは BANTAM Pamela Morsi「Courting Miss Hattie」(1991)

アメリカンヒストリカル
舞台は1900年初頭、アメリカ南部で米の栽培に挑戦した物語、、わたしはこれまで全然知らなかったんだが、 パメラ・モルシが描くこのロマンスは、アーカンソー(Akansas ってアーカンソーって読むのね!)における米栽培、が大事な背景になっている。

綿花の大きな農場を経営するヒロインとヒーローは、米栽培こそが未来の農業だと 考えている。 誰もが相手にしないなか、彼らは米栽培を始めようとする。

「おまえは何を考えてるんだっ。 これまでにこの地に移り住んだ先祖の人間が 色んな植物を試してみて、ワタこそがここに一番ぴったり合ったんだ。 ワタをやめて、米をやろうなんて、きちがい沙汰だぞ」

「前はワタがここの土に一番合ったのは確かだ。だが、今は違うんだよ。いいか、 1811年、1812年に起きた地震で、アーカンソーの土地は 低くなっちまったんだ。」

「地面が沈んだだって? だが大地震が起きたのは、もう100年近く前だぞ。 今では地面も戻ってるさ」
「いいや、地面はそんな風には戻らない。土の水はけが悪くなったのに気づかないか?
湿ってる土の水をはかせてワタを育てるよりは、米を作るほうがいいんだ。
それに、米はワタと違って、おおぜいのワタ摘み人が無くても収穫できるんだぞ。
刈るのも括るのも機械! 新しい農業なんだぞ」

へぇ〜、ほんま? Arkansasって米が有名なの?と調べてみると、あらま、本当だわ。
William H. Fullerという人が1904年に米栽培に成功を収めて “Father of Arkansas Rice”と呼ばれているって。( この人がモデルなのかな?)

ミス・ハッティーは働き者で明るくてとても優しい、でもちょいと不器量で、陰で「馬面ハッティー」と呼ぶ人もいる29歳の売れ残り。
彼女のワタ農場はこのあたりでも一番の農場で、彼女は、父母亡き後、リードとふたりで コルファックス農場を守ってきた。

リードは10才のときから、コルファックス農場を手伝ってきた24歳の真面目な若者。
この辺りで一番の別嬪娘ベッシージェーン(17才)と婚約していて、コルファックス農場を買えるまでお金が貯まったら結婚しようと思っている。

ハッティーとリードは姉弟のような強い絆で結ばれた、仕事のパートナーで、大親友、 というわけだが、、

妻を亡くした7人の子持ちのMr.Drayton が、ミス・ハッティーに結婚を前提とした 交際を申し込む。

Mr.Draytonだって! あんな奴とミス・ハッティーが結婚するわけないじゃないか!
あら、馬面ハッティーは結婚を申し込まれただけでも感謝すべきよ。
ミス・ハッティーをそんな名前で呼ぶなっ!!

ベッシージェーンの言った事に腹をたて、 Mr.Drayton なんかにミスハッティーが心を動かすなんてありえん!と思っていたのに、彼女が交際に承諾したと知り、ショックをうけるリード。

ハッティーの素晴らしさを分かっちゃいない、あいつにミスハッティーなんて勿体無さ過ぎるっ、、

コルファックス農場を売るなんてとんでもないとMr.Draytonが言い出すと、 あんな農場なんてもういいじゃない。パパがお金を出すって言ってるから、どこか他所の 土地に行きましょうよ。というベッシージェーン。
いや、ミス・ハッティーと米を作るって約束をしたんだ。米を収穫するまでは 移る気はないと頑固に言い張るリード。

実はベッシージェーンにもドラマがある。子供の頃から惹かれあっている幼なじみがいるんだが、 父親が彼を大変嫌っている。

「Simple Jess」の時と似たような構造で、サブキャラカップルのふたりは、暗い苦悩 ロマンスを担い、メインキャラのふたりは、苦しみながらも明るい、人を全く疑わない 素朴なロマンスを担う(笑)。
いや、もうちょっと、敏感に感じろよーーっ(笑)。

ほんま、ハッティーとリードは、サブキャラたちが行動に出なかったら、 どうなっていたでしょうねぇ。。
その辺が物足りないと感じるかもしれないけれど、すんごくかわいくて(笑)穏やかな心持ちで読めるところでもある。
お互い、感じているものが「愛」だと意識してなくて、でもはたから見ると「愛」でしか ありえない、ほほえましい二人なんである。
結ばれてからも、すごーーく幸せで優しい物語なんである。

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9月 6日

一体いつまでこの蒸し暑さは続くの?
今週はばて気味で、細々と本を読む以外、何もする気が起きない。
東日本の台風報道をみて、「暑い、暑い」と文句言うのは申し訳ないとも思うが。。

細々と読んでる本は、Carla Kelly「Miss Whittier Makes a List 」(1994)。

またカーラか、と言われそうだが、この人の本以上に読んでいて楽しくて、かつ、 しみじみさせられる本ってそうは見つからないのよねぇ。

他の本を読んでいると、なおさら、そう感じてしまう。

さて、はらだたしいほどの豪胆さ、揺ぎ無い責任感と勇気、そして優しいユーモア、 カーラの描く主人公は、「マスター アンド コマンダー」のジャック・オーブリー船長(といってもわたしは本を読んでいないので、映画のイメージだが) のような船長ヒーローで、厳しいが部下や水兵たちに心から信頼されている、 本当に魅力的な男だ。

アメリカ、ボストンからチャールストンへ向かっていたアメリカ商船が、フランス戦艦に 攻撃され、沈没。意識を失い漂流していたヒロインは奇跡的に英国戦艦に救助される。
ヨーロッパのナポレオン戦争は遠い異国の物語、つつましく平凡に生きてきた アメリカ人ヒロインは、不躾でいばりん坊の英国人っ!と、最初のうちこそ反発していたが、 6週間に及ぶ船上の生活にしだいに適応してゆく。

航海士や船医、操舵番や見張りの少年たち、カーラならではの描写力、そして カリブ海での戦闘以降、ぐっときずなが深まる二人の心。
弱音ひとつ吐かずに、ごりごりと腕を切断するドクターの手伝いをし、見張り台に 立ち、不眠不休の船長を気遣い、、

だが、リスボンまであと一週間の航海という所で、先の戦闘で傷んだ船は航海不能に陥る。  やむを得ずフランス領の島に上陸した一行は、駐留軍に捕らえられ、船長は激しく痛めつけられるが、大変な脱走劇のすえ、漁船を奪って一路リスボンを目指す。

物語の舞台は、たぶん1810年、かのウェリントン公アーサー・ウェルズリーが 子爵として登場し、リスボンでフランス軍の侵攻を止めようとしているところである。

リスポンにたどり着いたや否や、ヒロインはアメリカ大使館へ 連行されてしまう。なんとか抜け出し、ヒロインは傷病兵の 仮宿舎になっている教会へ向かうが、一足違いでヒーローのベッドは空。 軍法会議のために英国へ強制送還されていた。

教会の前に留まっていた馬の肩を借りておお泣きしていたところ、
「とてもいい馬でしょう?」
「まぁ、どうもすみません!」
「構いませんよ。わたしも何度もこの馬にもたれて泣いていますからね・・」

馬は、ウェリントン公の愛馬コペンハーゲンだったんですねぇ。

彼の尽力で彼女はリスボンからロンドンへ向かう船に乗る事ができ、航海中、 ウェリントン公の衣服をかがる仕事をあてがわれる。
ヒロインは大量のくつ下の穴をかがるのだが、、、

長期に及ぶナポレオンとの陸上戦をこんな風に感じさせるところがカーラは上手い。
このあらすじだけだと、波乱万丈ドラマチックな物語に聞こえるかもしれないけれど、実際は、とても落ち着いた生活者のドラマで、決してめまぐるしくない。

戦争の過酷な現実を分かった上で、ヒロインは明るく言う。
「閣下、もうすこし、こまめに足の指の爪を切ったほうがよろしいですわ」(^o^)

タイトルの「リストを作る」って、何のリストかというと、ヒロインが 考えた望ましい夫像というリスト。
自分の結婚相手はこういう人でなくちゃ、若い娘なら誰でも考えることを、 ヒロインもまたリストしていた。 例えば、ハンサムで優しい人とか、汚い言葉を使わない人、お酒を飲みすぎない人、わたしの事を自分の幸せよりも優先してくれる人、、

生死を共にした2ヶ月あまりの旅は、ヒロインに深く人生を考えさせ、表面的ではない 理解をもたらすが、それでハッピーエンドになるか?と言ったらそうではない。
戦時下に出会ったふたりが、どうやって祖国への忠誠と互いの愛をともに満足させ られるのか、、
リストを乗り越え、更にひと踏ん張りが必要で、、

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9月 9日

週末は Janet Mullany の「Dedication」や Julie Garwood の「The Gift」を飛ばし読み。

Janet Mullany「Dedication」(2005)はとても評判がいいので買ったのだが、う〜ん、 どうしても乗れなかった。

ネットを彷徨してみると、似たような感想を持つ人もちらっと居るが、少数派みたいねぇ。

そうなんだよねぇ。斬新ではあるんだけれど、わたし的にはマイナスポイントがかなり大きいので困るんだよねぇ。
そもそもの設定が非常に感じ悪い。ぶっちゃけ、あまりに下劣。
20年前に激しく恋に落ちた二人だが、とある人物の嘘の手紙によって、男は 女が自分のことを捨てたと思いこみ、女は男が自分を捨てたと思い込む。

ねじれた人間の嘘が人の運命を捻じ曲げて、当のふたりはずっと誤解して いるって話は、甘ちゃんのわたしは基本的に 苦手なんだけど、 この話の場合、それだけじゃないんだよねぇ。

嘘をついた人間が、とても許せないような事をするんだわ。
誤解しているふたりがささくれだつのは仕方ないが(とは言え、 あまり気持ちいいもんじゃない、、)、真相がわかったあとの対応が、 あんまりなんだ。
ヒーローが偽りの手紙で去ってしまったあと、くだんの人物らは(どうしてもという場合のみドラッグしてください) ヒロインを輪姦した・・・、それなのに、真相が明かされる時、こいつらに罪悪感が感じられないし、 ヒロインよりもヒーローの気持ちを気遣うような文章だし、開いた口がふさがらない。
なんにせよ、もう20年も前の事だからねぇ、、って感じなのかなぁ。

他にも、最後の方でヒロインがとる選択がすごくうへぇ〜。。これはかなり がっかりさせられる。

ごめんなさい、けなす事ばかり書いちゃったが、この話は一般的なリージェンシーと 違う味わいがある。

別れ別れになって20年。男は別の女性と結婚し、幸せに暮らし、 一男一女に恵まれ、娘には子どもが生まれている。妻は亡くなったが、 孫たちと幸せに暮らしている。悩むことがあると、亡くなった妻に、 いつも語りかけるヒーローだったりする。

女のほうもその後結婚してとても幸せに暮らし、夫とは死別したが いまは芸術家たちを集めたサロンを開いて優雅に暮らしている。

そう、リージェンシーでありながら、43と38のヒーロー、ヒロインで、 ともに別れてから幸せに暮らし、今は人生一段落着いたと思っている。 しかも、子供や孫を持っていて、とくにヒーローと娘の関係が、じっくりと 描かれていて、色々考えさせられる。

で、もちろん二人はふとした偶然から巡り合い、互いに「捨てられた」 「傷ついた」と 思っているから、嫌々ながら礼儀正しく、にとどまる。 ところが、ヒロインがとある作家に手紙を出したことから、話は動き出す・・

田舎の領地を治めているヒーローは、かつての遊び人の影もなく、 生真面目一辺倒に豚の品種改良やら小麦の収穫やらに努め、孫を世話する 良き男だが、実は、Mrs.Ravenwood というペンネームで ひそかに本を書いている。 
Mrs.Ravenwoodのゴシックロマン小説は、今や人気沸騰、、ヒロインは 作品に強く感銘を受け、彼女に手紙を書き、いつしか文通が始まる・・・

過去の大きな心の傷を癒して、もう一度情熱と希望の人生にのりだす、という テーマがリージェンシーでは珍しいだろう。官能的なシーンも多い。

だが、わたしは、どうしても作者に信頼を感じることができなかった・・・
似たようなテーマなら、個人的にはスーパーロマンスの ラヴィル・スペンサーの話のほうがずっと好きだわ。

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9月11日

9.11から6年たったが、変化の兆しもなく先の見通しもない。取り上げる報道局側も 切り口に代わり映えがしない。
そして、それをぼぉっとみているわたしは偉そうな事を言えた立場じゃなく、寝たのが4時
(あぅっ、いい年して >_<)。

Lorraine Heath「Sweet Lullaby」(1994)
うるる、、やられました・・・
まさか、こんなに心揺さぶられるとは。

昨晩ふっと読み始めたら、心臓鷲づかみ。
どうしても止められない、でも寝なくちゃまずいっ、あぁ、どうしたら、、

文字通り泣く泣く諦めて、まだ半分ほど残っていたけれど4時に就寝。
( to be continued )
ということで、まだ物語の半分なのだが、ここまで深く感動させられる話は、 飛ばし読みなんてやったらバチが当たる。っていうか、物語が終わっちゃうのが 勿体ないよぉ。

辛い設定ということなので、おしん調の「泣き」かと思っていたら全く違う。  温かい優しさと繊細な心配りで、隙をつかれるたびにほろほろと涙がこぼれてくる。
こういう話が読みたかったのよ・・
いつも参考にしているFictionDBで5つ星、AARでもA、amazonでも5つ星、 ものすごいお勧め本だけれど、国内では安く手に入らない。

わたしは年齢が年齢だし社会人だから、お金より(残り)時間のほうが足りない(爆)。  ってわけで、大量のイマドキ本から金鉱を見つけるよりは過去の名作優先で、少々手間とお金がかかっても海外から 買い寄せているけれど、 これぞお勧め!というものに限って、再版はされていないし、日アマゾンの マーケットプレイスの値段はばか高いし、みんなに読んでもらえない(泣)。

海外の古本販売サイトでまとめて買えば、それほどの出費じゃないけれど、 ぼろっちい古本が嫌という人には向かないし。

さて、Larraine Heath はテキサス3部作でも有名だけれど、 私は先入観から、「おしん型切なさ」だろうと思い込み、 読もうとしなかった。
だが、「Sweet Lullaby」と同じくらい良いのだとしたら、読まねば!!ポチ!ポチ!

日アマゾンで、Texas Destiny、Texas Glory、Texas Splendor の読者レビューを 書いた方、どこかにブログかHPを持っていないかしら。
読者リンクが無いのよね。
他にどんな本を読んでいるのか、知りたいなぁ。。

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9月13日

サポティスタに紹介されていたこちらの記事、面白いわ。

どんなチームでも、決定機の約7割は決まらない。
押せ押せに攻めているように見えるチームでも決まるのは3割なんだ。

外人の強いFWがいるからあのチームは強い、とか思い勝ちだが、 決定機を多く作ったほうが勝つというシンプルな話に、
横パス、バックパスを繰り返す消極的なプレイをやるな〜、リスクを 冒せよ〜っっ
テレビの前でイライラしてたサッカーファンは、あながち間違っていなかった んだな〜。
動くものが勝つ。。を、まるでオシムさんの言葉のようだわ。

今週のサカマガ、超久しぶりに購入。
フタがこんなにしゃべるなんて、ほんまやろか?!
大笑いしてしまった。

Lorraine Heath「Sweet Lullaby」(1994)読了。

アメリカン・ヒストリカル
舞台は1883年のケンタッキー。
大牧場のひとり娘が、女の扱いにたけたハンサムな男に恋をして一夜を ともにする。 男は牧場を去り、娘は「彼は必ず帰ってくる」と信じて待つが、 そのうち妊娠していることに気づく。

野生馬を集める仕事から戻ったばかりのカウボーイ(ヒーロー)は、
「ご主人がお屋敷でお呼びだ」と聞き、急いで牧場主のもとへ行くと、
「おまえは娘をどう思う?」
「え?・・・お、お嬢さんはとても素敵な方だと思いますが・・・」
「あの子は妊娠しとる」
「わ、わ、わたしじゃありませんっ! そ、そんな、、お嬢さんに触れたことすら ありませんっ!」
「わかっておる。赤ん坊の父親が誰かはわかっておる」

牧場主は、他の男の子どもを身ごもっている娘と結婚してくれないかと彼に頼むと、 彼は「お嬢さんに自分からプロポーズしたい」と言う。

ヒロインは、ヒーローがとても働き者で真面目なカウボーイだとは分かっているが、 愛する男が戻ってくるのを待ちたい、、でも、男からはなんの音沙汰もなく、どこに行ったのかも 分からない、、父親の激昂と冷たい言葉に耐えることも、もう限界だった。

私生児として生まれ、引き取られた家で虐待を受けて育ったヒーローは、 君の子どもを心から慈しむ、君の幸せだけを望む、絶対に後悔させない、ぼくを愛することができなくてもいい、君が進んで与えてくれるものだけで 構わないとヒロインに語り、ふたりでテキサスへ行こうと誘う。

実は、ヒーローの父親と思しき人物が遺言で彼にテキサスの土地を 遺していた。

とまあ、お約束のような設定なのに、ふたりの日々の暮らしと感情が 丁寧に語られ、とても温かい。
ヒーロー像が傑出していて、こんな神様のような人っているわけが ないと思いながらも、じーんときてしまう。
力を合わせて牧場を整えてゆき、近隣の人や雇い人たちとの交流も すすみ、無事に出産も終え、生まれた息子を心から愛するヒーロー・・・

だが、温かい温かい優しさ故に、小さな氷のかけらがきりきり痛い。

こんなに素晴らしい人が、わたしのことをこんなに大事にしてくれるのに、 どうしてわたしは彼に愛してるって言えないの?
月のない星あかりの下で初めて愛をかわした男を忘れることができない ヒロイン。

ヒーローの生い立ちと、異母兄弟の過去と現在の物語が非常に重く辛い。 彼を虐待した養父というのが、彼の実の父親だったわけだが、 妻とは違う女性と過ちをおかした自分の罪を、 これは悪魔の子だ、罪の子だとヒーローを虐待することで 贖罪の帳尻合わせをしてたんだよね。
妻や兄弟たちも憎しみの渦に巻き込まれて、、今はテキサスの 土地をめぐる争いとなって、ヒーローを苦しめる。

そして・・まさかっ!と思ったが、1年以上たって、あのハンサムな男が ヒロインを探してやってくる。
愛してる、君と息子を迎えに来たんだ、、(ぎゃ〜)

あの人は本当に迎えにきてくれた。。
抱きしめられキスをされると、恋しい思いがわきあがるヒロイン・・・(かばかば)

今まで通りに暮らせなくなってしまう二人、、

これから後が、、辛いんです、、ハッピーエンドまで我慢せよ!読者!  という感じです。 でも、読んでよかった、ヒーローが幸せになるところを 読まずにはいられないっす。

哀しみも喜びも、とても深いのだけれど、控えめな色調で胸にせまります。
さらに付けたしあり

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9月16日

普段の週末は、なんやしらんゴロゴロしてるうちに終わってしまうが、 3連休あると、ようやく家事をする気になる(爆)。
リビングのカーテンを洗い、フローリングにワックスをかけ、ふぅ〜。

カーテン、、いつも思う事だが、恥ずかしくなるほど洗濯液が黒くなる。こ、こんな 汚れたカーテンをかけていたの、あは、あはは、、
厚手のほうは、クリーニング屋さんに。 やだなぁ、たぶんこちらも真っ黒だろうから 恥ずかしいなぁ・・

テレビで見た「川崎フロンターレ 対 大分トリニータ」2−2
知らなかった。井川くんはフロンターレに移籍してるのね。
同点ゴールを決めて、インタビューで大写しになった。
あらまぁ、ロン毛になっちゃって、、。せっかくのハンサムが、微妙(笑)。

そのあと全米映画興行のニュースをちらっと見た。
そうか、今週のトップの「3:10 to Yuma」と先週のトップ(今週は2位)の「ハロウィン」は、 どちらも傑作のリメイクなんだ。  日本でも「椿三十郎」のリメイクを製作中だから似たようなもんか。。

それにしてもラッセル・クロウとクリスチャン・ベールってのはくすぐるものがあるわ・・・
それに、オリジナルの「決断の3時10分」も見てみたいなぁ。

と、ここで強引に西部劇ということで、先日読んだ「Sweet Lullaby」につなげるが(爆)

主人公は自分の牧場の周囲にワイヤーでフェンスを作り始める。
当時テキサスでは土地を囲うことがようやく一般的になった頃で、 いまだ自分の土地を持たずに牛を連れてまわる者たちが沢山いた。というよりも、 テキサスはフリーグラスで、好きなところに行って草を食べさせればいいという定評だった。
(これって他の人にとっては常識? 知らなかったのはわたしだけ?)

だが、ビッグランチを経営する者たちは、フェンスで仕切れば、自分の牛が管理 しやすい、少ない人手で済む、と、バラ線でフェンスを張り始めた。

ちなみに、最近はあまり見かけなくなったが、バラ線は1873年の発明だそうだ。

小規模なランチャーは、これに反感を抱き、フェンスワイヤーを切るトラブルが あとを絶たなかった。
テキサスの歴史をちょっと調べると、フェンスカッターとビッグランチャーの対立、憎しみは危険なまでに高まり、殺し合いも多く起こったようだ。

ワイアーをカットするのを禁ずる法律が出来、1890年ぐらいになると大方の人が 時代の波を受け容れざるえなくなる。
このフェンス囲い込みによる近代的管理によって品種改良も進み、 従来のロングホーン種から、肉質のよいShorthorn や Hereford の飼育へと テキサスの牧畜は変わっていった。

このあたりの日常が、「Sweet Lullaby」を読むと、とても自然に伝わってくる。

父親らしい人物から遺された牧場に主人公がフェンスを張り出すと、それは嫡子である 兄達の神経を逆なでしてしまう。
この本は、ロマンスではあると同時にすごく西部劇なのだ。

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9月18日

あいたた、ガンバは負けてしまった・・・orz

フライパンの上で焼かれているような暑さ、頭痛がなかなか治まらない。

DVD「娼婦と鯨」「ペイルライダー」を見て、Lynsay Dands「Single White Vampire」 (2003)を読了。

「娼婦と鯨」La puta y la Ballenaの日本語字幕版。
前と同じところで泣きそうになる。 胸にぐっと迫るものがある。

「愛」と「性」とはどこまでが同じで、どこからが違うんだろう、、「性」から 自由になって人を愛することは不可能なのかしら。

クリント・イーストウッドの「ペイルライダー」は、、神さまのように どこからともなく人々を救う最強の男が現れ、めくるめくカタルシスを観客に 提供したのち、妙に重々しい、はなはだしくギャップを感じるほど陰鬱で険しい山脈に消えてゆく。

白いカラーをはずし、封印していたガンベルトをつける・・
くぅ〜っっ
プリーチャーーッ!!
これって男のロマンなんだろうなぁ。女性がふたり(母と15才の娘)登場するが、 正直言って、彼女らはいなくても良かった(爆)。

「Single White Vampire」は人気があるヴァンパイアシリーズらしい。

変なねじれが一切なくて、みんなとても素直で、安心して楽しめる。
っていうか、あまりに安心できて、読んでいるうちに、アメリカの ホームコメディで聞こえる「スタジオの笑い声」って奴が聞こえてきました(^o^;;。

「奥様は魔女」ならぬ「ダーリンは吸血鬼」
(ほんとは吸血鬼じゃなくて、アトランティス人よ 笑)

かなりベタな笑い(たとえば、血液バックを冷蔵庫から出して飲もうと したところで、急にヒロインがキッチンにやってきたので、うわっと驚いて 頭や顔に血をかけてしまう、すると、ヒーローが大怪我をしたと思い込んで、 ヒロインが心配しまくるとか、仮装のルネサンス時代の衣装を身に着けた ヒーローの Codpeace がテーブルクロスにひっかかってしまい、それを はずそうと、ヒロインがテーブルの下にもぐりこむとか)が多くて、 こういうのをファニーだと思えないわたしって、つまらん奴なんです・・・

出だしが一番笑えて、「No」の連答ヒーローに笑っちゃいましたが。。
たぶん、わたしはシリアスな感動系を好むから、ちょっと気楽すぎました(爆)。

話は急に Youtube に飛ぶが、今「それが答えだ!」の第1話が見れるって 知ってた?
たまたま昨日行ったら、「それが答えだ!」の第1話がアップされてたんだ。

堪能してしまいましたよ。出演者みんな若いわ〜。三上さんが素敵だわ。

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9月20日

お盆明けくらいから、突然、声が出にくい症状に見舞われた。

朝起きたら、「えっ、何? 喉に何かが詰まっているみたいで、声が うまく出ないわ・・」

さして喉の痛みもなければ、熱も全くない。
声を使う職業じゃないし、咳やたんが出るわけでもない。
静かにしてれば直るのか、と思っていたが、一ヶ月近くなっても、あまり改善 しない。
 となると、「や、やばい、、もしかして、良くてポリープ、 悪くすると咽頭ガンじゃないかしら。。」 びくびくしながら耳鼻咽喉科に 行ったところ、内視鏡検査の結果は「特に異常なし」。

ホッとしたけれど、声が出にくい、かすれ声は変わらない。

こりゃ、反回神経とか甲状腺とか、ほかの深刻な問題? 別の病院で 見てもらったほうがいい?

ますますどうしようかと悩んでいたら、友人の電話にはっとした。
「黄砂に乗っていろんなアレルゲンや有害物質やウイルスが飛来してるんですって。 クーラーの中に残ったりとか。。」

そうだわっっ! クーラーだわ。。
たしか、梅雨明け後に故障したエアコンを、お盆明けに修理してもらい、、 それと喉がおかしくなったのは、ほとんど同時だわ。
エアコンの内部のカビか何かのアレルギーなのかも。。

考えると妙にぴったりくる。
朝が一番調子悪いというのも、毎晩エアコンをつけて(タイマーだから途中で 切れるけれど)寝ているのと合致するし、カーテンを洗ってから少し 喉の具合が良くなった気がするし、良くなったり悪くなったり、も、冷房の 使用頻度だったかもしれないし、、

昨晩はエアコンをつけずに就寝。。目覚めると、声が出やすい気がする。
さっそくエアコンのクリーニングを依頼した。
来てくれるのは来週の木曜日。

ほんとにエアコンが関係してるのかどうかを調べるため、木曜までは エアコンをつけない。耳鼻咽喉科で貰った抗生物質を飲まない。ことにする。

あとは、、暑い日が続かない事を祈るのみ!

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9月22日

Mary Balogh「The Secret Pearl」(1991) をざっと読み終えて、、
あぁ、むちゃくちゃ言いたいことが湧き上がってきて、といっても、Secret Pearl の事というよりむしろ Precious Jewel の事が語りたくなって、ネットを彷徨してしまった。

やっぱ、いるんだ。同じようにTSP とTPJ を熱く語っている人がいたわ。わかるなぁ〜。

なんていうんでしょうね、この本を読んだら、「The Precious Jewel」(1993)を読んだときに、単純に感動してそれで満足してしまって、深く 考えずに受け流した素晴らしさが、じっくりと分かってきたわ。
シークレットパールで甘く流してしまったものを、プレシャスジュエルではしっかり 見据えて描かれている。
より厳しく、妥協なく、テーマが追求されている。
プレシャスジュエルの本質を深く理解するためにシークレットパールが必要だったのね。

たぶん、メアリ・バログは Secret Pearl を書き終わったあと、そういった必然を感じて、だから Precious Jewel を書いたんじゃないかな。
「真珠」を意識したから、「宝石」という題名にしたんじゃないかな。

The Secret Pearl に感動した人に、是非 The Precious Jewel を読んでもらいたいなぁ。
だって、Precious Jewel は、バログという作家がどこまでも誠実にテーマを 追うということの証(あかし)だもの。

2007年3月のメアリ・バログのインタビューによると、DELLがいくつか彼女の Signet時代の作品を買ったそうだから(The Precious Jewelを含む)、もうじき TPJ は再販されるのかもしれない。

インタビュアも、「それ(DELLが昔の作品群を買ったということ)を聞いてとても嬉しい。なぜならTPJ はわたしの 長年のお気に入りだから」と言っていたので、うんうん、画面に向かって頷いてしまった(笑)。

「The Secret Pearl」については、もう一回、ちゃんと読み直してから、 TPJ と絡めて、書く予定。(後日つけたし、まとめはこちらです

で、今日ここで書きたいのは、テス・ジェリッツェン「聖なる罪びと」

「The Sinner」(2003) を好きなわたしは、文春さんが翻訳してくれる事に感謝して、新刊を 買ったよん。翻訳を読んじゃうと、ちょこちょこイライラしちゃうから、精神的安定の ためには読まないほうが良いんだけど、やっぱ、買うと読んじゃうわ〜。

小さいちょこちょこは気にしないけど、あぁ、ここは、ここは、すごく残念だった・・

ここというのは、ディーンとリゾーリが、ようやっと向き合う場面。

聖なる罪びとを読むかもしれない人、ネタばれの嫌な方は「残念だったこと」を ポチしないでね。

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9月24日

休みの間ずっと本を読んでしまった。
Lorraine Heath「Texas Destiny」(1997)と「Texas Glory」(1998)を読了。
アメリカン・ヒストリカル
Texas Destiny はヒロイン、アメリアが良いねぇ。正直で勇気があって、こんな女性に 愛されるなんて、ヒューストン、君はほんまに幸せものだよ〜。

ヒューストンは南北戦争に12才で従軍し、15才のとき砲弾によって左半身に大怪我を負う。
兄ダラスが、虫の息の弟のもとに軍医をひっぱってきたとき、医者はヒューストンの 状態をみて、こう言う。
「こんなに顔の損傷がひどい人間を助けたところで、彼はきっと死んだほうがマシだったと 思うだろう」
「馬鹿言えっ、弟は絶対に死なせない! 絶対に死なせないと約束したんだ!」

しぶる医者に拳銃をつきつけ、無理やり治療をさせたが。。。

物語の舞台はそれから13年後。
片目に黒いアイパッチをつけているヒーローの左顔面はケロイド状で、 表情もあまり動かなく、、医者が予想したとおり、ずっと孤独のなかで生きている。

町に出る事を極力避けている彼だったが、落馬して足を折った兄の代わりに、馬車で片道3週間かかる鉄道の駅まで、メールオーダー花嫁を迎えにいかざるえなくなった。

ヒロインは南北戦争で家族、プランテーション、すべてを失い、ダラスとの文通の末、 牧場主の花嫁になることに夢を託してやってきた。

兄ダラスの牧場にたどり着くまでに、じわじわと高まる思いが、くくく。。
まっすぐなヒロインが良いんだなぁ。
焚き火のそばで、テントで、子供の頃のことや夢など、少しずつ心を開いて 話しだすヒューストンがポエムで。。

で、てっきり、牧場に着いたら、早々にハッピーエンドなのかと思いきや、 そうじゃない。じっくりと、ダラス、ヒューストン、アメリアの関係を 織り上げる。
あぁ、後半はダラスとアメリアの描き方が秀逸だねぇ。

兄弟、家族のすれ違いが、ゆっくりと修正されていくところが温かくて嬉しい。

Destiny の傷ヒーロー、ヒューストンとアメリアのロマンスはもちろん良く出来ているが、Glory の主役ダラスがぁ、うう、切なくて、ちょー好きだわ

前作から5年がたち、ダラスは町の発展に力を注いでいる。だが、前作からずっと変わらぬ彼の「息子が欲しい」という夢は叶っていない。

横暴な父親と兄たちの下で、何ひとつ自由にならず臆病になっていたヒロインが、 水場をめぐり対立する牧場主(ダラス)のもとへ、契約結婚させられる。

優しい言葉をかけたい、おだやかに頼みたい、と思っても、意識すればするほど 怒ったような命令口調で、相手をすくませてしまうダラス。

昔のスーザン・フォックスやダイアナ・パーマーのような匂いが、うひひ、好みだ。

もちろん、ロレイン・ヒースは、ヒロインとダラスの間に何かが 芽生えてゆくのを丁寧にじっくりと、温かく描く。
ロレインの素晴らしいところは、へんてこな争いや誤解なんて作らず、 失敗を繰り返しながらも、お互いが公正に相手を理解しようと努力を してゆくトコなんだよねぇ。

決してオバカではなく、一見めそめそしているように見えても、奥に筋が一本 通っているヒロイン。
必死に築いてきた一代王国を、息子に引き継ぎたい。妻イコール「息子を産んでくれる 女性」だといってはばからなかったダラスが、ヒロインの瞳に浮かぶ怯えの色に胸を 痛め、ヒロインの自立を促し、ヒロインを影で一生懸命フォローして、しまいには・・・・

ヒューストンとアメリア、娘のマギーメイなど、家族のつながりが優しさと笑いに 満ちている一方、ヒロインの生家との対立は、憎しみに満ちていて、、

あぁ、Rawley が出てくる場面で、わたしは一体何回泣いてしまっただろう。。 胸にしみるロマンスと背景の西部劇のバランスが上手いんだなぁ。(付け加え

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9月26日

Lorraine Heath のアメリカンヒストリカルを、またポチしてしまったぁ。
超切なそうな設定なんだもん(^ー^;;

ロレイン・ヒースは、米アマゾンの読者レビューでも指摘されていたように、生活の 描き方に大雑把なところがあって、ストーリーに直接関係しないその他おおぜいの 姿や日常の地味な部分をスコーンと無視する傾向があるんだが、
そういう欠点?が気にならないほど、ストーリーの畳み掛けかたや、 エモーショナルな流れの扱いが、抜群に上手い。

胸の奥深くまで入り込んでくる人物たちと一緒に、泣いて笑って哀しんで喜んで、、
思いをこめてひと針ひと針さしたキルトのようなアメリカンヒストリカルが 心地よいんだわ。

「Texas Splendor」 Leigh3兄弟の末っ子、オースティンの物語は、前の2作を読んでいないと、 ちょっと苦しいかもしれない。
話が2作目とつながっていて、かなりの部分で2作目の下地が必要だ。

もとよりオースティンは、ベビーブラザーとしてみんなから愛されるキャラクター ではあったんだが、激しい性格ではないゆえ主役というにはインパクトに 欠ける部分がある。
その上、ストーリー的にも、こんな苦悩を一体どうやって解決するんだ?! と 盛り上げたわりには、え?というほど簡単に解決させてしまった。

正直言って、好きな場面の多くが、前2作のヒューストンやダラスたちが 登場する場面だったりして、オースティンには申し訳なかった。。
でも、前2作から5年たち、彼らがどうなっているか、その部分がとても良くてね。。 こう言っちゃ悪いが、作者自身も、ヒューストン一家と ダラス一家に対しての思い入れの方が強いんじゃないかな。
クリスマスイブに子どもたちが撒くトナカイ用の藁なんて、もう、もう、うるる、、

ほんま、この3兄弟とその家族たちは忘れがたい。美しいハーモニーを奏でているようだわ。

先日の最後のほうでちょろっと書いたが、ダラスの回で登場するRawley少年が切なくてねぇ。。
虐待を日常的に受けている少年を救おうとするダラス、ディー(ダラスの妻)のエピソードにはやられまくり。
2番目のダラスの本のイメージは、丘の上の風車のまわる音が夜風に乗って聞こえてくるような、 巨大で力強くて、同時に物悲しい味わいなんだが、なかでもRawley少年に まつわる話が泣けて泣けて。。
3部作の締め、オースティンのこの本のエピローグを読むと、ひぇ〜ん、若者になったRawleyに会える! うるうる。。
彼はフェイスを愛しているんだろうか、、あぁ、いつか彼の話を書いてくれたら嬉しいんだけれどなぁ。。

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9月27日

エアコンのクリーニング、はぁ〜〜、感激するほど空気が爽やか!

恥ずかしながら13年目にして初めてクリーニングをしました。
(病気にならないほうがオカシイ?!)
外側を拭いたり、フィルターを洗う以外、何ひとつやったことがなかった のですが、いやはや、、すっぽりエアコンをビニールで包んで、専用の 洗浄液を丹念にかけると、あらあら、真っ黒な液が出るわ、出るわ。。

マンションの壁紙が白色なので、ビニールをかぶせただけで大丈夫かしらん、、 けっこうドキドキしましたが、何事もなく真っ黒な汚水がビニールを つたって下のバケツへ。

はずしたカバーやその他もろもろもきれいにしてもらい、所要時間は約2時間、、 今回はシャープ製エアコンだったので、シャープのサービスセンター に頼みましたが、料金は1万と500円(消費税)。だいたい、これくらいが 相場なのかな。

ネットでエアコンクリーニングを検索すると、あれこれ沢山出てくるんだけれど、 シャープの京都サービスセンターは、高圧式じゃなくて低圧式でした。

あぁ、これからは定期的にクリーニングをしなくては。
さ来年の5月くらいにまたご指名くださいな、とおじさんに言われて、
(へぇ〜、洗浄してくれる人を指名できるの?!)

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9月29日

「ガンバ大阪ー大分トリニータ」1−0

がっくし、、久しぶりに万博に来てみれば、これがガンバか?!というていたらく。
体が重いのか、動きは鈍いし、狭いところでパスを交換するだけの手詰まり感。

フタも精彩がないっす。 あの、代表合宿から戻ってきた頃のプレイを、もう一度 見せてほしいわ。。

冷たい雨が後半から降り始め、次第に強くなるわ、ゲームはぱっとしないわ、で、 ロスタイムに突入。
ほとんど望みを捨てておりましたが、奇跡的?バレーのシュートが決まり、辛くも 勝ち点3をゲットしたのであります。

困りましたねぇ・・チーム状態はとことん最低といったドツボ状態ですワ(T_T)。
流れるような一体感と信頼が無くなって、ひゅるるぅとお寒い風が吹いた万博でした。
(確かに、いつもなら試合前にビールを2杯も飲むと眠くなっちゃうのに、 寒くて全然眠気が起きませんでした 爆)

家では「アーセナル対ダービー」「マンチェスターU対チェルシー」をTV観戦。

アーセナルは見事よみがえった。
創造性豊かな展開、スピード感あふれる攻撃、若さがピチピチはじけている。
パス良し、シュートよし、セスクは今は自信っちゅうオーラにあふれてる。凄いなぁ。
ま、今のアーセナルが相手ではダービーは手も足もでないわねぇ。

一方、モウリーニョが去ったチェルシーは暗かった。。
審判がイマイチでゲームを壊したことは確かなんだけれど、そのハンディを 跳ね返す精神力がチェルシーには全くなかった。
気迫が足りない攻撃、どんどんラフになる守備、、かなり悲しいものがあった。

マンUもそれほど調子が良かったわけじゃないんだけれどねぇ・・・

試合終了後、ファーガソン監督が握手を求めにいっても、さっさと去ろうとするグラント新監督にはちょっと鼻白みましたねぇ・・

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