カレン・キースト(サンドラ・キャンフィールド)  2004年5月初まとめ
彼女の作品をはじめて読んだのは、キャンフィールド名義の「この愛しきものを」。
むっちゃくちゃ定番のお話なのに、これがねぇ、なけちゃってねぇ。。
この人、ほんま上手いの。

基本は、生真面目。
ヒロインもヒーローも浮ついたところが無くて、誠実で言葉数が少ない。
スーパーロマンスでは、重く深刻な傷系が主体。
そりゃね、スーパーロマンスには、そういうものが多いわよ、でもね、
彼女の描くヒーローの思いやり、献身、愛情ときたら、もうね、
こんなヒーロー、いるわけないっ!と思いながらも、ヒロインが羨ましくて羨ましくて。
「バラと虹とあなた」なんてね、うぎゃぁ、信じられないほど出来たヒーローなの、
それなのに、ちゃぁんと魅力的でセクシーでね、参ったわね。

カレン名義のときはスーパーロマンスほど深刻な傷系ではないけれど、
でも、なんというか、切なく痛々しいものがいつもあってね、
しっとりとした官能性と緊張感がいいの。

沈黙、間、もどかしいような、まといつくような、空気がピカイチ。

ただね、「ラベンダー色の夜に」が良すぎちゃって、これを最初に読んじゃうと
他のが、たとえ悪くなくても、少しかすんじゃうのよね。

そうそう、圧倒的にヒーローはファーファ君なの。ラベンダーもバラも
ヒロインはそのファーファが気に入ってるんだよねぇ〜。
受賞歴など
S-283 バラと虹とあなた  1987-88 RT Reviewers' Choice
N-317 ラベンダー色の夜に 1987-88 RT Reviewers' Choice(総合)
N-474 穏やかな沈黙    1988-89 RT Reviewers' Choice
N-401 夜明けの赤いバラ  1990 RITA -- Romantic Suspense 


他に
Sandi Shaneというペンネームで出しているが未訳。
SIM-91  No Perfect Season Apr-1985 
SSE-257  Sweet Burning  Aug-1985 (かなり年下のヒーロー ^m^)
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
N-317 ラベンダー色の夜に ヒロインの母は7回結婚をし、子育ては姉にまかせた。 ヒーロー貧民街で生まれ、父6回かわる、母親刑務所、祖母に育てられるが祖母は12歳のとき死亡。 Dec-89 パラノーマル系 転生 サスペンス RT 高校の文学教師、エリザベス・ジャレット(リジー、33)、 財務省のアルコール・タバコ・火器局の捜査員チャールズ・ローレンス・コリンズ(クーガー、35くらいか?) やられた・・・文句なし!って言えるほど、良く出来てる。 沈黙の間の上手い事といったら、。切ないまでに高まる狂おしい思い、たまりませんわ。ささやきも上手いし、とりわけセリフのカノンが抜群。 「誓って」「誓うとも」は忘れ難し。。 うきき!!
N-347 穏やかな沈黙 ヒロイン結婚して一年で夫はベトナムに招集。それから17年。。 ヒーローの父は飲んだくれで暴力を奮った Jul-90 ヒロインを守るヒーロー、 過去との決別 RT 不動産業(ベトナム未帰還兵の妻)アン・エリーズ・バトラー、 紛争調停屋ケル・チェイソン大尉 いやぁ〜ん、熱いわ、甘いわ、素敵だわ。 大人の熱愛っていいわね。もっとスネ男君だと思ったら、とても純なヒーロー。ヒーローを追いかけるヒロイン、好きよ! うふふ
N-401 夜明けの赤いバラ ヒロインは1年半前に離婚。 ヒーローは9ヶ月前に妻が自殺 Sep-91 ヒロインを守るヒーロー RITA ラジオDJローリ・ケルセイ、 作家ブレード・カバノー ふぅ〜。。この官能的でぞくっと鼻腔を刺激する空気が、うだるような暑さのニューオリンズの夜に漂う。。原題「Night Spice」がヒロインのDJ番組なんだけれど、ぴったりなんだな。。真面目なED問題もとりあげるところが、この作者らしい。 ヒーローが金色ファーファ うまい
S-200 この愛しきものを ヒロインの夫は誤射で死亡 Dec-91 近づいてはいけない人に恋をする アマセツ! ニット作家ロビン、未熟児ピーター、刑事ジェイク ヒーローの誤射でヒロインの夫は死亡、ヒロインは未熟児を出産する。母子を放っておけないヒーロー。この見え見えの設定でちゃんと読ませる作者の力量は凄い。わかっちゃいるけど、巧みな展開に感動してしまった。。サイドストーリーの老いた親の話もよくできている うるる
N-441 あなたは大人の香り ヒーロー、妻を7年前に病気で亡くす Jul-92 年の差(23歳) リンゼー(24)、採油会社共同経営者ウォーカー(ヒロインの名付け親 47) うわ〜。。胸が痛むほどよくわかる感情。。「中年の危機」、「老いの不安」、そして恋。。愛に踏み出す勇気は、生半可じゃない。この作者の誠実さが伝わってくる一品。40代後半なら、理解できるだろう しみじみ
D-535  天使の沈黙   Dec-93 病気の子供を失った夫婦の再生 ソーシャルワーカーのケイティ、新聞記者の夫コナー・マッケーレン 夫婦の亀裂をとても丁寧にそれぞれの心情と過ちと願いをえがく。。みえみえの筋だけれど、嫌いじゃない。クリスマスにふさわしい暖かい愛  
S-259 風のメッセージ ヒーロー、1年半前に妻を交通事故で亡くした。 May-95 愛することを怖れるヒーロー ヒロインの出生の秘密 弁護士ジル・エリザベス・マクレーン(34)、 弁護士バーク・ローリンズ うだうだヒーローさまなんだけど、ラブメイクのシーンが秀逸でねぇ。。はぁ、上手いなぁ、この官能的で繊細な描写。そうそう、ファーファ描写もずば抜けて上手い! 滅多にお目にかからないほどまっすぐなヒロイン、お幸せに〜。
S-275 過去のない女 ヒーロー1年半前に離婚 Jan-95 記憶喪失、 謎の正体の女 アマセツ 元モデル、ジェニファー、 私立探偵(元警官)ミッチ 「セクシャルな寝室会話」が上手いんですよねぇ、この作家は。 べとべとキャンディの山なんて、泣ける。。アル中から立ち直ろうとしているヒーローさまがとてもよくってね、ヒロインも悪くない。元妻が悪者扱いなのが玉にきず。  
S-283 バラと虹とあなた May-95 リューマチヒロイン RT 旅行代理店アレックス、 プロフットボール選手パトリック・オケイシー うわーっ、参ったなぁ。これまた見え見えなのに、なんでこんなにぐぐっときちゃうの。ヒーローの真剣な態度の描写が上手くて、思わず引き込まれてしまう。ほんと、お幸せに〜! うるる


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