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更新記録 2012年10月1日から2012年11月30日まで


10月9日

2週間以上も空いてしまいました。

山中先生がノーベル賞を受賞なさいましたね!
受賞は時間の問題でいつかは取られるだろうと思っていましたが、今年とは思っていませんでした。
ガードン博士のお年を考えたのでしょうねぇ。おそらく。

TVでは山中先生のニュースに隠れてしまっていますが、ガードン博士の「遺伝情報は成体になっても元と変わっていない」という仕事は、わたしが大学生の頃の発生学教科書の一大発見でした。1962年の実験なので、当時の博士が29歳、それから50年たっているわけですが、今も現役で研究なさっているんですよ。

すごいですねえ。

今年の6月のシンポジウムでガードン博士の発表を聞いたのですが、40分話してもまだ話足らないという感じで、今もなお核移植を実験対象にして、研究を進めていらっしゃいました。

近い分野を研究しているので、というか、お手伝いしているので、知的好奇心を満足させる対象として先端研究の成果を読むのはとても楽しいのですが、現実社会はどうやって今後対応してゆくのでしょうね。
出生前診断にしても、母親の血液中に微量に存在する胎児の細胞からゲノム情報を読み取るなんて、ちょい昔だったら無理だったのに、今や簡単にできます。
そしておそらくダウン症に限らず多くの遺伝子疾患がわかるはずです。
新生児を採血すれば、将来糖尿病になる確率や心臓疾患やアルツハイマーや、その他もろもろの罹患率予測もできるはずで、、、それを知らせるべきか、知らせないべきか、知りたいのか、知りたくないのか、、

同じ症例を集めて、原因遺伝子を探す試みも、ここ1,2年で劇的パワーアップしていて、長寿の家系から長寿遺伝子を探す研究も始まるそうです。
今でさえ年金だけでは生活できないと老後を不安に感じているのに、みんな100歳、150歳となっていったら、、

SFドラマのような現実になっていくようで、少し怖いですね。

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10月11日

ノーベル化学賞が G-protein-coupled receptors の構造を明らかにしたレフコウィッツ教授とコビルカ教授に贈られましたね。

Gタンパクの方が1994年にノーベル生理医学賞を取ったので、もうGタンパク絡みは無いと思いこんでいてびっくりしましたが、ブライアン・コビルカがβ2アドレナリンレセプターの結晶を得るまでの、とり憑かれたような20年強を Nature で読んで、いたく納得しました。

ストックホルムに連れてくるのは無理じゃないか、と思うほどシャイで寡黙、目立つ事を嫌う self-effacement 人なんだそうです。
レジデント医になり、1984年にレフコウィッツ教授のラボでアドレナリンレセプターの遺伝子を取る仕事に関わって以来、ひたすらこのレセプターの謎を追い続けたわけですが、レフコウィッツの次にアプライした研究所では「ぱっとしない変な男だ」と採用されず、条件の悪いところでこの困難な研究を続けざるえなかったのです。

そもそもこのレセプターの結晶化はあまりに難しいので、短期の成果が必要なポスドクや院生に与える事の出来るテーマではなく、研究費も潤沢に無いから自分でやるしかない。
講義や会議が終わるといつも研究室に走っていたと当時の同僚が言っていますし、学生ローンの返済など生活費も大変だったそうで、週末はERの当直医のバイトをしていたそうです。
彼の結晶化プロジェクトは、長い事みんなのからかいの種で有名なジョークでしたが、彼は「いつか分かるよ」と言っていたそうです。

その後抗体やT4 lysozyme と結合させたりしての結晶化まで手に汗をにぎる展開。。
Nature と Science に3次元構造の論文を載せることができたのが2007年。
β2AR と出会ってから、23年もの月日が流れています。
畑違いだけれど、一連の論文を読んでみようという気になりますね。

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10月29日

更新しないにも程があるわ、、すみません。

日本アマゾンがとうとう Kindle を販売しますね。
気になって Kindle本のページを観にいってみましたが、、うーん、、、読みたいと思える本がまだまだ少ないです。
もっぱらマンガを読む層がターゲットなんでしょうか?
ハーレクインとBLとマンガ、、、コンビニや小さな書店と変わりがない感じで、少しがっかりでした。

そして私の持っているKindle3では、日本語のキンドル本は読めないんですよね。
新しいペーパーホワイトKindleを買うか、iPadにkindleインストールしてそれで読むか、、でもiPadは長時間読んでいると頭が痛くなるし、、

ペーパーホワイトを買うとして、これもまた難しい問題が生じます。
これまで米アマゾンで買った ebook を、ペーパーホワイトKindleの方にダウンロードするためには、米アマゾンのアカウントと日本アマゾンのアカウントを統合する必要があるのですが、統合してしまうと米アマゾンからebookが買えなくなるらしいです。
正確には、統合した方からしか買えない。”.comのアカウントに結合したら.comのみで、.jpに結合したら.jpのみからの購入とライブラリー保存しか出来ない”そうです。

わたしは統合しない事に決めました。
そして、今後ややこしくなったら嫌なので(同じメールアドレスを両方のアカウントにしていたのです)日本アマゾンのアカウントを変えました。
とにかく和書の品揃えが充実するまで静観となりそうです。

また、ちまたで問題になっているように、日本Kindleに合わせて米アマゾンの洋書の値段が若干変わりました。住所が Japan の Kindle を持っているユーザーは、アメリカ値段とは違う表示になります。本によって違うので、どういう事情があるのかわかりませんが、サインインすると wish list に入れていた本の値段が1〜2ドル高くなったり、、。

加えて問題なのが、海外からは日本アマゾンの和書キンドル本が買えないらしいという事。
どうやらPCやスマホアプリからは買えるが、Kindle 本体ではダウンロードできないらしいです。
「らしい」、、つまり情報が錯綜しているという事です。
海外在住の日本人が、日本語の ebook を買えないとなると「なんやそれ?」ですから、買えないはずはないと思いつつ、、、うわさばかりが先行してます。

前にも書いたように、これまでに買った ebook は全部 DRM をはずしてあるので、最悪 Kindle が迷走しちゃって Nook に乗り換える事になっても、フォーマット変換して読めるし心配はしていませんが、DRM をはずしていない人は、さっさとはずして自分のハードディスクに保存しておく事をお勧めしますよ。

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10月30日

Sharon Curtis and Tom Curtis
このふたりの名前、ロマンス名作リストなどを見ると必ず目にしますよね。
わたしも頭の隅にふたりの名前が残っていて、機会があったら読みたいと思っていたのですが、最近 loveswept の昔の作品が少しずつ e-book  で再販されていて、さっそくポチしました。
「Lightning That Lingers」
1983年の作品です。

あいや〜、、、、にゃんという事!にゃははは。。
これだ、これ、、昔のロマンス作品ならではの、エレガンスで洒落ててセクシーで優しくて、賢くてシニカルで気が利いてて、、

よくあるストーリーなのに味わいがあるんですね。

ヒーローが、もうもうもうっ。
どんな女性でも彼と目が会ったら放心状態っていうのがリアルに信じられる、ありえないほど格好いい、、今だったらこういう役はヴァンパイアでしょうかねえ。そう、パラノーマル設定にしないと無理でしょってくらい複雑な魅力を放つんです。

プレインジェーン設定のヒロインは新任の図書館司書(お約束)。彼女の歓迎会で、同僚が男性ストリップバーに彼女を連れ出します(お約束)。
そこで現れた真打!!!!!!
もうね、登場の仕方も、、、きゃー、格好よすぎるやろっ!!!!!!
一番人気のストリッパーがヒーローというお約束x3の設定で、家庭の事情を背負ったヒーローなのですが、この作家さん、本当に知的なんですよね、セリフが上手くて、話作りが粋で。
じーんと温かかったりくすっと笑えたり、やるせなくて切なかったり悲しかったり、、

ふと思ったら、今NHKでやっている朝ドラの「純と愛」に似ているものがあるな。
ゴージャスヒーローが、イノセントなヒロインを必要としている、そのすがりつき方がきゅんきゅん。
無理やりトラブルを作ることはせず素直にロマンスが流れる一方で、ストリッパー問題をどうするか、、このままってわけにはいきません。
彼の人生、引き受けた! (を、あんたは純ちゃんかい?)

ふくろうとのやりとり、これにやられない人はいないでしょ。
繊細な描写、ため息がもれるような美しい情景、、浸りきりました。

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11月 4日

「Haunting of Maddy Clare」 Simone St. James (2012)

1922年のイギリスを舞台にしたゴーストバスター物語。
着想が面白いです。
アレクシア女史や Native Star などパラレルワールド的な歴史ロマンスとは趣が異なりますが、ゴシックロマンスとも違う。
幽霊やポルターガイストが起こるのですが、本当に起こったのかどうか、、奇妙なホラー味の傷ヒーローロマンスと言ったらよいでしょうか。

ベティ・ニールズやヴァイオレット・ウインズピアに近い天涯孤独の働き者ヒロイン(若干おしん系)が、ゴーストバスターを生業とする裕福な男の助手になる。。
てっきり、雇用主がヒーローで、ゴーストと絡んだロマンスかと思ったら全然違いました。

最初に書いたように、1922年は第一次大戦とスペイン風邪によりヨーロッパ世界が疲弊しきった頃です。
wikipediaを引用すると「古い思想の戦争のまま始められた第一次世界大戦は、機関銃や航空機、戦車をはじめとする新しい大量殺りく兵器の出現や、戦線の全世界への拡大により、開戦当時には予想もしなかった未曾有の犠牲をもってようやく終了した。
当時、飛行機や戦車などの兵器は、性能や数量がいまだ不十分であり、戦場において決定的な役割を果たすまでには至らなかった。第一次世界大戦における戦場の主役は、攻撃においても防御においても歩兵だった。
帰還兵の中には、塹壕戦の長期化で一瞬で手足や命を奪われる恐怖に晒され続けた結果、「シェルショック」(後のPTSDと呼ばれる症状)にかかる者もいた。」

戦死者はイギリスだけで91万人と推定され、これまでの戦争史上最多。
その上1918−1919年に猛威を振るったスペイン風邪は当時の世界人口の約半分が感染し、死者は戦死者を上回ったと言う。

つまり、「死の記憶」が地上の至る所を覆っている時代なのでした。

ヒロイン、サラは両親をスペイン風邪で亡くしてかなり厳しい暮らしをしていて、職安から紹介されたこの仕事、仕事内容が奇妙であったものの断るつもりはゼロでした。
ヒロインを助手に雇ったアリステアは親の遺産で非常に裕福、各地に残る幽霊譚を調べる幽霊研究家で、幽霊という存在に取りつかれています。
もうひとり助手マシューがいて、どうやらアリステアとマシューは帰還兵、マシューは大火傷の後遺症に苦しんでいます。

田舎の村のある納屋に自殺した娘の幽霊が出るのでお払いしてほしい、という依頼を受け出向く一行。

物語は自殺した娘マディの事件の真相を探るストーリーなのですが、マディの幽霊がアリステアやサラ、マシューにとり憑くんですよねえ。
そこが上手いんです。

本当に幽霊なのか、幽霊じゃなくてそれは彼ら自身の記憶であり苦しみなのか、、
マディの死を引き起こした事件に関しては、最初からミエミエで、よくある話なのです。でも、ミステリが主眼ではなく、それぞれの人が抱えている罪悪感や怒りが、幽霊をお払いする過程で昇華してゆく物語なんですよね。

もう少しミステリ部分に捻りがあればもっと面白かったのに、とか、ゾクゾクする雰囲気作りが少し弱い(怖い場面でヒロインが怖いと言う)とか、100点満点の出来ではありませんが、書きたいものがクリアで世界観がはっきりしていて気持ちがいいです。
次の作品も期待できます。

それに、ふふ、ロマンス部分がナイスです。
最初のうちは、あんたはベティさんヒロインか!なんで彼の気持ちをそう曲解するんかい!とイライラ思ったのですが(笑)、どんどんヒロインが強くなって、、ふふふ。
幸せになれよーー! 温かい気持ちで読み終えることができます。

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11月25日

ガンバ、、ほんと、やばいです。とほほ。
土曜日は万博に行ってきました。
2−1でリードしたまま終わりたかった。。あぁ、、
ディフェンスは全然ダメだし、なんか、ほんと、しょぼくて悲しかったです。
J2に落ちたらフタはどうするかなぁ。
年棒が高い選手は切られてしまうかしら・・・
世代交代、チーム刷新には良いチャンスだとも思うのですが、ベテラン選手の去就が心配です。

仕事が猛烈に忙しくて、贅沢な悩みながらやる事が多すぎて参ってます。
この3週間ほどのあいだに何をやったかと言うと、超でかいデータがきて(コピーするだけで1日以上かかる)最初のプログラムを動かしてから終わるまでに一週間、そのあと新しい解析ソフトをインストールするのに徹夜。
ひたすらググッて、調べまくり、なんとかインストールして、再び解析、、

データ解析とは関係なく自分の勉強用に申し込んでいた勉強会があり、その資料を読まなければならず、毎晩必死で読むものの、、

こんなときでも日常生活は容赦ない!
マンションの排水管の清掃作業があるので、風呂場や台所の掃除をせねば!
夜中に掃除。

金曜日に出張があり、行きの新幹線の中でプレゼン作り。
土曜日には勉強会があり、、我ながらよくがんばった、、最終ののぞみで帰宅。

深夜に帰宅すると、友人の結婚式に行っていた息子から、同級生が泊まるというメールが、、慌てて部屋を片付けて布団を出して、、
とほほ、、シーツやパジャマ、湯上げタオル、、洗濯物が増えるぅ。。

翌日はまた解析、、水曜までにとりあえずまとめて欲しいと言われ、連日深夜帰宅。
出たくないのに水曜・木曜はシンポジウム参加で座りっぱなし。

もう腰が痛いし、まぶたは痙攣するが、突然しおれてきたセントポーリアが気になるし、弱っていた薔薇の植え替えもしたい。
寒肥をあげたり、春の花の苗を植えたり、早朝からごそごそやって爪がまっ黒。。

こんなにドタバタしているのに、突然編み物がしたくなり、毛糸の衝動買い、マフラーを編んでしまった。わはは。
単純なガーター編みで3日で完成するも、もっと難しいのにすればよかった、ちょっとしょぼくてがっかり。。

で、よせばいいのに、また毛糸を買ってしまい、今度はショールを編み始め、さらに目に留まったコットン糸とレース編みの本も買ってしまい、、

さらに、ペーパーバック(Kindle版)は2冊ほど読んでしまった。
Cheryl St.John 定番アメリカンヒストリカル「Joe's Wife」と、ゴールデンレトリバーCiscoシリーズ Donna Ball 「Dead Season」。

「ジョーの妻」は、もうもう、お約束展開ながら、どっぷりとメロドラマに浸ってしまいました。南北戦争で戦死した夫を忘れられないヒロインと、牧場を守るために便宜結婚したヒーロー。ヒーローは私生児で生まれ育ったこの町にいい思い出なんて一つも無いのに、何かを証明したくて、戦争が終わってまた町に戻ってきたんだよね。
女ひとりで牧場なんて無理、という周囲に反発して便宜結婚、、このパターンは手垢が付いているわけだけれど、、なんなんでしょうね、あっぱれ定番なんですよね。
シェリルセントジョンの描くヒーローは、ある意味出来すぎ君で、よく働き、思いやりもあり、顔よし、テクよし、、

Donna Ball(レベッカ・フランダース)の救助犬シリーズも面白かった。起こった事件の背景について掘り下げが浅いので名作というものじゃないんですが、ヒロイン Raineと Cisco の日常が見れるだけで嬉しいって感じなんですよね。
ドロップアウトした子供や問題児を集めて鍛えなおすスクールが舞台で、ヒロインもひょんな事から同行する事になり、事件がおきて、遭難しかける、、サスペンスっぽく描いているけれど、掘り下げは浅い、でもそれを読者に感じさせない構成力、さすがベテラン作家だと思いました。
キャラクターがよいからファンは新作が出れば買う、です。

とりあえず、12月中旬ぐらいまで、忙しい日々が続きます。。

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