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更新記録 2015年12月1日から2016年1月31日まで


1月31日

のっけから気味の悪い写真を載せてしまいますが、


これ、去年仕込んだお味噌に出来た正体不明の皮です。
左側の写真がそのままの状態、右側は洗ってみたもの。
味噌樽の漬けもの用のビニール袋と接するあたりにぐるりとこのぷるぷるした膜が出来ていました。

ネットでは、これをカビだと書いている人もいますが、どうみてもカビではないと思うの。
菌糸や胞子のたぐいがなくて、ゼリーや昆布のぬめりのような多糖やアミノ酸などで出来た有機物みたいなんですよね。
嫌な匂いもしないので思い切って(!)食べてみるとしょっぱい味噌の味がするのですが、やはり見た目がグロテスクで気持ち悪い。。

どうも樽と漬けもの用ビニール袋を使ってる人にこの膜が出来た人がいるみたいです。
この膜を取り除くために、結構な部分を取り除くはめになり、あぁ、ロスが悔しい。。

ということで、今年のお味噌はビニール袋を使わず、直接漬けもの樽に仕込んでみました。
他にも色々、去年と違います。

2週に分けて、小さい鍋で何時間も煮ていたのを、圧力鍋を使って蒸す事にしました。(暮れに圧力鍋買っちゃった 爆)

蒸す場合は、大豆を上の方まで入れられるので、乾燥豆で600g分を一度に蒸せる上、20分蒸すだけ。
ふきこぼれやあく取りのために鍋にずっと付いていなくてもよく、蒸しあがりを待つだけ。
もっと早く買うべきだったわ〜。

熱いうちにビニール袋に入れて足踏みで豆をつぶして、十分さましてから塩切り米麹と混ぜる。
昨日の昼から水に漬けておいた1.2Kg の大豆、2回にわけて圧力鍋で蒸して、それでも午前中に作業が終わりました。

今度は上手に出来るといいなぁ。。

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1月20日

Ann Aguirre 「Outpost」「Horde」 (2013)(2014)
3部作を読んでしまいました。

生々しい殺し合いが続き、人がいっぱい死ぬのでこんな言い方は悪いのですが、いらっとしない満足いく終わり方でした。
YAディストピア、サバイバル、キリング、、過酷な状況から始まる一作目は「ををっ!」と引きつけられても、その後段々下降するのがよくあるパターンで、たいてい最後はがっかりするのですが、この3部作は違ってました。
とにかくヒロイン Duece が良い。
口下手だけれど気持ちがこもっていて、戦闘にあけくれながらも、違う未来を求めてもがいて悩んで成長していて、冷静に考えると人間離れしてるキャラクターなんだけれど(爆)、リアリストに見える。
読んでいて実にストレスフリーなんですよね。

人間の弱さや愚かさ、価値観の違い、硬直化したルール、ばらばらになった人間社会や個人をじっくり描きつつ、思いやりや献身や強さはいつか報われるよ、という「希望」がずっと消えずに続く。
裏切られなかったわ。

唯一残念なのが Stalker the Wolf に作者が与えた結末。。。うるる。。

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 1月4日

年をとればとるほど、一年が早いです。
体感時間は「年齢分の1」なのかしら?
今年は60になるのでなんだかシミジミしてしまいます。

読んだのはAnn Aguirre 「Enclave」 (2011)
この間読んだ「Perdition」の続きを読まずに、こちらを先に読み始めてしまいました。
Hunger Games や Divergent と同様、YA & Distopia ものですが、個人的にはDivergent より気に入りました。(Hunger Games は映画でしか見たことが無いので比べられないですが)

核戦争かパンデミックか、国家・文明は完全に破壊され、生き残った人々が地下で暮らしているという設定。
主人公Deuceは15才の Hunter。NYの地下鉄のトンネル網が彼女の唯一知っている世界。
限られた食物、日光も射さないEnclave。ここでは30才まで生きる人はまれで、子供は15才で正式名と役割を与えられ成人する。

Enclave社会では Breeder, Builder, Hunter 3種類の役割しか存在しない。子供を生み育てるか、物づくりをするか、ゾンビと戦うか。
そう、アメリカディストピアに付きもののゾンビ、Freaksと呼ばれるHuman Eater がわらわらと地下トンネルをうろついている。

こんな風に設定ありきで始まる物語は、最初のうちはよくある物語のように進むが、すぐに Enclave社会がきしんでいる事が明らかになる。
リソースが限られているゆえ、統制は必要なのだが、制度が硬直しつつあり、上層部Elder に不満を持つものが増えていた。

Duece は腕のよいHunterで、Fadeとチームを組む。
Fade はエンクレーブ内でただ一人エンクレーブ生まれではない人間。ある日トンネル内で見つかり、使い道がなければ殺されるところだが、Hunter として生かされた。
Duece と Fade は任務であるトンネル偵察の途中で、知能が無いようにみえた Freaks が集団行動をとっている事に気付き、Elder に進言するも無視される。

サバイバルという目的のために、わざとスケープゴートを仕立てて集団意識を高揚したり、障害がある子供が無価値と殺されたり、、非常に過酷な社会のなかで、何が正しくて何が間違っているのか、Deuce が悩みながら必死で生きる姿がまっすぐに読者に届き、言い方が悪いが気持ち良いです。

Duece をはじめとして、Enclave に住む者たちは、もはや地上の事も歴史も何も分かっていない、25歳くらいで死んでしまうので Turn over が早く知識の伝承があっというまに失われている。地上(Topside と呼ばれてる)はすべてを溶かす高熱の水が降っている場所と思っているのだが、色々な事が起こり、、Duece と Fade はエンクレーブから追放され、、Freaks に追われ、、、地上を目指す以外どうする事もできなくなる。。

友情や愛情や集団の決まりや法や、、小集団でサバイバルすると起きるだろう事がリアルに描かれる一方、Duece と Fade が100%の信頼と愛情で結ばれているのでロマンス心も癒されます(YAですからキス以上には進みませんが 爆)

Fade は独りで地上と地下トンネルを生き延びた凄腕であるけれど、傷ヒーロー的な、もろい心を持っていて、Duece の強さを必要としてるんですよね。
「決してあなたを見捨てない」と言ってくれる Deuce のためなら命だって惜しくない!って感じなんです、わはは。

ってわけで、実は2巻目も読んでます。
これがまた良いんです。

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12月14日

面白いものがないかなぁと思うと、ついアーバンファンタジーやSF系ロマンスを探してしまうんですよね。
戦うヒロインもの、かつ珍しい設定というのに弱くて。

戦うヒロインとなるとYAものが圧倒的な昨今。
必ずといってよいほどディストピアもの。
小さな集団で統制的な社会。
ひとりの少女が突然剣やら弓矢やら武道におっそろしいほどの才能がある事がわかり、ガンダム・アムロの少女版って感じで、理不尽な現実のなかで戦いにつぐ戦い、抑圧された管理社会に対抗する、、みたいな。

はらはらどきどき面白いのだけれど、物語の中でさえ個人の力って結局テロリストと同じで、武力でしか発揮できないんですよねぇ。考えさせられます。。

そんな憂鬱な思いにぴったりの(?)、血まみれ壮絶なヒロインもの。
「Perdition」 Ann Aguirre (2013)

これは今まで読んだUFやパラノーマルロマンス、ディストピア物の中でも一番のキリングフィールドで、殺しても殺しても未来が見えないことをヒロインが自覚している、ちょっと悲しい、人間性というものを考えさせられる話でした。

かつて鉱物採掘用に建造されたスペースシップが、永久監獄としてアステロイドの周回軌道をまわっている。
そう、看守もいない、決まりもない、終身刑や死刑囚らが送りこまれ、勝手に死ぬにまかせている、宇宙監獄船。それが Perdition
プリズンブレークみたいなTVドラマや映画で見たことあるような設定の宇宙版です。

人間とはおかしなもので、こんな監獄船のなかでも集団や社会が生まれ、無目的な日常よりは目的のある生活を好み、それが派閥争いであろうとも、寄り合って生きようとする。
最低な人間性、レイプ犯やシリアルキラーやらカルト教祖やら、、そこにヒロインも居るわけで、、すごい設定です。
ヒロインとてイノセントなわけではなく、ここに送りこまれるだけの理由ー大量殺人を犯した過去があります。

今 Perdition 内には6つのグループが出来ていて、危うい均衡を保っている。
水などリサイクル機構に加え、定期的に囚人が運ばれる際に宇宙食も届けられるが、決して十分ではない。

金属をはがし手製のナイフにする、など武器になるものを漁る囚人たち。
自動検知レーザー砲などが設置され、立ち入り禁止の区域があるが、あとはボロボロでワイヤーむき出し、いつ壊れてもおかしくない宇宙船。しかも汚物や異臭、死体が転がる船内。

ヒロインは半年前(yearという単語は使われず、turn というのが単位になっているが、まぁ、年と便宜上呼びます)集団のボスを殺した。
前ボスの参謀がヒロインを見込み、新たなボスとして彼女を Dread Queen と呼び Queensland を確立する。
ヒロインは冷酷な殺戮者としての顔を保ちつつ、自分に残っている人間性をたよりに、なんとかQueenslandを住みやすい場所にしてゆこうとするが、残り5集団のうち Grigor Great Bear(最も人数の多い集団、腕っぷし強し) Preast(カルト集団)、Silence(死の巫女率いる、これまたカルト集団)が彼女のテリトリーを狙う。

いやはや、ほとんど殺し合いのストーリーです。ほっとできる間がなく、常にスパイや裏切りを疑い、背後を気にする毎日。
自分は何のために生き延びようとしているんだろう、自分にこの感情が残っているだけ、まだ人間なんだ、とか、泣かせるんです。

そこにひとりの新囚人 Jael が送り込まれる。彼はバイオエンジニアリングヒューマンというか、細胞の再生能力が高くて、大やけどして丸コゲになっても回復する生物で、100 turns 以上前に作られた実験体。
ありとあらゆる苦痛や実験、裏切りを経て、今はひたすら死にたいという願望を持っている。

Dred と Jael のロマンスでもあります。
まぁね、そうじゃなくちゃ私が読むはずないですよね(爆)。
絶望の中でも人は何か拠りどころを探すってことが切ないです。

ラストもハッピーとは言えないのですが、だって監獄船の中ですもの。
3部作だそうなので、きっとこの船から脱出するんだろうと甘い望みをかけてます。
ってことで、2巻目をポチしました(笑)

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12月10日

ずいぶん間が空いてしまいました。
HPというより自分の記録用って感じなので、テキトーですみません。

更新していない間に起きた事といえば、嵐のコンサート。
チケットが当たって、ジャポニズムに行ってきました。
ふふふ、顔が見えないだの、手を振ってくれないだの、コンサートに行けば行ったで不満が出るという図々しいファンなのですが、振り返れば本当に楽しかったです。

大したものではありませんが自分の仕事も少し成果が上がりました。
頼まれてやる解析以外に、自分もテーマを決めて解析していたのですが、予想通りに行かなくて、データから何も見えてこなくて、見えないのは私が見るべきポイントを分かっていないからなのか、と、寝ても覚めても考えて、かなり焦って、、そうしたら幸いな事にちょっと道が見えてきました。
いや、マジで、嵐が出演する歌番組や歌謡祭のようなもの、全部、見忘れたというか録画し忘れたってくらい毎日没頭していたので、ここ数ヶ月の大野くんのTV映像が無い!(悲)。

本も少し読みました。

「The Other Wind」(2015) Ursula K. LeGuin
Tehanu が出てから何年でしょう?
Tehanu はどうにも苦々しくて、私にはすんなりと受け入れ難い物語でした。
アーシュラは一体どうしたんだろう、これまでのGedを全否定するかのような、男性至上主義であった自分を贖罪するために書いたんだろうか、と、心にひっかかったままでしたが、The Other Wind が出ている事を知って、どきどきしながらもポチしてみました。

これを書いてくれてよかった。
最後は結局曖昧なまま、earthsea が変化してゆくことを暗示したままで終わってしまいましたが、それでも Ged の物語を愛してきた者にとって、心安らげる物語でした。
ファンタジー作品のファンにとって、主人公が老いて無能で情けない存在に落ちぶれている、なんてのは、マーク・ハミルがダイエットやトレーニングをせずにSWに出る以上の、受け入れ難いストーリですよね(爆)。
いや、Gedは本当に何もできない老人になりましたが、それでも本作品には品格がありました。

「Uprooted」(2015) Naomi Novik

これはね、テメレアの作者だからと期待しすぎました。

読者対象が変だと思いました。
典型的なYA設定なんです。おおざっぱに言えば、17歳の少女が実は偉大なる魔法力をもっていることが判り、師匠と共に悪しき森と戦う、という話です。
ところがですね、
150歳の師匠とメイクラブをするんです。
結構リアルな描写で、しかも、ロマンスの香りが無い!
どうしたんだ、突然の発情か? 17歳ゆえの後先考えない直情なのか?いや、だが、しかし、、
しかも、妙に老成していて、150歳の師匠が「あとくされが恐くなって」逃げるんですが、彼女ったら、「男って仕方ないわね」という感じで、静かに村で暮らすんですよね。。
をいをい、それって30代の女性の行動ならわかるけど、17の娘の行動?

とにかくこのヒロインは、とても衝動的で事件につぐ事件、のわりには、妙に老成した行動をしたり、どうも一貫性に欠けるキャラクターです。
また、魔法も習い始めて半年だというのに、何でも出来てしまいます。
敵から逃げるときに、突然、壁抜けができたり、泥から牛車を作ったり、都合よすぎでびっくりなんです。

世界設定はとても面白いのに、中で動くキャラクターたちに愛着を感じない物語でした。
ナウシカやもののけ姫のような世界設定は面白いんですが、やっぱりね、キャラクターは大事ですよね。

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