エミリー・リチャーズ  2007年8月初まとめ
それほど読んでいないが、ロマンティックタイムズのレビュアチョイスやRITAを
受賞した作品が未訳のため、取り寄せて読んだのでちょっと紹介しておこうと。

未訳の3冊はいずれも
しっかりしたヒロインと暗い内省的なヒーロー。
とても生真面目で、やや重苦しいテーマを掘り下げる。
魔術的リアリズムの雰囲気を持ち、空気が透明でかつ官能的。

Dragonslayer は脇役、端役もいい味だしていて、ドラマの完成度も高いわ。
  題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
クリスマス94 天使たちのクリスマス ヒロイン7才のとき火事で両親死亡 Dec-93 愛や願いを信じること 孤児院院長クロエ・パーマー(27)、 建築業イーガン・オブライエン(29) クリスマスプレゼントと、ギリシア人だったらしい父親の故郷を探すこと、これがOヘンリーのように上手くミックスされていて、ほのぼの。
SIM From a Distance  一年前に離婚した Oct-92 UFO遭遇 正反対のふたり 感情を見せることが苦手なヒーロー ニードルワーク作家リンゼイ・ダニエルズ(35)、 脳神経外科医ステファン・ダニエルズ(39) うまいねぇ。たとえすぐそばにいても、限りなく遠くに感じる関係。コミュニケーションすることの難しさ、愛を信じる事の難しさ、、それがUFOを触媒にして、透明な美しさで語られる。父と息子のエピソードがいいねぇ・・ うふ
SIM Somewhere Out There ヒロイン、私生児で母は4才の時死亡。叔父の元で育つ。 May-93 記憶喪失 愛と勇気 牧場で働くマッケンジー・コンロイ Patlic(前作のAlden) オーストラリアの砂漠と緑。ヒロインとヒーローの愛の目覚めが瑞々しい。初めての感情に驚いたり怯えながらも、次第に成熟してゆく様子が美しく幻想的。。叔父やら牧場オーナーやらの人生話もあって、とても上手いんだけど、ヒロインは普通の地球人で居て欲しかった、謎の父親のエピソードがやや興ざめ。 惜しい
SIM Dragonslayer      愛と信仰を失ったヒーロー 不能 看護婦Garnet Anthony 牧師Thomas Slonehill: すごく骨太なドラマ。荒廃した街で命を張って母子センターを続けるヒロインと、傲慢だった罪を償うために生きているヒーロー。荒れた少年たちの背景や、ちょっとした脇役など、はなしが上手いなあ。 とにかくヒロインがすごいいい! うひ
LS-19 ダンカンの恋人 ヒーローの両親はわけあって別居(ヒーロー8歳のとき) Jul-97 パラノーマル風味 スコットランドもの(highlandドルイドヘッド村)愛をよせつけまいとするヒーロー  予知能力者マーラ、元広告会社社長ダンカン・シンクレア(娘エイプリル6さい) ハイランドの開発をめぐる土地の買占めが3部作の重要な縦糸。ヒーローがヒロインを心から信じたとき、自分のいるべき場所をみつけるんだわ
LS-21 悲しいプリンス   Aug-97 スコットランドもの。呪われた運命に人生を諦めているヒーロー 民俗学研究者ビリー・マクファーレン、領主イアン・ロス 800年前の呪いと、精神遅滞の遺伝病をかけている。ヒーローはいずれ発狂する運命だと思って生きているが、ヒロインと運命的な出会いをし、800年前と同じような恋をする、悩める領主さま、いいわぁ〜 うる
LS-22 妖精達の住むところ ヒロインは3歳のとき重症の火傷を負った。母親に連れられアメリカに渡る、父に見放されたと思い込んでいる Sep-97 スコットランドもの。自分自身の価値に自信がもてないふたり。 絵本作家フィオーナ(ダンカンの妹)、油田のダイバー、アンドルー・マクドゥーガル、 大火傷の傷跡を気に病むヒロイン、アル中の父をもったヒーローは一番ほしいものを我慢する人生。そんな二人が愛を育む過程で人生に勇気をもって立ち向かう。土地の買占めと戦うクライマックスもナイス! うる

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