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更新記録 2007年 4月1日から2007年5月31日まで


 4月 3日

鴨川べりの桜が見頃になっているが、いやはや、寒いのなんのって。
花冷えとはよく言ったものだ。

更新をさぼっていたけれど、未読本はたゆまぬ努力(?)で黙々と消化。

昔のIを数冊。
「ハートのジャック」「幸せにタックル」(1993) ヘザー・アリソン
ぐっと感情をつかんだかと思うと、がくっとつまらなくなる、このアンバランスな 創作に、壁に頭を打ちつけたくなる。
上手さが1冊を通して持続しないって感じなんだな、どちらも。
見過ごせない上手さがあって、心のダークサイドを、あぁ掴んでるっていう、 際立った力を感じる時があるんだけど。。
悲しいかな、ストーリー構築がちょっと弱いんだなぁ。

「恋はポストに」(1989) ジュディ・ケイ
うふ、清く正しいメディカルロマンス。医者ヒーローも看護婦ヒロインもアホな絡みを しない、それほど波風もない話なんだが、 こういうのは読むとホッとするので結構好き。
金色ファーファヒーローだった。

「潮風に魅せられて」(2003) ジェニファー・テイラー
これもメディカルロマンス。
裏書、冒頭ともに、ヒステリックな決めつけヒロインものを予感させるんだが、 これが意外にも分別のある話で、メディカル部分が真面目だし、時に甘酸っぱいし、 実に清く正しい(笑)。
夫が浮気したと信じ込んで離婚した、夫婦の元さやものだが、 もうちょっとましな別れの原因を創作できなかったのが、残念だなぁ。

ハヤカワ文庫「23階段の闇」K.j.a.ウィシュニア (1997)
こ、これは、、、
壮絶で、厳しくて、孤独で、辛らつで、慰めのあまり無いハードボイルド。
ヒロインが警官ってだけでも、物語はシビアになるのに、警官ヒロインはアメリカ市民権を とったエクアドル人なんである。

なんのために自分は捜査してるんだろう、、と自問するヒロインをとりまく社会ときたら、、
無知と傲慢、人種差別と悪意と隠蔽と汚濁のかたまり。
頭の切れる彼女は、なんとかドライユーモアで切り抜けてゆこうとしても、どぶ川で 泳いでるような毎日。

しかも、この話にはロマンスも無い。 安らぎもほとんど無い。
こんな強烈で救いがないのは、滅多にないな・・・。(>_<)

本のテーマは、消費する北米やヨーロッパ(もちろん日本もだが)と、ゴミ捨て場側の南米・アフリカ社会。
博識で知性鋭い文章が、反吐やアルコールと混ざって、読んでる途中は胸や胃が痛むし、口を何回もゆすいでも嫌な味が残る。
続編「Soft Money」が1999年に出ているというが、フィラミーナ(ヒロイン)がシングルマザーに なったって?
一体、受精相手って誰よ?そこまで気を許す男性が出たのかなぁ。 信じられん。。う〜む、買ってしまおうかなぁ。。(爆)。

なぜこの本を買ったのか、というと、猪俣美江子さんが翻訳していたからで、 なぜ猪俣さんか、というと、アイリーン・ドライアーの「見えざる報復者」を 翻訳していたので、気になったから。

で、「見えざる報復者」も読んだんだけれど、長くなったのでまた今度。

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 4月 4日

「〜〜会話」4月号を買うのは、もはや日本人の年中行事?(笑)

ご多分に漏れずわたしも、今年こそ英会話を!とその手の雑誌を買って、 自宅でふとCDラックを見たら、あるある、テレビスペイン語会話4月号、 ラジオ英会話4月号、TOEICテスト4月号、、、うっ、これって何年前の4月?

今年買ったのは、「英語耳&英語舌」という雑誌。
ついてるCDをwma に落とし、マイGigabeatに入れて通勤途上で聴く。 これもいつまで続くやら、、だが。

アイリーン・ドライアー 「見えざる報復者」
うん、なかなか良かった。
正直言って、サスペンスとしての展開やヒロインのトラウマなどは、 やや手垢がついた感があり、特にロマンス本の分野では、ほんまに頻出の 「父親ー娘」関係なので、なんでこれを翻訳一号に選んだのかなぁ、 「A Man to Die for」の方が深みがあって良いのになぁ、と思わなくはないんだが、 それでも十分に読書を楽しんだ。

キャスリーン・コーベルのSIMで遺憾なく発揮された会話の巧みさ、ユーモアが、 この作品でも随所に生きていて、登場人物たちを血の通ったものにする。
もちろん、コーベル名義のSIMは、とても落ち着いた内省的な作品が主なので、 本作で繰り広げられる丁丁発止の会話とは随分違うが、いやはや、ほんと、 上手いわ。
つらい部分が多い話なのに、助手席人形のテディが登場するたびに笑わせてもらった。

ヒーローというと語弊があるんだけれど、、ショーンが良すぎる、、、あぅっ、ヤラレた。。
胸きゅんに関しては「A Man to Die for」より、ずっと良いわ〜。
(単に childhood lover が好みなだけかもしれないが 笑)

これまでの作品同様、ER看護婦経験が長いアイリーンならではの、リアルな現場。 消毒薬の匂い、怒号、にぶい疲労感がただよってくるようだった。
他の作品も翻訳してくれるかなぁ?

ただ、なぜ「23階段の闇」を買ったか、にもつながるんだけれど、なんか慣れるまで 読み辛かったんだ。
なんていうんだろうねぇ。訳しかたが生真面目っていうか、字間が狭いっていうか、 群像ドラマってカタカナ人名がそれでなくても邪魔くさいしかなぁ。

遊びが無いっていうかなんつうか、リズムなのかなぁ、「23階段の闇」も同様で、 息苦しいような。。ま、23階段は話そのものも苦しくてしんどいけど。
(何度も言うようだが、23階段ほど孤立無援なものを滅多に読んだことがないヨ)

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 4月 7日

あちゃ〜っ、更新をずいぶんサボってしまいました。
この頃、突然眠り病にかかったみたいに眠くなって、夕飯終えると爆睡で。。
俗に言う春眠でしょうか。

まずは土曜の「ガンバー川崎フロンターレ」2−2

開門前に並んでいると雨が降りだし、その後も時折やんだりしながらずっと雨。
寒かった・・(T_T)

試合は、というと、フロンターレの荒っぽい守備(これは前から変わりなし)が 接触苦手のガンバを苦しめる展開。
ガンバは綺麗な守備をしすぎる(これも前から変わりなし)ので、手の使い方や 体の入れ方が下手。荒っぽいフロンタ君はファールにならず、たまに手をだすガンバは ファールを取られる。
見事なミドルシュートで先制されたあとも、なかなか得点の気配がなく、フロンタ君の 守備ラインを全然崩せない。
う〜ん、なんかね、思い切りが悪いというか、手数が多いというか、「もっと はようにパスを出さんかいっ」 うぎぃ〜。。
慎重に攻めたいのかもしれないけれど、相手のDFのほうがデカイんだし、 もっとミドルを打つとか、速攻で立ち向かうべきじゃないのかなぁ・・

明神選手のシュートで同点に追いつき、きゃー!と喜んだのもつかのま、数分後に、 まさかまさかの、松代さん腰砕けプレイで再び先行される。
あまりの腰砕けっぷりに、雨がやんだ(笑)。

怒涛の攻撃に転じた後、セットプレイでやっとこ同点。ふぅ〜。。

そして帰りのバスが酷かった〜。
乗り込むまでに長蛇の列。乗ってからは渋滞。行きは駅から万博まで15分だったのに 帰りは合計1時間半もかかったのヨ。

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 4月 8日

更新をさぼっていた間に読んだ本は、ほんわかまったりの本ばかり?

キャロル・バック シルキーロマンス「愛と微笑の日々」(1989)
うひゃっひゃ、むちゃくちゃ癒される。物理学者とコメディアンのカップル。
たかが三文小説、されど三文小説ってとこかな。恋をするってなんて幸せなの、って 感じが素直に伝わってくるんだな〜。
ファーファヒーローが胸きゅん。

ティファニー・ホワイト T「あいつのご用心!」(1990)
上昇志向のキャリアウーマンと造園業を目指すただいま窓拭き労働者ヒーロー。
これまたどおってことない話なんだけれど、ズルイ同僚にだまされているヒロインを 守ろうとがんばるヒーローが胸きゅん。
ま、話の筋はどおってことないんだけど(爆)。

バーバラ・デリンスキー T「あなたにお願い」(1991)
子供が欲しい35歳ヒロインと、親友の兄の冒険家ヒーロー。ま、よくある話でござんす。 変な話だとか、小難しいことを問わないで楽しむに限る。
だが、表紙絵は、、(笑)。遠目にはメル・ギブソン?

ジル・シャルヴィス T「恋しくて、せつなくて」(2003)
う〜ん、どおってこと無い話にも限度ってもんがあるねぇ。
ヒロインには全然共感できないし、ヒロインの家族はうすっぺらだし、 ヒーローもヒロインのどこに惚れたんだか?

Ruth Wind SIM「BORN BRAVE」(2001)
まず一言、表紙絵はひどく間違ってる!
ヒーローは浅黒くネイティブ・アメリカンの顔立ちで、長い髪をくくっているはずなのに、 あんさん一体だれでっしゃろ?(爆)

さて、友人の死や同僚の死が重なりバーンアウトした警官ヒーローが、 どこかのプリンセスの身代わりを演じるFBIヒロインを守る話。
ルース・ウインドらしい、丁寧な感情の掘り下げ、切なく官能的な恋の 進行が「むふふ」な物語だけれど、テロリストだとか秘密の捜査だとか、 なんか彼女の世界に合わない気がした。

どうやらシリーズものらしいが、普段ハーレクインの古本ばかり読んでるわたしには、 話の流れがいまいち不明だ。
中央ヨーロッパにモンテベロという国があって、隣国のタミールと犬猿の仲で、 モンテベロのプリンスが行方不明で、モンテベロのプリンセスは妊娠していて、 赤ん坊の父親はタミールの王子らしいが、その王子も行方不明で、、、こんな話を真面目に 読もうと思うほうが間違ってる?(笑)

で、プリンセスを狙うブラザーオブダークネス団というテロリストたちがいて、 彼らを逮捕するために、FBIヒロインがアメリカ外交中のプリンセスの身代わりになる わけなんだが、
こんな大事な時に何をいちゃいちゃしとるんだっ。
君ら警戒が手薄になっとるぞっ(爆)

ルース・ウインドは、ヒーローの苦悩と再生、ヒロインの自己発見といった、 得意のテーマを生真面目にしっとりと描くんだけれど、その部分が上手いから余計に、 テロリストうんぬんが薄っぺらに感じられ、最後まで嘘くさい物語臭をぬぐい去れなかった。

それでもね、ルースがいまなお誠実にカテゴリーロマンスに取り組んでくれる事は、本当に ありがたいわ。
わたしはルース・ウインドを表現しようにもボキャブラリがなくて、「美しい」 という言葉しか思い浮かばないんだけれど、早朝一番にそっと開花したはなびらの上に 乗っている露、みたいな、清らかで潔くて、凛とした美しさなんだ。
どうか、作家連作ものではないルースの作品を翻訳して欲しい。

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 4月 9日

原書で読んだ本の翻訳本を読むのって、小説が原作の映画を見るとか、コミックス原作の アニメを見るのと少し似ている。
自分の中のイメージが壊れるようで恐かったりする。

「白い首の誘惑」テス・ジェリッツェン
店頭で訳者後書きをちょろっと読んだら、「The Sinner」以降も翻訳する予定だと 書いてあった!
ををっ!(^o^)
次の「The Sinner」でリゾーリ&モーラシリーズはぐんと深みを増し、その後も 実に堂々たる作品が続くので、ほんま、この予定は嬉しい。
そうだよ、The Apprentice で翻訳を止めちゃったら、テスが可哀想すぎるっ。

で、ちょろっと立ち読みすると、う〜ん、困った・・・
リゾーリ&ディーンのイメージが・・・
買おうかどうしようか、、でも、売れないと以後の翻訳がまた遅くなるかもしれないし、しょうがない、ここはひとつ 文春文庫への感謝ってことで。まいどあり〜

さて、日本語って困るよねぇ。
前作の「外科医」のとき、リゾーリはヒロインじゃなかったし、ノーブルな ヒロインとの差を強調する効果もあり、「あたし」となっていた。

続く本作は、同じ翻訳者でもあり、リゾーリは「あたし」と言う。

だが、今後人間的に深みを増してゆくリゾーリ、火の玉は相変わらずだが、 感情は安定し、捜査官としても十分信頼されるようになるリゾーリ、やがては 母になるリゾーリを、 いつまで「あたし」と呼ばせるつもりなんだろう。

一方、ディーンは・・
海軍からFBIという経歴。とりつくしまがない、感情を見せない灰色スーツ男。
市警にとって、目の上のたんこぶのいけすかないフィービー。

さしずめ、踊る大捜査線で初めて室井管理官(柳葉敏郎)が登場したときのような、 能面官僚野郎っ て雰囲気だと思うが、そんなディーンが途中から「ぼく」と言うようになる。

う〜ん、、「自分が・・」とか「わたしが・・」と言ったほうが合うんじゃないだろうか?
そもそも打ち解けようとしないフィービーなんだよ〜。
室井さんが湾岸署にやってきて「ぼく」なんて言う姿、想像できないよ〜(って、 別に室井さんの話じゃないけど 笑)


う〜ん、、リゾーリの壁の内側に近づいてきたのはわかるが、ずっと「わたし」と 言っていた男が、急に「ぼく」と言い出すとねぇ。。
さらに言うと、「ぼく」と言った手前か?上院議員が同席している会談で、「ぼくらが」と言う。「ぼくたち」と言わなかっただけマシだが、普通こういう会談では「我々が」 とか言うんじゃない? 「ぼくら」って言うかぁ?

「わたし」でも「あたし」でも「ぼく」でも「俺」でも、「I」には変わらないんだから、どうだって いいじゃん、と思いながらも、読んでいると苛つく自分がいて情けない。

やばっ、翻訳の文句ばかり書いてしまったが、テスの本、売れて欲しいっす。
この先、どんどん味わいが増してくるし。本作でも、コーサック刑事、彼の描き方なんて、なんというか、泣かされますねぇ。。。
「外科医」の時のリゾーリとか、負け組を描くとき筆が冴えるんですよねぇ、この人。
孤独や人生の哀しさ、どこかアメリカ社会を一歩引いて見ているような目、シニカルなユーモア、、なにはともあれ、翻訳されてよかったよかった。

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 4月10日

鴨川べりの桜が黄砂とヒノキ花粉の風に舞い散る。
さくらは愛でたし、されど、痒みは耐えがたしってとこか・・

ありゃー! マンUがポーツマスにやられましたね〜。
相性が悪いというポーツマス(ポーツマスからすれば相性良好?)が最初から押せ押せ。
セカンドボールは簡単にポーツマスに取られるし、どうしたっ、マンU!
普段見たことのないような及び腰のマンUだった。

あれほど負けが込んでいた(ように見えた)チェルシーが勝ち点3差になった。
トットナム戦では、昨シーズンを彷彿させる水も漏れない堅い守備ぶり。
やっぱ、テリーが戻ってくると雰囲気が変わるんだなぁ。

あらま、、今月はLSからアテナフォースシリーズのイヴリン・ヴォーンが出るのね。
いたたた、大失敗、「Contact」買っちゃってるんだよぉ(まだ読んでないけど 爆)。
「汚れなきプシュケー」なんて恥ずかしい邦題になってるけど、これ、そうだよね?

作家連作ものは、普段気にも留めてないから(ごめん)、アテナフォースが出版され 続けていることを知らないでいた。
翻訳が出るなら、Contactは読まずにおこうっと。

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 4月12日

昨日はシアタードラマシティで、TEAM NACS の『HONOR〜守り続けた痛みと共に』を見てきました。

休憩なし、5人はほとんど出ずっぱり。
おバカな部分も、しみじみと泣かせる部分も、なにもかも全力投球で、 重さと軽さの息がぴったり。
素朴な真面目さが良いんだなぁ。
安田さん演じる吾作さんには正直うるっときたわ。
(いや、HONOR 兄さん、ケンタウロス君も、嫌いじゃないが 笑)

5人の熱演、時間や場所の巧みな重ね合わせ、シンプルだけれど強い印象の舞台装置、と ほぼ満足だったんだけれど、BGMがちょっと気になった。

いかにも、をを、ここは名場面ですぞ! 盛り上がるんです! って感じの音楽が流れ、 妙に堂々とした立派な演奏だったので、「ほぉ、売れてくると、音楽にもお金を かけるんだ」なんてアホな事を考えたり(爆)。
あんなに音楽で盛り上げなくても、十分思いは伝わってるし、もうちょっと音響控えめ でも良かったんじゃないかなぁ。

なにはともあれ、ほんとに彼らのエネルギーはものすごい。  自分が演じたわけでもないのに、帰宅するとぐったり・・・
顔洗って、歯を磨いたら、爆睡してしまいました(笑)。

だらだらと読んでいた本が読了したんだけれど、それについてはまた明日。

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 4月14日

先日読んだ本は、カレン・テンプルトンSIM「What a Man's Gotta Do」(2003)

日本では「プリンセスの休日」と「罪深きプリンス」しか翻訳されなかったが、 スプルース・レイクを舞台とする普通の平民ロマンスがプリンセスの前に3冊、 プリンスの後に1冊 あり、読んだ本は最後の1冊だ。

「プリンセスの休日」のヒーローだったスティーブの姉、マーラ・コレスキーが主役。
3年前に夫と離婚し、会計士をしながら子供ふたりを育てている37才。

この町に高校生の頃だけ住んでいたヒーロー、エディは、イタリアンのシェフ。
大変腕のたつシェフだが、長期契約を結ばず、あちこちを渡り歩いている。

彼は未婚の母だった母親を6才で亡くした後、親戚をたらいまわしにされた過去をもつ。そういうわけで、 誰からも望まれないことに嫌というほど傷つき、大人になってからは 「何人なりとも自分を傷つけさせやしない」と、決して何かに帰属しようとしないで生きている。

一方のマーラも、前夫との結婚生活で壊れた自信と誇りの再生に必死で、 二度と自分の心をあけ渡すまい、セーフティに生きようと思っている。

また、「プリンセスの休日」でも垣間見えたように、子供たち( キャリーとルーカス)は少し不安定で、彼らの心も本当には両親の離婚から 回復していない。

さて、エディは、レストランオーナー兼シェフのゲイランの産休代理シェフとして やってきて、マーラの家の2階の部屋を借りることになる。
( ゲイランとデルの夫婦は本作では大活躍、「プリンセスの休日」で妊娠2ヶ月?って ところだったゲイランは今は6ヶ月目なのだ )

擬似家族のようにマーラ、エディ、キャリー、ルーカスの心は結びついてゆくが、 この温かさは、エディを心底恐がらせる。。

いやいやいや、良いですねぇ。ヒロインの再生や子供たちの成長もしみじみするし、 愛すること、愛されることをヒーローが受け入れるまでが穏やかで誠実で、切なく 描かれていてナイスです。

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 4月15日

週末は古本屋さんをまわった以外は、ずっと本を読んでいた。

読み終えたのは、ジャン・バーク「神からの殺人予告」(1995)
新聞記者アイリーンのシリーズ3作目。
前の2作では「なんかノレない」感じがつきまとったんだが、おや、これは ちょっといいかも、、という気分になった。

様々な登場人間たちの声色や顔が見えてくるようになったし、もののあわれを 感じるようになった。以前は、 世界はアイリーンのまわりを回っていて、 犠牲者たちはただのその他大勢に感じられたんだが、本作では彼らの生きてきた過去が 見えるようになった。

人間的に深みを増したようなアイリーンたちのその後をどうしても読みたくなって、わはは、これでまんまと わたしも作者の思うツボ?
回った古本屋さんでは、残念ながら4作目「過去を呼び戻した天使」が見つけられず、 5作目「少年たちの沈黙」を買って帰ってきた。
順番無視して、先に5作目を読んじゃおうかなぁ・・
(って、、その後、「過去を・・」をネットでポチしてしまった・・)
 
もう一冊読んだのはHQで、イヴリン・ヴォーン「愛したのはボス」(2003) 。これが・・・

呆れるほどつまらないロマンスだった(爆)。
ところが、感心するほどロマンス以外が良く出来ている(爆爆)。

ホワイトハウスで働くということ、大統領と議会の折衝、上院議員と補佐官のやりとり、 、はっとするほど迫真の場面、上手すぎる会話、(ロマンス部分以外は)読んでいてすっかり魅了された。

「闇の使徒たち」シリーズの3番目。と言っても、わたしはこのシリーズ、ヴァージニア・カントラの作品しか読んでいないし、シリーズ全体がどうなったのかは知らないが、 少なくともイヴリンのこの本は、ミュータント話をグレードの高いものにしただろう。

ところがだ、ロマンス以外は100点満点なのに、ロマンスがてんで冴えない。
ロマンス本なのにロマンスが面白くもなんともない。(>_<)
ヒーローと上院議員とのやりとりの方がずっと面白いロマンス本なのだ(笑)。

とにかく、問題はヒーローだよね、ヒーロー作りに失敗している。
女をとっかえひっかえで、薔薇の花を事後に贈るようなボスと、ボスにあこがれる 助手という、いわゆる「秘書」ものなんだけれど、こういうのイブリンは 他に一作も書いてないことからも分かるように、明らかに不得手なんだな。

作者自身が、こういう男性を好んでいないから? レディキラーの魅力的な降伏 というより、ただの支離滅裂なアホに見えてしまう。
いつもならイヴリンの描くヒーローは、繊細で知的でストイックなんだけどなぁ。
ヒロインも、こんな理不尽なヒーローなのに、なんでも許しちゃうし、、

あぁ、この本は「A.K.A.GODDESS」より前に書かれた本なんだが、イヴリンの 作家としての力を認識させると同時に、思う存分ヒロインが力を発揮し、 ロマンチックをさほどメインとしないものを書かないと、彼女の持ち味が活きないことも よぉくわかる本だ。

ボムシェル・ラインで彼女に自由に書かせたのは編集者の慧眼だわ。
その後の彼女の作品は、いずれも高水準揃い。 ヒロイン主導の緊張感溢れるストーリー、息詰まるロマンス、、、 この本読んで、イヴリンのロマンスってつまんね、と思われちゃうと悲しいなぁ。

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 4月17日

昨日は、「過去を呼び戻した天使」が届く前に「少年たちの沈黙」を読み始め、 フランクが監禁されている場所を警察が突き止めたところまで進んだ。
きっとこれから、もう一山あるに違いない、、今ここで読むのをやめないと、 寝るのがすごく遅くなってしまう。。

聞き分けよく、読書をやめて就寝。

そして、今朝の出勤時、最後の山場を残した「少年たちの沈黙」を持って いかず、テリー・ホワイトの「リトル・サイゴンの弾痕」を持っていった。

なぜかというと、もし「少年たちの沈黙」を持っていったら、きっと帰るまでには 読んでしまう。それが嫌だ。どうしてか上手く言えないけれど、「少年たちの 沈黙」を読み終えるのは、今晩がいい。

こういうのって無い?
本を読み終える時間を決めたいというか、深夜に読み終えたいとかいう気分に なること。

ところが、「リトル・サイゴンの弾痕」を読み終えたら、重い頭痛が 起きてしまった。
テリー・ホワイトってなんでこうなの?
虚無的で寂しくて未来が真っ暗で、妙に優しくて、思い切りダウンに なるんだよねぇ・・・

残りわずかな「少年たちの沈黙」、明日には届く「過去を呼び戻した天使」、 さらに、今日は「親族たちの嘘」をポチしてしまった。
最初の1冊を読んだときには、こんなにジャン・バークを読むようになろうとは 思いもしなかったのになぁ(笑)。

そうそう、ロマンスミニレビュー(作家別じゃない奴)を久々に更新した。
4ヶ月ほどの間に読んだHQは、こちらの表ではあまり多くないが、 ちょこっとでも一応更新しないとね。。

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 4月18日

昨晩遅くジャン・バークの「少年たちの沈黙」を読み終え、ほとほと鬱な気分になった。

ロマンス本とは、最終的に互いを理解しあう、受け入れる事を目的とする。
思慮の無い行動で大事な関係を突然最後にぶち壊す人間なんて出てこない、それが何よりの快感、その快感を 味わいたいからロマンスを読む。そう再認識した。

さて今日は気分が一変して高揚している。

なぜなら、読んでよかった、嬉しいぜっ、という本を読んだから。
なんて現金な(笑)。

滅多に新刊HQを買わない私が、大枚をはたいて買った。
LSX-4「さまよえる女神たちIV」カーラ・キャシディ、 イヴリン・ヴォーン

2作品を1冊にまとめた合本で、1440円もする!

はっきり言って、イヴリン・ヴォーンだけで十分、まさに抱き合わせ商法。
720円で別々の単本で出して欲しかったが、仕方ない。
この合本を読めば、カーラには申し訳ないが、イヴリンの作品が段違いの出来なのが誰 にでも分かるだろう。ま、そう思うことで、溜飲を下げよう。。

残念なのは、合本の表紙絵にカーラの方を採用したこと、と、邦題が情けないこと。
うへ〜、、「汚れなきプシュケー」って何?
どこからそんな邦題が?
原題の「Contact」は、そのものスバリ、ヒロインの、人と触れ合うことで その人の感情や過去を読み取ってしまう能力を指している。
もちろん、ヒロインは接触を怖れている。
普通ではない自分を嫌っている。

ルームメイトのタロット占い師が殺される導入部分から、一気に読ませる。
をを、なんて納得できるスリリングな展開なんだ。
作家連作ロマンスでもあるので、あれこれと人物を登場させなければならないが、 緊張感を損なうことなく、スマートに物語が進む。

土臭いニューオリンズ、魔女、いまどきの小道具、そして 「いかにもロマンス」ではないロマンス、イヴリンはこういうのがほんま上手いんだ。
(ロイ、、くぁ〜、かっこいい、、ファーファヒーローでござんす)

サイキックヒロイン、懐疑的な刑事、謎の殺人者、そして、連作には付き物の その他大勢の登場人物、そんなこんなを、こんなにクールで粋な物語にしてくれるとは。

最後の3ページが不要だが、仕方ない。ここはお約束だと思って目をつぶろう。
とにかく読んで損はない。
余分な720円は我慢して、読むべし、読むべし。

そして、次回の合本は、 Harper Allen と Ruth Wind か。。これも買うことになりそうだなぁ。

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 4月19日

gigabeatに先日入れた英会話雑誌の付録CDが面白い。

初級も初級、1語か2語で返事をすればいいという会話文。
サンキュー、グレート! ホワッツアップ? といった簡単なものばかりなんだが、 そのサンプル会話がオカシイ。

「ねぇ、あれ見てよ、ティナったらまたジョンにべたべたと」
「むかつく、、Disgusting だいたい彼女のしゃべり方って最初っから好きになれないわ」

「おい、大丈夫か?昨日ヨーコと喧嘩したんだってな」
「あぁ、つくづくあの女には頭にくる」
「じゃ、なんで最初誘ったんだよ」
「いい質問だ Good question 」

「へぃ、ミヨコ〜、君が来ないとパーティーは始まらないよ」
「そう? そんなに言うならあなたとパーティーに行くことにするわ」
「ちょっと待って Hold on。 ぼくが行くって誰が言った?」

「なんでぼくとランチにつきあってくれないのさ」
「何度頼んでも変わらないの」
「そんなにどなるなよ、ランチにつきあってくれって言ってるだけじゃないか」
「あっち行ってよ Get lost。これ以上しつこくすると警察呼ぶわよ」

「おはよう、ミユキ」
「チャックが開いてるわよ」
「うぐっ、これでぼくがどんな下着をはいてるか、君に知られちゃったわけだ。
はは、、どう、この色気に入った?」
「失礼な How rude」

わっはっは、ためになるのか、ならないのか。

読んだ本は、ジャン・バーク「親族たちの嘘」
やべぇ〜、むかつくと言いながらも、フランクが気になって読みつづけるわたし。

「少年たちの沈黙」のあとだからか、前作のブレットに似た雰囲気をもつ トラヴィスに今度は優しい結末が訪れる。
読んでる途中、心配だったんだ。まさか、ジャン・バーク、この本でも 無造作に死体を陳列するんじゃないだろうね、頼むよ、今度くらいは 幸せ気分を味あわせてくれぇ、、とね。 それにしても、フランクってのは出来た男だねぇ・・・

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 4月21日

原書をちょっと小休止して、未読の文庫本をせっせと読む。

ケイ・フーパー「ささやきの囚われ人」(2002)
エヴィルシリーズ2番目だが、、はっきり言って不満。
これまでの、シャドウシリーズ3冊とエヴィルシリーズ1番に比べて、この2番はちょい格落ちでは?

過去の謎の種明かしも犯人像も強引というよりほかにない。AARの批評を読んでみて、 100%同感だった。
すっごい悪い奴がすぐそばに居たんだけれど、それは全然分からなかった。
だって、作者がそういう手がかりを全く書かずに、読者に暗中模索させといて、 最後になってやおらこの男が犯人よ、と登場人物(?)のひとりに断言させるんだ。
これってあまりにずぼらな荒技。

ヒーローやヒロイン以外のキャラクターもいまいち書き込みが足りない感じで、 人となりが分かったようでわからない。

スーザン・エリザベス・フィリップス「キスミー エンジェル」(1996)
ふぅ〜、ようやっと読みました。大好評でしたからねぇ。
楽しませてもらいましたヨ。
でも、ん〜、5分の4ぐらいまでが一番楽しかったかな。肝心なところが、 ちょっと物足りなかったのも事実。

なぜかと言うと、ヒロインが最後のほうで、いったんサーカスを出ちゃう、アレね。
あそこで、ちょっとがっかりした。
だって、こういうのは、まさにシリーズロマンスのお約束だし、その後のヒーローの 行動も何もかもが、お約束展開だったし。
定番Rや、エリザベス・ローウェルの「華やかな運命」を思い出したりして。。
あそこまで頑張ったヒロインならば、あんな定番ヒロインにならず、凛とした態度で父親と対決したり、「ダンカンの花嫁」みたいにヒーローを蹴っ飛ばす強さと愛で彼の目を覚まさせたり、 そういう新鮮なものが欲しかったなぁ。

注文していた「過去を呼び戻した天使」が届いた。
未読を減らしたそばから増やしてしまった。

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 4月24日

はなみずきや百日紅、こでまり、ミニバラ、、我が家のまわりには、 手入れの行き届いたお宅が数軒あり、色あざやかな花が瑞々しく咲き誇って、 目を楽しませてくれる。
川端のイチョウも若葉が出て、柳の緑と合わせて雨模様の天気によく似合う。

HPのフレーム構造を全面的にやめたので、あちこち手直しに時間がかかった。
まだ全部を直していないけれど、とりあえず出来たものからアップデイト。

フレーム構造って便利だし、記述の重複を省くわけだし、悪くないとは思って いるのだが、タイトルのファイル名が表示されないし、ノーフレームが時代の趨勢だからねぇ。

更新をしないでいる間に、ガンバはジュビロ相手に大勝しましたね〜。

久しぶりにDVDを借りてみた。
「歓びを歌にのせて」「ナチョ・リブレ」
ほんとは「ロッキー」を借りたいと思ったんだけれど、わたしと同じような人が 大勢いると見え、見事ろっきー1から5まで、すべて貸し出し中だった(笑)。

「歓びを歌にのせて」は、、予想よりも重たい割合が多くて、もっとスポ根的な サクセスストーリーを期待していたのに、、うううっ、、牧師さん。。。orz

「ナチョ・リブレ」は、ジャック・ブラックのオバカパワーを期待していたのに、 こじんまりとした良い子にまとまっていた。
彼にはもっと羽目をはずして貰いたいなぁ。

本は、「過去を呼び戻した天使」を読み始めたら、あいたたっ、また、苦手パターンだ、 ってわけで、読むのを途中でストップ。
ジャン・バークの苦手パターンについては、「少年たちの沈黙」の感想に書いた。

他に、エミリー・リチャーズの「FROM A DISTANCE」のスピンオフ「SOMEWHERE OUT THERE」を読了。
RT400冊にも入っている本だが、これについてはまた後日

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 4月28日

しばらく調子よかったので、すっかり油断して、遅くまで本を読む生活を 性懲りも無く繰り返したり、HPの手直しをシコシコとやっていたら、首の ヘルニアがまた出てしまった。
手や足が、微妙にぴりぴりと痺れたり、顔面の左半分がぴりぴりと痺れたり、、
うへ、やばい。

休養するってのが難しくて、つい本を読んだりネットを見てしまうからねぇ。

さて、わたしはロマンス本の表紙絵にこだわってしまう性質で、いかにも、という 赤面するような表紙絵でも、それがまた独特の味に感じてしまうんだが、 そこには色々な要素が絡んでいる。

独立した「絵」として楽しむ、好みのカバーモデルや好みの画家を見つけて楽しむ、 以外に、そっけない硬い表紙になったら途端に作品の質が上がったかのように取り上げる 風潮に反抗したい気分もあるんだと思う(笑)。
ロマンス本はロマンス本でいいじゃん、
どんな表紙だって「たかがロマンスされどロマンス」、ピンからキリまであるってことね。

リプリントが簡単に手に入るのに、わざわざオリジナル表紙絵を探したりする手間を 楽しんでいるところもある。
発売された当時の社会を考えさせられたり、女性の地位や結婚観、時の流れをしみじみと感じたりする。
ま、小難しい事ばかりじゃなく、へぼいものはへぼいなりに大うけなんだよね。


これ、、某所で見つけた1970年頃のハーレクインなんだけれど、
うはっはっは、
いくらなんでも、、、こんなヒーローに惹かれちゃうヒロインって。。
赤丸は調べちゃったんだが(爆)、エリザベス・ハンターの「Spiced With Cloves」(1966)

1966年ってビートルズ来日、サッポロ一番味噌ラーメン、グリコ「ポッキー」発売なんだって。。
そういやぁ、大河ドラマ「源義経」尾上菊之助(義経)藤純子(静御前)緒形拳(弁慶)を 熱心に見てたなぁ。。「奥様は魔女」や「ウルトラQ」楳図かずおの「ヘビ少女」・・

うっ、自分の年齢をしみじみ感じてしまったわん(爆)。

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4月29日

先日読んだ本。
Emilie Richards の SIM「SOMEWHERE OUT THERE」(1993)
これは「FROM A DISTANCE」の続きで、両者ともにロマンティックタイムズの400冊に 上がっている本だ。
10分の9ぐらいまでは、哲学的なテーマと不思議な味にぞくぞくし、どういったラストを 迎えるのだろうと楽しみに読んでいたのだが、う〜んん、ラストが・・・
納得したようなしないような、、

舞台はオーストラリアの乾いた広大な大地。砂嵐に遭遇したヒロインが、砂漠で 倒れているヒーローを救うところから始まる。
裸で倒れていたその男は、自分が誰なのか分からないばかりか、日焼けの痛みにも 服を着る事にも食べる事にもとまどいの色をみせる。。

ヒロインの叔父が監督する牧場で暮らす事になるヒーローだが、まるで禅問答のような会話を しながらも、言葉の端々に高い知性を漂わせ、荒くれ馬を思いのままに手なづけ、 天候を予測し、地中の水脈を見つけ、人の心の奥底を読み取ったりする。

前作を読んだ人間ならわかっているとおり彼は異星人なのだが、別に異星人だからどうだ、って 物語ではなく、荒々しい自然との共存を図りながら額に汗して働く牧場の人々の暮らしを背景に、 自分はいったい何者で、一体何を求めているのか、をヒーロー、ヒロインに問う物語となっている。

さらに、ヒーローは水を飲むことにも幼子を抱く事にも新鮮な喜びを感じるわけで、 彼が感じるすべての事を通じて、読者も小さなひとつひとつに命の喜びや美しさを見出す。
このあたりエミリー・リチャーズはほんま、上手いんだ。

上手いし、詩的で美しい物語なんだけど、異星人ってのが実に取り扱いに困るわけやねぇ。

人狼や吸血鬼、超能力者なんかは平気で受け入れるくせに、宇宙船に乗ってどこか別の星に 行くロマンスは嫌だ、というのは、わがままなんだけどさぁ、なんか、きゅうにシラケて しまって、、すみません、これは私の勝手な偏見です。

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4月30日

溜め込んでいた未読本をせっせと読んだ。
まずは、ジェニファー・クルージー T「花嫁になりたい」(1993)

うわーー!クルージーさま、ごめんなさいっ、これまで私はあなたの事を ちゃんと読もうとも思っていなかった狭量でオバカな奴でした。

いやいやいや、ほんま、こんなに上手い人だったのね。

シリーズロマンスの分量に見事におさまった、可笑しくて切なくて爽やかな ロマンチックコメディ。
脇役たちも存在感があるし、会話はとびきり上手いし、ヒロイン、ヒーローともに 魅力的だし、、しいて難点を挙げれば、題名が「Manhunting」ってとこだな。
93年当時はフィッシング詐欺がなかったから仕方ないが、再版するなら 「Manphishing」に決まりよ(笑)。

彼女の昔のTの作品が最近翻訳されているなんてラッキー。さっそく買うことにしようっと。

未読本おつぎはジェイン・A・クレンツ T「ドリームズ(前・後)」(1988)

うふふ、安心して楽しめるってのがいいなぁ。
ヒロインがしっかり者でいながらも角が丸くて素直なのが好きだわ。堂々としてるけど 柔軟な女神さまってとこね。
野菜炒めが唯一の得意料理なわたしとしてはポイント高し(笑)
下半身君&癇癪もちヒーローも大事なところは機微がわかっているからいいんだなぁ。
犬の首輪をかんだヒロイン、あっぱれだわ〜。

おつぎは、ノーラ・ロバーツ N「レイチェルに夢中」(1993)
へへ、今日は大御所ばかり読んでるってわけね。

ノーラはちょっと苦手だと思い込んでいたんだけれど、これ、いいですねぇ〜。
予定調和もここまで上手いと文句ないわ。
しっかり者ヒロインとザックはもちろん良かったけれど、ニック、一体 どうなるの? 嫌だわ、気になってしまう。
フレディと一緒になるんだろうと予想はつくけれど、スタニスラスキー家 シリーズ、揃えちゃおうかなぁ・・・

ラストはリンダ・バーンズ「赤毛のカーロッタ奮闘する」(1987)

ボストンの私立探偵カーロッタ・カーライル。元警官、元タクシー運転手。
食らい付いたら放さない地道なしつこさで、依頼された事件を捜査してゆく 彼女の話は人間味が溢れていて、ちょいと切ない。

この1作目で、里親ならぬ里姉となっているパオリーナ(10才)や、サムこと マフィアの一員の息子サム・ギアネッリ(36)、元上司ムーニー警部補が、2006年の 最新作「Heart of the World 」(11番目)でも登場し、パオリーナが 14才になってるらしい。

うひゃ〜、、これ、やばいわ、あれこれ登場人物たちが気になるわ。
特にサム、この1作目の終わり方から言うと、彼との関係はもう全然無理でしょ、
ゴッドファーザーでいうところのアル・パチーノだもん、彼。

11番だけ買っちゃおうかなぁ、、どうしよう・・
こうやって、読むそばから本が増える。

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5月 2日

連休の合間に読んだのは、リサ・クレイパス「悲しいほどときめいて」

リージェンシーはあまり私のリーグじゃないが、人気のクレイパスを 一度は読まんとね。

なるほど、実になめらかで上手いし、ホットかつ繊細で面白い。
当時のロンドンの様子も生き生きと描かれているし、何百通りの秘儀奥義も 見事でやんす。
暗い秘密を抱えたBJヒーロー、わはは、やはり人命救助をしちゃいましたか。
素朴清らかで時には大胆なあっちょんぶりけのぴのこヒロイン、真実の愛の泉を 見つけましたね。

楽しんで読んだんだけれど、あと一歩の所で醒めた目になってしまったのは、 ハタチのヒロインにどうもがいても自分を重ねられないというか、まるで 孫を見てるような気分になったからだなぁ(自爆)。

も一つ思ったのは、「わたくしの真心を差し上げます」と、愛を捧げて どっしり信じて待つ的なお話は、ヒーローがもっとバカチンヒーローじゃないと物足りない。
くわぁ〜、このオバカヒーローめっ、はよ、目を覚まさんかいっ、ぎりぎり(歯軋り)、 ってな話とか、この唐変木ヤローっ、何を考えてるんだよ〜ってな話は大好きなんだけど・・・

そうなんだ、クレイパスのこのお話を、私好みにしようとすると、艱難辛苦をもう少し足して、 ヒーローをもっと分からず屋にして、そう簡単に結婚の幸せに浸らなくて、、、、
あいたた、素直な幸せに浸れないとは、わたしって奴は・・・

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5月 6日

やや体調が優れず、休みの間、ごろごろと過ごしてしまった。

Marilyn Tracy SS「MEMORY'S LAMP」(1994)
これはだいぶ前に読み終えたのだが、マリリン・トレーシーが得意とする、思索的な 不思議ロマンス。
乱れる思い、恐怖、おろおろと悩み苦しむ様子をじっとりと書くと、この人はほんとに上手い。

28才の平凡なセールスウーマンのヒロイン、サンディは、ロシア語会話教室の帰り道だ。
何かはっきりした目的があってロシア語を習い始めたわけじゃない。
ロシア語でもスペイン語でも日本語でもなんでもいい、なにか他の国の言葉を学べば、いつか 世界を旅して、何か違う体験ができて、何か自分が変われるのかも、、ツマラナイ私なんて、 夜道を一人で歩いたところで、襲う人すらいないわ。。

とそんな思いに答えるかのように、女性の悲鳴が響く。。

ナイフで刺されて倒れている初老の女性。彼女は駆けつけたサンディの額に指をあて
「あ、あなたに、、与えよう、、すべて、あなたのもの、、」

一秒か一時間か、時間が止まったかのような感覚のなか、サンディの意識に 奔流のようにその女性(レイチェル)のすべての時間と記憶が流れ込む、、

をを、、おもろい、、

記憶は真実を語っているのか?
サンディの中のレイチェルの記憶は、ひとりの同僚(ヒーロー)が自分を追い詰め、 苦しめたと主張する。

事件現場からサンディに付き添ってきたヒーローは執拗にサンディに訊く。
レイチェルは死ぬ間際に君に「mitzchaichevenu」をしたのではないか?
もしそうなら、、彼女が開けたProvenance Stone の扉を三日のうちに閉じなければ、 君はレイチェルになって、君は消えてしまうぞっ、、と。

だが、レイチェルの記憶によると殺人者であるヒーローを、サンディは信じることができるか?

記憶が人格を作るのだろうか?
教養深く、世界中を旅した考古学教授レイチェルの記憶は、サンディにヘブライ語、 ロシア語をすらすらとしゃべらせ、世界中を旅した記憶、素晴らしい恋の記憶を与え、 シナイ砂漠でProvenance Stone を発見した記憶を与える。。
豊かにきらめいている記憶が、自分に自信を与える。
そして鏡に映った姿に、若さと美しさを見出し、微笑んでしまうサンディ。

取るに足らないサンディよりも、この新しい自分のほうが素敵だわ・・

永遠の命を与える「賢者の石」のバリエーション。 自分とは何? 記憶って何?という哲学的問い や 石の盗難と殺人犯を追うサスペンス、 そしてもちろん、ヒーローとの心の交歓、様々なものが詩的にミックスされている。

ヒロインはProvenance Stoneの扉を閉じようとして、永遠の叡智と力に 引きずられてしまう・・・
戻ってくるんだっ! 扉を閉じるんだっ!
過去と現在の記憶以上のものを望む、そう、未来を望むことが「鍵」なんだな。。

タイムトラベルとか吸血鬼や人狼ものじゃない、こういった不思議味のパラノーマル ロマンスがもっと翻訳されると嬉しいんだけどなぁ〜。

ジェニファー・クルージー「プレイボーイをやっつけろ!」
ひっひ、上手いなぁ〜。
真剣な関係だとヒーローに自覚させるトコの上手いこと。ヒロインの怒ったセリフに ちょい泣けてしまいました。

お嬢ちゃんの「悲しい・・」には爆笑。

「MASTER of the MOON」 Angela Knight

前にざっと読んだんだけれど、続きの「MASTER of WOLVES」を読む前に、今度はしっかり読み直した。
物語の世界Mageverseについては、Angela のリンクを読んでもらうことにして、 ドラゴンの紋章を生まれながらに持つヒーロー Llyr を憎む兄 Ansgar。 残虐で悪しき企みに秀でた Ansgar の恐ろしいことと言ったらない。
裏切りに次ぐ裏切り・・
1600年の間に、4人の妻、10人の子供を失い、心を許した友からも裏切られる。

一方、サススカロライナの小さな町では、連続殺人事件が起きる。犯罪現場に残る血の抜けた死体。
市の行政アドバイザーであるヒロイン、ダイアナ(werewolf)と、Mageverse からやってきた  Llyr は協力してヴァンパイアを追うことになるが、Dark Ones であるヴァンパイアを 利用してLlyrを殺そうと Ansgar は画策する。

罠にはまり部下6人を失ったLlyrは、ヴァイパイアを封じ込める魔法のために、自らの 魔法力も失ってしまう。 そしてダイアナが Ansgar に捕えられ・・・

笑えるほど、エロチックとシリアスのギャップが大きいんだ。
TRRの指摘には納得。命の危険が迫っているってのに、惚けボケと絡みあっていて いいのか?!と心配してしまう。
シリアスなストーリーの流れが上手いから、余計に小休止が気に入らない。

ま、割り切って読まねばいかんのやろーね。

とにかく、敵Ansgarの悪しき様ときたら、相手が人間であろうと妖精であろうと魔女であろうと、関係ない。
心に潜む弱さや愚かさを手玉にとって、すべて自分のために利用し尽くすおぞましさ。

ヒロインが、勇敢で情熱的で、誠実で、ちょっと出来すぎさんなんだが、ラストの 爽快な場面で、すべて許す気になる。
そこはまるで「遠山の金さん」!
べらんめぇ〜、この背中の桜吹雪がみえねえってのかいっ、いよっ!待ってました!

残虐な暴君を恐れて見ざる言わざる聞かざるを決め込んでいた臣下たちを前にして、
今ごろのこのこ道理を説こうってのっ! いい? Llyrにちょっとでも手をだしてごらん、 あんたたちの体をばらばらにしてケツをひきさいてやるわよ!

我らがヒーロー、Llyrも負けていない。全身傷だらけだけれど、ノーブルに
「手を貸しましょうか?」

「ありがと、ねぇ、良いこと思いついた。全員殺しちまおうよ(ぎらりと歯を剥く)。。 で、わたしが証拠を食べちゃうわ」

ひぇ〜っ。。今まで色んなヒロインはいたが、「おめえら食っちまうぞ」と脅すヒロインは いませんでしたねぇ〜(笑)

次の「MASTER of WOLVES」は、RTのレビュアチョイスを受けたらしい。
ざっと読んでしまったんだが、マスター・オブ・ザ・ムーンよりは、少しシリアス部分が 多くなって、敵が悪辣になって、死体も増えてダークさが増し、ヒロインとヒーローが 時と場合をわきまえずに絡むことは減ったみたいだ。でも、すぐにヒートアップするけど(爆)。

それにしても Dark Ones のヴァンパイアがまだあと2000匹(人?)も 地球に来てるって。。。
ん〜、、ちょこちょこと倒していてもこりゃ、埒があかんぞ・・

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5月 7日

エン減る係数がこのところ上昇中。

「赤毛のカーロッタ」シリーズ2番と3番を買っちゃったし、ジャン・バークの まだ読んでいない残りの「骨」「汚れた翼」も買っちゃったし、ジェニファー・クルージーの テンプも買っちゃったし、ノーラのスタニスラスキーシリーズも揃えちゃったし、、

他にもポチポチと洋書古本を買っちゃって、、はは、読む時間はあるのだろうか?!

さらに追い討ちをかけるように、アイリーン・ドライアーアン・スチュアートジェニファー・クルージーの合作本が気になりだした。「The Unfortunate Miss Fortunes」

最初広告を見たときは、別に気にしなかったんだ。
よくある、アンソロジーだと思ったの。

ところが、どうもアンソロジーとは違うんだね。
アイリーンとクリッシー(アンの事らしい)とジェンの共同ブログを見てみると、

パラノーマル3姉妹の物語(まるでチャームド?) 一番年上をアイリーンが、末娘をジェンが、アンは「はいはい、 わたしは間でいいですよ」って感じで引き受けて、 ジェンは「20台のヒロインなんてどうすりゃいいんだ〜」「泣き言言うな〜」 アイリーンとジェンがけんけんがくがくしてると、 「ねぇ、エロチックにしようよ」とアンは呑気に言っちゃったり、かなり可笑しい。

自分の姿を変えることができる長女、モノの形をかえる次女、サイコキネシスができる 末娘、(どうでもいいが、アンは「ハウルの動く城」からインスピレーションを受けたらしい。 向こうでは、ハウルの声をクリスチャン・ベールがやってるのね?)
とにかく、互いにEメールを送りながら、あーだこーだと作って、リビジョンに次ぐ リビジョンで、もうリビジョンという言葉を聞いただけで気がおかしくなるくらい 手を加えて、まるでシームレスのように出来ているらしい。。

この3人が仲が良いとは、これまで全然イメージした事もなかったんだ。
作品のタイプもかなり違うし、ヒロイン像もヒーロー像も違う。
共通するのは、わたしの好みってだけ(なんだ、そりゃ)だと思っていたんだが、 リレーブログを読んでいるうちに、まるでこの3人が、物語と同じような姉妹に 見えてきたから不思議だ。

どうやろ、どこかの出版社が翻訳してくれるかなぁ〜。

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5月 8日

この頃Jリーグも観戦できてないし、映画も見てないし、いかんね〜・・

というわけで、ふと借りたDVDは「カサノバ」

映画はまあ70点って感じの、少しドタバタ喜劇だったけれど、ヒース・レッジャーは 素敵でした・・ほれぼれ・・

なんで、ネットで写真を見るとそれほどに感じないのに、映画ではこんなに 素敵なの? 髪が薄くなりそうなのも全然気にならなかったわ(爆)。

もうすぐ公開される映画情報を見ていると、あ、そうか、ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの 「プレステージ」があるんだ。
ヒューは他に「ファウンテン」が秋に公開されるらしいけど、これってあの「π」の監督なのね。驚き。。

クリスチャン・ベールは、おやま、『Rescue Dawn』、ベトナム戦争下のベトナム脱出劇ですか・・・
また「マシニスト」みたいに痩せさらばえて。。
こんなに体の増減を繰り返して、大丈夫なんでしょうかねぇ。。
そして、ぎょえっ。
クリスチャン・ベール版バットマン の2作目で、ヒースがジョーカーを演るのね。
ジャック・ニコルソンの白塗りジョーカーみたいになるのか、それとも、 怪しく美しいジョーカーさまになるのか、、

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5月10日

今年に入ってから見た映画やDVDの感想をアップ
「ラストキング・オブ・スコットランド」「パヒューム-ある人殺しの物語」「歓びを歌にのせて」 「ナチョ・リブレ」「カサノバ」 ・・ずっとさぼっていたわけね。

見たDVDは、「ボーン・アイデンティティ」
つまらなくはないが、それほどでも、、、う〜ん、ま、定番ハーレクインのアクション版なんだ。
記憶喪失、特殊訓練されたスーパー頭脳・戦闘ボディ、ふと係わりを持った女性との フォーリンラブ、バトル、バトル、バトルのあとは海辺の家。

ハーレクインほど楽しめなかったのは、ひとえにわたしがマット・デイモンに ときめかないからだ。
どーして人気があるのか実はいまだに良く分からない俳優さんで、ごめん! 何度見ても萌えないんだわ〜。
上司役のクリス・クーパーや教授役のクライブ・オーウェンにはドキドキするのになぁ。。

原作ロバート・ラドラム「暗殺者」を読んだことがないので、ネットでちょろっと他人の 感想を探してみると、、、おや、映画とは随分違う趣じゃないか。
もっと重厚な心理劇なのね。
長すぎっと文句を言ってる人もいるから、読むのがためらわれるなぁ・・

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5月13日

「レイチェルに夢中」を読んだあと、その他の家族が気になって、 スタニスラスキー家の物語を全部集めて読んでみた。

う〜ん、、レイチェルの巻が一番良かった・・・

ノーラ・ロバーツは実に手馴れていて、物語はどれも悪くない。 誉めてる人も多いというのに、なぜ、わたしはどきどきできないのか、考えてみた。
以前は、ヒロイン像が好みじゃないからだと思っていたが、今回まとめて 読んでみて思ったのは、ヒーローのからだ(イキナリ何を言い出す 笑)。
彼の体がイメージできない。 っていうか、変な言い方だが、ヒーローに「ばばっちさ」がこれっぽっちも感じられないからなんだ。

どんなに汗をかいていても汗臭くない。
シャツの第一ボタンをはずして胸毛をアピールするなんてことは、ありえない。
なにかとても健全な清潔感があって、わたしにはすがすがしすぎるんだわ(爆)。

ま、大家族が集うなか、カップルみんながそこかしこで怪しい雰囲気になったら、それはそれで困るんだけどさ(笑)。

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5月14日

ちょこちょこと本のデータを直したり、海外のサイトを回ってみたり。
好みや感想の似ている人を見つけると、その人の勧める本が読みたくなる。
未読本がまだあるし、先日もマリリン・トレーシーをちょいポチしたばかりなのに、 アン・スチュアートの「Lord of Danger」(1997)が気になっている。

へへ、アンのウルトラ得意技、人を信じず、恐れられ憎まれるのも気にしない (フリをしてる?)ヒーローは、中世の王、黒魔術の使い手でもあるらしい。
バッドボーイ中のバッドボーイに嫁ぐのは、修道院で育った臆病で自信がない、 そのくせふいに度胸を出して周囲を驚かすヒロイン、ま、これもアンの得意技ですな。

ヒロインは敵対する王国の王の従姉妹らしくて、政略結婚させられるってことらしい。 元々嫁ぐのは大変美しく優しい姉のはずだったが、自分のほうが向いていると、 大胆にも直訴したらしい。

誰もが恐れるバッドボーイが、最後は輝く鎧のナイトとなるという王道は、 ヒストリカルではそれこそごまんとあるんだが、そこはやっぱり、 アン・スチュアート。
 「あんたを好きになんかなりたくなかった」とむっつり言うような バッドボーイヒーローを書かせたら、天下一品だからね。
彼は最後ヒロインを守るために、大いなる力を失わなければならなくなるらしいが・・・

色んな翻訳が出る今日この頃だけど、ダークファンタジー系は翻訳を待っても無理だろうねぇ。。

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5月16日

ジャン・バーク「骨」(講談社文庫)を読んだ。
ジャン・バークってどうも合わない、と言いながらもシリーズ7冊目である。
アンチと自認していたのに、もしかしてファン?(笑)

実に面白い話だった。1冊目から考えるとものすごく上手くなっていて驚く。
登場人物たちの描写も深みが増している。ストーリーも緊張感溢れ、集中を切らさない。 時におかしく、時にほろ苦く、そして前向きな強さに満ちている。
甘ちゃんのわたしはこれまで「親族たちの嘘」が気に入っていたが、「骨」がマイベストになった。

ところが、これほどナイスな物語なのに、「ちぇっ、また読んじまった」と 思う自分がいる。

美人で頭が切れて仕事ができて一目おかれていて、頑固で強情なカソリックで、毎朝ジョギングして健康かつ体力があって、心から信頼できる大富豪の友人やひとくせもふたくせもある友人たちがいて、 優秀で誠実でいい男の刑事の夫がいて、相思相愛で、、、
警察総動員してもつかまらない殺人犯やシリアルキラーを、ブンヤ稼業の度胸と機転でやっつけて、、

わかってる。100%嫉妬だね。
でも、こんなんあっていいもんですかね〜。
とぼけたミステリなら、こんなんあってもいいんだけれど、アイリーンシリーズは 100%真剣ドラマだからなぁ。

救援に来たヘリコプターに向かって、敵は拳銃を持っているから近寄るなと合図する彼女。
むむ・・・、あんたを殺そうとやってきてるんだよ、その男。
救援者の心配をするその神経、、、あぅっ、強靭すぎるっ。。

怪我してる友人(男)を守ろうと、自分が囮になって、シリアルキラーをおびき寄せる。
「大丈夫、私は自分の面倒を見れる」という強い信念は一度たりとも揺るがない。

凄いねぇ〜・・
普通の人間なら20回くらい死んでいるんじゃないか?

そんな彼女を愛してやまない夫フランクの信頼の厚さときたら・・・
「彼女を守るためなら何でもするが、彼女のやる事に口出しはしない」
はぁ・・・まさに夫の鑑、誉れである。

新聞記者アイリーンのシリーズを読むと、つくづく自分は妬み深い日本人だと思いしる。

ハードボイルドなら孤独で不幸気味じゃないと、、、主人公が幸福な結婚をしているハードボイルドって、、、結婚に満足している幸せな主人公ならば、少なくとも変人、なまくら、凡くらに見えて、とぼけた味がなくちゃ、、、
有能で友人も多く夫からも愛されている素人探偵で、かつシリアスな物語なんて、 「つまらないものですが」とおみやげを差し出すわたしには、抵抗感がありすぎる(爆)。

それなのに、あぁそれなのに、アイリーン&フランクの幸せぶりを妬みながらも 気になって気になって、ベン・シェリダンが気になって、トラヴィスが気になって、、
困った。次の「汚れた翼」を読んでしまったら邦訳が無くなってしまう。
「Eighteen」「Bloodlines」「Kidnapped」の翻訳予定ってあるんですかね?

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5月18日

久しぶりにBerkley Sensation の本のリストを更新した。
毎月4冊のはずだったが、6冊になったり3冊になったり、ま、大体のところってことで。

パラノーマル&エロチックが全盛だが、結構新趣向もあるし、シリーズ物が圧倒的に多くなった。
売る側の思う壷なんだが、続きが気になって、 Donna Lea Simpson の2番目「Awaiting The Night」をポチ。。
前作のゴシックヒストリカルが面白かったんだよねぇ。

それと、ナリーニ・シンのSF調パラノーマル「Slave to Sensation」もポチ。
未来のテレパスが支配する世界。共通意識をもつテレパスは個人的感情をほとんど 持たないって事で、ま、良くある話だが全体主義社会になっている。
普通の人間や、動物のDNAをハイブリッドした半人間は、抑圧されて生きて いるってわけで、何度も言うが、よくある設定だ。
目新しくもないやいっと思いながらも、AARが誉めていたのでつい、、
ヒロインはテレパス階級、ヒーローはレオパード人間らしい(ははは)。

ポチをしだすと歯止めがかからず、、バークレイ・センセーションではないが、続きが気になってる 赤毛のカーロッタの11番目「Heart of the World」の予約をポチ。
4から10まで読まずに11っていうのも、変だけど、稼業を嫌うがゴッドファーザーの息子 っちゅう苦しい立場のサムが、無理そうだけどカーロッタに結婚を申し込むらしくてねぇ。

さらに、Jan Burke の短編集「Eighteen」。アイリーン&フランク&ベンの話も入っているらしいので ポチ (わ〜、ジャン・バークが苦手だと言ってるそばから)。

今回はポチしなかったが、テス・ジェリッツェンのリゾーリシリーズのPB版が もうすぐ出るし、 Vickie Taylor のガーゴイルシリーズの3番目も買わないといかんし、 いつもどおり、きりが無い。。

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5月20日

「ガンバー柏レイソル」2−1
生観戦出来なかった。残念。。
見事なミドルシュートを放ったフタが、めずらしく抱きついて大喜びしてましたね!

誰でもそうだと思うけれど、時折むしょうに散財したくなる。
そんな衝動に負けて、勧められるままに、着てゆく場所もないというのに、 ヨットと白いデッキシューズが似合いそうな、少女っぽさを残すセミロングスカートと ポロシャツとカーディガンを購入。
なぜショップの鏡だと似合ってるように見えてしまうんだろうなぁ(笑)。

夜はテレビで放送していた「オールド・ルーキー」を見るとはなしに見てしまったが、 大人のおとぎ話を楽しむよりも、時間を損した気分に。
おとぎ話とばかばかしい話の境界って何なんだろうねぇ。
夢の切なさ・美しさを描くといっても魂と信念が乏しくて、夢さえ捨てなければろくな努力を しなくても叶うかのようなチープな感じ。
「ナチュラル」のような感動がない。

ごめん、デニス・クエイドって、ちょい苦手なんだ。妙に目がすわってるというか、 限りなくヤバい人に近いものを感じてしまうのヨ。
ハリソン・フォードの安価版に見えてしまって困るわ〜。

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5月21日

毎日のように猟奇事件のニュースがあり、毎日のように爆弾テロがあり、 そのうえ読む本ときたら、児童性虐待や警官収賄やサイコキラーばかりじゃ、、、

最近頭のなかに♪飛んでイスタンブール♪のメロディが棲みついてしまい、 トルコ格安ツアの広告をけっこう真剣に見ている(爆)。
偶然にもテレビで、欧州鉄道の旅「東西文明の十字路トルコ 魅惑のイスタンブールからエスキシェヒルまで」を見てしまった。。あぅっ、呼ばれてる?!

読んだ本はリンダ・バーンズ、カーロッタシリーズの第2弾、「コンバット・ゾーンの娘」(1989)。
まさに本日の2行目に書いたような辛い事件を扱ってるけれど、カーロッタのタフな優しさに慰められる。
ジャン・バークのアイリーンのミドルクラスの「前向き」とは違う、 ブルーカラーや底辺に暮らす人々の「前向き」だが、考えてみるとこれは「甘い夢」 なのかもしれない。

本当はこんな風に虐げられた人が救われたり、悪人が非業の最期を遂げたり、 腐敗した警官が一掃されたりしない。「最後に正義が勝つ」わけじゃないんだろう。

ひとりひとりのささやかなガンバリで、社会が少し良くなる・・・ カーロッタシリーズに流れている思いは、いまや「甘い夢」なのかもしれないが、 登場する人々が実に活き活きと描かれ、本気で依頼人を心配するカーロッタに つい感情移入させられる。

コカイン中毒の飲んだくれ亭主と離婚した過去をもつ、元警官で、私立探偵兼パートタイムタクシー運転手。コロンビア人の10才の少女の「里親ならぬ里姉」。 疑り深くて不器用で、曲がったことが大嫌いで、、

カーロッタシリーズに無くてはならない二人の男。
真面目で尊敬できるが、どうしても友情以上のものを感じない元上司のムーニーと、
関わりをもつべきじゃないと思っているのに関わってしまうマフィアのドンの息子サム。
はは、ここは明らかに「女の」甘い夢だ。

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5月22日

ジェニファー・クルージーの昔のテンプ(の翻訳分)をようやく全部読んだ。
さすがだわ、並の作家と比べて頭ひとつ抜きん出ているねぇ。
正直言って、現在でている文庫本よりも、昔のテンプの作品のほうが気に入った。 っていうか、ロマンス本に何を求めてるか、ってことだろうネ。

「花嫁になりたい」が一番好きなのは、たぶん、一番毒味が薄いからかもしれない。
ある意味パンチが弱いとも感じるが、わたしは甘ちゃんなんで(爆)。
滑稽で辛らつなようで、優しくて切ない。あからさまのようでいて生真面目。
「結婚したい」という本音がこれほど爽やかに語られるロマンスって少ないよね。

正面対決を避けるくせに、陰でこそこそされるのも嫌、、これ、ほんま、よく 分かるなぁ。。
恋愛ってこういう臆病な狡さがつきものなんだよねぇ。

惜しくも次点は「レディの願い」
これも好きだなぁ〜。
軽妙洒脱で、ファニー。登場する人たちのキャラクターがキラッと生きている。
シニカルなくせにロマンチックという王道を行く。
ヒーローとヒロインの会話も楽しいわ。
いとこの獰猛なカーロの「殺してやる」は、何度読んでも笑えてくる♪

次が「シンデレラになれない」
これは、ちょっとキャラクターを詰め込みすぎたのが問題か。
例えばヒロインの両親なんて霞のような存在。
わき役のジーナ。 とっても大事なセリフをヒロインに言って、ヒロインの 逆差別感(「金持ちは悪だ」的な事)や視野の狭さを指摘する、大事なわき役 だけれど、あれよあれよと立派になりすぎ?
そして、敵(かたき)役のパークの両親。
これが一番気になる点で、ふたりの扱いにシャレを感じないんだよねぇ。。
ひねりの無い敵役がでてくるドラマって、それほど好きじゃないんだわん。

ベティ・ニールズのように、呆れるほど意地悪で欲深で自分勝手な敵役ばかりが登場すると、それはそれで芸風だと思って楽しめるんだけど、
クルージーのような、センスを感じさせる作家が、ひねりのない敵役を登場させるとねぇ、、、

あと、ヒーローのキャラクターにも無理やり感がある。
ヒロインはいつもヒーローの事を「二面性がある。拝金主義・出世第一主義者である」とこきおろすが、 読んでいて、全然そんな感じがしなかった。
人目を気にして駐車場でのセックスを拒んだり、ぴしっとスーツを決めてパーティに出席しおせじを言ったくらいで、ジキル博士と ハイド氏と言われるんじゃ、たまったもんじゃないなあ(笑)。

上手いっ!と感心する所は一杯あるんだけれど、フェミニズムや社会運動、自由主義を皮肉るクルージーの毒舌にも洒脱さが薄い感じで、、全体にシャレが薄いのよね、、、

翻訳された4冊の中でちょっと苦手なのが「夜ふけの恋人」

いや、これも上手いんですよ。わき役&わき犬も味があるし。
最後近くまでは楽しく読めていたんだけれど、
最後のほうでヒロインが「あなたもお父さんと同じだ」みたいなことを言って ヒーローを非難してから、、ちょっと醒めてしまった。

兄弟に向かって、夫、妻に向かって、子供に向かって
「そんなとこがお父さんにそっくりね!」「おまえは母親にそっくりだ」

意識的にしろ無意識にしろ、この言葉が相手を深く傷つけること、わかってるんだ。
論理や理屈では相手をコントロールできない時、負の感情のかたまりをぶつける。

自分が言われて一番嫌な言葉、そして、自分が口に出してしまった時も、「 できるものなら、言った言葉を口に取り戻したい」と最低の気分になって後悔する言葉。

ヒロインは、物語の山場のところで、ヒーローと意見を異にし、このセリフを言い放つ。

カッとなって、ひどい言葉を投げつけるのは分かるが、ヒロインのキャラクターに 失望したのも確かだ。とある不正を警察に告げるか否かという話だったんだが、 ヒロインにはもうちょっと違うものを期待してたんだ。
だって、よくあるじゃない、重い責任を負わない立場の人間が、憎まれる責任を負いながら 苦渋の選択をした人のことを「非人間」と偉そうに非難するやつって。

不正をした人間が、ヒーローに向かって「君は正しい事をしたんだ」と弁護してくれなかったら、 ヒロインはヒーローの選択を認めれたんだろうか。
「あなたの姿勢には感服したわ」なんて言えたんだろうか。

この話は、全体的にクラシックな雰囲気があって、真面目でリアルなロマンスなんだ。
で、どうもわたしは、シリアス系のクルージーはやや苦手で、ファニーなクルージー が大好きみたいだ。

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5月24日

いつも、賞味期限が過ぎたころに読み出すわたし。

ようやく読み始めたのは、ダイアナ・ガバルドン「Lord John and the Private Matter」(2003)
発売と同時に買ったのに、ずっと放置とは、LJGファンの風上にもおけないっ。
いや、「A Breath of Snow and Ashes」をまだ買っていないわたしだから、もはや風下にも居場所はないわ。。orz

ハードカバー版は一度放置してしまうと、なかなか重い腰をあげられない(言い訳)。 で、今回読み始めたきっかけは、オーディオCD [UNABRIDGED] 。

実はオーディオCDもgigabeatに入れたまま放置していたんだが、ふと聞き始めると、あれれ、面白いじゃないか。。
CDを購入した当初、さわりの部分だけ聞いたはずだが、その時は全然面白く感じなかった。ナレーターの声も、イメージに合わないな、と思ったのに。
不思議だ。

今あらためて聞いてみると、ナレーター Jeff Woodman が絶妙なんである。

貴族階級のノーブルな英語と、無学なロンドン下町なまりと、アイルランドなまりにRRR言ってるスコットランドなまり、カクカクしたドイツなまり、さらに、老若男女を使い分け、お上品やら尊大やら、さっぱりしてるやら、ねっとりやら、抜け目ないやら、落ち着きないやら、名人芸をみてる気にさせられる。

LJGの声はシャア少佐って感じで、ラベンダーハウスの主人の声は、まるで美輪明宏さんだ(笑)。

もちろん、わたしが耳で聞いて英語が全部わかるはずは「無い」。
ところどころ分かるだけ、なんだが、それでも一度聞いてから本を読むと読みやすい。

今は通勤往復にgigabeatで聞いて、聞いた分を夜に読書って感じだ。

一度中にいれておけば、ふとしたきっかけで聞くこともあるし、 やっぱ「MZ-RH1」を買って、手持ちのオーディオカセットをMD経由でgigabeatに移そうかなぁ。。

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5月25日

「Lord John and the Private Matter」を読み終え(聞き終え)た。

へぇ〜、マラリアによる梅毒治療法かぁ・・・知らなかった。
しかし、キニーネの精製や投与は1800年代の半ばからだから、1757年当時は キニーネも無いし、博打のような治療法だなぁ。

ありゃ、わたしったら無知を曝け出してしまった。
1927年に、 J. Wagner von Jauregg 博士は「梅毒患者をマラリアに罹らせ、 高熱によって梅毒スピロヘータを殺す」治療法の確立に対して ノーベル賞を与えられたんだって。
どひゃ〜、けっこう最近までそういう治療が行われたのね。。

Scanlon の店の condom もわたしには驚きだった。
調べてみると(調べるんか?わはは)、18世紀に、動物の腸をつかったホームメイド condom を売る店が アムステルダムに出現したんだそうだ。そして18世紀半ばには、ロンドンで condom マーケットが 花開いたそうだ。
最も有名な販売店は、Mrs Phillips と Mrs Perkins だったとか、洗った中古のものを 売る店まであったとか。。
(ちなみに、18世紀当時の condom、箱(もしかしたら本体?)に3人の修道女の絵がついているものが、 クリスティのオークションで3,300ポンドの値がついたんだそうだ)

Mollyって「ゲイ」というよりベタな言葉だけど「おかま」って感じだよね? いや、わたしの 持ってる辞書では「女々しい男」って訳だけで、ちょっと違うなぁって思ったんだけど。
Molly House であるラベンダーハウス、Molly たちの源氏名、なるほどねぇ。
ホモセクシャル行為は捕えられると絞首刑なんだ。。

18世紀ロンドンの贅沢な食事とワインと性風俗、品の良いユーモア、LJGの インテリジェンス、、おだやかな物語は七色の声を聞いて楽しむので正解だった。

それにしてもトムのセリフは訛りがきつくて、ほとんど聞き取れなかったワ(とほほ)

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5月27日

ちょっとした事がきっかけで、大学の同級生が、 とあるハンドルネームで書き込んでいる掲示板を見つけてしまった。

インターネットが存在しなかったら、その人の隠れた一面を知る事などなかったはずなのに、 親しくもなかった人が親しい知り合いになってしまったかのような、奇妙な感覚。

彼のハンドルネームが大学時代のあだ名だったので、つい苦笑してしまった。
なぜなら、わたしも初めてインターネットに書き込みをした当時は、大学時代に クラブでつけられたあだ名を使ったから。
ネットの名前なんて匿名に毛が生えたようなものだし、どーでもよいようでいて、、 実は意外と悩む。

たいていの人が、自分を表現しようとするのも、考えてみると不思議だ。
あだ名や家族、ペットの名前、好きなスターやチームの名前、好きな書名や 映画の題名、、etc.
どこかで自分と繋がっていたり、自分を象徴していないと居心地が悪く感じるのだろうか。

名前には人格がついてまわるようで、たとえネットの上でも、 「花子」は花子の、「Hanako」はHanako の声を持ち、誰にでも なれるわけじゃない。

そういえば大昔Z会のペンネームも相当に悩んだっけ。
今でも当時の成績上位者のペンネームを何人か覚えているが、それは 成績が素晴らしかったってだけじゃなくて、きらりと光るペンネームだって ことも重要だったんだ。
だから、添削問題を解くよりも名前を何にするかに時間がとられたけれど、 返ってきた答案は出来が悪くて、名前を悩む必要などなかった(爆)。

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5月28日

万博にも行っていないし、映画も見ていないし、低飛行のまま5月は終わりそうだ。
プレミアシップもしばらく無いし、つまらないなぁ。

06−07シーズンが終わってもう2週間もたつので、いまさらだが、
がけっぷち争いになってからのテベスは凄かったねぇ。獅子奮迅の働き!
ウエストハムの残留は無理だろうと思っていたが、なんと8試合で6勝、 あり得ないほどの勝率。
これほどテベスがプレミアリーグで活躍するとは思っていなかったが、 チームにフィットしてからは、ボールをキープして、パスして、献身的に 走り回って、最後はシュートして、、、 とにかくテベスにお任せっ!とばかりに、ふがいないチームを鼓舞してくれた。

優勝のマンUは、今季強すぎました。。。
昨シーズン不調で、もう年かなぁと思ったギグスがキレキレの大活躍。
最後までレギュラー陣に大きな怪我がなかったのが勝因かな。
一方のチェルシーは、怪我人続出が痛かった。DFの層の薄さがなんとも。。バラックや シェフチェンコよりもディフェンダーだよなぁ・・

3位以下は、あまり熱心に試合を観なかったんだが、トットナムのベルバトフは 化け物でしたね〜。
老け顔なんでてっきり欧州のベテランなのか、と思っていたら(^^;; ブルガリア 代表で、まだ25才なのね。シュートを打てばスーパーゴール!って感じで 恐れ入ったが、聞けばマンUが補強候補の目玉として狙っているとの事。

うげげ、こんな化けもんFWが天才ルーニーとコンビを組んだら、どえらいことだ。

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5月29日

ざっと読んだのは、Marilyn Tracy SIM「Too Good To Forget」(1991)

記憶喪失ヒーローものだが、全く予想していたものとは違っていた。
やはりマリリン・トレーシーは視点が変わっているわ。

脳震盪で一時的に記憶が不確かになることってあるよね。
あとから、あの時あなたはこういう行動をとった、こんな事を言ったといわれて、 恥ずかしくてたまらなくなる、普段の自分とは違う自分が出現して狼狽する、 そんな体験って。

ヒーローは麻薬捜査官で、長年の相棒と共に勤務外のちょっとした調査を していたが、予想外の展開で相棒を殺され、自分も命を狙われる。

ヒーローは桟橋から海に落ちた後、なんとか逃げ切るが、意識にあるのは、 本屋に行かなくては、という事ばかり。

というのも、彼はこの勤務外の仕事を終えたら、その足でとある作家の(代理の) サイン会に行く予定だったのだ。彼はその作家の長年のファンで、 作家の名前が自分と同じ名前なので、なにかくすぐられるような気持ちを 抱いていた。

作家はいわゆる覆面作家で、決して世間に登場せず、ちまたでは元政府系エージェント だったと噂されていた。インタビューや取材、サイン会はいつも、 彼の妻が代わりに答えていた。 美しく聡明な彼女(ヒロイン)を雑誌やTVで みるたびに、経歴の似ている同じ名前の男が自分であったなら、、自分が彼女の夫であったら、、と夢想にふけっていたのだ。

ヒーローは10年前に相思相愛だった妻をガンで失って以来、とても孤独な生活を していた。そして今、親友である相棒を失い、信頼していた人から命を狙われ、、

ヒロインの車に近づき、「キャサリン、助けてくれ、君が必要なんだ」
「だ、だれなの?」「ぼくだよ、君の夫だよ」

ヒーローは一時的な記憶喪失で、名前以外何もはっきりとは思い出せないが、 自分は彼女の夫で作家なのだ、と思い込んでいる。
頭が割れるように痛むが、君を愛していることだけは覚えているんだ、 結婚式の日のことは忘れていないよ、、、

誰でもわかることだが、覆面作家はヒロイン自身であり、男性のペンネームにして 謎の夫を仕立てているだけなのだが、銃で撃たれ怪我をしているヒーローの 救いを求める声に答えてしまう。。

心からの愛を告げるヒーローを前にして、ヒロインは、これはファンタジーなんだと 頭では分かっていながらも、心が大きく揺さぶられる。

もちろん、ヒーローの記憶喪失は一過性のもので、記憶が戻ってみれば、自分が 嫌になるほどバカを曝してしまったことが恥ずかしく、屈辱的な思いに囚われて・・・

事件の解決とともによそよそしくなってしまう二人。
自分は密かな夢や孤独な心をさらけだしてしまったが、相手はこちらに合わせていただけなのかもしれない・・

ふふ、こめかみに白いものがある、渋いファーファヒーローなんだよねぇ〜(^m^)

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5月31日

ジャン・バークの短編集「EIGHTEEN」
こんなに短編が上手いとは思いもしなかった。
奇妙に明るく滑稽な笑いのあとに、うすら寒く背中がぞっとして、けだるく暑く息苦しい熱帯夜に投げ込まれ、 最後は、淡々としながらも雄雄しく暖かく、深い余韻を残して・・・
一作一作は20ページ足らずだが、どれもが密度が濃く、芳醇。読書の楽しみに満ちている。

まだ全部は読んでいないが、アイリーン・シリーズの「骨」を読んだ人間なら見逃せないのが 「DEVOTION」。
あぁん、フランク、ほんまに素敵だわ。アイリーンが一度も登場しないから、なおさら 良い(嫉妬丸出し 笑)
ビングルとブールとベン・シェリダン、彼らの絆が深まっている様子と、David を 思う気持ちに、うるうる。。 ベンはすっかりピートの居場所を無くさせてしまったなぁ。ま、最初からピートはちょっと 影が薄かったが。。

この短編集、ものすごいオススメね。

ずいぶん前に買ったまま放置していたアンソロジー、「MY GUARDIAN ANGEL」(1995)
時代設定はヒストリカルで、天使に関係したお話ばかり集めたもの。

Kay Hooper 「ALMOST AN ANGEL」と、Karyn Monk 「SAVING CELESTE」は ちゃんと読んだが、Sandra Chastain の「GUARDIAN OF THE HEART」と Susan Krinard 「ANGEL ON MY CSHOULDER」は飛ばし読み。

エンジェルがお題なので、もうちょっと不思議味のあるアンソロジーなのかと 思ったら、そういった風味のあるものはなかった。 どれも並以上ではあるが、正直、それほど面白いとも思えず、一体なんでこの本を 買ったのかなぁ(爆!)。

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