カレン・ラニー Karen Ranney  2009年3月初出
特に深く考えず、デビュー作を読んでみたところ、なんというか、もうちょっとこの作家さんを
読んでみたいと思わせるものがありました。

ジョージアンという時代設定、7年戦争当時の社交界、政治、社会情勢などの描写、
知的好奇心を刺激するエピソードがさりげなく入っていて大変面白かったのです。

デビュー作はロマンスとしては少し肉感性が足りず、論理構成のほうが先走っている感じなんですが、
次に読んだ「Till Next..」では恋するヒーロー像がほれぼれと素晴らしく、
思考に肉体もしっかりついた感じになりました。

素直で知的な展開、ヒーロー/ヒロインを結ぶ絆の強さ、興味深い時代背景を織り交ぜる巧みさ、
プロットには目新しさが無いのだけれど、描写が具体的で地に足がついている感じ、
大人のロマンスでかつ胸きゅん、「楽しくて切なくて賢くて」安心できます。
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
Zebra Tapestry ヒロイン10才の時、両親は事故で死亡。 ヒーローは4年前に7年戦争に出征し、キャノン砲の暴発で大怪我を負った May-95 1760年 10才の時からヒーローが好きだった 傷ヒーロー ヒロインの成長 Laura Blake(18)、 Earl of Cardiff  Dixon Alexander Weston (28). 意外な展開!Beauty&Beastモノだと思ったら、、ヒロインの嘆きと悲しみ、無感覚から怒りまでが実に細かい。 いつものリージェンシーとは異なる世界観で具体性があり実に面白い。大ピットの言動もツボ。 うふ
Avon Till Next We Meet ヒーローは公爵の三男で14年前に故郷を出た。 ヒロインの夫は結婚後すぐに軍隊に入り、1年半後死亡 May-05 1761年 シラノ・ド・ベルジュラック系身代わり手紙 命を狙われるヒロイン Catherine Dunnan、 Duke of Lymond Moncrief ヒーローがいい男なんだよねぇ、、ほれぼれ。繊細で豪胆。Honorable。 ヒロインも当初思っていたよりずっと生き生きしていて、読んでいて幸せ。 ミステリ部分は見え見えだけど、ノープロブレム(笑) うふふ
Avon An Unlikely Governess ヒロインの両親や親族はチフス流行で死亡 Jan-06 1832年 ゴシックロマンス系 命を狙われるヒロイン ガバネスBeatrice Sinclair()、 実業家Devlen Gordon 出だしはどきどきだったけど、超肩透かし。 サブストーリーの壊れた結婚の愛憎劇がおとろちいぃぃ。  


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