[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
The Sinner のあらすじは、テス・ジェリッツェンのところに書いた。 妊娠したリゾーリは、どうしていいか分からず、 あかんぼなんて生めっこない、あたしにあかんぼうなんて育てられるはずない、 それに、あいつ(ディーン)はあたしのことなんて何とも思ってないに決まってる、、、 と、自分の人生が自分ひとりの思い通りにならないことに苛立つ。 自分のことを、自分だけで決められないことに苛立つ。 でも、ほんとうは、 「苛立つ」対象は理不尽な現実じゃなく、不安で弱い自分なんだと気づいている。 妊娠するまでは、自分はひとりで生きられる、ひとりで生きていると思っていたリゾーリ。 自分の体内にある赤ん坊という他者を意識した途端に、自分という存在が、じつは 多くのつながり、多くの思いのなかで生きていることを考えさせられる。 クリスマスのとき、リゾーリは、初めて、自分が母親から愛されていることを実感する。 「お前も自分の子供を持ったら、その時きっと「愛」がどんな風に感じるか分かるよ」 自分が傷つくのが嫌ではねのけていたもの、それは「愛」だったんだ・・ 芽生えてきたものを素直に受け容れ、リゾーリは生む決心をディーンに伝える。。 そしてここが山場! まえにテスのところで書いたように、ディーンはリゾーリに 「刑事リゾーリではなく、ジェーンの部分を自分に見せろ、内側の部分を曝せ! 自分もそういう部分を曝すから」と言うと、 彼女は、勇気をだして言う。 「あたし、あんたのこと好きみたい」 うぐっ・・・ ここ、元の文は 「I think I love you」 だったんだよ~。 ロマンス小説を読む人なら、「I love you」がいかに重い言葉なのか、わかるよね。 英米人にとって「ラブ」は他とは違う言葉なんだ。 「愛してる」を言えないで苦しむヒーロー、ヒロインを山ほど知っている。 「I like you 」「I want you 」「I need you 」 君が好きだ、君がほしい、君が必要だ、、と「君を愛してる」は、根本的に違う。 like, want, need は自分が主体なんだけれど、love は相手が主体。 自分自身を全面的に相手に委ねる行為。 まさに白旗降伏に近いものがある。 like, want, need 花が好き、チョコレートが欲しい、金が必要だ、、 これらには、「心」を差し出す必要がないけれど、Loveは心を差し出す必要がある。 そんな言葉をリゾーリは勇気をだして口に出した。 それが「好きみたい」? まぁ、日本人的には、リゾーリの言いそうなセリフだ。 日本人版リゾーリなら、愛の告白を、意地を張ったような言葉で伝えるだろう。 でも、でも、やっぱり、ここは、生の自分の「心」を差し出したI love you を リゾーリがディーンに言ったんだ、ってことを強調してもらいたかったなぁ。。。 「あんたを愛してる、みたい」 ではダメだったのかなぁ。
更新の記録へ 書きっぱなしへ