2006年その6


Besos en la frente (1996 アルゼンチン)

英語字幕もスペイン語字幕も無いので、ごめんよ〜、なにがなんだか
さっぱり分からない。
若きスバラグリアの顔を見たいがために、アルゼンチンから購入(笑)。

レオナルド・スバラグリア26才のときの映画で、題名は、
「Kisses in the forehead 」 おでこにキッス ってとこだが、実際は
お口にもキスをするシーンがある(爆!)。

60才年上の、ってことは85才くらい? 裕福な老女メルセデスが主役で、
彼女は生きることに飽きあきしている(ようだ)。
息子1と娘2がいるようだが、彼らはお金をせびってばかり?
長年仕えてくれたメイドがいるが、仲は良くない、というか、メルセデスは
横柄な女主人で、メイドにきつい言い方をして、自ら孤独になってる?

そんなところに現れるのは若きシナリオライター、セバスチャン(レオ)。
彼にはチェリストの恋人がいるようなんだけど、この関係もなんだか壊れる寸前?

インタビューを受けるってことは、彼女は有名人ってわけなんだろう、
でも、一体なにで有名になった人なのか、さっぱり分からないんである(笑)。
声楽かなぁ・・・・(単に体格から判断 爆)

毎日彼と会ってしゃべるのを楽しみにしてしまうメルセデス、
いつしか恋に落ちてしまうメルセデスなんだが、、

みんな、しゃべる、しゃべる、雰囲気よりも会話が主体の映画なので、
ますます困る。
どんな心の奥底を明かしているのか、、、はて。。。

叶わぬ恋情と愚かな自分におよよ、と泣き崩れるメルセデスだったが、
ラストはふっきれたように、明るくレオに別れを告げ、
まだまだわたし、元気よ! とばかりに
娘や息子やメイドたちと大笑いをして、、、オチマイ。

はぁ〜? ご、ごめん、、だから、ワケがわからないんだってば。。(^o^;;

# ウヒ、長髪のスバラグリア、落ち着いた静かさで、格好よいですわ。


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日本以外全部沈没 (2006 日本)

筒井さんの原作はショートショートだったわけで、これを98分にしたせいで
やや凡庸。
みなみ会館の会員券で観たから良いけれど、定価(1800円)で見たら、
怒っていたかもしれない(笑)。

ドルが紙切れ、日本語が公用語、ハリウッドスターも安っぽいドラマ出演、
グラミー賞歌手が場末で演歌。
中国も韓国も日本にごまをする。
食料を輸入に頼っていたから、食料品高騰だが、鯨肉は食べ放題。
各国首脳ももはやただの人。国際問題も霧散し、バーでおしゃべりばかり。
老人ホームは外人苛めで盛り上がる。

そうだ、もっともっと毒を吐いてくれ、、と思ったんだが、、
意外とこじんまり進行する。
「良心」とか「みんな仲良し童話」とか、入れるこたぁなかった、と思うが。。

宗教ネタがないのが残念。国連と大国の首脳は登場するが、ローマ法王がいなかった。
中東関係もビンラディンもいない。
それに、北のあの方をもっとコケにしてくれたら、すかっとしたのになぁ。

#呆れるくらい、どの「そっくりさん」も似ていない。 受けを狙ったか?
#だが、最後までうちの息子はブルース・ウィルスがわからなかった(爆)。
#村野武範の安泉首相「ニッポン音頭」が個人的にはツボだった。
(2006.10.17)


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キンキー・ブーツ Kinky Boots (2005 アメリカ・UK)

ジョエル・エドガートン、映画見る前にネットで無骨なマッチョ写真をみて
あまりのイメージの違いにびっくり。
どこか溶け込めず、気の弱い一人息子チャーリーを丁寧に体現していた。
さらに、キウェテル・イジョフォーのローラもびっくり。この色気! すごいわ。

4代続いた紳士靴製造工場を突然の父親の死で相続したチャーリーは、
偶像視していた父親が実は売れなかった山ほどの在庫をずっと隠していたことを知る。
倒産寸前の工場を土地開発業者に売ったほうがよい、と進言する婚約者。
だが、とある偶然から、チャーリーは靴のニッチなニーズにこたえてみようと思い立つ。

わかりやすい展開だけれど、とてもいい気分で映画館をあとにできる。
ハートフルな作品だ。

父親との関係、これがチャーリーとローラ、ふたりとも背負っているもので、
HQでもそうなんだけど、父親との関係って、なんなんだろうねぇ、
見えない鎖のように人を拘束してるよねぇ。
父親が望むような人間になれなかった、父親の期待にこたえられなかった、
そんな劣等感、罪悪感を抱えたふたりが、父親を乗り越える、これが
もうひとつのテーマでもある。

靴をみるとその人がわかる。。はい、そのとおりでございます。
もっとお洒落でセクシーな靴をはかないとイカンなぁ・・
(2006.10.17)


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もしも昨日が選べたら Click (2006年 米)

邦題はちょっとニュアンスが違うかなぁ〜。
アダムお約束の、下ネタ大好きで下品一人受けギャグの映画なのかと思いきや
意外なハートフル映画で、目の奥が熱くなりそうだった。

アダム・サンドラー版「クリスマス・キャロル」である。
深夜に現れる過去、現在、未来の天使の代わりに、ユニバーサル・リモコンである。

アダム・サンドラー演じる、忙しすぎる建築家マイケル。
美しい妻(ケイト・ベッキンセールがやっている)と子供ふたりに割く時間も、
70年代ヒッピィ両親の相手をする時間もままならない。

そこに現われたる天才発明家、クリストファー・ウォーケン。
彼は森羅万象をあやつるユニバーサル・リモコンを取り出し、思うが侭に時間を
操れるが、返品不可能のお役立ちデバイスとしてマイケルにリモコンを授ける。

ってなわけで、これがよく出来てるんだ。

オートパイロット機能やスキップ、学習機能なんて、大笑いのツボ。
お手軽なリモコンを楽しんで笑っているうちに、はっとする。

限りある時間の愛おしさ、人生で大事なものを知的に見せてくれる邯鄲の夢であった。

クリストファー・ウォーケンが出ると、とたんにポイントが一点増える気に
なってしまうから不思議だ。
ふと思ったが、なんとなく國村準に似てない? え?似てない?

#マイケルの子供(娘と息子)
成長した息子の役を、アダムに良く似た(もちろん、ずっと細くてハンサム)青年が
演じていたが、彼はダスティン・ホフマンの息子だった。
成長した娘(思春期)はジャック・ニコルソンの娘、
その後の娘(結婚式)はディヴィッド・キャシディの娘だった。

2006.10.19

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トゥモロー・ワールド Children of Men (2006 UK・USA)

アルフォンソ・キュアロン監督。P・D・ジェイムス原作。

近未来ものはとても難しいね。
宇宙船が飛んでいたりレプリカントがいるわけじゃないし、核爆発後の世界と
いうわけでもない。すぐそこにある未来を描かなくてはならない。

この映画は実にリアルで、手が届きそうな未来なんだ。
第三次世界大戦などが無くても、ほんの数十年で世界はこれくらい変わるかもしれない。

わたしの年齢になると、20年ってついこの間のようでもあり、
ユーミンのアルバムになんら違和感を感じなかったり、当時のドラマを
すぐに思い出して、時がたっていないように感じたりする。
だけれど、一部分を見ると(たとえば携帯電話やWEB)、20年というのは
びっくりするほど世界が変わる時間でもあるんだ。

映画は2027年という設定で、変わらないようで、変わってしまった世界を描く。

その世界では、子供が生まれない。世界中で子供が生まれない。

これは未来を失うことを象徴しているよね。

わたしは今まで無意識に未来を想定していた。具体的に100年後がどうかとか
考えたことはないけれど、未来に生きる者たちがいると当然のように考えてきた。
映画を見て、自分の無自覚にはっとさせられた。

「100年後にこれを見る人がいないのに、なんのためにとっておくのだ」
ミケランジェロのダビデ像を指して主人公は言う。

世界最年少が18才である世界・・・
人間社会が、簡単に連続性を失う瀬戸際にいるってこと、考えてもみなかった。

そして、この映画で一番恐ろしいことなんだが、命の連続性が貴重であることを
人は嫌というほど分かったにも関わらず、あいも変わらず
主義主張は反撥しあい、テロは街を蹂躙し、民族は憎しみあい、「殺し」あう。
未来は霧にただよう小舟のようだ。


# 映像がドキュメンタリータッチなので、迫力あるんだけれど、
正直、BMWの「Powder Keg」を見ていなかったら、もっと賞賛したかもしれない。
あれを知ってしまったあとで、これを見ると、妙に似ているので点が辛くなっちゃうよね。

# クライブ・オーウェンは、いいね!
面倒なことに巻き込まれたくない、シニカルな男。
決して超人的な力があるわけでもないし、特殊訓練を受けているわけでもない。
そんな男が、誰も真似できないほど真剣に力を尽くしてくれる。
分厚い面の皮の内側に愛がある、、そんな人なんだよなぁ。うっとり。


2006.11.21

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ジャケット The Jacket (2005 アメリカ)

ありゃりゃ、前知識なしで観たけど予想していたものと全然違ったわ。
ジャケットって「拘束服」の事だったのね。

ストーリーはハインラインの「夏の扉」のようなものだったんだ。

映画はというと、、ホラーサスペンスじみた仰々しさが、あまり好みじゃなくて
ごめんねぇ。
でも、エイドリアン・ブロディはもの凄いわ。
わたしはこの役者さんの映画を初めて観たんだけれど、もうもう驚き桃の木。
すげぇ変な顔だと思っていて、どこがいいんじゃい、と思っていたけれど、
いやいや、いいじゃないの、ものすごい演技力じゃないの。
あの瞳、あの表情。なんか、圧倒されてしまいましたよ。

んでもって、あのルーディ役の人が、新ジェームズ・ボンドなんだ、えーびっくり。
ルーディもすごく良かったんだけど、全然英国紳士って感じじゃなかったし、
ひゃ〜、役者って凄いわ・・・

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ジェーン・エア Jane Eyre (1983 UK)

ティモシー・ダルトンとZelah Clarke のコンビ。
BBC製作、30分、11エピソード

これはとてもとても評価の高い「ジェーン・エア」なんだけれど、、
ごめんなさ〜い、、ジェーンがどうしても、わたしには合わなかったの。。

もしもこれが舞台だったら、OKだったと思う。
でもテレビ画面となるとねぇ。。
ジェーンって18か19じゃなかったっけ?
Zelah さんはとても上手いんですけど、ふ、ふ、ふけてる・・・

不器量なジェーンは、確かに原作にあっているんだと思う。
でも、一方のティモシー・ロチェスター様がハンサムで若くて、

ほんまにふたりの間にロマンスが燃え上がるっつう実感がわかなかったんだ。

さらに大問題なのは、英語を分かっていないから、名セリフなのかそうじゃないのか、
原作に忠実なのか、そうではないのか、
よくわかんないんだよねぇ。。

外国人が日本の映画をみて、「ぼうやだからさ」のセリフが、「子供だからさ」に
変わったところで「You are not enough old」だとしたら、怒らないのと同じで
そういう所の味わいは鼻から諦めてるんだ。

となると、ビジュアルが大事なんだよねぇ・・
ジェーン・エアに求めているものが、ロマンスだってことがバレバレ(汗)

2006.09.20

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