Theresa Weir の名前を知ったのは今年の２月です。
自分の好きな作家を足がかりにネットをうろついていたら、彼女の「Last Summer」を推すページにぶつかりました。

彼女の作品はよくアンチヒーローものと呼ばれるそうです。
アン・スチュアートのようなデモニックなヒーローという意味じゃなくて、
頼りなくて自信なくて、不安定なダメ人間系のヒーローという意味だそうです。

最初に　Last Summer　を読んで、感情描写の細やかさ、気持ちを掘り下げる深さに驚きました。
ウィットのきいたセリフ、ちらっと見せるユーモア、優しさ、人間を描くのがとても上手いです。
でも、万人に勧められるタイプのロマンスではありません。
エモーショナルなスタイルです。感情をひっかきまわされます。
自分の内にある醜い部分、見たくない部分を引っ張り出されたような、苦しさを感じました。

ヒーローもヒロインも生身の人間で、パーフェクトではありません。
一生懸命に生きているけれど、誰もが犯すような過ちをして、人を傷つける事を言ってしまったり、、。

そして、One Fine Day を読んだあとは、もう、ロマンスを読めなくなりそうでした。

あまりに重くて、辛くて、、うちのめされそうになりました。
このあとアーバン・ファンタジーばかり読んだのは、そういうわけです。
ロマンスと名の付く薄っぺらな本に我慢ができなかったんです。だからといって、
深刻なロマンスを読むのはもう勘弁！という気持ちだったんです。

ひと月過ぎてようやく落ち着いて普通のロマンスを読む気になりました。

Theresa Weir は、たかがロマンス、されどロマンス　そういう作家さんです。